ルーキートレーナーに幸あれ   作:bakabakka

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スマホだと書く時間確保しにくくていけねぇ…あと飲み会してた。


ルキ「こんな経緯があったんですか」

これはアーシャをジョニーが引き取ったときのお話

 

その日、ジョニーはレッスンといいはっているものを終え、暇潰しというかなんというか…欲望に満ちた行動の準備や料理の仕込みを美城で行っているときでした。

 

prrrrr.prrrrr……

 

「はいはーい、こちら今盗撮の確認中~ご用の方は楓さんと腕組んで帰っていったたけちゃんにどうぞー」

『ふむ、では通報させてもらおうか』

「いやいや、そんなことしてるわけないじゃないですか常務~。ただちょっとローアングルなカメラのデータを確認してただけですって!」

『役満だな、留置所生活頑張ってくれ』

「HAHAHAHA…警察なんてなれたもんだ!だから見逃して?」

『……まぁいい。無駄なことだろう。それはそうと、君に荷物…といっていいのだろうか?まぁ届いている。ロビーに受け取りにいってくれ』

「荷物?なんでまた…」

『しらん。まぁ逮捕はされないでくれ』

 

プツンと言う軽やかな音をたてて切られる電話。

 

「はぁ…荷物ねぇ」

 

荷物が届くと言うことに首を捻るジョニー。なんせこの男、誰か荷物を送ってくるような知人はおらず、届くものは基本ネット通販で注文したものがほとんど。現在注文しているものはなく、マジで何やねん?状態なのである。

 

そんでロビーまで行くとそこにいるのは困った顔のっていうか死んだ顔の宅配のあんちゃん、そして……白い女の子だった。

 

「それでロリコンのあんちゃん、届け物って?」

「うわー全裸にロリコン呼ばわりされましたよ全裸に」

「おい、初対面で全裸とかお前失礼だと思わないのな?」

「初対面の人の前に全裸で出て失礼だとは思わないんですか?」

「裸の付き合いって日本ではいうだろ?」

「あれは風呂にはいることです」

「なら風呂に行くか」

「行きません。荷物を受け取ってください」

 

ノリのいい配達である。顔は死んでるが。

 

「はいはい、で、荷物は?」

「この子です」

「は?」

「受け取り欄にサインか判子ください…速やかに帰りたいんで」

「あいよーえっと゛アイシア゛か」

 

荷物の説明欄にあるのはその子の名前と思われる言葉。というかこの男、女の子が届けられたことに反応が無さすぎである。平然とサインをし、「しゃーしゃっしたー」とよくわからん挨拶をして去っていく宅配を見送るジョニー。

 

「それで、なんでアイシアは俺に届けられたのかな?」

 

幼女に目を合わせ話しかける全裸の成人男性。言い逃れはできないだろう光景である。そして美城の従業員もまた、スルースキルが高すぎである。

 

「ん」

「手紙?」

 

その幼女から一通の手紙を渡されるジョニー。開いて目を通すとそこには、

 

『ヤッホーまいどうたー。元気してるかい?元気してるよね!そりゃなんせ私たちの息子だもんね!風邪を引くなんてあり得ないよね!バカだろうしwwで~私たち誰かわかる?この手紙かいたの誰かわかる?ねぇねぇ!(n‘∀‘)η正解は~ぱぱりんとままりんでーす!(*≧∀≦*)驚いた?驚いたよね!フッフーン!私たちは元気ですよ!そりゃもう新しく子供もできたし、この前なんてアナコンダを捕まえて食べたくらい!いや~娘が食べられなくて良かった(*´∇`*)ってことで、私たちの娘、もとい君の妹、アイシアをプレゼント!お世話頑張ってね~ヾ(*゚ω゚)ノそっちにはもう一人の君の妹もいるから協力して頑張ってね、愛しの君の両親より《*≧∀≦》』

 

破り捨てたジョニーを誰も責められないでしょう。それほどにテンションがいかれてた。

 

「お前も苦労してたんだな、アイシア」

「…」

 

返事もなく、目も合わせないアイシア。

 

「ん~まぁ、あんまり実感ねぇけど俺は雄、またはジョニーだな。君のお兄さんってことになるな」

「…知りません」

 

プイッと顔を背けるアイシア。まぁ全裸の見慣れぬ男性が目の前にいれば顔も背けたくなるでしょう。

 

「ふむ…そんな親とはなれるのは嫌だったか?」

「…」コクン

 

下唇を噛み、泣きそうな顔になるアイシア。

 

「あのな、俺もあの親に置いてかれたんだ。アイシアよりもっともっと小さいときにな。」

「…そうなの?」

「そうなんだよ。ばあちゃんのいうことにゃ生後半年でばあちゃんとこに置いてかれた」

「…寂しかった?」

「いいや、全然」

 

心からそう言ってのけるジョニー。

 

「なんせ俺は親の顔も知らないうちに預けられたからな。それにばあちゃんや近隣住人のはた迷惑なやつらがいたからな、寂しいなんて感じる間もなかった」

「…でも私……グスッ…パパもママも…」

「その年で独り立ちっていうのは無理な話だよなぁ…でもな、お前は一人じゃねぇよ。なんせお兄ちゃんが一緒これからずっと一緒にいてやるから」

「…おにい…さん、なんてぇ……知らないもん…!」

 

ついには泣き出してしまうアイシア。

それを困ったような顔で見るジョニー。

 

「うん、まぁ急に兄妹だなんて言われても全然わかんないよな。俺だってお前が妹だって言われても実感ないし」

 

そういいながらアイシアを抱え立ち上がるジョニー。

 

「でもな、本当に兄妹だなんて俺には関係ないんだよ。ただ俺はアイシアを守り育てていくってもう決めたんだ、お前のお兄ちゃんとして」

「……そんなの、私…関係ないもん」

「そうだな、俺が勝手にやりたいって思っただけだ。それよりお腹減ってないか?」

「…食べたくない」

「もうこんな時間なのに?」

 

時計を見るともう7:30を過ぎている。

 

「…ママのがいいもん」

「そっか…ならママにすぐ会えるようになるようにまずは大きく育たないとな。だから、今は食べようや」

 

そう言って抱えたまま、さっきまで仕込みに使っていた給湯室に歩いていくジョニー。

 

「何か好きな食べ物あるか?」

「…ママの」

「嫌いな食べ物は?」

「…とかげとサボテン」

「お前の親何を食わせてんだよ…」

 

アナコンダを食べるほどですしね。食べれそうだと思ったらなんでもなんでしょうね…。

 

 

 

給湯室に戻り、しばらくしていい匂いがその部屋を満たし始めます。

その匂いにつられ鳴る、くぅ~という腹の虫の音。

 

「お、さすがカレーの匂い。食欲誘うよなぁ」

「…知らない」

「ハハハハそう照れるな!子供は食って寝て大きくなるのが仕事だ!」

 

そういって鍋の火を止め、土鍋で炊いた白米を器に盛り付け、カレーをかけるジョニー。

 

「はいよ、お食べ」

「…いらない」

「美味しいのになぁ~」

 

そういいながら自分でもさらに大盛りによそったカレーをもきゅもきゅと食べるジョニー。

 

「それに言ったろ?子供は食って大きくなるのが仕事だって。大きくなんなきゃパパママに会いに行けねぇぞ?」

 

そう言うと渋々とスプーンを手に取り、カレーを口に運ぶアイシア。

一口、そしてもう一口と食べると泣き出してしまうアイシア。

 

「どうした、辛すぎたか?」

「…ママとおんなじ、味なの…」

「そっか…」

 

゛俺の母さんもばあちゃんに料理習ったんだなぁ゛ってしみじみと言うジョニー尻目に、涙ながらにカレーをモキュモキュと頬張り出すアイシア。

 

「ほら、そんな急いで食べなくてもなくなんねぇから。それにほら、鼻チーンしな。味がわからなくなるだろ?」

 

されるがままに鼻をかむアイシア。

そしてそのまま食べ進み…

 

「…おかわり」

「了解」

 

恥ずかしげに皿を差し出すアイシアに笑いながら受け取り、もう一杯盛るジョニー。その顔はとても満足げでした。

 

 

 

 

「ごちそうさまでした」

「お粗末様、ほらこっち見て。口の回りに付いてるぞ」

 

ぐしぐしとその口の回りをティシュで拭ってやるジョニー。

 

「ねぇ…ここってどこなの?」

「あぁ、そういうの知らずにここ送られてきたのね。ここは美城っていってな、まぁメディア関係でいろいろなことやってる会社だな。俺の職場」

「何してるの?」

「アイドル育ててる」

「アイドル?」

「そうそう、テレビで歌って踊ったり写真が雑誌に乗ってたりするやつだ」

 

そういってスマホを操作し、アイドルたちの写真を見せるジョニー。

 

「なんで着替えてる写真ばっかなの?」

「おっと、フォルダを間違えた」

 

何を撮ってるんでしょうね、この男は。リビドーなんでしょうね…。

 

「フリフリな服着てるね」

「そういう仕事なんだよ」

「…大変だね」

「まぁな。っとそれじゃそろそろ家に帰るか」

「ここが家じゃないの?」

「最近までここも俺の家扱いしてたが嫌な予感がしたからちゃんとした家を確保した」

「…ママみたい」

「血筋かぁ…ま、それじゃあ帰ろうか。俺たちの家に」

 

 

 

 

 

「さて、ここが俺たちの家だ」

 

美城から程近いところにある一軒家。以前までは美城の成人アイドルが気楽に飲むのに使っていた共同で借りていた家だが、今は管理人という形でジョニーが住み込んでいる。

 

「ほら、ここがこれから俺たちの家だ。ほら、帰ったら言わなきゃいけないことがあるだろ?」

「?」

「ほら、゛ただいま゛ってな」

「…ただいま」

「おかえり、アイシア」

 

そして中に入るとあるのはバーカウンター。子供の教育に悪いことこの上ない気がどことなくしないこともない部屋である。

 

「ママとよく行くお店みたい」

「子供どこにつれてってんだよ…」

「うん!よくこのお酒飲んでるの!」

 

お母さんとよく一緒に行った場所と似ていることもありご機嫌な様子なアイシア。そしてその腕に抱えたお酒はスピリタス。

 

「血筋かぁ」

「好きなの?」

「あぁ、お前の母ちゃんと同じでな。さてと、お風呂はいるか」

「お風呂?」

「海外だったっぽいしやっぱシャワーか?」

「うんうん、川」

「どんな生活送ってるんだよ…俺でもちゃんと温泉見つけれたときは温泉だったのに」

「温泉?」

「まずお風呂っていうのはでっかい容器にお湯をためて疲れを癒す日本の誇るべき伝統で、それの上位存在が温泉だ」

「へ~」

「それじゃはいってみるか」

「うん!」

 

興味津々ワクワクなアイシアをつれてお風呂にはいるジョニー。幼女をつれてお風呂にはいる成人男性というちょっとした条例にふれそうな絵面はスルーして風呂上がり。

 

「風呂上がりには腰に手をあて牛乳を煽る!これがやっぱ定番だな!」

「おいちー!」

 

さすが日本古来から続く裸の付き合いである。一気になつかれている。ちなみに寝巻は浴衣である。理由は下着がいらないから、サイズを変えるのが楽だからである。

 

「次は歯磨きだな。歯磨きわかる?」

「うん!木とか草をカミカミするやつだよね!」

「うん、動物の毛を使うもっと前の時代か。文明からかけ離れてるな」

 

そのあと歯磨きを実演して見せ、結局はジョニーがアイシアの歯を磨いてあげたのだが、はじめての経験らしく予想以上に楽しそうである。

 

そして、さすがに長距離の移動もあり眠そうなアイシア。

 

「ほら、布団敷いてやったからそろそろ寝ようか」

「わぁ…ふわふわだぁ」

「普段何で寝てるんだろうな…想像つくけど。俺もよくやるけど」

「えっと…」

 

布団に入り、ちょっと不安そうにジョニーを見るアイシア。それを当然といったように見るジョニー。

 

「大丈夫だ。アイシアを一人にしてどっか行ったりしないよ。ずっと側にいてやるって言っただろ?」

「ありがとう……゛お兄ちゃん゛」

 

はじめてアイシアが口にしたお兄ちゃんという言葉。

 

「お兄ちゃんなんだから当たり前だろ、゛アーシャ゛」

「アーシャ?」

「愛称とかつけた方が兄妹らしいだろ?これからよろしくな、アーシャ」

「…うん、お兄ちゃん」

「あぁ、おやすみアーシャ」

「おやすみ、お兄ちゃん」

 

こうして夜は更けていく。

二人仲良く寄り添いながら。

 

 





ってことで今回はどんな感じてこの兄妹ができたのかでしたとさ。
次回は胸か、清楚か、病持ちのどれかメインの話にしたいと思います。

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