俺が一番好きな妖怪、ずばりタイトル通りです。そして、猫魈と猫又と言ったらあのキャラですよね・・・。
というわけで、ちょこっとクロスです。
それではご覧ください。
今日は日曜日。共働きの両親は仕事が休み。つまり、家族で出かける機会がほぼここしかない。そんなわけで、親父、母ちゃん、小町は家族で出掛けに行っている。いつものように俺を置いていき、留守番扱い。自分から希望したから当然だ。夜も遅くなると言われた。
「そんなわけで、今日一日、家の中で好きなだけ遊んでいいぞ。いっつも俺の部屋だけだったからな」
その掛け声と同時に、一斉に散らばりだした妖怪たち。うーん、見慣れたとんでもない光景だ。妖怪たちだけで大丈夫なのかと言われたら、案外心配ではない。雪と花は面倒見がいいため、大事は起こさないだろう。
「ちょっとスーパー行ってくる」
「「「「いってらっしゃーい」」」」
ただいまをもって、比企谷家のお家は、妖怪屋敷と化しました。
不足していたマッカンと、夕飯の買い出しを済ませ、帰路に就く。1人だし、誰もいないから贅沢をしてしまおう。俺の家事えもんスキルを披露してやる。置いてあった金は全部使ってやった。お釣り残さず丁寧にな。
しばらく歩いていると、一匹の黒い猫が視界に入った。何かを探しているのだろうかキョロキョロしている。
目があってしまった。それと同時に、こちらを見た黒猫は目を見開いて驚き、煙幕を張った。・・・また妖怪か。
「さて、今回はどんな妖怪だ?」
そう思いながら、煙幕が晴れるのを待つ。そして、現れたのは、和服を着た女性。黒髪ロングに猫耳が生えていて、尻尾が生えている。なにより目を引くのが、そのスタイル。いうなれば、ダイナマイトボディ。おまけに和服を着崩しているため、露出が激しい。俺も一応男子だ。抗っても自然と目がいってしまう。
その妖怪がこちらに小走りで走ってきた。
「ねえ!私のこと見えてるの!?」
「あ、ああ・・・」
「この辺で妹・・・・、白い猫を見なかったにゃ?」
「いや、見てないが」
「そう・・・。どこに行ったのかにゃ・・・」
「はぐれたのか?」
「うん。妹なの。白音って名前で、可愛いにゃ」
まさに迷子の迷子の子猫さんだな。猫と人間両方変身できる妖怪か・・・。
「猫又か?」
「ぶっぶー。ちょっと違うにゃ。私は猫魈。妹が猫又にゃ」
「とんでもない姉妹だな・・・。それで、どこではぐれたんだ?」
「え?一緒に探してくれるのかにゃ?」
「お前1人だけで、探せるのか?猫って気まぐれオレンジロード並みに行動範囲広いんだぞ」
「なにそれ?ていうか、白音は賢い猫又にゃ!そこまで遠くに行ってないにゃ!」
「はいはい。その前に俺の家来るか?荷物降ろしたい」
「わかったにゃ!ありがとうにゃ!」
お、おい!抱き着くのはやめてくれ!別に嫌じゃないが、その男の理想をそのまま模ったダイナマイトボディが、俺の平常心をいとも簡単に、崩れさせる。
「忘れてたにゃ。私は黒歌。よろしくにゃ」
「・・・比企谷八幡だ」
自己紹介を終えた黒歌は猫の姿に戻り、俺の肩に乗っかってきた。ポケモンゲットだぜ!けど、さらに肩が重くなった。
「ただいまー」
「あ、おかえりなさい。あの、この子なんですが・・・」
雪が困ったような表情で、腕に抱きかかえている何かを見せてきた。
白い猫だった。
「なんか、いつの間にか家に入ってたんだよね」
「ねこちゃんかわいい!」
「ほ~ら、口裂け女だぞ~」
「・・・なあ黒歌。ひょっとして、あれ?」
現在白い猫を探している俺らの前に現れた白猫。一応黒歌に確認。
「白音!」
「っ!姉さん!」
黒歌は白猫を見るや否や、妹だと確信し、人間の姿になり、白猫へと一直線。対する白猫も人間に変身し、黒歌に抱き着いた。
白音と言っていたな。姉とは違い、身長も小さく、謂わばロリッ子。マスコットみたいだ。
「もう!心配したんだから!」
「ごめんなさい」
「あまり離れちゃだめにゃ!」
「はい。姉さん」
感動の再会。一方、雪、シキ、くーちゃん、花は目を見開いてポカーンとしている。珍しい表情なため、一枚記念に撮った。
「その男の人は?」
「あ、白音捜しを手伝ってくれた八幡にゃ。ありがとにゃ」
「俺、ただ帰宅しただけだぞ・・・」
「でも、私をここに連れてきてくれたおかげで白音を見つけられたにゃ」
「えっと、八幡?ありがとう・・・」
「お、おう・・・」
何だろう、ロリッ子のありがとうは何故こうも響くのだろう。俺はロリコンじゃない。シキと一緒に寝ているからって、ロリコン扱いは困るなぁ。
「んで、これからどうするんだ?」
「ん?何って、いつものように街を徘徊するにゃ」
「いつもって・・・。よく飽きないな」
「慣れにゃ。八幡、お世話になったにゃ。じゃあね」
「さよなら・・・」
そう言って、手を振りながら、手を繋いで帰ろうとする、猫又と猫魈。何故か、その背中が寂しく思えてしまった。
「ねえ、八幡」
「ん?」
「たまになら、ここに来てもいいかにゃ?」
「おう、いつでも来い。俺にしか見えてないんだからな」
「ふふ、ありがとにゃ♪」
最後に笑顔を見せた2人は、猫の姿に戻って、この家を去った。
はずだった。
翌日
「きたにゃ!」
「こんにちは」
「・・・・」
結局こうなるわけね。今までの過程を振り返ったら、そんな気がしてたんだよ。
「いらっしゃーい」
「あそぼあそぼ!」
「白音ちゃん可愛い~!」
雪たちは歓迎して、俺の部屋に招き入れる。
もういいよ!こうなったらどんな妖怪もどんとこいだ!もう俺は知らない!壁をすり抜けられるなら、勝手に入って勝手に出てってよし!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ここからは分岐です。現在2つルートを用意していてどっちに進もうか迷っています。
決まんなかったら・・・・・・両方書くか!!
また次回。