幻夜の章、終章。
ゆっくりご覧ください。
side龍一
『・・・あー、苦労が増える・・・』
フリーダムにやって来たツケだろうが、これは酷い。
『・・・で、いつまで落ち込んでんだお前らは?』
霊夢「・・・」
魔理沙「・・・」
妖夢「・・・」
優曇華「私は大丈夫です。」
『なら良いんだが・・・お前等は?』
霊夢「・・・全然歯が立たなかった。」
魔理沙「全部一撃だったぜ・・・」
妖夢「今までの経験が使えませんでした・・・」
あ、それでか。
『・・・いや、今更だろうが。』
霊夢「え?」
『いやいやいや、言っちゃ悪いがな?・・・お前等に苦戦する程度の奴が、幻想郷が出来るまでの血で血を洗う時代を駆けられたと思うか?』
妖夢「っ!それは・・・」
『無理、ぶっちゃけ言うと生き延びた方が奇跡。折角だから言っておく。・・・幻想郷での俺を含む野郎共と、確実な戦闘理由のある俺と野郎共は別物だ。天と地の差がある。で、今回は幻夜の、【自らで異変を止め、それまでの敵は倒す】と言う確固たる理由があった。だから幻夜、正確には幻夜、人里の幻夜、裏人格だった幽夜にぼろ負けした訳だ。』
霊夢「・・・っ!」
『どうせお前らは【異変を止める】しか考えてなかっただろ?それでもしっかりした意志でもあるが・・・それじゃ一生無理だ。・・・誰も望んじゃいなかったが、今や伝説の一部にまでなった野郎共をぶっ倒すなら、【確実に倒す】と言う一念を持って、倒さず、・・・殺すつもりで来い。そうすりゃ怪我ぐらいは俺等も負う。壊夢以外。』
魔理沙「・・・つまり、まだまだって事か?」
『そうだな。侵二のもうちょっとは一年かかる。採点が甘い。俺のもうちょっとは・・・一日程度か?俺は辛口採点なんでな。ま、風魔に言わせりゃ「顔を洗って出直せ」のレベルだろうな。』
霊夢「そう、だったの・・・」
落ち込むのはよく分かる。・・・スペルコピーの幻夜、千変万化の幽夜、ゲンヤー・C・ドルネーズ(仮名)の三人組は俺もしんどい。絶対に相手したくない。
『ま、そうそう気落ちするな。結局のところ、俺達を止められた奴はいないからな。』
幽夜「そうそう、特に俺なんか戦うために生まれた生き物みたいなもんだしな。」
『なんだよ、聞いてたのか。・・・ま、そんな訳だ。』
魔理沙「・・・よし!絶対に侵二さんを超えるぜ!」
妖夢「私も絶対に風魔さんを「師匠と呼べ馬鹿者!!」は、はいっ!」
聞こえてんのか風魔。
優曇華「・・・私も、頑張ってみます・・・!」
ちなみに咲夜は既に理解したらしく、幻夜、幽夜、ゲンヤー戦の時に言ってきた。
霊夢「・・・龍一さん、」
『何だ?』
霊夢「・・・絶対にいつか倒すわ。」
・・・やっぱ良いなあ。こういうのは!!
『・・・ああ、止めてみろよ。』
こうじゃねえとつまんねえな。
幽夜「いずれ俺もか・・・」
『ああ、叩き潰される覚悟してろよ。』
幽夜「ああ、・・・なぁ、マスター。」
『あ?』
幽夜「サンキュー、色々世話になった。」
『ほざけ、これからも馬車馬のように働いてもらうからな。』
幽夜「マジかよ・・・」
『うるせぇ!さっさと侵二の手伝いして来い!』
幽夜「馬車馬ってそれかよ!」
『それしかねえだろ!行け!』
幽夜「へいへい!」
『ったく・・・』
取り敢えず、話しながら作っておいた料理を宴会場に投げる。
『へい!追加!・・・っち、あの野郎・・・』
幻夜の野郎、寝てやがる・・・
『・・・ロック、』
ライフルを片手で構える。
『照準せず、角度最悪、姿勢論外、・・・発射、しなくていいか!』
ライフルを降ろす。・・・よくよく考えるとあの野郎、最近まで大怪我状態だったんだっけな。
『・・・今回きりだぞ。』
ちなみに、狙撃準備をしながら作っていた料理は出来上がり、酒で次々に客を酔い倒す壊夢と萃香は結局弾幕でぶち抜いた。
『・・・ま、日常茶飯事だな。』
映姫「いいですか?貴方は・・・」
映姫も本職(?)の説教に、
侵二「小町!働くんならそれ運んでください。」
小町「分かったよ!」
小町はいつもはサボる癖に今回は仕事を、・・・やっぱいい仕事するじゃねえか。選んで正解だな。
魔理沙「よし!霊夢!勝負だ!」
霊夢「いいわよ!」
向こうでは弾幕ごっこ、
オルゴイ「・・・そうか、ゆっくり出来たか。」
咲夜「はいっ!」
オルゴイ「・・・やはりレミリア達に家事は難しいようだ。身長がなぁ・・・」
咲夜「あはは・・・」
あっちは・・・何やってんだ?
妖夢「・・・師匠!」
風魔「・・・ぬ?」
妖夢「・・・今まで以上に、鍛えて頂けますか!?」
風魔「・・・気づいたか。」
妖夢「え?」
風魔「・・・いや、いつ気づくかと思ったが・・・今までの特訓は【基本的な体力を上げる】だけだ。剣術にはあまり関わらん。」
妖夢「えぇ・・・」
あそこは・・・何も言うまい。
『・・・あー、平和平和。』
幽々子も最近は食事量が一般の女性まで減少、侵二と俺が嬉しさのあまり発狂した。妖夢は普通に喜んだ。
『・・・よいしょっと、』
さて、平和は置いておいて・・・次は何が起こるかねぇ?
『ま、普通には終わらせねえさ。』
だってつまんねえしな!
・・・なんて言ってたら夜が更けた。幻夜起こすか。
sideout
side幻夜
『おい、そろそろ起きろ。』
「んー?」
『てめえ、昨日は俺の家で寝るし、そろそろお前の家に戻れよ。』
「・・・そうだね。幽夜、幻夜、」
幽夜「あ?」
幻夜3「俺はもうお前の中にいるが?」
「オッケイ。・・・帰ろっか?」
幽夜「そうだな。帰ろうぜ?」
幻夜3「俺たちの家にな。」
『へいへい、途中でドブに落ちるなよ。じゃあな。』
「ん、じゃあね~」
・・・奇術師移動中・・・
そう、僕等には帰れるところがまだある。その為に戦うし、その為に頑張る。
幽香「・・・お帰りなさい、幻夜。」
・・・そして絶対に帰ってきて言うんだ。
「うん!ただいま!!」
・・・何かあったの?
・・・うーんとね、ま、色々かな?
・・・適当だな幻夜。
sideout
幻夜の章、完。
次回へ続く
・・・これにて、幻夜の章、終幕となります。
次回もお楽しみに・・・