さよならのゆくえ   作:ニケヒデ

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 どうもニケヒデです。お待たせしましたさよならのゆくえ:後編の続きです!
ちょっと更新の間隔が空いてしまいすいません…では続きもぜひ読んでいただければ嬉しいです。


さよならのゆくえ後編:2

[お泊りイベント後編]

「はぁ…///」

 先輩の家に先輩と二人きり。すっごく嬉しい、けど突然の事過ぎて頭がついていかない…小町ちゃんに二人きりにさせられた先輩とわたし。一度落ち着こうと先輩にお風呂を勧められた。

「///」

 先輩がいつも入っているお風呂。そこで産まれたままの姿でいることはとても普通ではいられなかった。

 

「ええぃ!ウジウジしててもしょうがない!」

 

 思い切って浴槽に入ると溢れたお湯が流れていく。

 

「あったかい…」

 

 今日はいろんな事があった。ナンパされて先輩に助けられて、また先輩の前で泣いてしまって…。それで怖いだろうからって先輩は無理してまで手を握ってくれて。

 

「やっぱ好きだな~…」

 

 ぽつっとそんな事が出るくらい先輩の事が好きになっているわたし。こんなわたしを先輩はいつか受け入れてくれるだろうか。いや、いつかなんて言っているうちに一緒にいられる時間は無くなるし、しかも先輩にはわたしなんかよりずっと魅力的な二人がいる。

 

 一人は美人で冷たいように見えて実は人一倍悩みとかいっぱい抱えていて、守ってあげたくなるような雪ノ下先輩。

 

 もう一人は可愛くて優しくて、でも周りにばっか気をつかってばっかで危なっかしくてそばにいてあげたくなるような結衣先輩。

 

 先輩も心を許している二人と言えるし、二人も先輩の前では素をさらけ出している。

 

 対してわたしは、可愛いとは思ってくれてるみたいだけど、生意気だしわがままだし、手のかかる後輩くらいしか思ってくれていないと思う。そんなわたしが二人から少しでもリードする方法。それは積極的に行くことしかない。

 二人は関係を大事にしているあまり、まだどこかお互いに遠慮をしている。

 二人にはずるいし、申し訳ないけどでもそれくらいしないと勝てない。恋は戦争だから。絶対に負けたくない。

 

「頑張ろ!」

 

 気合を一つ入れてわたしはお風呂から出た。するとバスタオルが無い事に気づく。気付いた時には遅し。無情にもお風呂場へのドアが開いた。

 

「そういえばあいつにバスタ…」

 

「「えっ?」」

 

 一瞬何が起きたかわからない。状況を整理しよう。わたしはお風呂場から出てきて、貰うのを忘れていたバスタオルを持ってきてもらおうと今、先輩が開けたドアから先輩に頼もうとドアノブに手を掛けようとしていた。すると先輩がバスタオルを持ってくるためにドアを開けた。

 

 つまり鉢合わせである。

 

 「す、すまん///!!」

 

 バタンとドアを勢いよく閉める先輩。

 

(せ、先輩に見られちゃった…///どうしよう…超恥ずかしい…///)

 

 スタイルとかには自信はあるとは言え、まだ誰にも見せていない柔肌を大好きな人に見られた。これが好きでもない男子なら怒るし、警察に突きつけるまであるけど、相手は先輩だ。先輩になら恥ずかしいけど見られても構わない。むしろこれをきっかけに異性として意識してくれればいいなと思うまである。

 ちょっと意地悪してみようとわたしは先輩が入ってきたドアを少し開け、覗いてみる。するとすぐそこで耳が真っ赤な先輩が後ろを向いて立っていた。

 

「…せんぱいの…エッチ…///」

 

「うっ…///!す、すまん…///」

 

「とにかくそのバスタオルください。風邪ひいちゃいます///」

 

「あ、お、おう…///」

 先輩はこちらを見ずに後ろ手に渡してくる。それを受け取り、体を拭いて着替える。

 

 その後、先輩にお風呂を勧め、先輩がお風呂から上がってきて現在先輩の部屋inわたしと先輩。

 先輩は床に正座をしてわたしはベッドに腰かけ、お説教スタート。

 

「…先輩。反省してますか?」

「あ、は、はい」

「わたし誰にも見せた事ないんですからね。しかも全部見ましたよね」

「い、いや全部は見てないというか…」

「見てましたよね。全部」

「…はい」

「ノックしないとかあり得ません。平塚先生じゃあるまいし」

「すいません…」

「…もういいですけど。そ、それでどうでしたか?///」

「え?」

「いや、だ、だからわたしの裸を見た感想を…///」

(な、何を言ってるんだわたしは~///!)

 

「い、いや、おま、お前何を///!」

 激しく狼狽する先輩。

 

「だ、だって見られたからには気になるじゃないですか…///」

 

「うぐっ///」

「で、どうなんですか///!?」

 

「そ、その…す、すげぇき、綺麗だった…///」

 

-ボヒュン!

と音が出るほど顔が真っ赤になったわたし。自分で聞いといてこれである。

 

「な、な、な、なにを言ってるんですか///!!」

 

「い、いやお前が言わせたんだからな///!?」

 

「うっ…///まぁいいでしょう。とりあえず許してあげます///」

-プイッ

 そっぽを向いて顔が赤いのを誤魔化す。

 

「ただし!」

 

「え?」

 

「先輩には今日一日わたしの言うことを聞いてもらいます!」

 

「あぁ…まぁ言われると思ってたけどよ…」

 

「なんですか?お前の事ならなんでもわかってるアピールですかならわたしの気持ちもはやくわかってくださいおねがいしますごめんなさい!」

 

「いや、またフラれんのかよ…ってか後半早すぎて聞き取れんわ」

 

「とにかく!今日一日わたしの奴隷ですからね!」

 

「奴隷かよ…へぃへぃ…」

 

「じゃあそうですね…とりあえず…わたしを後ろからギュってしてください///!」

 

「はぇ?」

 

「うしろからギュっです///!」

 

「な、なに言ってんだお前///!?そんな事無理に決まってんだろ!だいたいお前に何のメリットがあるんだよ!?」

 

「メリットならありますもん…んと…えと…そう!わたし今日襲われたじゃないですか~。怖くて今でも思い出すだけでも震えてくるので先輩に安心させてほしいんです///!」

 

「いやいや思いっきり今考えましたって感じだよね?しかもなんで俺なんだよ…」

 

「むむ…細かい事はいいんです!しかも今は先輩しかいないから仕方ないじゃないですか///!」

 

「くっ…このゆるふわビッチめ…」

 

「ビッチじゃないですし!誰にもさせた事ないですし!あんまり駄々こねると…」

 

「ん?」

 

「小町ちゃんに先輩に裸覗かれたって言いますよ…」

 

「よし!一色!なんでもするぞ!」

 

「じゃ、じゃあお願いします///!」

(安心させてくださいっていうのは建前。本音は先輩に少しでも意識してほしいからなんだけどね♪)

 

「じゃ、じゃあ行くぞ///?変なところ触っても怒るなよ…///」

 

「は、はい///今回は特別に許してあげます///」

(う、うわ~先輩がきた~///)

 先輩はわたしのうしろに回り込み、手と腕をわたしの腰らへんにまわしてくる。すると先輩の吐息が丁度わたしの首筋にかかり

「ひぁ!///」

 と変な声を出してしまった。と先輩は回していた手と腕をひっこめる。

「へ、変な声出すんじゃねぇよ///」

「す、すいません///続けてください///」

 

「お、おう///」

 先輩は引っ込めた手と腕をもう一度わたしの腰に回し、ギュッと抱きしめてきた。

 

「~~~///!?」

 想像以上の破壊力にもうわたしの顔はトマト状態。耳まで真っ赤。

「ど、どうだ///?」

 

「ふぇ///?あ、い、いい感じです///あ、安心してきました///」

「そ、そうか///ならよかった///」

 

--------------

八幡side

 一色に言われた通り一色を抱きしめた。

 

(な、なんだこれ///!?めっちゃいい匂いするし、腰細いのにめっちゃ柔らかいしヤバい…もうこんなん商品化したらバカ売れするんじゃないかってレベル)

 

 あまりの心地よさにいつまでもこうしていたいと思ってしまう。

 

(ってか一色耳真っ赤だし///…なんかこうもっとふっつきたくなるな…いいんだよな…?)

 

 と腰に回した手と腕はそのままに一色の肩に顎を乗せてみた。まるで恋人のように。

 

「ひぁ///!?しぇ、しぇんぱい///!?」

 

「い、いや悪い///ちょっと頭が重くて首疲れてきたから肩に乗せてみた…///」

 

「あ、ま、まぁそういうことなら仕方ないですね///どうぞ使ってください///」

 

「お、おう///」

 

 と言われるがままにもう一度一色の肩に顎を乗せる。するとさっきよりも一色のいい匂いが鼻腔をくすぐり心地よくなっていく。

 

「ふぁぁあ…」

 

 心地よすぎてあくびが出てしまった…

 

「せ、先輩眠いんですか///?」

 

「いや、この感じがあまりにも心地よく…いや、今日朝早かったからな…///」

 

「今心地いいって言いましたよね?正直に言ってください!」

 

「う、ま、まぁ正直…めちゃくちゃ心地いい…///」

 

「……///」

 顔真っ赤にするくらいなら言わせなけりゃいいのに…自爆はやめてほしい…

 

「せ、先輩もう大丈夫です///!」

 

「お、おう…///」

 

---------

いろはside

「先輩ありがとうございました…///だいぶ落ちつけました///」

 先輩から離れ、正面に先輩の方を向いて座る。

 

「お、おう///」

 

「あ、先輩もしかして名残惜しいんですか♪?」

 ちょっと意地悪く先輩をからかう。

「い、いや、まぁなんだ…心地よかったからな…ちょっと残念っていうか…///」

 

「うっ…///」

 まさかの自爆である。

(なんか先輩が正直だ///!?なんで!?)

「ってか一色もうそろそろ寝ようぜ…なんか眠たくなってきた…ふぁぁぁ…」

 

「あ、気が付いたらもうこんな時間なんですね…」

 もう時刻は夜10時を回っていた。

(先輩といると時間たつの早いなぁ…)

「あ、でもでも、先輩今日一日奴隷じゃないですか~?なんか早く寝て終わりにしようとしてません?」

 

「いや、ほんとに眠くなってきただけだ」

 

「ぶー。…あ!じゃあ先輩最後に一つ言うことを聞いてもらいます♪」

(いいこと考えちゃった♪)

「あ?なんだよ」

 

「わたしと一緒に「断る!」」

 言おうとしたら先輩が遮ってきた。

「…」

「いや、そんな膨れっ面されても」

 

「だってまだ途中だったのに!しかも断るってなんですか!」

 

「いや、どうせ一緒に寝てくださいとか言うつもりだったんだろ?」

 

「…まぁそうですけど…」

 

「それはさすがにダメだろ。男と女が同じ部屋で寝るなんて」

 

「もう、同じ屋根の下にいるんだからいいじゃないですかー」

 

「ダメなものはだめ!小町の部屋で寝なさい!…だいたいなんでそんな事したいんだよ…」

 

(先輩の事が好きだから…なんてまだ言えないし………そうだ♪)

 

「さ、さっきと同じです!まだ一人でいるの怖いんです…」

 

「うぐっ……はぁ…一色お前まだ怖いのか…?」

 そう言って心配そうにこちらを見てくる先輩。

「…さっきので結構落ち着いたんですけど…多分一人で寝てたらまた思い出してしまいそうで…」

 勢いで言ったけど本当の事。一人でいたら多分思い出して寝れないと思う。

 

「…だよな…とりあえずお前はベッドで寝ろ。俺は床に布団敷いて寝るから」

 

「え?いいんですか?」

 

「まぁしゃあない。俺が助けたんだし、最後まで面倒見てやる///」

 

「せんぱい…」

 

「よし。そろそろ寝るぞ。俺も眠いし」

 

「あ、はい…寝ましょうか…」

 わたしは先輩のベッドに寝て、先輩は床に布団を敷き電気を消した。しばらくお互いに何も喋らず、呼吸と時計の音だけが室内に響く。

 

「…先輩、まだ起きてますか…?」

 

「…ん。なんだ?」

 

「えっと…今日は本当にありがとうございました…あの時先輩が来てくれてすごい嬉しかったです…」

 

「…おう。まぁ俺じゃなくても誰かが助けてくれただろうけどな…」

 

「…でも先輩でよかったです。たとえ誰かが助けてくれたとしても、やっぱり先輩に助けてほしいです…」

 

「…」

 

「多分先輩の前じゃなかったら泣いたり、自分の弱さとか見せたくないじゃないですか…先輩だけなんです。こんなに弱いところ見せれるの…」

 

「…」

 

「こんな弱いところ見せても先輩はわたしをわたしとして受け入れてくれるから。だから…先輩の前が一番安心できるんです…」

 

「…」

 

「これはいつものあざとさとかなく素ですからね?…ってもう寝ちゃいましたかね?…じゃあわたしも寝ます…おやすみなさいせんぱい♪」

 

「…」

 

 こうしてわたしと先輩の初めてのお泊りイベントは終わった。

 

 比企谷八幡はこの日、隣で寝ているいつものあざとい女の子の胸の内を聞き、眠れない一日だったことは八幡のみぞ知ることであった。

 

 

 




いかがだったでしょうか!お泊りイベントにこじつける理由がちょっと無理やりだったかもしれません…なかなか難しい…
ちょっと八幡のキャラが壊れていますがそこは許してください(笑)
オリキャラ出したいんですがまだちょっと先になりそうです…出す出す詐欺すいません…

 八色新シリーズの「いろは童話」も同時進行で書き始めましたのでぜひそちらも読んでいただければ嬉しいです!ただどちらも駄文、誤字脱字があると思うのでお手柔らかにお願いします…
 ではまた続きも読んでいただけるようにがんばります!

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