Another WWⅡ!   作:永遠のZero

3 / 25
主人公以外の登場キャラ概略その1

陸軍

武部沙織
年齢・23歳~25歳
身長・159㎝
出身・茨城県
所属部隊・満州方面軍
役職・戦車一個中隊長~戦車一個大隊長
階級・大尉~少佐

五十鈴華
年齢・23歳~25歳
身長・167㎝
出身・茨城県
所属部隊・満州方面軍
役職・戦車一個中隊長~戦車一個大隊長
階級・大尉~少佐

冷泉麻子
年齢・23歳~25歳
身長・150㎝
出身・茨城県
所属部隊・満州方面軍
役職・戦車一個中隊長~戦車一個大隊長
階級・大尉~少佐

秋山優花里
年齢・23歳~25歳
身長・159㎝
出身・茨城県
所属部隊・満州方面軍
役職・戦車一個中隊長~戦車一個大隊長
階級・大尉~少佐


海軍

宗谷ましろ
年齢・23歳~25歳
身長・165㎝
出身・長野県
所属艦艇・長門~金剛
役職・長門砲雷長~金剛艦長
階級・少佐~大佐

知名もえか
年齢23歳~25歳
身長・164㎝
出身・長野県
所属艦艇・長門~陸奥
役職.長門船務長~陸奥艦長
階級・少佐~大佐

宗谷真冬
年齢・26歳~28歳
身長・166㎝
出身・長野県
所属艦艇・長門
役職・長門艦長~?
階級・大佐~少将


空軍

坂本美緒
年齢・23歳~25歳
身長・165㎝
出身・佐賀県
所属・海洋航空総軍
搭乗機体・零戦21型~零戦43型
役職・戦闘機パイロット(1個飛行大隊長~1個飛行戦隊長)
階級・少佐~中佐



1937年~1939年
陸、海、空、それぞれの始まり


1937年初頭、ナチス総統が暗殺されナチス政権が崩壊した。

同年春、イタリアのファシスト政権が崩壊した。

同年秋、ソ連が世界征服の準備を始め、アメリカは日本との開戦を望んでいる。

また、日本も満州事変などが原因で中国との開戦は避けられず、アメリカとも一触即発状態である。

 

この様な不穏な噂の数々が日本中を飛び交い、1937年の7月には日本が中国と開戦、日中戦争が始まった。

 

 

1.陸

 

同年初夏、茨城県は水戸、日本陸軍第51師団司令部がある。

この場所にはこれらの噂から二度目の世界大戦を覚悟しなくてはならないと日々訓練に励んでいる兵士達がいた。

 

そんな中で基地の一角に一際大きなエンジン音と砲声が鳴り響く区画があった。

第51師団所属の一個大隊には試作の新型戦車の走行、射撃訓練をせよとの命令があり、今正にその真っ只中である。

しかし、戦車部隊はまだ結成されてまだ日が浅く、ようやく戦車部隊と呼べる様な戦車部隊が投入されたのは同年の初春である。

そして日本初の戦車大隊を指揮するのはまだ20代の若き女性士官、西住みほ少佐であった。

現在、日本陸軍の女性士官は10%ほどであるが陸軍上層部はもしソ連などの本格的な機甲軍と渡り合えるとすれば、例え日本広しと言えどもこの西住みほを置いて他にはいないと言われていた。

 

みほ「四式中戦車、以前の軽戦車紛いの奴よりはマシだけど・・・、秋山さんはどう思いますか?」

 

訓練の様子を見ているみほは不安げな表情で副隊長の秋山優花里大尉に問いかける。

 

優花里「ソ連の主力はT-26やBTといったところですが 現在開発、もう実践配備されている可能性すらあるT-34がとても厄介です!、こちらが得たデータではT-34はドイツ軍のティーガーなどに匹敵すると言われるくらいでありますから!」

 

T-26軽戦車やBTが相手であれば四式で十分対抗できるがそれでも優花里は自軍が不利である事を述べる。

 

みほ「T-34か・・・」

 

優花里「仮にT-26のみだとしても敵は数百~数千の大軍、こちらはまだ我らの一個大隊、およそ60輛のみ、物量で勝てません!」

 

もしアメリカやソ連と戦争になるならば陸軍の主力は戦車であるという意見が多く発せられ、軍上層部はすぐさま新型戦車の研究開発を開始した。

そしてその中で最も重要なのは高性能な中戦車でかつ量産できる事にあるという意見が最も多く、西住みほもその一人である。

 

優花里「隊長、武部沙織、五十鈴華、冷泉麻子、各中隊長から通信です。」

 

沙織「こちら武部大尉、部隊行動訓練を開始します!」

 

華「こちら五十鈴大尉、射撃訓練を開始します!」

 

麻子「こちら冷泉大尉、走行訓練を開始します!」

 

みほ「了解!」

 

この日も訓練は日が落ちるまで続けられた。

 

そして翌日もまた厳しい訓練である。

 

みほ「パンツァーフォー!」

 

みほの一言で60輌の戦車が隊列を組み一斉に走り出す。

一見すればそれは一昔前の武田騎馬隊の様に統率の取れた部隊行動の様に見えた。

 

みほ「戦車戦は部隊のコンビネーションが最重要です!、列を乱さない様に!」

 

この日は一個中隊15輌が縦に並びながら走行し、流鏑馬の様に走行しながら連続攻撃を浴びせるという物である。

 

記録員「秋山中隊命中60%、武部中隊命中55%、五十鈴中隊命中75%、冷泉中隊命中65%です。」

 

みほ「私達戦車部隊は結成されてからまだ日が浅いというのにいきなり隊全体の命中率を80%以上にしろとは・・・、先が思いやられます・・・」

 

みほはその日の訓練結果を見て中々命中率が上がらない事に頭を抱えていた。

 

師団長「西住、ちょっと良いか?」

 

みほ「師団長、はい、大丈夫です。」

 

冬の寒さの中、より一層激しさを増した訓練で疲れ果てていたみほを第51師団の師団長を務める男性が呼び止める。

 

師団長「実はな、あなたの母上、西住しほ大将閣下よりの便りで、日本は間もなく中国と開戦する事となった。」

 

みほ「何ですって!、日本はついこの間、中国と和睦したばかりではありませんか!」

 

一度は中国と開戦した日本であったがソ連の動きを不穏に感じた中国は同年の冬には互いの領土に踏み込まないという条件で和睦していたのである。

 

師団長「和睦した相手は中国は中国でも国民党軍、仕掛けて来たのは共産党軍だ。」

 

みほは師団長の言葉を聞いて納得した。

 

師団長「ソ連と中国共産党は根本的なイデオロギーが似ておるからな、ソ連との同盟計画もあるとの情報を得たそうだ。」

 

みほ「では・・・」

 

師団長「ソ連との開戦も、やもう得んとの事で、西住、お前は直ちに部隊を率い旅順経由で満州に向かって貰いたい。」

 

みほ「わかりました。」

 

年明け前の1937年12月上旬、みほは自身の戦車一個大隊60輌、兵員は戦車兵、歩兵(臨時の戦車兵)、工兵、衛生兵など合計500名ほどであった。

そして旅順港から上陸、味方と合流しつつ満州へと進軍を開始した。

 

 

2.海

 

同年冬、神奈川県は横須賀、日本海軍の一大拠点の1つである横須賀鎮守府がある。

中国共産党軍との戦争が新たに開戦し、ソ連参戦の動きもあるため海軍は主力の1つ、戦艦長門を旗艦とする第一艦隊を中央の拠点である呉から横須賀で補給を受け、北の拠点である大湊へと同年冬までに移動を開始した。

もしソ連とも戦争になった場合、海軍はオホーツク海、ベーリング海を抑える事が最も重要でありその先駆けとしてソ連海軍の東の拠点であるウラジオストクの攻略が優先される。

 

そしてこれから起こるであろう戦に参加するため長門に乗り込んだ若き女性士官の一人、長門航海長の岬明乃少佐は瀬戸内海より太平洋側に抜け大湊を目指す航路を取るための舵を切った。

 

明乃「艦長、航海は至って順調、後半日もあれば大湊に到着するでしょう。」

 

明乃の言葉に長門艦長の宗谷真冬大佐がケラケラと笑いながら答える。

 

真冬「そっか、このまま何も無く着いちまうのかー。」

 

右舷見張り員「右舷120°に敵戦艦!、砲をこちらに向けています!」

 

しかし突然静寂は破られた。

見張り員のこの一言で艦内が一気に緊張に包まれた。

 

真冬「ほう、最大船速!、取り舵20°!」

 

明乃「最大船速!、取り舵20°!」

 

真冬は冷静に指示を出し明乃が左に舵を切る。

 

右舷見張り員「着弾今!、本艦後方に着弾!」

 

真冬「戻せ!、今度はこっちから行くぞ!」

 

明乃「了解!、戻せ!」

 

長門は敵艦の砲撃を回避したと同時にコースを戻す。

 

真冬「右舷後方砲撃戦!」

 

続いて真冬は長門砲雷長であり宗谷真冬の妹、宗谷ましろ少佐に攻撃命令を出す。

 

ましろ「了解!、右舷後方!、方位135°!、距離12000m、主砲斉射!、撃てーーー!」

 

ましろの命令と共に戦艦長門の誇る41㎝連装砲4基8門が一斉に火を噴いた。

 

後方見張り員「着弾までおよそ30秒!、ああ!、敵艦発砲!」

 

真冬「衝撃に備えろ!」

 

ましろ「次弾用意!」

 

後方見張り員「命中今!」

 

真冬「どうだ!」

 

後方見張り員「命中弾1!」

 

右舷見張り員「右舷後方に敵弾1発命中!、砲手を始め人員10名負傷!」

 

これは訓練である。

当然ながら敵艦など存在しないし負傷者などいるはずがない。

長門の放った砲弾は海上にある紙の的を貫いただけであった。

 

右舷見張り員「敵艦引き上げて行きます!」

 

真冬「そうか!、戦闘用具納め!、各部署集計急げ!」

 

真冬がこの一言を放ってから立て続けに艦橋へと報告が入りそれを船務長の知名もえか少佐がまとめた。

 

もえか「現時刻19:30、訓練終了、なお副砲員1名負傷、主砲を撃った時の衝撃で頭を撃ったとの事です。」

 

真冬「おいおい誰だその根性無しは!」

 

もえか「予想外の負傷ですね、艦長、訓練その物は5分の遅れです。」

 

真冬「5分か、まあいい、1月前の10分遅れに比べたらましだ。」

 

ましろ「はい。」

 

真冬「訓練終了!、大湊に進路修正!」

 

明乃「了解!」

 

真冬「しっかし退屈だな。」

 

訓練を終え一息ついた真冬はケラケラ笑いながらそう言い、ましろは呆れながら答える。

 

ましろ「艦長、平和なのが一番です。」

 

もえか「この艦にはまだ今年兵学校を卒業したばかりの新人たちが多いですから、今敵と遭遇戦にでもなったらこちらが不利です。」

 

真冬「ほう、うちの砲雷長と船務長は随分と冷静なこって。」

 

余談ではあるが現世界では海軍が最も早く女性士官を取り入れた。

理由は科学技術が進むにつれ最も自動化しやすく、また直接戦闘に関わる可能性が一番低いからであった。

それゆえ海軍の女性士官は既に30%を超えているため、優秀な者は本部や主力艦隊の要職などに就く者が増えた。

知名もえか、宗谷ましろはその中でも生粋のエリートであったがこの岬明乃の成績はごく平凡でエリートとは程遠い物であった。

しかし実践能力、特に戦闘指揮や人命救助、更には教官としての才を見込まれこの場に立っている。

 

その日の夜、当直となった明乃と真冬は二人、艦橋にて少しばかり話し込んでいた。

 

真冬「聞いたか岬、もう陸じゃあドンパチが始まってるらしいぜ。」

 

明乃「はい、私も聞きました。」

 

真冬「中国との戦争が集結して一段落着くのかと思ったら今度は共産党軍の方から攻め込んで来るとは、おまけにソ連参戦の疑いありと来た。」

 

明乃「中国国民軍はシナ、日本陸軍は満州でそれぞれ中国共産党軍と戦っています。」

 

真冬「岬、ウラジオストクの意味を知ってるか?」

 

明乃「はい、”東を征服せよ”、です。」

 

真冬「さっきは気軽にあんなこと言ってシロに怒られたがな、今回ばかりはアタシだって本気だ!、ソ連が参戦して来たらウラジオストクは真っ先に落としてやる!、奴らに日本国の土は踏ませねえ!」

 

明乃「はい!」

 

それから夜が明ける頃には先頭を行く旗艦長門を始め第一艦隊の艦艇の殆どが青森県は陸奥湾、大湊鎮守府に到着、後からやって来る予定の空母部隊を待ちながら新人育成のための訓練を連日行っていた。

 

 

3.空

 

同年夏、広島県は呉市、ここにこれから戦争で最も重要な戦力の1つとなる航空母艦、通称空母が2隻ほど停泊していた。

天城型空母、一番艦の天城と二番艦の赤城である。

そしてその上空では空母への発着訓練を行う日本空軍、宮藤芳佳少尉と芳佳が率いる飛行小隊3機が旋回飛行をしていた。

そしてそれを終えた芳佳の小隊は所属艦である天城への着艦態勢には移る。

 

整備班長「宮藤さんの小隊が帰って来たぞ!、準備しろ!」

 

班長の一言で整備士達が直ちに配置に着き、その数秒後には小隊の3番機が着艦体制に入り、そして着艦した。

 

3番機パイロット「ぐあっ!」

 

しかし彼の機体は着艦し、機体を止めようとしたが速度が落ち切っておらず機体尾部のフックにストッパーのワイヤーが引っかかった瞬間、機体が一度前かがみになりそして勢い良く甲板に叩き付けられた。

 

3番機パイロット「ケツが!、痛ってーーー!」

 

整備士「あははは!」

 

続いて2番機が着艦して来たがこちらも同様に速度が落ち切っておらず、勢いよくお尻を打つ羽目になった。

 

2番機パイロット「畜生!、痛ってえなーーー!」

 

整備士「空母への着艦は陸地への着陸とは一味も二味も違うぞ!」

 

2番機パイロット「ああ、違いねえ!」

 

後方見張り員「宮藤機、着艦態勢に入ります!」

 

3番機、2番機と着艦を終え最後に隊長である芳佳の機体が着艦態勢に入る。

 

芳佳「角度よし・・・、速度低下・・・、高度下げ・・・、足下し・・・」

 

すると芳佳の機体はまるで艦に引き込まれるかの様に何事も無く着艦した。

そしてそれを見た艦乗務員や航空要員達が一斉に賞賛の声を挙げた。

 

芳佳「ふうー。」

 

整備士「凄いですよ宮藤少尉!、これほどの短期間でここまで慣れてしまうとは!」

 

芳佳「私にはよくわからないけど、まぐれかな?」

 

すると機体から降りた芳佳の元に彼女が所属する第一航空戦隊、一航戦の通称で呼ばれるこの部隊の戦闘航空一個大隊長である坂本美緒少佐がやって来た。

 

美緒「空母への着艦はまぐれで成功するような代物ではない、お前の日頃の努力の成果だ。」

 

芳佳「坂本少佐!、お疲れ様です!」

 

美緒「いよいよ出撃が近い、これからが肝心だ!、しっかり頼むぞ!」

 

芳佳「はい!」

 

この宮藤芳佳はこの代で戦闘機パイロットとして最強と言っても過言では無い。

日頃から厳しい訓練を受け、また座学にも励みトップの成績を収めて来たが、芳佳曰く”戦闘機は乗れば乗るほど身体と馴染んで行く様である”と言えるほどに操縦に慣れるのが早かった。

 

しかし、芳佳を始め空軍はまだ発足されてから非常に日が浅くどの部隊も実戦こそまだであるが、その腕は確かであり今後の新たな主力戦力として期待されている。

 

美緒「戦闘機隊皆聞いてくれ!、我ら海洋航空軍の初陣の日が大間かではあるが決まった!」

 

その第一報として美緒自身が率いる戦闘機一個飛行大隊のパイロット48名を召集し、待ちに待った初陣の日を伝える。

すると集まったパイロットは勿論、艦乗務員や整備士達も緊張しながらも活気に溢れていた。

 

美緒「正確な日付までは分からんが、早くて1939年の夏!、皆より一層訓練に励む様に!」

 

そして美緒が言葉をいい終えると辺りから"おおーーー!!"という叫び声が挙がった。

士気は大いに大である。

 

芳佳「2年後か、もっともっと頑張らないと!」

 

1937年冬、空軍はまだ実戦配備されていないが陸軍は旅順から満州にかけて作戦行動に入り、海軍は大湊に主力の1つを配備、いずれも準備を終わらせ作戦行動に入っていた。

 

どう足掻いても、もはや戦争を避けることは出来ない。

 




序盤戦開始です!

陸軍では坂の上の雲、海軍ではジパング(訓練部分のみ)、空軍では永遠の0にあった描写を少々使用しました。

始めは陸軍主体で進めて行きます。
これからどんどん激化させていくつもりなのでこれからもどうぞ宜しくお願い致します。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。