Another WWⅡ!   作:永遠のZero

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主人公以外の登場キャラ概略その10


海兵隊


内田まゆみ
年齢・25歳~27歳
所属・日本海兵隊第一海兵師団
役職・海兵1個中隊長~海兵1個大隊長
階級・中尉~少佐

勝田聡子
年齢・25歳~27歳
所属・日本海兵隊第一海兵師団
役職・海兵1個中隊長~海兵1個大隊長
階級・中尉~少佐


サトマユの登場です!
とは言った物の激しいドンパチやスパイアクションは今回は無いのでご了承ください。


スパイ大作戦です!

1940年10月、陸軍と海軍がとある作戦書を提出した。

そしてその内容は珍しく陸海軍双方の一致を見せた。

 

東条「潜入工作・・・、まさか同時期に海軍でも考えられていたとはな・・・」

 

真雪「我が海軍とて、いくら優勢でも敵の全容を知らずに戦うのは些か無謀では無いかと感じましてね。」

 

千代「こちらも同じ意見です。」

 

東条「これから先、更に戦は激化するでしょうから、攻撃目標であるハルビンの正確な戦力を知っておく必要があります。」

 

米内「では、陸軍さんはハルビンにスパイを派遣すると言う事ですかな?」

 

東条「ええ、海軍さんはウラジオストクですかな?」

 

この陸海軍首脳会議によって陸軍陣営はスパイをハルビンへ送り込むことを既に決定していた。

更に海軍がスパイを派遣するとなればそのスパイをウラジオストクに派遣するだろうと東条はじめ皆が考えていた。

 

真雪「いいえ、我ら海軍のスパイはマガダンの港に派遣します。」

 

千代「マガダンですか、しかしあそこの軍港の規模はそれほど大きくありません。」

 

しかし、東条のこの問いに対し真雪ら海軍陣営は全く別の方針を伝えた。

 

真雪「ええ、ですがいまマガダンに地元住人の内通者がおりますので、我が海軍のスパイはその内通者と接触し情報を得る事を第一としています。」

 

東条「内通者とは?」

 

真雪「はい、今現在、ソ連国内にて僅かでありますが確実に反スターリン政権を掲げている者達がいるとの情報を得ており、少し前にもスパイを派遣したところまず間違い無いかと思われます。」

 

米内「その中に海軍に通じる者やフリーのジャーナリストなどもおります。」

 

真雪「さらに彼らの中にコラ半島のムスマンスクとマガダンを行き来している者がいるため、ひょっとした敵が建造中の超大型艦の情報が手に入るかも知れません。」

 

ソ連が建造中と思われる超大型艦、もしそれが完成すれば厄介な事になると真雪は考えていた。

 

東条「例の建造ドックか・・・」

 

真雪「はい、そこで我が海軍は海兵隊に協力を依頼、その中から海軍特殊陸戦隊に所属していた者から選抜分隊を組み潜入させます。」

 

東条「なるほど、我が陸軍は、秋山優花里中佐を指揮官とした特潜隊を用いるつもりだ、規模は歩兵1個分隊程度だ。」

 

この日の会議で陸海軍共同のスパイ作戦決行は同月下旬と決まった。

 

 

北海道では一段と冷え込みが激しくなって来た10月下旬の夜、北海道の宗谷海峡を小型艇で航行する一団があった。

海兵隊より選抜されたスパイ部隊である。

この部隊は大泊より樺太島を北上した後、ソ連領内に侵入、目的のマガダンを目指す。

そしてそのスパイ部隊に選ばれた10人の中に2人の女性隊員、後にウラジオストク攻撃にも参加する内田まゆみ中尉と勝田聡子中尉は他の隊員と同様に制服を脱ぎ一般市民を装った格好でマガダンに潜入を開始した。

 

聡子「ソ連は無茶苦茶寒いぞな・・・」

 

まゆみ「まさかこんなとこに何か月も居なきゃいけないのか・・・」

 

聡子「まあ、敵情視察だから仕方ないぞな。」

 

まゆみ「うん、敵艦隊の情報を手に入れられたら一攫千金狙えるかもだし!」

 

 

一方で満州の現地民を装いハルビンに潜入を開始した一団がいた。

秋山優花里が率いる陸軍のスパイ部隊である。

人数は海軍の3倍、選抜1個小隊30人程が潜入、ハルビンには現地民の他に多くの中国人も暮らしているため、優花里らスパイ部隊は潜入、スパイ活動に苦労はしなかった。

 

優花里「中国人に成りすますのも意外と大変、でもまあ、ソ連機甲軍団の最新鋭の戦車が勢ぞろい!、これを下すためにも私がしっかりしなくては!」

 

第1分隊長「隊長、南の戦力の大まかな数値です!」

 

第2分隊長「西側の戦力、集計終わりました!」

 

第3分隊長「東側も完了です!」

 

分かっていた事とは言え、各分隊の報告を受けた優花里はその内容に驚いた。

 

優花里「これはまた・・・、T‐26軽戦車800輌、T-34/76中戦車1000輌、T-34/85中戦車400輌、KV-1重戦車800輌、・・・、何という数と火力だ・・・、これに加え野戦砲や夜戦重砲が2000門、兵員は80万以上・・・」

 

小隊長「加えて中国共産党軍が40万!、対し我が軍は総ざらいしても60万程!、更に戦車や砲の数で火力の差もかなりあります!」

 

優花里「今回ばかりは攻めてこない事より、海軍がいち早くウラジオストクを落としてくれる事を祈ろう。」

 

陸軍としては海軍、空軍、海兵隊がウラジオストクを攻撃、この120万もの大軍勢の目がそちらに向いている間に奇襲をかけ奪い取ると考えていた。

それを含め暗号化され敵情報は陸軍軍令部および参謀本部に送られた。

 

 

作戦開始から1月と数日が経った12月初旬、マガダン港の外れの町に拠点を置く海軍のスパイ部隊にようやく待ち人であった内通者がやって来た。

 

内通者「山」

 

まゆみ「川」

 

聡子「どうぞ。」

 

山、と外で答えたら、川、と答える決まりの合言葉を使って内通者を確認、迎え入れた。

 

隊員1「よくぞご無事で・・・」

 

内通者「これでもワシは元軍人じゃ、今だって漁師をしておる、大したことない。」

 

内通者は60過ぎの中老と言った感じの男性であった。

 

内通者「ほれ、あんたらが警戒している軍港のドックじゃ、上手く写真が写っておれば良いが。」

 

聡子「いえ、良く映ってますよ!」

 

まゆみ「サンクトペテルブルクの軍港まであるのですか!」

 

内通者「ああ、向こうに同業者がおるからな、まあ、奴らの目を掻い潜って来るのは些か疲れるがのう。」

 

内通者はそう言いながら笑い飛ばす。

 

隊員2「本当に、良く、ご無事で・・・」

 

内通者「あんな間抜け共に捕まるかよ!」

 

まゆみ「サンクトペテルブルクの港に停泊中のは・・・、ガングート級かな?」

 

隊員3「後は駆逐に軽巡ばっかだな・・・、多少は重巡もいるが・・・」

 

聡子「ねえこれ、この奥の怪しくない?」

 

まゆみ「壁が邪魔でよく見えない・・・、けど何か作ってるのは確かだね・・・」

 

内通者「そのドックな、噂では貴国の長門型やドイツのビスマルク級を遥かに上回る戦艦を作る物らしいな。」

 

この内通者のもたらした情報はすぐさま暗号化され海軍軍令部へと送られた。

 

 

それから更に1カ月が経った頃、陸軍はスパイ部隊を撤退させた。

その理由としては情報の行き来がいくらかスムーズである事と、長時間報告を待つ必要が無いからである。

対しまだ決定的な情報を得ていない海軍は活動を続け、以前の報告から3カ月後の2月に有用な情報が舞い込んで来た。

 

内通者「自ら忍び込んで遂に捉えたぜ!」

 

そう自慢げに写真を渡す内通者。

その写真を見て驚くスパイ部隊。

 

まゆみ「でかい・・・」

 

聡子「260m、いや、270mはあるかな・・・」

 

まゆみ「主砲は16インチ、確かにこれなら長門型でもやばいね・・・」

 

内通者「こいつは来年には進水するらしいぜ、どうするよ日本海軍!」

 

この日から更に2カ月が経った4月、更なる有力な情報を得たスパイ部隊はこの内容をまとめ暗号化し軍令部に送る。

するとすぐさま撤退命令が下された。

 

まゆみ「(とんでもない事知ちゃった、今はあんたの逃げ足が欲しいね、鈴は元気してるかな?)」

 

海軍のスパイ部隊は痕跡を可能な限り消し、マガダンを去って行った。


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