妖怪たちとの非日常生活   作:”アイゼロ”

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はい、どうも、アイゼロです。

最近深夜にゲームをやることが多くなった。けど寝不足とは感じてない。俺の身体おかしい?

それではご覧ください。


口裂け女

おっかいもの♪おっかいもの♪

 

なんてCM昔あった気がする。そのCMを脳内再生しながら、現在妹に頼まれて買い物中。

 

安いからという理由だけで隣町まで買いに行かされ、疲労が尋常じゃない。しかも一気に買ったため、両手に大荷物。

 

「やっぱり、持ちましょうか?」

「いや、大丈夫だ。もしそれやったら、とんでもない光景になるから」

 

雪の心優しい助けに一言お礼を言いながら、日差しで熱されているアスファルトの上を歩く。ここからが本当の勝負だ。

 

道路から外れると、かなり高い石階段がある。これを登らなければ家へは帰れない。明日は筋肉痛だな。俺貧弱過ぎるだろ。重くなった足を一歩ずつ、重りのように持ち上げながら昇る。

 

しばらくすると、横からぞわりと気配がしたため、振り返ると

 

「私、綺麗?」

 

階段から外れた小道に白い服を着た女性が経っていた。黒髪ロングにマスク。そして今の言葉。

 

口裂け女か・・・。数秒の間。見つめながら沈黙が続く。

 

そこで俺がとった選択肢は

 

「・・・」

 

完全なる無視。もうその程度じゃ驚くどころか、何も感じなくなった。そのまま俺は階段を進む。

 

そして、何者かに肩を掴まれた。振り向くとさっきの口裂け女だ。

 

「私、綺麗?」

 

強引!この口裂け女強引だ!ていうか力強!

 

「ちょっと離れなさいよ!」

 

花が口裂け女を俺から離れさせた。その勢いでつけていたマスクを盗ると、俺らは戦慄した。

 

思った通りでも、思わずビビってしまう。口角が、普通の人よりずっと長く大きい。恐怖で足が動かない。妖怪には慣れたつもりだけど、ここまでリアルだとわけが違う。

 

「あれ?くーちゃん?」

「「は?」」

 

随分と親しげな口調の雪。俺も花も間抜けな声をあげてしまった。一方、雪にくーちゃんと呼ばれた口裂け女はビクッと肩を動かした。

 

俺は恐る恐る、雪に質問した。

 

「ゆ、雪の知り合いか?」

「そうです。幼馴染みなんです」

 

・・・お、幼馴染みぃ!うっそだろぉ・・・。雪女と口裂け女ってそんな関係だったのか?

 

また新たな衝撃事実に、もう俺の脳内許容量と順応性は人類で最強だと思った。

 

「ゆ、雪・・・」

「ほらほら。またこんなことして」

「んー」

 

雪が大きい袖で口裂け女の口周りを拭き始めた。すると、裂けているように見えた口は元通りになっており、雪の袖には赤い汚れが・・・。

 

「すみません。くーちゃんは元々私と似たような妖怪でして。それで、悪戯好きなので、よくこのようなことを・・・」

「成程なぁ。でも、俺以外には見えてないんだろ?意味なくね?」

「それが、くーちゃんは一時的に、普通の人にも見えるように姿を現せる力を持っているので・・・」

 

・・・マジか。まさかの能力系妖怪きましたか。

 

「てことは、まさか都市伝説で社会現象まで起こした口裂け女の正体って・・・」

「くーちゃんです」

 

まさに開いた口が塞がらない。あの、究極の選択肢を相手に責め、回答によっては残酷な殺し方をすると言われている口裂け女が

 

「ふふん!皆あたしにビビってねぇ。これほど楽しいことは無いよ!」

「くーちゃんやりすぎですよ」

「いいじゃんいいじゃん」

「もう!」

「あいた!」

 

無邪気な笑顔で、人を驚かすことを快楽として、雪とフレンドリーに接している。まるで、子供だ。容姿は雪と似ていて、顔は整っていて美人と言っても差し支えない。本当に綺麗なんだな。

 

「いやぁ~、それにしても驚いたよ。ずっとあたしのこと見えてるなんてさ」

「俺も口裂け女がここまで無邪気だったことに驚きだよ」

「あっはは。あんたといると面白そうだな♪ついてっていいか?」

「もう好きにしろ。今更増えたって問題ない」

「よし!よろしくね。くーちゃんって呼んでもいいよ」

「はいよ。くーちゃん」

「くーちゃん!これからはずっと一緒ですよ!」

「お、おい離れろ雪!恥ずかしいだろ!」

 

 

『仲睦まじいですねぇ・・・』

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

次話はちょっと特殊です。俺が妖怪の中で一番好きな妖怪が登場します。

また次回。

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