ルーキートレーナーに幸あれ   作:bakabakka

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キーボード死にました。


ルキ「遂に…いつかはやると」

 

いつも通りのレッスンの日、でもいつもと違うことが…目を疑うようなことが起きてしまいました。

 

「お兄ちゃん、お兄ちゃん!ここどこ?」

「ここは美城って言ってな、まぁいろんなことやってるとこだ」

「へ~すごいんだねぇ」

 

先輩に肩車されている小さな、小さな子供。女児と称した方が適切でしょう。

銀色の少し跳ねた艶やかな髪、長いまつげにクリクリの青い瞳、そして透けるような白い肌。

西洋人形のような綺麗な子供です。

 

そこで疑問です。

Q. 先輩がなぜこんな綺麗な幼女を連れている?

 

先輩の普段の行いから想像できるその答えとは?

A.誘拐。

 

「まて!はやまるな‼」

 

先輩の大声でおもわず動きが止まります。私の手の中のスマホには11という数字が打ち込まれています。

ちっ!あと0さえ打ち込めれば市民の味方を召喚出来たのに!

 

「いいか?お前の今考えていることはー「お兄ちゃん大好き♥」ちょっと待ってくれアーシャ?うん、お兄ちゃんも大好きだからちょっと待とうか?」

 

幼女から頬にキスをされている先輩。

しかもお兄ちゃんと呼ばせています。

私は静かに0という数字を自分のスマホに打ち込み、ダイヤルを押しました。

 

 

 

 

「で、これなに?」

 

場所は美城カフェ、その席の1つには手錠をはめられ、膝の上には幼女を乗せ、周りを警官に固められた先輩の姿が。

 

「現行犯逮捕だ、言い逃れはできんぞ!」

「現行犯もなにも何も犯してねぇ!」

「これから犯す気か!?キサマァ」

「お兄ちゃんっ♥」

「…言い訳があるなら聞こう」

 

海パンスタイルなため露になっているその厚い胸板に頬をスリスリするその幼女。

 

「言い訳も何もアーシャは俺の血の繋がった妹だ」

 

この白くてかわいい女の子とハゲ、筋肉、黒光りと揃った先輩が?

血縁関係?ははは、そんなばかなぁ~

 

「嘘は休み休み言え!この犯罪者がぁ!」

「だぁもう埒があかねぇなぁ!警察庁の長官に連絡とってこい!話はそっからだ!」

 

先輩のその言葉に警官のなかでリーダーのように見える人が顎で部下に指図します。

 

そしてしばらく。

 

「えっと…そのぉ…血縁関係で、間違いないようです。…信じがたいことですが」

「「「え(は)?」」」

 

私の声と警察官の驚きの声がハモります。

 

「だから言っただろ?」

「ねぇ?」

 

あきれたような先輩とそれに同意して先輩の真似をしてあきれた真似をする幼女。

 

「…失礼しました」

 

すごく悔しそうに、歯軋りが聞こえそうなほど悔しそうにしながら頭を下げる警官たち。

 

「HAHAHAHA、わかったならさっさとこの輪っかを外したまえ」

「たまえー!」

 

先輩の真似をし、またあとに続けて言うその幼女。…正直すごいかわいいですこの子。先輩との血縁を疑うレベルです。というか未だに疑ってます。失礼です。

 

「それでは、失礼します」

 

そう言って去っていく警官たち。

先輩の手にかかった手錠はそのままに。

 

「おい待て!鍵はどうした鍵!?」

 

去りながら鍵を取り出す警官。そして…

 

「投げたよアイツ!投げやがったぜ!?顔覚えたからな!今度あったとには覚悟しやがれ‼」

「お兄ちゃん、元気出して?」

「ありがとよ、俺の味方はアーシャだけだ」

「えへへへ(*´∀`)♪」

 

先輩の膝の上にたち、精一杯手を伸ばし先輩の頭を撫でるその幼女、プライスレス。

 

 

 

警察も去り、一息ついていると周りからこちらをうかがっていた人たちが近づいてきます。

 

「ジョニーさん大丈夫ですか?」

「あのまま捕まれば良かったのに」

「ハハハ、ジョニーも災難だったね!」

「笑うなちゃんみお、この三人だとやっぱしまむーが天使か…」

 

まずはニュージェネレーションの3人、あと島村さんは堕天してますよ、先輩のせいで。

 

「雄くん大丈夫ですか?」

「美波これはずしてくんね?」

「はい、わかりました」

 

次は新田さん。

先輩からの注文を受けると長い髪の中から先が鉤状になった器具を取りだし、先輩の手錠を構いだします。

しばらくするとカシャッというこ気味いい音と共に手錠が外れます。

…ピッキングは犯罪です。

 

「はぁ、無駄に疲れた」

「ならいい加減注文したらいかがですか?キャハッ」

「ウサミン年r「あん?」なんでもありません」

 

次には安部さんが注文を聞きにやってきます。

 

「アーシャ、何か食べたいものはあるか?」

「お兄ちゃんが作るケーキがいい!」

「行ってくる」

 

妹の発言により、注文を聞きに来た安部さんをおいてすぐさま厨房に向かう先輩。

 

「アーシャちゃんって言うの?私本田未央!よろしく!」

 

先輩がいなくなり、先輩の妹改めアーシャちゃんが寂しくないようにとすぐ声をかける本田さん。ここら辺のコミュ力はさすがです。

 

それに対して…

 

「うん、知ってるよ。ま、お前は無関係だから仲良くしてやってもいいよ、本田未央」

「え」

 

クリクリだったつぶらな目は切れ長なこちらを蔑むような目に変わっており、その口調も先輩がいたときに比べ乱暴に、トーンも低くなっています。

その変化におもわず呆然。

 

そんな私たちを差し置いて話を続けるアーシャちゃん。

 

「まず名乗ってあげるわ、私の名前はアイシア。お兄ちゃんはアーシャって呼んでくれてるわ。よろしくしてあげるわ本田未央、渋谷凛、青木慶。」

 

まだ自己紹介もしてないのにフルネームでその名前を言われる。アイドルの本田さん、渋谷さんならわかりますがなぜ私まで?それに、なんでこの3人だけ?

 

「島村卯月、新田美波、安部菜々。お前ら泥棒ねことは仲良くしてやらねぇ」

「えっと…その、どうしてですか?」

 

そのアーシャさんの態度に疑問の言葉をこぼした島村さん。

 

「決まってるだろ?私の!お兄ちゃんの体をイヤらしい、メス臭い目でジロジロ見やがって…この筋肉フェチが」

「ふぇ!?」

 

容赦ない、というかこんな幼児の口から出てくることが信じられないような言葉の羅列にド肝を抜かれます。特に島村さんは顔を赤くしあたふたとしだします。

 

「こっちは知ってんだからな?昨日お兄ちゃんのことを思いながら【ドキュン‼】回も(ピー)したんだろ?清純なふりしといてとんだ○乱女だ」

「///~~~!!??」

 

顔は赤を通りすぎ、太陽になり、声にならない叫びをあげながら走っていく島村さん。

 

「ハッ、おとといきやがれこのメスブタが」

 

なんなんですかこの幼女。島村さんの反応を見る限り図星そうなんですけど…。なんでそんなことを知ってるんですか。ちょっと座っている足がガタブルなんですけど私!

 

「次は安部n…おにーちゃーん♥」

「「「「!!??」」」」

「お、アーシャ、ご機嫌だな」

「うん!お姉ちゃんたちとっても素敵で楽しいんだ!」

「そりゃよかった。それで聞き忘れてたんだけど、なにケーキがいいんだ?」

「お兄ちゃんのおすすめを頼むぜ!」

「ははは、可愛いやつめ!おし!兄ちゃんにまかせとけ!…ってしまむーは?」

「卯月おねーちゃんは用事があるんだって~」

「そうか、しまむーの分も分量とっちゃったんだがなぁ…ま、後で渡すか」

 

先輩が近づいてきた瞬間、その目はクリクリのつぶらな目に変わり、虫も潰さなそうな女の子に戻り、先輩に甘えています。私たちのことをお姉ちゃんっていってますし、島村さんを撃退したのを平然と嘘で流しますし…もうなんなんですかこの子!?怖いんですけど!

 

本当に怖いんですけど‼

 

そしてまた、先輩がケーキの続きを作りに厨房に戻ります。

それをニコニコ顔で見送るアーシャちゃん。そして先輩が見えなくなると…

 

「フゥ…それじゃあ話の続きをしようじゃねぇかぁ、安部菜々」

「菜々はその、あのぉ…仕事中ですし、まだまだ仕事ありますし!」

「そう言うなよ、ゆっくりしとけよこの女狐…。お前知ってんだぜこっちは?あんだけ普段嫌々いっといてあのやり取りを楽しく思ってるんだろ?あぁ?」

「そそそそんなこと、ないですよ?」

 

目が泳ぎまくっている安部さん。汗もすごいです。そして目がぐるぐるになってます。どうみてもおい込められてます。

 

「あんだけ嫌い嫌い、変態変態言っときながら同棲しやがりやがったしなこのアマがぁっ!しかもそんときにぃ?一緒の布団で寝たりとかぁ?しちゃったりしちゃったらしいじゃねぇかよ」

「あれは…そのぉ~違うんです!」

「何が違うってんだぁ?しかもお前…それ以上もいっちまってるからなぁ…さすがの温厚な私もプッツンしてしまうってもんだ」

「え"」

 

アーシャさんのその言葉に安部さんの顔が真っ青になり固まります。

 

「お前、お兄ちゃんと一緒に酒を飲んだとき、独り身が寂しいからって押s「待って!待ってください‼お願いします!」…そうだなぁ、黙ってほしけりゃ自分の本当の年齢とウサミン星なんてねぇってここで宣言してもらおうかぁ~」

 

アーシャちゃん…いえ、アーシャさんのその悪魔のような笑みの前で固まる安部さん。その頭のなかでは今、様々な葛藤がされていることでしょう…なんででしょうか?見てるこっちも涙が出てきそうです。

 

「ぴゃあぁぁぁぁぁぁぁあ!」

 

ついにもう耐えられなくなったのか、奇声をあげて島村さんのように走り去っていく安部さん。

 

…ご冥福をお祈りします。アーメン。

残ったみんなで十字を切ります。…ウサミン星ってキリスト教なんでしょうか?

 

「さぁて、最後は新田美波よぉ!」

「は、はい」

 

アーシャさんの剣幕に、さすがに一歩引く新田さん。

大丈夫です、恥ずべきことではありません。私や本田さんに渋谷さんも引いてますから。可能なら今すぐ逃げ出したいですから。

 

「私はお前が一番嫌いだ」

「まさかのドストレート!?」

「未央、黙って」

「それは、なんででしょうか?」

「ヒント1、お前が高2のときの夏。ヒント2、高3春。ヒント3、高3冬。分かるだろ?」

 

私たちからすると全然理解できないヒント。それでも新田さんには理解できるらしく、ヒントがあげられるにつれ顔が赤く、目がぐるぐるしていく新田さん。

 

「それは、その…」

「まぁこの話はおいといてやる。他にもお前は大量にあるからなぁホント!私の!お兄ちゃんに‼お兄ちゃんにぃ‼」

 

幼女の奥歯からギリリッて音が鳴る姿はとても異質ですが迫力満点です。というかいったい何をやったんですか新田さん!

 

「あっ!あなたの雄くんじゃないんです‼」

 

赤面ゲージがMAXまで来たのか、真っ赤な顔にぐるぐるおめめで、手をブンブンしながら反論を始めます。

 

「あぁん?私のお兄ちゃんに決まってんじゃねぇか!なのに酔ったら酔ったで私のお兄ちゃんを『お兄ちゃん』って呼びやがるしよぉ!」

「少しくらいいいじゃないですか!たまには私だって甘えたいんです!それに雄くんが甘えていいって言ってくれたんですし、可愛がってくれて、守ってくれて、教えてくれて…色々してくれたんです!」

「それは妹の私たちが受けとるべきものなんだよぉ!返せ!お兄ちゃんを返せ!」

「イヤです!私だって…私だって雄くんのこと…‼」

 

「俺がなに?」

 

厨房から顔を覗かせこちらに問いかけてくる先輩。

 

「雄くん!?」

 

急に出てきた先輩に遂には湯気まで出しながらワタワタしだす新田さん。普段のお姉さんな態度は見る影もありません。

アーシャさんは勿論いつの間にか可愛らしい天使の笑みで両手をブンブン振ってます。

 

「おいおい、大丈夫か美波?」

 

いつもから逸脱している新田さんを不審がり、厨房から出てきて新田さんに近づく先輩。

新田さんはどうしていいかわからずもう真っ赤でワタワタしているだけです。

 

「熱でもあんのか?」

「―――――ッ!‼?」

「ふむ、36.4786。熱はないな」

 

どこの桁まで計れてるんですか先輩…

というか額を合わせた瞬間新田さんが噴火してアーシャさんがスッゴく悪い顔になりましたよ。そりゃもう、チビるくらいには。

 

「ん?アンモニア臭が…」

 

気のせいです。先輩。

それと、そろそろ離れないと新田さんが…

 

「お、お、お……お外走ってきまふぅぅ!!」

「あ」

 

遂には耐えられなくなり、パニクりながら走って逃げていきます。

 

「チッアザトイヤロウダ」

 

アーシャさん、毒もれてます。

なんにせよ、とんでもない存在が出てきてしまいました。

 

 

 




結局スマホで打ってパソコンに転送しました。しばらく更新がお察しになるかもですが、よろしくお願いします。

そして前回の問題の正解は全てでした。
当たった人には何もないよ!

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