この愛くるしい王子に祝福を!   作:猫愛好家No.580

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始まりの街アクセル
冒険者登録


「ここが駆け出し冒険者の街アクセルかぁー」

僕が城から家出して一週間、馬車に乗ってここまでやってきた。

やっぱり外はいい、空気は美味しいし、全てが新しいものに満ち溢れている!

冒険者ギルドはどこだろう?

そこにいる、通りすがりのおばあさんに聞いてみよう。

 

「すいません、ちょっといいですか?冒険者ギルドを探しているのですが、知りませんか?」

 

「ギルド?あら、この町のギルドを知らないなんて、ひょっとして他所からやってきた人なのかしら?」

 

「はいっ!王都から来たんです。ついさっき、この街に着いたばかりなんですよ」

 

「そうだったの.....。この街に来るって事は、冒険者を目指している方かしらね。駆け出し冒険者の街アクセルへようこそ。ここの通りを真っ直ぐ行って左に曲がれば看板が見えて来るわ」

 

「まっすぐ行って左ですね。どうも親切にありがとうございました!」

 

おばあさんにお礼を言って、教わった道を歩いて行くと冒険者ギルドが見えてきた。

 

 

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冒険者ギルドはすごく大きな建物で、中からは、お酒や食べ物の匂いが漂っていた。

中には怖い人とかいるのかな、僕に絡んでこないといいんだけど。

そして僕は冒険者ギルドに入っていった

 

「いらっしゃいませー。お仕事案内なら奥のカウンターへ、お食事なら空いてるお席へどうぞー!」

ウェイトレスのお姉さんが、愛想よく出迎えてくれた。

そこらかしこに鎧を着た人たちが多くいる。

怖そうな人はあまりいない。

でもなんでだろうみんなやけに僕のことを見つめて来る

新参者が珍しいのかな?

僕はまっすぐ受付のカウンターに向かう。

 

「はい、今日はどうなされましたか?」

受付の人は穏やかそうな美人な人だ

 

「えっと冒険者になりたいんです。登録お願いします」

 

「わかりました。では登録料金千エリスになります」

 

「はい。わかりました」

いま僕の所持金は50万エリス。

お金多めに持ってきて良かったー

 

「では。冒険者について簡単な説明をしますね。まず、冒険者とは街の外に生息するモンスター、人に害を与えるモノの討伐を請け負う人のことです。とはいえ、基本は何でも屋みたいなものです。そして冒険者には、各職業というものがあります。」

 

へぇー職業か僕は何の職業に着けるんだろう!楽しみだなぁー!

受付のお姉さんが僕にカードを差し出した。

 

「こちらにレベルという項目がありますね?ご存知の通り、この世のあらゆるものは、魂を内に秘めています。どのような存在も、生き物を食べたり、もしくは殺したり。他の何かの生命活動にとどめを刺すことでその存在の魂の記憶の一部を吸収できます。通称、経験値、と呼ばれるものです。それらは普通、目で見ることができません。しかし、このカードを持っていると、冒険者が吸収した経験値が表示されます。それに応じて、レベルというものも同じく表示されます。これが冒険者の強さの目安になりどれだけの討伐を行なったかもここにきろくされます。経験値を貯めていくと、あらゆる生物は或る日突然、成長します。このレベルが上がるとスキルを覚えるためのポイントなど、様々な特典が与えられますので、ぜひ頑張ってレベル上げをしてくださいね」

 

「まずは、こちらの書類に身長、体重、年齢、身体的特徴等の記入をお願いします」

受付のお姉さんに渡された書類に、僕の特徴を書いていく。

 

「あれ?あの性別間違っていらっしゃいますよ?」

 

「僕は男ですよ?」

 

「えっ...すいませんかなりの美人さんだったので」

 

「あっ、はい、大丈夫です」

やっぱり僕は男に見えないのかなぁ?

地味にショックだ

 

「はい、結構です。ではこちらのカードに触れてください。それであなたのステータスが分かりますので、その数値に応じてなりたい職業を選んでください。経験を積むことにより、選んだ職業によって様々な専用スキルを習得できるようになりますので、その辺りも踏まえて職業を選んでください」

これで僕のステータスが見れるのかぁー

剣で戦う職業がいいなー

僕は少し緊張しながらカードに触れた

 

「はい、ありがとうございます。えーシャルさんですね」

さすがに本名を名乗るのはまずいから少し名前を変えた

バレないといいけど

 

「なにこれ!?」

 

「え?どうしたんですか!?何か悪いとことかありましたか?」

 

「いえ、ステータスの数値が平均より全て大幅に超えてます!しかもこれ幸運がカンストしていて数値化できていないんですが、一体あなたは何者なんですか?!」

僕のカードを見たお姉さんが、叫び声をあげていた。

施設内が途端にざわめく

 

「え?そんなにすごいんですか?」

 

「すごいなんてものじゃないですよ?!あなたなら全ての職業になることができますよ!最初から全ての上位職になることができます!」

 

「そ、そうですか。あれ?このプリンスっていう職業は何ですか?」

 

「プリンス?いえそんな職業はないはずですが、どうやら上級職のようですね剣、魔法どちらも使えるかなり強い職業のようです」

 

「そうですか。じゃあプリンスにします」

プリンスって王子のことだよね?

王子だから出たのかな?

この世界に英語がなくてよかったぁー

 

「わかりました。シャル様はプリンスっと冒険者ギルドへようこそシャルル様。スタッフ一同、今後の活躍に期待しています!」

 

こうして僕の冒険者生活が始まった

 

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2週間後〜

 

僕はソロでいろんなモンスターを狩っていた、レベルは18、スキルもいろいろ覚えることができた、いつの間にか僕に二つ名がつけられていた、光と氷の魔法と剣技で戦っていたのが理由なのかはわからないが「聖氷の戦乙女」などという男なのに女の子につきそうな二つ名がついていた。

 

最近よくパーティーに誘われるがなんかいやらしい目で見られることが多いから断っている。しかも大抵僕に任せっきりにしようとするので嫌なのだ。

 

「クエストクリアしましたよ」

 

「わかりました。初心者殺し15体の狩りクリアです。報酬をどうぞ」

僕はあんまりお金を使わないので報酬が溜まって2000万ほど溜まっていた。

 

「おい、聖氷の戦乙女がまた高難易度クエストクリアしたらしいぜ」

 

「まじかよ!美人で強いとかやばいよなー」

 

「ああ、だけど貧乳なのが残念なんだよなぁー」

 

「それな!ほんと残念だ」

おいそこの冒険者聞こえてるからね?

なんで僕はこんなに女の子に間違われるのか。

 

そういえば最近、不思議な二人組を見かけた。

一人はジャージっぽいものを着た男の子でもう一人はヒラヒラしている服を着た凄い美人な子だった。

その二人はいろいろな仕事をしていて楽しそうだった。

最近の楽しみはその二人組の観察だ。

あの二人名前はなんて言うんだろう。

 

 

 


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