いただいた感想に、『偉そうなこと言ってすみません』とありましたが、もっと言ってください。全然言ってくれちゃってOKです。その方が参考にもなりますし。
感想書いてくれてありがとうございます。
それではご覧ください。
今日は2月3日の節分の日だ。雑節の一つで、各季節の始まりの日(立春・立夏・立秋・立冬)の前日のこと。節分とは「季節を分ける」ことをも意味している。季節の変わり目には邪鬼が生じると言われており、悪魔祓いのため、豆をまいているのだそうだ。
てっきりこういった行事も妖怪たちは楽しむのだろうと思っていたが……
『…………』
妖怪一同、俺の持っている豆を涙目で見ながら、ぶるぶると震えている。この状態で近づこうとすると、『近づかないで!?』って本気で言われた。ちょっと傷ついた。
まさか悪魔祓いが妖怪にも通用するとは思ってもみなかった。試しに一粒モンちゃんにぶつけてみたが、『ギャーーー!』とめちゃくちゃ叫んでて、本気なんだと思い知らされた。コロちゃんの傘にも当ててみたが、傘のバリアがたった一粒で砕けてしまった。ちなみに花は即座にトイレに引きこもった。
「は、八幡さん!そんな物騒な物閉まってください!」
「はちまん、それ、やだ」
「「八幡そういう冗談は笑えないにゃ!」」
「っ………」
豆見せつけただけでこの有様である。ある意味鬼より弱いんじゃないか?妖怪って………。
「お前ら落ち着けって。分かった机の上に置いとくから。怖がんな」
俺はベッドのすぐそこにある勉強机の上に例の豆を置いた。はぁ、それにしても、まさかお祓いとかよりも効くとは。俺の中で豆まき用の豆は、最早魔除けの代物として認識した。
妖怪たちが縮こまるベッドの上へ、俺は寝転がる。もう緊張も意識もなんもしない。
「日本にはなんと恐ろしい行事があるのでしょう」
「廃止するべきにゃ……」
「しゃーねーだろ。邪鬼が悪戯なんてしたりしたから、こういう祓いの行事ができたんだ」
この俺の言葉に、皆一斉にとある妖怪に目を向けた。
「な、何であたしを見る!」
妖怪随一の悪戯好き、悪戯するためにあるような能力。もしかしたら、こいつが諸悪の根源なんじゃないか?妖怪って長生きらしいし。
「お前らって何歳なんだ?」
「さぁ、よくわかりませんね。少なくとも全員100歳超えてます。もちろんシキちゃんやコロちゃんも」
「へぇ、そうなのか」
「自分で聞いておいてその興味の無さは何ですか!」
妖怪って年取らねぇんだな。
「おーい、お兄ちゃん」
ベッドで横になってたら、眠くなってきたため、仮眠を取ろうとしたら、小町が入室してきた。
「あれー?豆まいてないじゃん!」
「あ?やだよ。掃除めんどい」
「ダメだよ!ちゃんとやっとかないと、鬼とか妖怪が居座っちゃうでしょ!」
遅い。もう居座ってます。
「おい待て小町。その握った豆をどうする気だ?」
「え?どうって、投げるんだよ。あ、お兄ちゃんにも当てて濁った眼を浄化しよっか♪」
「お前はっきりと俺をディスったな……。っつーか、こっちにはマジで投げるな!おいやめろ!」
「お兄ちゃん豆如きでビビり過ぎだよ。あはは♪おにはーそとー!」
『いやぁぁぁぁぁぁぁぁ』
俺に向かって投げられた豆は、後ろで隠れていた妖怪たちに見事に当たった。その瞬間、今まで聞いたことのない悲鳴が部屋を埋め尽くした。当然俺にしか聞こえていない。
あくまで標的は俺なわけだから、急いで部屋を出て小町をおびき寄せた。
その後、あんまりにも俺が豆から逃げていたため、小町には本気で心配された。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
次回完結。
また次回。