ルーキートレーナーに幸あれ   作:bakabakka

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思いついた端からやっていきま~す


ルキ「暴動が起きますよ!?」

 

先輩のスt…監視を終え、家に帰ってみると、

 

「お姉ちゃんどうしたの?」

「あぁ、おかえり慶」

「うん、ただいま。…それでラジオの準備してどうしたの?」

 

いそいそとラジオの準備をしている明お姉ちゃん。

何ででしょう?あまり良くない予感がします。なんかこう…凶悪な怪物から逃げて後ろを振り返ったらいなくて逃げ切ったかと思って安心して前を向き直したら目の前に怪物がいた、みたいな感じのシーンが来そうな予感が。

 

「さっき常務から連絡があって、今日のデレラジは面白いだろうから関連職員はなるべく聞くようにって」

「そうなの?」

 

お姉ちゃんのその話を聞いて自分のスマホを確認してみると確かに常務からの一斉メールが来ています。スト…観察のためにマナーモードにしてて気づきませんでした。

 

「あ、はじまるわよ」

 

 

『さぁ、今回も始まりましたデレラジ!今回のメインパーソナリティはウサミン星からやって来たナナが担当させていただきます!きゃはっ♪』

『おい、歳をかんがっ…』

『あはっ!今日のゲストは美城プロダクションが誇る歌姫の一人!高垣楓さんでお送りします!』

 

 

……。

 

「ねぇお姉ちゃん。先輩の声が聞こえた気がするんですけど」

「…気のせいということにしときましょう。私たちの精神衛生的に」

「ですね」

 

そうですよね、気のせいですよね、あははは…はぁ。

 

 

 

『さて、今回は楓ちゃんから重大なお知らせがあると聞いたんですけどそれは本当なんでしょうか?』

『うふふ♪とっても大切なお知らせです。みなさんも祝福してくれたら嬉しいです』

『ん~正直現場のナナにはそのお知らせが何なのか丸わかりなんですが…』

『たぶん祝福じゃなくで怒号が飛んでくるだろうな』

『雄くんシッ!今回私たちはいない設定なんですよ?』

 

 

「……」

「こ、今回は新田さんもいるみたいね」

「そっそうだね!先輩なんていないよね!」

 

正直苦しいですが、大丈夫です!まだ本格的に話に交じってないからセーフです!

 

 

『それで楓さんや、重要なお知らせ言っちゃて下さいよ。早く阿鼻叫喚なコメント群を見たいから』

『雄くんは黙っててください!それは進行のナナの仕事です!ってことで発表どうぞ!』

 

 

大体の予想はつきますけど…まさか、ね?

 

 

『このたび結婚することになりました~♡』

 

 

予想的中!

 

「ぇ……」

 

ああ!お姉ちゃんの目が点になってます!

 

 

『それはそれは!おめでとうございます!お相手はもちろん?』

『はい、プロデューサーさんです』

『…どうも、武内です』

『たけちゃん、もっと惚気とけって~なんせ皆の憧れ楓さんと結婚することになったんだし』

『では…特技は早脱ぎです』

『家に帰るといつもすぐ脱いでますもんね、プロデューサーさん』

『まさかの同棲宣言です!?』

『菜々ちゃんだって先輩と一時期同棲してたらしいじゃないですか』

『美波ちゃんだってよく2人旅してたらしいじゃないですか』

『うふふ、みんな仲がいいわね』

『おめでとうございますね、まゆも早く16歳になって結婚したいです~』

『待て!俺はまだ諦めてないぞ‼だから早く婚姻届けを破棄するんだ!』

『中坊さっさと諦めろよ』

『お前こそさっさと一ノ瀬に堕とされろ!』

『『あぁん!?やんのか!』』

『2人とも往生際が悪いかと』

『『人生の墓場1ノリは黙ってろ!』』

『望んだ方となので天国ですね』

『『チクショウメ!!』』

 

 

それよりそんなことばらして大丈夫なんですか!?

こう…人気とか!

リスナーさん置いてけぼりですよ!?

あともう先輩隠れる気ゼロですか!

というかなんでまゆさんと下川さんもいるんですか!

 

何で3バカがコンプリートされてるんですか!?コンボボーナスなんてありませんよ!

せいぜい混沌と全裸が生まれるだけですよ‼

 

 

『あ、リスナーさんからのお便りがどんどん届いてますよ!』

『うふふ、みなさんのお便りが頼りになります♪』

『おい婚約者、解説よろ』

『嬉しいということです』

『言いたかっただけってことか』

『それではまずはPN.お花屋さんから

〈プロデューサー、絶対負けないから待っててね〉

どういう意味でしょうか?』

 

 

そう言えば渋谷さんの実家はお花屋さんでしたね、特に意味はないですけど。

 

 

『なぁこれって渋y…』

『言うな中坊…たぶんまだまだ来るから』

『続きまして、PN.楓様ファンクラブ会長さんから

〈我々楓様ファンクラブは楓様の幸せを第一に考えている。だからプロデューサー貴様を認めてやらなくもないが一度でいい…ジャーマンスープレックスをかけさせてくれ、会員一人一回づつ〉

あれ?これもお祝いじゃないです』

『ちなみにファンクラブの規模は1000人を容易に超えるな』

『軽く砕けるな、頭が。それよりまゆちゃん?そのゼク○ィは何のため?』

『あ、次はお祝いです!PN.川島瑞樹さんから

〈楓ちゃんおっめでとう~(o^―^o)先を越されちゃったけど全然悔しくなんてないから!これでまたお母さんからのプレッシャーがまた増すとか思ってないから!うん、ほんと、おめでとう…〉

 

私もお母さんが…』

『…うさみん、今日は飲むか』

『…はいグスッ』

『えっと…メインパーソナリティがノックアウトされたため私、新田美波が引き継ぎます』

 

 

メインパーソナリティが放送中にノックアウトされるなんて前代未聞だと思うんですけどそれでいいんですか?

と言うより本人ですか?本人ですよね!絶対‼

 

「あれって本物の川島さんよね?」

「本物だと思いますけどわからなかったことにしてあげるのがいいんでしょうか?」

「…今度合コン開いてあげようかな」

「お姉ちゃんにそんな相手いるの?」

「失礼ね…いないけど」

 

 

『それでは次のお便りに進む前に楓さんにお話を伺いたいと思います』

『はい、いいですよ』

『それではいつごろから交際されていたんでしょうか?』

『半年近く前からですね』

『結構前からなんですね。武内さんのどこらへんに惹かれたんですか?』

『とっても口下手で、気持ちを伝えるのが苦手なのにとっても優しくて、一生懸命なところですね』

『だってよ、たけちゃん』

『だってさ、うっちゃん』

『…』

『武内さん、少し赤くなってますね』

『うふふ、そこが可愛いんですよ♪』

『雄くんとは違って可愛げがありますね』

『今日寝てる俺を見て可愛いとか言ってたのはどこの誰だったかなぁ』

『…誰でしょうね』

『まゆも忠文さんの赤くなっているところ可愛いと思います!』

『うん、だからそのゼ○シィをしまいなさい』

 

 

なんでしょう?無性にイライラ胸やけします。

 

「何でかしら?今すぐ呪いの言葉を吐きたいんだけど、舌打ちも付けて」

「お姉ちゃんもですか?」

「これってちょっとしたテロよね」

「始まってから何人壁を殴ったんでしょうね」

 

 

『それでは、プロポーズはどちらからでしょう?』

『プロデューサーさんからです』

『おっ、うっちゃん男を見せたな』

『忠文さん!まゆも待ってますからね!』

『なぁ、俺の逃げ場ってどこにあるんだ?』

『もう諦めたらどうだ、中坊』

『お前も諦めて一ノ瀬に食われちまえ、年齢も問題ないだろ?』

『気持ちの問題が一番重要に決まってんだろ?』

 

『『『え!?』』』

「「え!?」」

 

『おいお前らなんだその反応は』

 

 

先輩からそんな言葉が出るなんて…明日は隕石でも降るんですか?

 

 

『雄くんってなんかその場のノリと勢いでやっちゃいそうですし』

『失礼だなウサミン、ちゃんと考えてヤッてるに決まってんだろ』

『下半身で?』

『おい中坊、俺の頭は飾りだとでも言いたいのか?』

『髪でデコレーションされてないな』

『これはこれでいいもんだぞ?』

『えっと…話がずれてしまいましたけど、プロポーズの言葉は?』

『ひ・み・つ、です♪私たちだけの大切なも思い出なんですから。ね、プロデューサーさん』

『……』

『おい、真っ赤になって頬を掻くな、怖いだろ』

『ぶぅ…可愛いじゃないですか』

『ベヘリットよりは可愛いな』

『それで忠文さん、私にはどんなプロポーズの言葉をくれるんですか?』

『おい、その隠して持っている録音機はなんだ。証拠を押さえる気だろ、既成事実にする気だろ!』

『えっと…それでは残りの時間、またお便りを読み上げたいと思います』

『さぁ、呪いの言葉か、祝の言葉か』

『雄くんは黙っててくださいね。それではPN.元秘書さんより

〈愛人、または都合のいい女に興味はありませんか?…責任、とってよね〉

…これはなかった方向でいきましょう』

『おいジョニー…』

『言うな、考えるな、忘れ去れ』

『気を取り直して次のお便りです。PN.ふくべ~さんから

〈責任〉

…間違えました。では本当の次のお便りです、PN.565さんからです

〈さっきから依頼の電話が鳴りやまない。…まぁ儲けになるからありがたい。

お礼に深紅の花をお前の頭に届けたいお思う、おめでとう〉』

『お祝いの言葉、ありがとうございますね』

『ヘッドショット、か…』

『掲示板にもxyzと書かれまくってやがるな』

『腕利きばかりだな…』

 

 

13さんとシティーハンターですか…そうそうたる射撃の名手ですね。

 

「これってご祝儀がいいのかしら、それとも香典?」

「お姉ちゃん、しゃれにならない

 

 

『続いてのお便りです。PN.哀戦士さんから

〈NTRを身に付けていた俺は最強…だからこの涙は違うんだ。結婚、ありがとうございます〉』

『どういたしまして、でいいのでしょうか?』

『…いいんじゃないでしょうか、哀戦士さんも幸せそうですし』

『新田ってNTRの意味知ってるんだな』

『俺との付き合いの長さを考えろ、当然だろ』

『納得だ』

『さて、もうそろそろお時間なので最後のお便りとしたいと思います。PN.母ですさんから

〈菜々、いい相手はいないのかい?いないのならうちに帰ってお見合いを考えてみないかい?〉』

『おっお母さん!?』

『まさかの最後で全然今回に関係ないお便りだな』

『お母さん!余計な心配しなくて大丈夫だから!そ、それにナナはまだ17ですし!お見合いなんてする年齢じゃありませんしぃ!』

『おいおい、泣くなって。今日の晩酌付き合うから、な?美波もそれでいいか?』

『はい、もちろんですよ』

『うふふ、私たちもいいかしら?』

『中坊も来いよ』

『あいよ、まゆはまだ飲めないからダメな』

『菜々ちゃんはいいのにですかぁ?』

『それは…うん、主役だからな、うん、特別に』

『えっと…それでは今回のデレラジはこれで終わりたいと思います。また次回をお楽しみにください』

『おいだからうさみん泣くなって、な?今日は俺たちの驕りだから、な?』

 

 

そこで音が切れ、静まり返るラジオ。

 

「…私たちも行き遅れないようにしなきゃね」

「麗お姉ちゃんが心配です」

「慶も早いうちから考えておかなきゃダメよ?」

「明お姉ちゃんもね」

 

なんだかとても切なく感じた、そんな瞬間でした…

 




この後めちゃくちゃうさみんが愚痴った

ってことで婚約騒動は終了!


次回は思い付きによる!

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