Another WWⅡ!   作:永遠のZero

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どうもこんにちわ!
しばらく忙しかったため久々の投稿となります!
今回の内容は勿論、メイタマによる砲雷撃戦!
寒く真っ暗なオホーツク海での夜戦です!
今回もよろしくお願いします!



暗闇の水雷戦でピンチ!

連合艦隊の先発として出撃した第三水雷戦隊は一度、樺太南端の大泊にて簡単な整備と補給を受けた後、9月と言えど夜になれば肌寒さを覚えるオホーツク海へと突入した。

木村昌福少将指揮の下、マガダン港より出港しニコライフスクナアムーレ港に停泊中のソ連海軍オホーツク海艦隊への先制攻撃を目論む。

その間に軽巡神通を旗艦とする第二水雷戦隊は陽炎型駆逐艦12隻を導入し、ニコライフスクナアムーレ港とウラジオストクを結ぶ航路を封鎖するため、大陸と樺太の狭間に位置する間宮海峡の封鎖を開始した。

もしニコライフスクナアムーレ港の敵がウラジオストクを目指した場合は第二水雷戦隊が迎え撃つ算段である。

 

木村「そろそろ敵が現れてもおかしくない位置のはずだが、暗くて何も見えんな・・・」

 

芽衣「そんなところに我々が突如として現れたら敵さん驚くでしょうね。」

 

川内通信員「巡視船より打電!、敵艦見ゆ!、ニコライフスクナアムーレ港の沖合およそ200㎞!、本戦隊との距離は50㎞!」

 

芽衣「ほぼ予想通り!、総員撃ち方用意!」

 

巡視船からの情報を頼りに第三水雷戦隊は速度を上げ敵艦隊に接近、現在存在するオホーツク海の敵艦隊の数はそれほど多くないため、これを確実に叩く事が今後の作戦を優位に進められる鍵となる。

 

川内観測員「敵艦視認!、巡洋艦3および駆逐艦5!、真っ直ぐニコライフスクナアムーレ港を目指している模様です!」

 

木村「こちらにはまだ気が付いていないようだな!」

 

川内観測員「はい!」

 

木村「うむ!、最大船速!、同航戦に持ち込む!」

 

川内艦長「了解!、取舵一杯!」

 

川内航海長「と~りか~じ!、一杯!」

 

第三水雷戦隊は単縦陣のまま敵艦隊と同方向に進むため大きく左に舵を切った。

なお、敵はまだ第三水雷戦隊の存在に気が付いていないのか速度は依然として巡航速度のままであった。

 

川内観測員「本艦と敵艦隊との距離およそ40000m!、あ!、敵艦隊に動きあり!、速度を上げました!」

 

芽衣「そりゃあここまで近づけば普通気づくわなあ!」

 

木村「先頭のは重巡だな・・・、砲は15.5㎝か・・・」

 

芽衣「後ろの2隻は軽巡ですね・・・、流石に重巡3隻だったらきついですがこれなら!」

 

川内観測員「本艦と敵艦隊との距離およそ20000m!、敵艦主砲回転!」

 

木村「こちらの準備は整っているな!、西崎!」

 

芽衣「もちろんです!」

 

木村「では各艦!、砲雷長指示の目標!、撃ち方始め!」

 

芽衣「了解!、探照灯照射!、第一目標!、敵艦隊旗艦の重巡!、主砲!、撃ち方始め!」

 

志摩「撃てーーー!!」

 

川内砲雷長の芽衣は第一目標を敵艦隊の戦闘を航行する重巡とした。

そして攻撃開始命令と共に砲術長の志摩が発砲を指示、川内に搭載された6門の14㎝主砲が一斉に火を噴いた。

これを合図に後続の駆逐艦12隻もまた、一斉に12.7㎝主砲を発射した。

 

芽衣「魚雷装填急げ!、こいつがこの勝負の要だ!」

 

川内水雷員「「「はい!」」」

 

なお、芽衣は砲雷長と共に水雷長を兼任しており、雷撃指示は芽衣が行う事となっている。

 

志摩「主砲!、次弾装填!、目標変わらず!」

 

芽衣「魚雷発射管1番!、雷撃用意!」

 

川内観測員「弾着!、今あーーー!!」

 

砲撃から少し空いて、敵艦付近で水柱が立った。

 

志摩「命中ならず・・・、方位角度修正!、急げ!」

 

芽衣「距離、角度、相対速度よし!、撃てーーー!!」

 

そして水柱が立ったと同時に芽衣は魚雷発射管の微調整を行い、4発の93式酸素魚雷を放った。

 

志摩「撃てーーー!!」

 

続けて主砲が発射された。

 

川内観測員「あ!、敵艦発砲!」

 

芽衣「ようやく撃って来たか・・・、魚雷発射管2番!、雷撃用意!」

 

川内観測員「着弾!」

 

芽衣の命令で魚雷発射管が回転、敵艦の方を向いて行く。

その時、川内の付近で複数の水柱が立つ、敵の砲撃が着弾した。

15.5㎝砲弾は軽巡である川内に命中すれば決して小さくない損害を受ける事となり、最悪一撃で中破し兼ねない代物であった。

 

志摩「まだ敵のは初弾、精度は高くない・・・」

 

芽衣「うん、けど何発も撃たせたら精度が上がる!、それまでに仕留めるよ!」

 

志摩「Oui!」

 

敵砲弾が着弾した直後に川内の砲弾が敵重巡に命中した。

 

川内観測員「命中1発!、しかし副砲を1門破壊した程度で装甲を貫通できず!、また本艦の魚雷!、敵艦に接近!、着弾までおよそ45秒!」

 

川内艦長「やはり雷撃でないときついな・・・」

 

木村「重巡の砲撃をまともに受ければ一溜りもない!、距離18000mを保ちつつ雷撃で仕留めよ!」

 

芽衣「お任せください!、魚雷発射管2番!、撃てーーー!!」

 

魚雷の第一波が敵艦に到達する前に芽衣は第二波を放った。

 

川内観測員「魚雷接触!、今!」

 

芽衣「ちっ!、外れか!」

 

しかし、いくら航跡の残らない酸素魚雷と言えど発見されれば交わすのは難しくない、よって第一波は敵に回避行動によって全て交わされ、期待していた大きな水柱は立たなかった。

 

川内観測員「なお、後続の駆逐艦が雷撃を開始!、夥しい数の魚雷が発射されました!、その数70ないし80!」

 

芽衣「次弾装填急げ!、駆逐隊に負けるな!」

 

第三水雷戦隊の全駆逐艦が大量の魚雷を放った、だがそれは敵艦隊も同じことで5隻の駆逐艦から魚雷が一斉に発射された。

 

川内副長「ちょ!、良いんです司令官!、こんなに魚雷を連発しても!」

 

木村「我々の任務は敵艦隊の撃滅だ、出し惜しみはせん!」

 

川内観測員「あああ!、本艦に魚雷接近!、数4!、全て方位は同じです!」

 

川内艦長「先頭の魚雷の方位は!」

 

川内観測員「右130°!、距離3000m!、速度36ノット!」

 

川内艦長「面舵一杯!」

 

川内航海長「おもーかーじ!、一杯!」

 

川内は魚雷の進路に合わせ回避行動に移る。

 

芽衣「魚雷発射管1、2番!、微調整急げ!」

 

志摩「全主砲!、敵重巡の艦橋およびメインマストを狙え!、撃てーーー!!」

 

その間、主砲と魚雷発射管は回避行動で生じる誤差を修正、再び攻撃に移った。

 

川内観測員「魚雷回避!、更に味方魚雷!、敵艦隊接近!」

 

そして先ほど味方駆逐艦が放った魚雷が敵軽巡1隻に2発、駆逐艦2隻に1発ずつ命中、爆炎を噴き上げ航行不能となった。

だがそれと同時に味方駆逐艦の敷波と白露に魚雷が1発ずつ命中、こちらも爆炎を噴き上げ大破、沈没こそしなかったが戦線離脱を余儀なくされた。

 

 

ここまで戦闘開始から早4時間、敵味方共に砲雷撃精度はかなり上昇したが雷撃の威力と精度、さらに数で勝る日本軍が絶対優勢となった。

 

芽衣「敵重巡は艦橋をやられ指揮系統はマヒ、更に後続の駆逐艦も味方の攻撃でほとんどが中破以上。」

 

志摩「どうします、砲雷長?」

 

芽衣「主砲は目標を駆逐艦に変更!、重巡は雷撃で叩く!」

 

志摩「了解!、主砲は駆逐艦を狙え!、撃てーーー!!」

 

芽衣「これで終わりだ!、魚雷8門一斉射!、撃てーーー!!」

 

多数の砲撃と魚雷1発を艦尾に受けた敵重巡は既に18ノット以上の速度を出せなくなっており、雷撃の標的には持って来いの獲物であった。

そして、魚雷を3発受けたところで敵重巡は船体が真っ二つに折れ海底へと沈んで行った。

 

芽衣「敵旗艦撃沈・・・」

 

志摩「敵駆逐艦も沈黙・・・」

 

木村「敵艦はもうおらんか?」

 

川内観測員「はい、1隻たりとも・・・」

 

木村「うむ、撃ち方止め!、戦闘用具納め!」

 

芽衣「了解!、撃ち方止め!、戦闘用具納め!」

 

正式な日ソ開戦以来初の海戦は日本側に軍配が上がった。

敵艦隊8隻は全て沈没、敵軍の将兵1000人が戦死した。

しかし味方も駆逐艦4隻、深雪、叢雲、敷波、白露が大破し途中戦線離脱、それ以外にも中破程度の損害を受けた艦がほとんどであり、日本軍もまた400人に上る戦死者を出した。

 

芽衣「(いくら敵とは言え、人を殺めるのは簡単じゃあないね・・・)」

 

芽衣のこの時の心情は尋常でない物があり、いくらトリガーハッピーと言えど、実際に人を撃ち殺すのは流石に正気では無理だと語った。

 




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