ルーキートレーナーに幸あれ   作:bakabakka

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城ケ崎美嘉のオリ主への認識
「莉嘉に這寄るゴキブリ」

黒く光っているということは姉妹同じらしい
人気は天と地の差だけど


ルキ「なんですとぉ!?」

 

私と先輩も会ってからそこそこ立つんですが…

 

 

 

未だに先輩について知っていることが変態でザルで変態で肉体美がすごいことしかないのはなぜでしょうか?

普段ずっと脱いでいる姿ばかり見ているので先輩の体についてなら不本意ながらいろいろ知ってますけど…なんか違わないですか!!

 

もっと職場の先輩後輩なら趣味とか…誕生日とかぁ…あと交友関係とか知ってるものなんじゃないんですか!?

 

 

 

 

と、大義名分もでっち上げましたので

 

「それでは、先輩のストーキングを開始したいと思います!」

「はい!島村卯月、頑張ります‼」

「おー」

「…」

 

本田さん、渋谷さん、テンション低いですよ。目を輝かせている島村さんを見習ってください。

 

「それでジョニーさんはどこにいるんですか?」

「今はカフェで昼ご飯を食べてますね」

「…うちのカフェってあんなメニューあったっけ」

「しぶりん、たぶん気にしちゃ負けだよ」

 

カフェテラスのど真ん中でドネルケバブを焼いて食べている先輩。

ちゃんと野菜スティックも合わせて食べているところがポイント高いですね。

 

「あ、うさみんだ」

「ホントですね、なんか怒ってるように見えますけど…」

「またあの人がなんかしたんじゃないの?」

 

渋谷さんのが100%正解だと思います。

 

「あ、うさみんが突撃してきたと思ったら今度は飛びのいた!」

「何か驚くことがあったんですかね?」

「ケバブじゃないの?」

 

残念、今度は不正解です渋谷さん。

 

「たぶん服を着ているからですね」

 

「「「!?!?!?!?」」」

 

私の正解発表に改めて驚く3人。

そうなのである。普段よくて布きれ1枚しか着用していない先輩が今は…

スラックスに上着をちゃんと着ているのです!

 

「どうりで違和感が…」

「どうりであの肉体美が…」

「へぇ、文明人だったんだ」

 

さて、本田さんが常識人。島村さんが肉体フェチ。渋谷さんが先輩を文明人にカテゴライズしていないことが分かりましたね。

 

 

 

 

 

さて、あれからケバブを食べ終えた先輩は今度はスネ○クのように忍び足で進んでいます。

何してるんですかあの先輩…

 

「なにしてるんだろジョニー?」

「なにをしてるんでしょうか?」

「なんで足音しないの?」

 

渋谷さんが気になるのはそこなんですね。

まぁ、先輩の奇行はいつものことですからね。

 

そして先輩の目指している方向をたどるとそこには…

 

「あ!ふーみんが本読んでる!」

 

そう、ベンチで本を読んでいる鷺沢さんがいます。

ということは…

 

「早苗さんに連絡だね」

 

対応慣れてませんか?渋谷さん。

 

「まって、しぶりん!見て!」

 

本田さんのその言葉に鷺沢さんの方に目を向けるとそこには

 

「アリス!」「ありすちゃんです!」

 

そう、橘さんが先輩を通せんぼするように立ちふさがっています!

そうでした!鷺沢さんには鷺沢さん専用セコムがいましたね!

 

「何か熱く言い合ってますね」

「アリスってあんなに熱い子だっけ?」

 

大好きな鷺沢さんのためですもんね。

 

「あっ!ジョニーがポケットからビスケット出した!」

「ビスケットで買収するつもりなのかな」

「ありすちゃんちょっとぐらついてますね」

 

頑張って‼セコム!

 

「ジョニーがもう一回ポケット叩いたら今度はクッキーが!?」

「あのぽっけどうなってるんだろ?」

「私もお菓子食べたいです」

 

先輩のことを深く考えてはいけません。後悔しか生まれません。

 

「もう一回叩けばドーナッツが!」

「あ、アリスが全部奪い取った」

「文香さんの方に走っていきますね」

 

鷺沢さんへの貢ぎ物ですね。

 

「あ!ジョニーがセーヴした!」

「綺麗なタックルでしたね」

「子供を襲う大人…早苗さんだね」

 

片桐さん万能説。

けど片桐さんじゃ撃退はできても撃破はできないんですよ。

 

「ほっぺた引っ張り合いしてなんか可愛いですね!」

「しまむーの目にはどう映ってるんだろ…」

「あ、文香が気付いた」

 

橘さんのほっぺた柔らかそうだなぁ

って思ってたら文香さんが本から顔をあげこちらに振り返ってました。

 

「あれ?さっきまで喧嘩してた2人が急に仲良く喜びだしたよ?」

「おてて繋いで仲よさそうですね」

「3人で並んでベンチに座ったね」

 

…あれ?まさか仲いいんですか?

いやいやいや、あの先輩に限ってそんな

 

「けーちゃん汗すごいけど大丈夫?」

「は、はい、ダイジョウブ?デスヨ…エェ」

「かくかくしてるけど大丈夫?」

 

大丈夫なんです!

だってあのゴキブリと同列、まぁ子供にはなぜか人気がありますけど…

そんな存在があそこまで平然と受け入れられてるわけありません!

 

「ここからじゃ後ろ姿しかわからないですし、場所を変えましょう!」

「はい!」

「あ…うん、了解了解」

「うん、わかった」

 

あ、渋谷さんのやる気度が少し上がりました。

 

 

 

 

 

 

 

前に回って私たちは目を疑った…

 

なんせ…橘さんを間に挟んで並んで座り、文香さんは変わらず本を読んでいるのですが橘さんは先輩の膝にもたれるように眠って、先輩も片腕ベンチに引っ掛けて背もたれにもたれるように寝てます!

 

「なにあの疑似家族…」

 

本田さんのつぶやきに同意です…

なんですかあの「家族で公園に遊びに来て遊び疲れた父親と子供、そしてそれを暖かく見守っていた母親」みたいな構図は!

 

「あ…」

 

今度は渋谷さんが小さく声をあげるので何かと現世に戻ってくると

 

「なぁ」

 

思わずうめき声が出ます。

なんせ先輩が空いたもう一方の手で寝ている橘さんをあやしているのです。

優しく背中をなで、たまにぽん、ぽんとリズム良くたたく。

寝てるんですよね?鼻提灯出てるってことは寝てるんですよね!?

 

なんですかその無駄な父性!鷺沢さんもその様子を本からちらって外した目で確認して微笑んでいらっしゃいますし!

 

「ほわぁ…」

「うわ!しまむー!?帰っといで―!」

 

こっちも一人トリップしてますしぃ!

 

「案外いいとこあるんだ」

 

こっちも好感度マイナスがもち返してますしぃ!

誰かぁ!この何かよくわからない空間に亀裂を入れてください!

なんかこう…むずむずします!私の知っている先輩とのギャップがありすぎてなんだか…こう、かゆいです!

 

 

私の願いが通じたのかあの空間を切り裂くように流れる一筋の白い星。

そう、

 

どこからか飛んできた野球ボールが先輩のこめかみにめり込んだ。

 

「Strike!?」

 

衝撃に奇声を上げて起きる先輩。

そしてそこに謝りながら歩いてくる姫川さん、宮本さん、日野さん、大槻さん。

4人で野球をやっていたのでしょうか?

Good Jobです!そのまったく反省してない感じもいいですよ。

 

先輩は4人とそのまま少し話したかと思うと鷺沢さんに向き直り少し話した後橘さんを抱き起して鷺沢さんの膝の上に移そうとするんですが服を握りこんでいるらしく先輩の動きが止まりました。そして、

 

迷いなく上着を脱ぎ去った。

 

あ、いつもの先輩ですね。なんか逆に安心感があります。

 

「あ、やっぱりジョニーだ」

「ジョニーだね」

「やっぱり…」

 

皆さんも同じ感想なんですね。いえ、たぶん島村さんのは「やっぱりすごい筋肉」なんでしょうけど私たちには聞こえてないのでスルーです。

 

そのあとは鷺沢さんに橘さんを預け、脱いだ上着を身体にかけてあげている。

やっぱり何で無駄に行動が紳士なんでしょうか。見た目変質者ですけど。

そうして5人で広場の方に向かっていきます。

ということはやっぱり野球に混ざりに行くみたいですね。

追いかけましょう!

 

 

 

 

 

 

 

ということで追いかけてみたんですが…何なんですかあの先輩。

ベース2つの簡略したゲームで遊んでるみたいですけど…

 

なんで先輩1人で守備できてるんですか!

なんで打者がスイングしようと動き出したタイミングで動き出してるんですか!

しかも何で本当にドンピシャでその方向に来るんですかぁ!

 

「スポーツできそうだと思ってたけどまさかあそこまでとは…」

 

そう思いますよね、本田さん。私も予想外です。

とまぁほとんどバッティングセンターと化している野球ですけど先輩が無駄にアクロバットなキャッチをしたりしているせいで案外見てて面白いです。

 

「あ!はるちゃんだ!」

 

そこに乱入するは結城さん率いる赤城さん、莉嘉さん、龍崎さんのサッカーグループ。

 

「喧嘩しないでしょうか?」

 

少し不安そうな島村さん。

 

「大丈夫みたいだよ?ほら」

 

そう言う渋谷さんの指をたどると片腕につき2人ひっさげて遊ばせながらスマホを操作している先輩の姿。

 

どんな筋力ですか…

 

あらためて先輩のポテンシャルを知った今日この頃。

そしてその先輩に飛び蹴りを叩き込む美嘉さん。

 

「美嘉ちゃんいつ来たんでしょうか?」

「携帯片手に怒鳴ってるところ見るにさっきジョニーが呼んだんじゃないかな」

「それより女性が全体重のせた飛び蹴りで揺らがない人って何なの?」

 

たぶん本田さん正解。渋谷さんはあの先輩に対してはおそらく物理法則が通じないのではないかと最近私は思ってます。

 

そう思ってるうちに10人そろったことで5対5のキックベースを始めた先輩たち。

チームは先輩、莉嘉さん、姫川さん、龍崎さん、赤城さん。もう一方が美嘉さん、結城さん、宮本さん、日野さん、大槻さん。

 

後者のチームの方が強いかと思われる編成だが前者には先輩というワイルドカードがいる。

ピッチャー、一塁、二塁、あと外野2人の守備なら先輩が外野をやれば無双間違いなしかと思えばまさかの先輩のポジションはピッチャー。

 

「ジョニーがピッチャーって勝たすきないよね」

「あ、でもジョニーさんちゃんと手加減してますよ」

「あ、ほんとだ」

 

うちごろのゆっくりとしたころがしをしている先輩。それでも点を取られてないのはなぜでしょうか?

 

ランナー二塁でバッタ―あらためキッカーは美嘉さん。なんか殺気が見えてるけどおそらく気のせいじゃないですね。妹の莉嘉さんとチームが違うのが気に食わないんでしょうね。

先輩と莉嘉さんがハイタッチしたりしてるのが気に食わないんでしょうね。

 

「あ、ミカねぇからぶった」

「尻もちもついて痛そうです」

「ジョニー手加減なかったね」

 

ボーリングのフォームから繰り出された剛速球に今までのスピードになれた美嘉さんは思いっきり空振り、尻もちをつき、涙目の美嘉さん。

 

あ、可愛いです。

 

今にもあふれかえりそうな美嘉さんをあやす先輩。その先輩をポカポカ殴るというより叩く美嘉さん。

 

本当は仲良しなんじゃないでしょうかあの2人…

 

「あ、ミカねぇ立ち上がった」

「お姉ちゃんとしての威厳を保とうと見えを張っているのが可愛いですね」

「卯月、もうちょっとオブラート」

 

今度はゆっくり転がす先輩、そしてそれを思いっきり蹴ろうとする美嘉さん。

そして、空振り。

 

いたたまれない空気。

両チーム全員集まって慰め大会。

 

もうカリスマギャル止めてこのキャラで売っていけばいいんじゃないでしょうか。

 

 

 

 

 

続く。




島村卯月のオリ主への認識
「筋肉…♥」

うちの卯月ちゃんはこの方向性でいきます。
普通じゃねえな

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