ルーキートレーナーに幸あれ   作:bakabakka

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こう一年以上も放置していて申し訳ありません。
ほんと、いろいろあったんです(泣

これからまた地味に更新していく予定ですが、なにぶんブランクがあるのでお手柔らかにお願いします。


ルキ「変態(仮)、増えました」

アーシャさんによる先輩関係者の惨殺(精神的に)があった日から一年以上たったような気がしますが、何度カレンダーを確認してもまだ一日しかたっていません。あ~れれ~おかしいなぁ?

 

「歩く殺人現場の物まねなんかしてどうしたんだけーちゃん」

「黙ってください歩く猥褻物陳列罪」

 

疲れ切った頭で変なことを考えていると声をかけてくる一糸まとわぬ姿の黒光りの男性。

こっちはこの前の惨劇のせいで胃が痛いんですよ?先輩。

 

「なんだその親の仇でも見るような目は、俺が何をしたというのだ」

「節操がないとかですかね」

 

個人的にはこんな裸族のどこがいいのか全然わかりません。確かに料理裁縫運動商売といろいろなことを高水準で行える人ではありますが変態でヘンタイでHEN☆TAIですよ?他にも意外に気を配れるところもあったりいざというときは頼りになったり子供には非常に親身に接している人ではありますが社会不適合者ですよ?

 

「なんかすごい貶されながらすごい褒められているきがする」

 

そしてその勘の良さもどこからきているでしょうねほんと。

 

「それで今日はアーシャちゃんはどうしたんですか?」

 

先日はずっと連れて歩いていた先輩の妹さんであるアーシャちゃんが本日は見当たりません。あの先輩大好きっ子が離れるとか全然想像できないんですけど…

 

「ん?あぁ、さすがに仕事でずっと連れ歩くわけにもいかんから今日はウサミンに預けてきた」

 

その言葉に私は静かに目を伏せ十字を切りました。

うさみん星にキリストが伝来しているかは知りませんが、ご冥福をお祈りします。

 

「どうした?急に知人が戦略的兵器が送り込まれて絶対絶命に追い詰められてるような表情をして」

「…何でもないです、ほんと、なんでもないです」

 

知ったところでどうしようもないですから…あぁ、空に安部さんの笑顔が幻視出来ます。

 

「それで今日はどうしたんですか、レッスンはないんですよね?」

 

そう、本日はレッスンが入っていない割と珍しい日なんですが、先輩から美城にスーツで来るようにとの連絡があって来ているんですが…

 

ホントなんで人にはスーツっていうよりは正装を要求しておいて自分は全裸なんでしょうかこの人。

 

「全裸は男の正装だからな」

「さらっと人の心を読まないでください。あとそれは変態と頭につく紳士だけです」

「なら問題ないな」

 

あれほんとうだ。変態なんであってました。

 

「うっす、ジョニー、遅かったな」

「どうもジョニーさん」

「ういっす、中坊にたけちゃん」

 

そんな事実に一瞬頭がめたぱにっている間に馬鹿が3人集結してしまいました。

いつものメンバーが集まったことにこれから何をやらかすのか不安になりますがその前に…

 

「下川さんに武内さん…」

「「はい、何(ですか)?」」

「なんで…裸ネクタイなんですか?」

 

「「え?正装だからだけど(ですけど)」」

 

もう嫌ですこの職場!!

何で脱いだ姿が正装だと勘違いしている馬鹿が3人も生息しているんですか!?

なんでみんなスルーなんですか‼

慣れですか!?慣れなんですよね!慣れなんです!!

 

「それで今回常務は何の用なんだろうな」

「さぁなー、いつものように無理難題か無茶ぶりなんじゃね?」

「このメンバーですからね…新しいプロジェクトかイベントの話かもしれません」

「麗ちゃん呼ばれてないんだから新プロジェクトはないんじゃね?」

 

私が憤慨しているにもかかわらず変わらない調子で会話を続けながら歩いていく3人。

もうこれ私いる意味あるんですかこれ…

 

 

 

 

さてまなんだかんだたどり着きましたよ常務の部屋に

 

「邪魔するぞ~」

「ちーす」

「どうも」

 

ノックもなしにづかづかと部屋に乗り込んでいく3バカ。この人たちは今自分をたやすくクビにできる方の部屋だとわかっているんでしょうか?

 

「し、失礼します」

 

私は一応開け放たれた扉をノックしてから頭を下げて入っていきます。

 

「ふむ、呼んだ手前あれなんだが…雇わなければよかったと思い始めたな」

 

呼んだ後悔を超越して雇った後悔ですか、納得です。なんせ全裸ですし。

 

「クビになったらどうしよっかなぁ…店でも開くか旅かな」

「お、店開くんなら俺も雇ってくれよジョニー」

「自分はプッロデューサーを辞めるつもりはありませんが…そのときは主夫として支えたいと」

「「ひゅ~!」」

 

この3人は皮肉をも物にしませんねっていうか嬉しそうですね。

 

「ふん…君たちをクビにすると多くの人材がいなくなりそうなのでね、もう少し雇っといてやろう」

 

たしかについていきそうなメンツがちらほらと頭に…

 

「さて、本題なんだが…君たちに1つイベントを任せたいと思う」

「イベント、ですか?」

「そうだ」

 

武内さんの問いに続くのはそのイベントについての詳細。

 

まずイベントまでの期間は2か月、会場、会場を押さえている時間、目標とする観客動員数が5000人、そこから想定される予算限度額 etc.etc…

 

「ま、ここまでの説明は遊びのようなものだ」

 

分かりやすくまとめられた書類とともに行われた説明。その締めに常務はその書類を放り投げながらそこまで練り上げたプランを遊びだと吐き捨てる。

 

「そんな些事は置いといて今回の目標はただ一つだ」

 

そこで一つ溜を作り、今回最大目標を常務は告げます。

 

 

 

 

「看板アイドルを作り上げろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらくして場所は美城カフェ。

 

「はぁ…たった一度のイベントで看板アイドルを作り上げろなんて無茶言うなぁ」

 

椅子をカタンカタンしながら悪態をつく下川さん。

 

「まったく…めんどうだよなぁ。あ、アーシャ口にクリームついてる」

「なかなか難しいお題ですね…」

 

悩んでいるプロデューサー2人に妹とじゃれている先輩1人。…安部さんが見当たらないのはそういうことなんでしょうね。

 

「あの…看板アイドルを作るって何の意味があるんですか?」

 

ずっと気になっていた疑問を口にすると私に向く6つの瞳…っていうか先輩の瞳は存在が確認できないんですが。

 

「あのなぁ…ウリの無い店があると思うか?」

「ランドマーク、目印になるようなものは必要です」

「標識がないと道に迷っちまうだろ?」

 

上から下川さん、武内さん、先輩の発言。ん~さっぱりです。

そうすると先輩は一つため息をつき

 

「あのなぁ、まずうちのプロダクションって人数が多いよな」

「はい、そうですね」

 

どこぞの地名と数字の組合せアイドル集団よりずいぶん多いです。

 

「そのメリットとしては人ごとの趣向の違いを幅広く抑えることができる」

「広い広がりはそれはそれでいいんだが、主軸になる一本が欲しいんだよね」

「草原のような広がりではなく、一本の幹を中心とした枝葉の広がりが必要なんです」

「んでま、その幹が何の役に立つかっていうと、それだけで美城の方針を明らかにできる」

「周りの人…ファンからみても私たちがこれからスカウトするかもしれない人に美城はこうなのだと印象付けることができます」

「他にもその幹から枝葉に視線、興味が行くって効果もあるな」

 

変態3人衆による説明を聞き、納得はできましたが…変態3人がここまでいろいろ分かっていることにイラつきを覚えます。ですがまず、

 

「その看板が今になって必要になった理由は何なんですか?そういうのって発足時に必要になるんじゃないですか?」

「理由は一つしかないだろ?」

「高垣楓…現看板アイドルが電撃結婚したからだな」

 

あぁ、そういうことですか。納得です。未だ大人気ですが、それでも結婚してから人気が下がりましたもんね…

これが今看板となる人が必要になった理由ですか。

 

「それで…皆さんは誰をその看板にすげようと思っているんですか?」

「そんなの決まってるだろぉ?」

 

先輩の言葉に2人とも頷き、新たなる看板の名前を口にします。

 

 

 

 

「とときん(楓さんです)(ま、まゆです…)」

「「「「え?」」」」

 

 

 

 

全員が全員別の人の名前を口にします(若干…1人言わされてる感がありますが)

そして3人目を見合わせ…

 

「おいおいたけちゃん…看板を降りたから新しい看板が必要になったのにまた古い看板を据え直すのかよ」

「まだまだ古くありません。綺麗です」

「「惚気キタ――(゚∀゚)――!!」」

「それで中坊は…何も言うまい」

「ははは…ここでこう言わないと明日がない」

「そう言ったところで明日は決まっているとは思いますが」

「言うなっ!だがそれでも被害を最小にするにはそうするしかないのだ!」

 

下川さんの悲痛な叫びに周り2人の視線が優しくなります。

 

「やめろぉ!そんな目で見るなぁ!」

「お兄ちゃん、この人屠殺場に向かう子牛みたいな顔してる~」

「ぐはぁっ!」

 

純粋な子供の目を装ったアーシャさんの言葉に衝撃を受ける下川さん。

まぁアーシャさんの裏の顔を知らないですもんね、皆さん。

 

「ま、まぁそんな事は置いといてジョニーは何でとときんなんだ?」

「確かに十時さんは十分その資質はありますが、なぜ急に?」

「(今度は十時~、ちっ調査をまたしねぇとな)」

 

若干聞こえてきたアーシャさんの黒いセリフに足が震えます。

が、確かにこれまで行ったレッスンでも十時さんと会うことはなかったですね、普段の十時さんの人気の割には。

 

十時愛梨。18歳の大学生でその抜群のプロポーションと天然ボケたその発言から人気のアイドルです。

 

確かに看板になるようなキャラクター性を抱えてはいますが…なぜ今?

 

「なんでってそりゃ…」

 

そこで一つ区切り、先輩はニカッと笑います。さながら面白い悪戯でも思いついた悪ガキの様に

 

 

 

 

「俺たちとおんなじで脱ぎ癖があるやつだからな!」

「「だよな!(ですよね)」」

 

 

 

 

予想外の理由を口にします。そしてそれに同意する露出狂2人。

 

「HAHAHAHA!!これで露出が全面的に認められたらこっちのもんよぉ!」

「私たちの時代が始まりますね」

「あぁ、なんの障害もなく脱ぎ散らせる時代が始まるぜ!」

 

絶句している間に盛り上がっていく自分の露出のためだけに美城の看板を露出にしようとする変態3人。

 

といいますか…十時さんそんなに脱ぎ癖があるんですか?え、美城ってまだ露出狂いたんですか?え?え?え?と、どんどん積み重なっていく疑問と十時さんも目の前の3人と同族だという信じがたい話。

 

とりあえずまず…

 

「あ、もしもし常務ですか?」

 

常務にチクルことにした。




書いていて自分で思うこれじゃない感。

そして始まりますは新章「美城の新たなる看板娘(仮)」始まると思います。
まだまだ自分もリアルが忙しかったりといろいろありますが、地味にたまに更新したいと思います。

それではまた次回、お会いしましょう。
読了ありがとうございます。

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