ルーキートレーナーに幸あれ   作:bakabakka

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ってことで番外編!ぎりぎり間に合ったしきにゃん誕生日


番外編‼ごちゃごちゃ詰め合わせ

 

番外編その1!~if she is more and more bravery~

※これは32話の別√です

 

 

 

「す、すっすすすs…」

 

アーシャさんから挑戦状をたたきつけられ、ホールケーキ片手に持った先輩に告白しようとしている一ノ瀬さん。さぁ頑張ってくださいっ!邪悪な幼女を退治できる勇者はもうあなただけなんです。祈るような面持ちで見守る私と本田さん、渋谷さん。対して圧倒的強者の態度を崩さないアーシャん。それに空気を読まずにケーキ片手に筋肉を見せつけるようにポーズを取り出す先輩。

 

いや、マジ空気読んでください。なんでこの空気でそんなことができるんですか。一周回って尊敬し…いえ、やっぱり尊敬は無理ですね。

 

そして壊れたカセットテープのように「す」を繰り返し一ノ瀬さん。ようく見ると目がもうぐるぐるです。まじで逃走する3秒前って感じです。

 

「ふむ…まぁ落ち着け」

「ふぴゅっ!」

「そうはわはわしなくても話くらいならちゃんと聞いてやる。薬品とかはごめんだがな」

 

そう言って一ノ瀬さんの頭にその大きな手をのせる先輩。

それと同時にあぁああん?って顔になるアーシャさん。先輩からだからノーカン…にはなりませんよねごめんなさい。

 

「にゃははは…ゴメンね」

 

そういつもとは違う…悪ふざけや変なテンションなんかが一切入っていないその言葉。

少しはにかんだようなその表情。あれ、いつもの3割増しで可愛い…いえ、綺麗に見えます。

 

「それじゃあ聞いてくれる?あたしの…この思いを」

 

目を閉じ、胸に手を当て一度深く深呼吸。

 

「あたしね、あたしは…」

 

紅潮した頬、開かれる少し潤んだ瞳、胸元の手は無意識でしょうが軽く握りこまれ、もう一方の手も震えている。

 

 

 

 

「あたしは、ジョニー君のことが…好き、です」

 

 

 

 

言ったぁぁぁあああ!言いましたよついに!

ヘタレにヘタレてこのまま敵前逃亡かとも思われましたが言いましたよぉ、一ノ瀬さん!

思わず机の下でガッツポーズをとる私たちに対してそんなバカなぁぁって顔のアーシャさん。魔王討伐完了ですね。

 

そして肝心なことを忘れてました。先輩の返事です返事!一番大事なところじゃないですか~。

普段から積極的な女は嫌いでとかくっつかれても逃げたりしていますがさぁどのような回答をするのでしょうか。

 

眦に涙を貯めながら固く目をつむる、宣告待ち一ノ瀬さん、固唾を飲んで見守る私達、どこで私は間違えた…って感じのアーシャさん。それに対して先輩は…

 

「うん、俺も好きだよ」

「にゃっ」

 

 

「「「え、軽」」」

 

好きだと返しながら、そうびくびくすんなよ~って感じに一ノ瀬さんの頭を抱きよせて撫でる先輩。それにしても返答軽くないですか?それに今までさんざん逃げといて今さらなんなんですかぁ!って感じですけど。

 

「にゃふ~、スンスン…ん~ヘブン~♪」

「はいは、俺の匂いですよー漢っくさい俺の匂いですよ」

「それが、いいの~クンクン」

 

いつの間にか胡坐をかいた先輩の膝の上で猫みたいに丸くなってすり寄る一ノ瀬さん。

さっきまでの美少女形態どこにやったんですか。

 

「えっと…ジョニーって積極的な女の人は嫌いなんだよね?」

「ん?あぁ、嫌いだけどどうかしたか、ちゃんみお」

「だからその…しきにゃん避けてたんじゃないの?」

「うむ、そうだが」

「え、じゃあなんで告白受けたの?」

「俺が嫌いなのは、そんなつもりもないのにその場のテンションで積極的に絡んでくるやつ。本気で好きで積極的に来る女はむしろ好きだぞ」

「えー」

 

なんというか…確かにからかい目的であったりその場のノリと勢いでそういう行動に出る方々が一定数いることは認めますけど…

 

「一ノ瀬さんスキスキオーラ全開だったと思うんですけど…」

「悪いしきにゃん、全然気付かんかった。実験動物かなんかと見てるとばっかり」

「ぶ~あたしが、こんなに愛してるのに」

「はいはい、悪かった。俺も愛してるよ」

 

そういって喉元を猫にやるみたいにくすぐる先輩。一ノ瀬さんも一ノ瀬さんでゴロゴロ言ってますし…。美少女形態の次は猫形態ですか?ヴァリエーション豊かですね。

 

「えっと…志希が雄のこと好きなのは知ってるけどさ、雄は志希のどこが好きなの?」

 

一番気になっていたことを問いかけてくれる渋谷さん。そのずばずば核心に迫っていけるところ、そこにしびれるし憧れます。

 

「それはな―――――」

 

 

 

まぁあれです。ご馳走様とだけ言っときます。こうして3バカのうち2人が身を固め、最後の1人が生きづらくなったとさ…主にアピール的な意味で。

 

 

 

 

 

 

 

 

番外編その2!~Please look at me,otherwise I'm peevish~

 

 

「結局負けちゃいましたね」

「屋台の売り上げでは圧勝だったけどな」

「それなのに愛梨ちゃんに評判負けちゃったんですよね…」

 

あのイベントから暫くたった今日、アーシャちゃんが来てからはずいぶんご無沙汰でしたが、私の部屋に雄くんを招いています。雄くんがもってきてくれた手作りのケーキをつまみながら思い出すのはそのイベントの事。結果としては屋台の売り上げは圧倒的売上差で位置を獲得したんですけど…

 

「料理の話題ばかりで、アイドルとしての評判は愛梨ちゃんに敵わないんですよね」

「まぁそこらへんは俺たちも考えてイベント計画してたしなぁ…つっても料理は美波がガチでやったおかげで全部持ってたがなー」

 

だからあれ程ガチでやるなと…って感じでやれやれする雄くん。

 

「それで、どういうからくりなんですか?」

 

普通、美城?あぁそういやとときんが――みたいな流れが一般になるほど一回のイベントで注目が集中しないと思うんですけど。

 

「情報操作に印象操作、あとはとにかく魅力がちゃんと伝わるように舞台をあつらえるだな。あとすげぇ簡単にいうとサクラに自演」

「グレーな手法はあんまり使わないでください…ってやっぱり出来レースだったんですか」

「まぁ出来レースっちゃ出来レースだがほとんどサクラとかは使わずに舞台をあつらえただけなんだよな」

「それでそんなに効果があるんですか?」

「ふむ、例えば輿水にグルメリポートをさせるのと世界の絶叫マシーンをリポートさせるの、どっちが輿水の魅力が伝わる?」

「あぁ、納得です」

「んで俺たちが今回とときんにスポットを当てたんはギャップでいろんな面が出せるからだ」

「男の人ってギャップとか好きですもんね…」

「なんだそのジト目は…まぁまずとときんつったら天然ボケな面がある。そのくせお菓子作りになると手際良く真剣に、楽しそうに作る。売ってる時と作ってる時でここで一つギャプだな。うんで次にステージが海の近くだったか衣装を水着っぽいやつにすることが割と簡単だったんだよな。料理中エプロンで家庭的に、ステージではお色気って感じのギャップを作ろうと思ったんだが…」

 

えっと…確か愛梨ちゃんの屋台での格好は、

 

「水着エプロンでしたよね?」

「うん。ギャップは失敗したけど非・日常的エロスがウケたらしい」

「あははは…想定外がいろいろあったんですね」

「まぁ、結局はいい方向に流れたからよかったんだけどよ」

「ん~でもギャップなら私にもあったと思うんですけど…」

 

真剣に料理している時とはじけながら料理している時、ステージの上で合ったと思うんですけど。

 

「それはだな、うん。料理人し過ぎたな。別の方向で人気になっちまったな。結構有名な店からスカウトが美城に来ていたぞ?」

「えっと…すみません」

「ま、料理番組からのオファーも結構来てるからそっちでの出番は増えるんじゃねぇか?雑誌のコラムで『新田美波のモテ料理』ってコーナー作りたいって話も来てるし」

「私の、じゃなくてほとんど雄くんの料理なんですけどね」

「まぁそこは作ったもん勝ちだし、ああいうのも実際はちゃんとした調理師が考えてるしな」

 

そこは言わないお約束ですよ。

 

「でも、なんで愛梨ちゃんだったんですか?」

「ん、何が?」

「看板役なら愛梨ちゃんにもこだわらなくても良かったんじゃないですか?」

 

要約すると…『私じゃ、ダメなんですか?』

 

「ぷっ…ハハハハ!」

 

手を叩いて笑いだす雄くん。

もう…なんですか、人が少し真剣に話しているのに。

少し頬を膨らませると手でほっぺを潰してくる雄くん。

 

「もう、なんなんですか!」

「いや、相変わらずだなって。相変わらず俺たちの悪だくみののけ者にされると拗ねるんだなって」

「…」

 

別に拗ねてなんていません。少し、ほんの少し不満があるだけなんですから。

 

「普段はみんなのお姉ちゃんやってるくせに、やっぱ一皮むくとお前も甘ちゃんだよな」

「(。-`ω-)」

「HAHAHAHA、そんなむくれるなよ。可愛い顔が台無しだぞ~」

 

そう言って私のほっぺを16連打してくる雄くん。

そっぽ向いて逃げようとしますけど相変わらず動きを読まれていて通じません。

これだから雄くんは…もう

 

「それより、私夏休み貰えるんです」

「あぁ、屋台一等賞の景品でな」

「それでなんですけど…」

「今回北海道行くからそれでよろしく」

「…はい、楽しみにしときますね」

 

 

 

 

 

 

 

番外編その3~武内駿輔の優雅な日常~

 

AM06:10

 

何時もの時間に自然に目が開きます。そして隣に目を向けると小さな寝息を立てている楓さんがいます。楓さんを起こさいよにゆっくりとベッドを降り、身体のチェック。体調、動き共に問題ない事を確認し、水道水を一息に呷ります。楓さんを起こさないよう、ベランダに出、ラジオをつけます。1日の始まりはラジオ体操が一番です。

 

AM06:45

 

楓さんが起きる前に朝食とお昼のお弁当の用意を始めます。晩のうちにある程度用意はしていますが、朝のうちに行えることは朝におこなった方がやはりいいです。

 

AM07:30

 

起きて支度のできた楓さんと朝食をとります。食べさせあったり、他愛もない話をする、それだけで1日の活力がわいてきます。

 

AM08:10

 

半の始業に向けて、職場に向かいます。車なのであまりくっつかないでもらえると助かるんですが…これはこれでいいものだと思います。あ、信号変わったので少し離れて…

 

PM12:20

 

本日はジョニーさんも大人しくしているため(※彼ら主観であるため、事実と異なる場合が多分にあります)、ゆっくりと休憩室で楓さんと食事をとります。この時気を付けるのが、場所の選択を誤ると渋谷さんたちに合流される点です。ですが、そうなった場合も家に帰ってから嫉妬で少し甘えてきてくれるところが…

 

PM15:00

 

美城では午前の10時、午後の3時に休憩をとることが推奨されており、本日はゆっくりカフェにてコーヒーを。そういえば来るたびいつも安部さんはカフェでメイドをしていますが…レッスンはいつしているのでしょうか?休憩はそれぞれとる時間がずれることが多く、あまり楓さんと一緒になれないことがネックですね。

 

PM17:00

 

一応定時にはなりましたが、この仕事で定時に上がれることはほとんどありません。やろうと思えばとこまでもやることが尽きないのですが…これも笑顔を輝かせるためだと思うと、自然と手が動きます。『あなたのそこも好き』そう言ってくれる方がそばにいてくれますし。

 

PM19:40

 

家に帰る時間はずれることが多いですし、自分が遅くなることが多いので、先に車で帰ってもらうようにしています。最初は待つと言ってくれていたのですが、1日の最後に貴方の料理が食べたいですという旨を伝えると、今の形に落ち着きました。もちろん時間が合うならば、一緒に料理をするのですがなかなか難しいですね。彼女はお酒が好きなので、晩酌に付き合いながらこれからの時間はゆっくり過ごします。仕事に趣味、はたまた愛を確かめる。この時間がこれからもずっと、続けばいいなと思ってしまうのは、魔法が解けなければいいと思ってしまうのは私のわがままなんでしょう?おそらくそんなことを友人に言えば笑われるんでしょうね。願うくらいなら努力しろと。

 

AM23:00

 

そんな事を考えながら、先にベッドに入っていた彼女の隣に身を横たえます。また明日もいい日にしましょう。そう、1つ口づけを落とし、眠りに落ちました。

 




番外編1はもしものお話で、しきにゃん大勝利になれたかっこうの機会を逃したんだよ?っておはなしでした。2はイベント後のいつもの2人。休みを取れたら夏に旅行にいこうフラグの回収でした。3は…ノリと勢いでおまけに引っ付けた雑なお話です。3バカの人生の墓場は幸せなようですってお話し。

それではまた、次回お会いしましょう。読了ありがとうございました。

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