Another WWⅡ!   作:永遠のZero

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主人公以外の登場キャラ概略その6

空軍

服部静夏
年齢・19歳~21歳
身長・160㎝
出身・愛知県
所属部隊・第一航空戦隊
役職・戦闘機1個小隊長~戦闘機1中隊長
階級・少尉~大尉

その他にも大空のサムライさんや零戦虎徹さん、魔王さんなど多くのパイロットが登場します。


これまでは陸軍主体でしたが、今回から空軍、海軍の登場回数が一気に増える予定です!
まだまだ至らぬところがございますがどうかよろしくお願いします。


ゼロ初陣す!

1939年9月1日のソ連がドイツ、イタリア、そして中国や日本、フィンランドなどに侵攻、ついに第二次世界大戦の戦火が世界中に広がった。

ヒトラーやムッソリーニが打倒され国家基盤の揺らぎが生じたドイツ、イタリアはソ連が誇る機械化装甲軍団を相手に大いに苦戦を強いられ、現在はドイツ軍のエーリッヒ・マンシュタイン元帥やハインツ・グデーリアン大将を司令官として国境にて防戦を強いられている。

しかし航空機開発にて先端を行くドイツ軍は不足した戦車の穴を埋める様に多数の航空機を投入しての交戦に移り、この時よりエーリカ・ハルトマンやゲルトルート・バルクホルンなどのエース達が多数誕生していった。

その一方で開戦と同時に国家の存続が絶望的とされていたフィンランドは名将カール・マンネルヘイム元帥指揮の下で行われた焦土戦術、ゲリラ戦、スキー兵の機動力を生かした対戦車戦術が功を奏しソ連軍に大打撃を与える奇跡を成し得た。

特に陸軍戦車部隊のミカや狙撃部隊のシモ・ヘイヘ、空軍のエイラ・ユーティライネンなどの活躍が敵に衝撃を与えた。

1939年12月末にはイギリス軍がフィンランドに、フランス軍やスペイン軍、オランダ軍がドイツ、イタリアの援軍として到着、同時にアメリカがソ連に宣戦布告を行い西部戦線に参戦した。

そして年が明けて1940年6月現在、東部戦線にはチェスター・ニミッツ大将率いる米太平洋艦隊とダグラス・マッカーサー大将率いる陸軍や独立部隊の米海兵隊がアリューシャン列島に到着、80万の兵を持ってカムチャツカ半島から上陸する計画を立てていた。

またセイロン島を拠点にしている英東洋方面軍はトーマス・フィリップス大将率いる東洋艦隊はシンガポール経由でシナ海に進出、陸軍はルイス・マウントバッテン大将指揮の下シナ海より上陸する部隊とインド経由で陸地を進む部隊に分け中ソ軍に攻撃を開始していた。

そんな中、依然として奉天を拠点とする満洲方面軍とハルビンを拠点とする中国共産党軍、ソ連軍は睨み合いを続けていた。

 

 

同年7月下旬早朝、空母天城がハバロフスクから約800㎞の洋上に到着、日本軍はハバロフスク爆撃作戦を実行に移した。

 

美緒「間もなく石狩基地より第一次攻撃隊30機が後1時間後に本艦の上空を通過する予定だ!、第2中隊は直ちに発艦開始!、第1中隊はもうしばらく待機だ!」

 

一航戦戦闘機パイロット「了解!」

 

一航戦司令官坂本中佐の号令と共に胴体と翼に日の丸印を描かれた明灰色の戦闘機、零戦21型の1個中隊12機が天城から発艦を開始、上空を通過する一式陸攻と合流して任務遂行のためハバロフスクを目指し飛行する。

 

芳佳「第1中隊、出撃準備をしつつ待機してください!」

 

今回の作戦に参加した第一次攻撃隊の護衛戦闘機パイロットには後のエース格となる坂井三郎や岩本徹三、笹井醇一が所属、次手の第二次攻撃隊の護衛戦闘機パイロットにも西沢広義、太田敏夫が所属している。

この日は零戦の初陣であると共にエース達の初陣ともなった。

 

 

まだ薄暗い空の下、高度6000m程を笹井の中隊と爆撃機3個中隊が飛行している。

 

笹井「こちら第2中隊長の笹井大尉だ!、これより我が隊は大陸上空に突入する!」

 

岩本「今日はよく晴れてるな・・・」

 

坂井「爆撃機隊は良く目立つ!、もうすぐ敵機のお出ましの可能性有だな!」

 

笹井中隊所属の各小隊長である坂井少尉と岩本少尉は爆撃機隊の左右に展開し警戒を続ける。

 

笹井「遠目に川が見えて来た・・・、ハバロフスクの敵基地視認!」

 

出撃からおよそ3時間、日が登り始めたと同時にハバロフスク上空に到達、それを知ったソ連軍は半ばハチの巣を突いた様な有様であった。

そして基地や市街のあちこちでサイレンが鳴り響く。

 

坂井「敵機は・・・、まだ来ないか・・・」

 

岩本「おいおい!、これ下手したら俺ら手ぶらじゃねえか!」

 

敵は慌てて戦闘機を飛ばそうとはしているがいずれもすぐには飛び立てないため手ぶらで帰るのが不満な岩本がぼやく。

そして爆撃機隊が爆撃を開始、投下された爆弾は敵基地に次々と命中していった。

 

笹井「こちら第2中隊、味方爆撃隊は尽く爆撃に成功、投下終了し次第すぐに引き返します!」

 

美緒「こちら空母天城、了解した。」

 

飛行場にはいくつもの穴が開き格納庫が吹き飛ばされ戦車、戦闘機は木っ端微塵となり基地のあちこちから煙が立ち上っていた。

 

坂井「ん?、あれは・・・」

 

笹井「どうした?」

 

坂井「10時の方向より敵機!、数は20以上!」

 

笹井「機種は分かるか?」

 

坂井「複葉機、恐らくI-16でしょう!」

 

岩本「I-16!、舐めくさりおって!」

 

そんな中、比較的被害を受けなかった航空基地からI-16戦闘機24機が飛び立ち爆撃機隊へと襲い掛かって来た。

 

笹井「まあ手ぶらが御免なのは皆同じかも知れん!、爆撃機隊が戦線離脱するまで我が隊で引き受ける!、戦闘開始だ!」

 

岩本「うっしゃーーー!!」

 

笹井から戦闘開始の許可が出たと同時に岩本が自身の小隊を引き連れ敵編隊に突っ込んで行く。

 

岩本「食らいやがれえーーー!!」

 

そして正面から7.7㎜、次いで20㎜機銃を発射、その直後に先頭の1機、続けざまに2番機が黒煙を噴き落下して行った。

 

岩本「うし!、次行くぞ!」

 

岩本の僚機もそれぞれ1機ずつ撃墜、会敵して僅か数分で敵機1個小隊が全滅した。

 

坂井「一人で突っ走るな!」

 

爆撃機隊を挟んで反対側にいた坂井の小隊は少々遅れて敵戦闘機隊と交戦を開始。

 

坂井「そら行くぞ!」

 

坂井もまた正面からすれ違いざまに1機、流す様にしてもう1機を撃墜した。

 

坂井「!!、後ろに付かれた!」

 

ところが数では敵が有利であるため坂井が交戦した部隊とは違う部隊の機体に背後を取られ、敵機は機銃を発射してきた。

 

坂井「しかし複葉機では!」

 

ソ連パイロット「!!、消えた!」

 

坂井「この零戦の運動性能にはついて行けんよ!」

 

だが坂井はそれを巧みに交わし、零戦の最大の特徴の一つである速力と運動性能を生かし一瞬で敵の背後に回り込み引き金を引いた。

 

ソ連パイロット「あ!、有り得ない!」

 

そして敵戦闘機は黒煙を上げる事無く空中分解した。

 

岩本「ほう、ひねり込みか!」

 

笹井「さて、爆撃機隊の戦線離脱完了、こっちも引き上げるぞ。」

 

坂井および岩本の飛行小隊が敵戦闘機部隊のおよそ半数、14機を撃墜した辺りで味方爆撃機隊が戦線を離脱、第一次攻撃は無事成功に終わった。

 

坂井「了解。」

 

岩本「できれば全部撃墜したかったぜ。」

 

笹井「まあそう言うな。」

 

それからすぐに護衛戦闘機隊も戦線を離脱、被害は皆無であった。

 

笹井「こちら笹井、作戦終了、第二次攻撃隊の作戦成功を祈る。」

 

芳佳「こちら第二次攻撃隊、後1時間ほどですれ違うと思います。」

 

笹井「了解。」

 

第一次攻撃隊が出撃してからおよそ2時間後、第二次攻撃隊が石狩基地を発進し、天城上空で芳佳が率いる護衛戦闘機と合流、ハバロフスクを目指し飛行を開始していた。

そして芳佳の発言通り、戦線を離脱からおよそ1時間後、第一、第二次攻撃隊が空中ですれ違った。

 

芳佳「お疲れ様です、後はお任せを。」

 

笹井「敵戦闘機来襲の危険性あり、お気をつけて。」

 

その最中で芳佳と笹井は偶然にも互いの姿が見える距離を飛行して来たので互いに敬礼を交わした。

 

芳佳「さて、次は我々の番です!、先ほど笹井大尉より敵機来襲の危険性ありとの報告を受けました!、皆さん気を引き締めて任務に当たって下さい!」

 

第二次攻撃隊「了解!」

 

更に40分後、第二次攻撃隊がハバロフスク上空に到達した。

 

芳佳「行きます!」

 

そしてこの出撃がきっかけで芳佳はトップエースとしての道を駆け上がる事になる。




次回は宮藤芳佳の本作における最初の空戦です!

どうぞご期待ください!

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