ルーキートレーナーに幸あれ   作:bakabakka

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今回は前までの話のこのと何が起きたんじゃー!ってとこの補てんやで

あとジョニーの解説だ

多摩袋雄(タマフクロユウ) 通称ジョニー 20歳
身長190後半 体重110㎏ 体脂肪率一桁

浅黒い肌で筋肉質の巨漢。ハゲ。あとなんか光沢がある。
目は簡単にいえばポケモンのタケシだ、細い。
変態で変人で超人。


ルキ「こんなことになってたんですかぁ…」

 

5話のけーちゃんたちが寝落ちしてからのお話し

 

~Side.ありす~

 

「くぁあぁ~」

 

少し肌寒さを感じ、だんだん私の意識が浮上してきます。

そうして目を前に向けると、

 

「すぅ…すぅ……」

 

静かな寝息を立てている文香さんが!

お宝です!ありがとうございます!

 

と、そこで自分が何を枕にしていたか視界にちらっと入ったもので分かります。

八つに割れた光沢を放つ浅黒い腹筋。

 

汚物です。存在が。見ててすごいとは思いますが。

 

慌てて身を起こします。そうすると身体から落ちる布きれ。

手に取り確認するとジョニーさんが来ていた大きなシャツです。

 

「だから脱いでいたのですね…」

 

納得とともに少しの感謝。

そうですよ、少しはありがとうと思ってあげてもいいんですからね!

 

 

と、思ったけどそれはなしです!

 

 

その手がギルティ―です!

その文香さんの背を優しくなでているその手です!

寝ているくせに何で器用に手が動いてるんですか!うらやましい!

私にもしてくれててもいいじゃないですか!

 

 

 

 

 

…こほん、今のは間違いです。

 

「なに百面相してるんだ?」

「ひゃぁあ!?」

 

急に声をかけられ思わず悲鳴が出ます。

 

「おいおい、ふみふみまだ寝てるんだからあんまり騒ぐなよ」

「あ、すいません…じゃなくて!いつから起きてたんですか!」

「あーたんが「だから脱いでいたのですね」って言ったあたり」

 

わりと最初からですぅ!

 

「あーたんはやめてください。せめてありすでお願いします」

「はいはい、あーたんあーたん」

 

ふざけてますね?ふざけてます。

まぁいつまでも服を借りっぱなしなのもなんですからシャツを返してあげましょう。

 

「どうぞ」

「はいよ」

 

私から受け取ったそれを着ることなく文香さんに横流しするジョニーさん。

いや、着ましょうよ。

 

そして服をかけられた文香さんはあろうことかそのシャツを握りこんでしまいます。

待ってください文香さん!それは私で中和されているといってももとはこの人の肌に触れていたものなんですよ!

 

「うんうん、まだ夕方は冷えるからなぁ」

「なら服を着てください」

「子供は風の子だ」

「黙っててください成人」

「ハートはいつまでも中学生なんだ…」

 

そう空を見ながら無駄にキメ顔でいうジョニーさん。

キメる意味が分かりません。

 

「…スンスン…へぅ……」

 

ふと聞こえる鼻を鳴らす音。

文香さん!それは嗅いではいけません!

 

「幸せそうな顔で寝てんなぁ」

 

待ってください、表情的にはあってるんですけど匂い嗅いだ後でそう評されるととてつもなく認めたくないんですけど!

 

こんな人の匂いのどこがいいんですか!男くさいだけじゃないですか!

 

あぁ…文香さんがジョニーさんの服に顔をうずめてるところなんてもう見ていられません!心を鬼にして起きてもらうしか…でも幸せそうなあの寝顔を邪魔したくは…

 

 

そうしていると聞こえるカシャッっというシャッター音。

ジョニーさんの方を見ると文香さんの方にスマホを構えています。

 

「…あとで送っていただけますか」

「(o^―^)b」

 

寝顔確保しましたし起こしましょうか。

 

 

 

 

 

 

 

「おはよう、ございます、ジョニーさん、ありすちゃん」

「ハイハイおはようさん、よく眠れたかい?」

「おはようございます、文香さん」

 

さぁ文香さん!起きたことですしその腕に本といっしょに抱えているその服を離しましょう!

 

「あの、すみません。膝をお借りしてしまって」

「あぁいいよ、軽いしやわっこかったし」

「////」

 

恥ずかしげに俯きジョニーさんの服をもちょもちょする文香さん。

 

「むぅ……文香さん、先輩も寒そうですしそろそろ服を返したらどうでしょうか?」

「あ、そうですね。服まで借りてしまって申し訳ありません」

「かまへんかまへん、脱ぐのには慣れてるから」

 

人としてそれはどうなのでしょうか…

 

そして受け取った服をいそいそと着るジョニーさん。

…着たら着たで違和感があるのは日頃の行いのせいですね。

 

「そういえばありすちゃん、お迎えの時間は大丈夫でしょうか?」

「へ?…あ」

 

急いで時計を確認するとお母さんが迎えに来ると言っていた時間から少し過ぎていました。

 

「もうお母さん来てしまっています!」

「そうか、なら急いでいかなきゃな」

「私も遅れた事情の説明のためについていきますね」

 

そうって立ち上がる二人。

いやジョニーさんは結構なんですけど…タクシーとして最速なのは確かなんですよねぇ

 

「うむ、ふみふみはスカートだから抱えて、あーたんは肩でいっか」

 

そう言うと私を抱え上げ肩に座らせるジョニーさん。

ちょっとは許可取ってください!

 

って叫ぶ前に文香さんをその腕に横抱きにして駆け出すジョニーさん。

後ろにおいていかれそうだった身体を急いで先輩の頭を掴んで支えます。

 

「ちゃんと捕まっとかないと危ないぞ~」

 

そうのんきに告げながらも明らかに2人も抱えた速度でないその足。

 

 

 

お父さんの肩車は普通こうじゃないと思いながらも声も出せずにお母さんのもとにデリバリーされる私でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6話後、けーちゃんがつぶれてから

 

~Side.瑞樹~

 

「ちょっと~、一体慶ちゃんになに飲ませたの?」

 

たまちゃんが渡した水に見える液体を飲んだとたん目を回して倒れる慶ちゃん。

まぁ、予想はつくんだけどね…

 

「スピリタス」

「バカなの?」

 

思わずわかり切ったことを聞いてしまったわ…

瑞樹ったらおっちょこちょい♪

 

 

…なによ、笑うなら笑いなさいよ。笑ったやつの顔は絶対忘れないわよ。

 

 

「いやぁ、酒を飲むならまず怖さを知っとかないとな」

「だからって消毒用アルコールより度数の高いモノを飲ませる?」

 

ほら、慶ちゃんがこぼしたのがもう蒸発しちゃってるわよ。

そして美波ちゃん。そんなにたまちゃんの頭叩かないの。もっと馬鹿になった時困るのは私たちなのよ。

 

「雄くん、おつまみはほんのひとつまみだけですか?」

「楓さんや?おつまみはあなたが食べたからもうひとつまみしかないんですよ」

「うふふふふ」

「はいはい、追加で作りますよ。御所望は?」

「辛めのものでお願いしますね」

 

楓ちゃん、あなたはマイペース過ぎない?

 

「暇なら慶ちゃんの介抱手伝ってくれないかしら」

「それじゃあ布団敷いてきますね。美波ちゃんの分も」

「よろしくね」

 

そう言っていつもの部屋に布団を敷きに行った楓ちゃん。

ちなみに今飲んでいる場所は居酒屋なんかじゃなく、事務所の近くで大人組みで借りた貸家なのよ?

 

普段はたまちゃんが管理しててみんながお酒をキープしたりおつまみになりそうな缶詰を貯めたり、仮眠に使ってたりしてるのよ。

 

あぁ~やっぱり誰の目も気にせず飲める場所っていいわぁ~

 

「瑞樹ちゃん、引いてきましたよ~」

「ありがとうね、楓ちゃん」

 

それじゃあ、

 

「たまちゃ~ん、けいちゃん寝かせてきてくれない?」

「あいあい、わかりましたよ」

 

そう言いながらカウンターになっているキッチンから出てくるたまちゃん。

そしてたまちゃんのコアラになってる美波ちゃん。頭叩くのはあきたのね。

 

「美波~前に張り付いてるとけーちゃん持てないからちょっと姉御ンとこ移ってて」

「は~い!おねぇちゃ~ん!」

 

そういって私にではなく楓ちゃんの胸に飛び込んでいく美波ちゃん。

 

…ねぇ?私のところに行っててって言ってたわよね?

なのになんで楓ちゃんのところなのかしら?

 

落ち着くのよ私、酔っぱらい兼子供の行動よ。そんなこと気にしていても何にもならないわよ瑞樹!

 

そんな私をほって置いて隣にニコニコ座る美波ちゃんに餌付けする楓ちゃん。

そうよ、瑞樹。楓ちゃんは25歳児だから小さい子と気が合う。それだけなのよ瑞樹!

 

と自分に言いきかせながらハイボールをあおる。

やっぱり仕事終わりはお酒よねぇ。

 

 

そしてしばらく飲んでいるとおつまみとしていろいろと持ってくるたまちゃん。

…地味に炊事洗濯家事全般優秀なのよねぇ。

この人が嫁とか自殺ものだけど。

 

「明太と長芋のあえものにチーズちくわ、ワサビの葉、トマトとチーズのバジルソース添え、鶏のから揚げお待ち」

 

ホントいろいろ作ったわね。

 

「締めにちゃずけもスタンバッテるから」

「…なんで無駄に嫁スキルが高いのかしら?」

 

あ、思わず声に出しちゃったわ。

 

「そうですね~菜々ちゃんところに嫁入りなんて読めませんでしたよね~」

「ちょっと待って!それ初耳なんですけど!?」

「この前、しばらく菜々ちゃんと一緒の部屋から通勤してたって噂になってましたよ?」

「ちょっとたまちゃんどういうことよ!」

 

まさか菜々ちゃんに先を越されるなんて…

 

「…ちひろさんに金巻き上げられたんだぁ」

 

そう言って照明を見上げるたまちゃん。

目元に光るものはきっと心の汗なんでしょうね…

 

そしていろいろ納得。

 

「菜々ちゃんのひも男になってただけだったのね」

「おいおい、ひも言うなよ。男の屑みたいだろう?」

 

そう言いながら酒瓶を手にソファーに座るたまちゃん。そしてその膝に即座る美波ちゃん。

 

「屑じゃない」

「言い逃れできんなぁ」

 

酒に酔わせて自分からじゃないとはいえ女性と触れ合う男性。

屑以外の何物でもない。

 

「私にはほほえましい光景に見えますけどね~。お兄ちゃんに甘えたい妹さんですね」

「どこに妹を膝に乗せながらスピリタス飲む兄がいるのよ」

 

全世界見渡してもまずいないだろう。

そしてやはり美波ちゃんに餌付けを続行する楓ちゃん。あとついでにたまちゃんにも餌やってるわね。

 

サルに餌をやらないでくださいって看板がちゃんとこの部屋にあるんだけどねぇ…

 

「なんかサル扱いされた気がするんだけど気のせいか?」

「発情期のサルで間違いないじゃない」

「まて、確かに美波のお尻のやわっこさや鎖骨からのライン、楓さんの前かがみになった時の襟元を注視しているが発情なんかしてないぞ」

「役満じゃない」

 

よくそれで否定しようとできたわね。

 

「美波ちゃんが素面だったら即刻説教よ?」

「慣れてるから問題なし」

「普通慣れる前に学習するはずなんですけどね」

 

 

こんなのんびりしたお酒とお旨味を楽しむ夜。

嫌いじゃないのよね。

早苗ちゃんや友紀ちゃんが混ざったにぎやかのも大好きだけどね。

 

こうして大人の夜は更け…

 

 

 

 

 

 

 

~Side.ルキトレことけーちゃん~

 

朝、頭痛で目を覚ますと隣に眠る新田さんに張り付かれて寝ている全裸の先輩とその先輩の顔面に足を叩き込んでいる寝ている川島さん、先輩と川島さんの間で丸くなって眠る高垣さんが目に入ります。

 

「…昨夜いったい何が」

 

お酒が恐ろしいことを知った1日の始まりでした。




はい、実際酒を飲んでて倒れた人がいたらすぐ救急車を呼びましょう。

ニワトリ 2歳 名前は付けられていない

特技 空を舞い言葉をしゃべる
仕事 朝食の卵の供給とレッスンの手伝い

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