幻想創星録   作:青銅鏡(銀鏡)

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幻夜の章、終章。


ゆっくりご覧ください。


第九十六話 ただいま

side龍一

 

 

『・・・あー、苦労が増える・・・』

 

 

フリーダムにやって来たツケだろうが、これは酷い。

 

 

『・・・で、いつまで落ち込んでんだお前らは?』

 

 

霊夢「・・・」

 

 

魔理沙「・・・」

 

 

妖夢「・・・」

 

 

優曇華「私は大丈夫です。」

 

 

『なら良いんだが・・・お前等は?』

 

 

霊夢「・・・全然歯が立たなかった。」

 

 

魔理沙「全部一撃だったぜ・・・」

 

 

妖夢「今までの経験が使えませんでした・・・」

 

 

あ、それでか。

 

 

『・・・いや、今更だろうが。』

 

 

霊夢「え?」

 

 

『いやいやいや、言っちゃ悪いがな?・・・お前等に苦戦する程度の奴が、幻想郷が出来るまでの血で血を洗う時代を駆けられたと思うか?』

 

 

妖夢「っ!それは・・・」

 

 

『無理、ぶっちゃけ言うと生き延びた方が奇跡。折角だから言っておく。・・・幻想郷での俺を含む野郎共と、確実な戦闘理由のある俺と野郎共は別物だ。天と地の差がある。で、今回は幻夜の、【自らで異変を止め、それまでの敵は倒す】と言う確固たる理由があった。だから幻夜、正確には幻夜、人里の幻夜、裏人格だった幽夜にぼろ負けした訳だ。』

 

 

霊夢「・・・っ!」

 

 

『どうせお前らは【異変を止める】しか考えてなかっただろ?それでもしっかりした意志でもあるが・・・それじゃ一生無理だ。・・・誰も望んじゃいなかったが、今や伝説の一部にまでなった野郎共をぶっ倒すなら、【確実に倒す】と言う一念を持って、倒さず、・・・殺すつもりで来い。そうすりゃ怪我ぐらいは俺等も負う。壊夢以外。』

 

 

魔理沙「・・・つまり、まだまだって事か?」

 

 

『そうだな。侵二のもうちょっとは一年かかる。採点が甘い。俺のもうちょっとは・・・一日程度か?俺は辛口採点なんでな。ま、風魔に言わせりゃ「顔を洗って出直せ」のレベルだろうな。』

 

 

霊夢「そう、だったの・・・」

 

 

落ち込むのはよく分かる。・・・スペルコピーの幻夜、千変万化の幽夜、ゲンヤー・C・ドルネーズ(仮名)の三人組は俺もしんどい。絶対に相手したくない。

 

 

『ま、そうそう気落ちするな。結局のところ、俺達を止められた奴はいないからな。』

 

 

幽夜「そうそう、特に俺なんか戦うために生まれた生き物みたいなもんだしな。」

 

 

『なんだよ、聞いてたのか。・・・ま、そんな訳だ。』

 

 

魔理沙「・・・よし!絶対に侵二さんを超えるぜ!」

 

 

妖夢「私も絶対に風魔さんを「師匠と呼べ馬鹿者!!」は、はいっ!」

 

 

聞こえてんのか風魔。

 

 

優曇華「・・・私も、頑張ってみます・・・!」

 

 

ちなみに咲夜は既に理解したらしく、幻夜、幽夜、ゲンヤー戦の時に言ってきた。

 

 

霊夢「・・・龍一さん、」

 

 

『何だ?』

 

 

霊夢「・・・絶対にいつか倒すわ。」

 

 

・・・やっぱ良いなあ。こういうのは!!

 

 

『・・・ああ、止めてみろよ。』

 

 

こうじゃねえとつまんねえな。

 

 

幽夜「いずれ俺もか・・・」

 

 

『ああ、叩き潰される覚悟してろよ。』

 

 

幽夜「ああ、・・・なぁ、マスター。」

 

 

『あ?』

 

 

幽夜「サンキュー、色々世話になった。」

 

 

『ほざけ、これからも馬車馬のように働いてもらうからな。』

 

 

幽夜「マジかよ・・・」

 

 

『うるせぇ!さっさと侵二の手伝いして来い!』

 

 

幽夜「馬車馬ってそれかよ!」

 

 

『それしかねえだろ!行け!』

 

 

幽夜「へいへい!」

 

 

『ったく・・・』

 

 

取り敢えず、話しながら作っておいた料理を宴会場に投げる。

 

 

『へい!追加!・・・っち、あの野郎・・・』

 

 

幻夜の野郎、寝てやがる・・・

 

 

『・・・ロック、』

 

 

ライフルを片手で構える。

 

 

『照準せず、角度最悪、姿勢論外、・・・発射、しなくていいか!』

 

 

ライフルを降ろす。・・・よくよく考えるとあの野郎、最近まで大怪我状態だったんだっけな。

 

 

『・・・今回きりだぞ。』

 

 

ちなみに、狙撃準備をしながら作っていた料理は出来上がり、酒で次々に客を酔い倒す壊夢と萃香は結局弾幕でぶち抜いた。

 

 

『・・・ま、日常茶飯事だな。』

 

 

映姫「いいですか?貴方は・・・」

 

 

映姫も本職(?)の説教に、

 

 

侵二「小町!働くんならそれ運んでください。」

 

 

小町「分かったよ!」

 

 

小町はいつもはサボる癖に今回は仕事を、・・・やっぱいい仕事するじゃねえか。選んで正解だな。

 

 

魔理沙「よし!霊夢!勝負だ!」

 

 

霊夢「いいわよ!」

 

 

向こうでは弾幕ごっこ、

 

 

オルゴイ「・・・そうか、ゆっくり出来たか。」

 

 

咲夜「はいっ!」

 

 

オルゴイ「・・・やはりレミリア達に家事は難しいようだ。身長がなぁ・・・」

 

 

咲夜「あはは・・・」

 

 

あっちは・・・何やってんだ?

 

 

妖夢「・・・師匠!」

 

 

風魔「・・・ぬ?」

 

 

妖夢「・・・今まで以上に、鍛えて頂けますか!?」

 

 

風魔「・・・気づいたか。」

 

 

妖夢「え?」

 

 

風魔「・・・いや、いつ気づくかと思ったが・・・今までの特訓は【基本的な体力を上げる】だけだ。剣術にはあまり関わらん。」

 

 

妖夢「えぇ・・・」

 

 

あそこは・・・何も言うまい。

 

 

『・・・あー、平和平和。』

 

 

幽々子も最近は食事量が一般の女性まで減少、侵二と俺が嬉しさのあまり発狂した。妖夢は普通に喜んだ。

 

 

『・・・よいしょっと、』

 

 

さて、平和は置いておいて・・・次は何が起こるかねぇ?

 

 

『ま、普通には終わらせねえさ。』

 

 

だってつまんねえしな!

 

 

・・・なんて言ってたら夜が更けた。幻夜起こすか。

 

 

sideout

 

 

side幻夜

 

 

『おい、そろそろ起きろ。』

 

 

「んー?」

 

 

『てめえ、昨日は俺の家で寝るし、そろそろお前の家に戻れよ。』

 

 

「・・・そうだね。幽夜、幻夜、」

 

 

幽夜「あ?」

 

 

幻夜3「俺はもうお前の中にいるが?」

 

 

「オッケイ。・・・帰ろっか?」

 

 

幽夜「そうだな。帰ろうぜ?」

 

 

幻夜3「俺たちの家にな。」

 

 

『へいへい、途中でドブに落ちるなよ。じゃあな。』

 

 

「ん、じゃあね~」

 

 

・・・奇術師移動中・・・

 

 

そう、僕等には帰れるところがまだある。その為に戦うし、その為に頑張る。

 

 

幽香「・・・お帰りなさい、幻夜。」

 

 

・・・そして絶対に帰ってきて言うんだ。

 

 

 

 

 

 

 

「うん!ただいま!!」

 

 

・・・何かあったの?

 

 

 

・・・うーんとね、ま、色々かな?

 

 

 

 

 

・・・適当だな幻夜。

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

幻夜の章、完。

 

 

 

次回へ続く




・・・これにて、幻夜の章、終幕となります。

次回もお楽しみに・・・

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