今回はホッコリーする回です。←(スプラ脳)
それではご覧ください。
現在、学校に向けて登校中。俺の右には手を繋いでいるシキ、左には袖をつまんでいる花、そして真上には雪という、とんでもない面子が俺を守っているかのようについてきている。
お、落ち着かない。
「」ヒソヒソ
「」ヒソヒソ
はぁ、もうあれから一週間というのに、未だに俺への陰口、蔑視は止まない。人の悪口ほど、楽しくて飽きないという事がよくわかる。
「この!」
いなくなったと思ったら、花が陰口をしていた男の股間を思いっきり蹴った。うわぁ、アレは痛い。
「いってぇ!何すんだお前!」
「は?俺じゃねぇよ」
「お前以外誰がいるんだよ!」
「んなこと言われても知らないもんは知らねぇよ!」
喧嘩勃発。元凶の花は満足そうな表情で戻ってきた。
「ふふん。八幡を馬鹿にする奴は許さないんだから!」
「あほ。やりすぎだ」
「はぅ。だ、だってあいつらが!」
「けど、ありがとな。怒ってくれて」
「うぇ、・・・エへへ」
つい頭を撫でてしまったが、まんざらでもない様子だ。妖怪のくせに髪さらっさらだ。
そして、その後も、妖怪の暴走は続いた。
一回目の休み時間。
「」ヒソヒソ
「」ヒソヒソ
「」クスクス
「おりゃあー!」
文房具をとにかく投げるシキ。
「うわあ!」
「まただ!どうなってんだよ!」
「いてえ!はさみが!」
二回目の休み時間。
「寒!」
「またエターナルブリザードだぁ!」
「逃げろ逃げろ!」
「きゃああああ!」
いつの間にか名前が付けられてた。
昼休み。女子トイレの方から
「きゃああああ!」
「何よこれ!引きずられるわ」
「こわいよぉー!」
「誰か助けてーー!」
俺の悪口をいう奴を片っ端から制裁している。さすがに見過ごせないため、家に帰ったと同時に全員正座させている。
「やりすぎだ」
「ごめんなさい・・・」
「すみませんでした」
「うぅ、ごめん」
怒られたことがないのか、本気で落ち込んでいるように見える。
「なあ、何でお前らは俺のためにそこまでしてくれるんだ?俺には理解ができない」
俺がそう聞くと、何言ってるの?と言いたげな表情で首を傾げた。最初に口を開いたのは雪だ。
「八幡さんが特別だからです」
「・・・俺が?」
「はい。私たちは、誰にも見られず生きていました。ここにいるシキさんや花さんも、私も寂しい思いをしていたんです。ですが、八幡さんは私たちの事が見えてます。しかも、怯えずに優しく接してくれました。私たちにとってこれほどの幸福は無いと思います。だから、そんな優しい八幡さんを馬鹿にするような輩は許せません」
っ・・・。そうか、こいつらは俺よりも孤独の寂しさを知っているんだ。俺なんかが可愛く見えるくらいに。
「・・・ありがとうな。これくらいしか言葉がねぇや」
「いえ、お礼を言うのは私達です。孤独から救ってくれてありがとうございます。・・・その、ちょっとしたお願いがあるのですが、いいですか?」
「おう、いいぞ。可能な限り何でもする」
「抱きしめてもいいですか?」
・・・・・ふぁ!え?抱きしめていいかって?
「あ、私も!」
「わ、私も・・・いいかな?」
続いてシキと花も賛同してきた。
「ど、どうしてだ・・・?」
「人のぬくもりというものを味わいたいのです。いいでしょうか?」
「・・・・ま、まぁ、何でもするって言っちまったし。仕方がない」
「本当ですか!それでは、失礼します」
胡坐の体勢の俺に正面から抱き着いてきた雪。背中からは花。脇腹のあたりはシキが飛びつくように抱き着いてきた。
「ふふ。とても暖かいです」
「うん。なんか、安心する」
「あったかーい!」
俺も何だか温かいわ。妖怪なのに、とても安心できる心地よさと温かさ。・・・なんだか、眠くなってきた。
「あれ?寝ちゃったよ」
「あらあら。それではベッドで寝かせてあげましょう。ふふ、寝顔が可愛いです」
最後まで読んでいただきありがとうございます。
中々筆が進みません助けてください。そしてなんか、とっくに完結してるシリーズがお気に入り登録1000いってました。ありがとうございます。
また次回。