幻想創星録   作:青銅鏡(銀鏡)

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店、開店。


ゆっくりご覧下さい。


第十一章 萃夢想~兄の気質
第六十話 営業


side龍一

 

 

寺子屋で俺の自己紹介をして早二日、店の開店だ。

 

 

さて、店を開いたものの、客が来るはずがない。それが当たり前だ。なにしろ謎の魚や生物が売っているのだから。

 

 

『やっぱ失敗かなあ。』

 

 

なんてぬかしていると大勢の人間が店に来る。何?俺何かした?

 

 

里の人間1「龍一様!いらっしゃいますかー?」

 

 

・・・は?

 

 

いや待て、龍一が有名なのは百歩譲る。しかしだ、店の事はどこで広がった?寺子屋でも言っていないはず・・・

 

 

『・・・ああ、確かに俺が龍一だが?』

 

 

とりあえず焦りを見せないように対応する。

 

 

里の人間1「龍一様!話は侵二様から聞きました!面白い物が売っているそうで!」

 

 

ま た 侵 二 か

 

 

『確かに、外の世界の魚などを売っているぞ?後様付けやめてくれ。』

 

 

里の人間1「分かりやした!おい!ここで合ってるぞ!」

 

 

里の人間2「本当か!」

 

 

何だ、普通のお客様か、安心したぜ。

 

 

『気になる物は聞いてくれ。ついでならここで料理する。』

 

 

里の人間3「これは何ですか?」

 

 

『それは鰹、吸い物や普通に生で食える。』

 

 

里の人間1「これは?」

 

 

『それは鮪、外では有名な魚だな。』

 

 

義炎「龍一殿、本当に店を開いたようですな。」

 

 

『お、義炎か、何か買っていくか?』

 

 

義炎「ふむ・・・懐かしい物が多いですな。これで。」

 

 

義炎が選んだのは鯛、そういや、貴族って食べること多かったな。

 

 

『はい、毎度。』

 

 

義炎「・・・安すぎでは?」

 

 

『いや?これでいいぞ?』

 

 

人件費、電気代、水道代、スポンサー、その他もろもろがゼロ円なので安くできる。大体前世の十分の一で売れる。・・・せこいからね。これぐらい安くしないとね。

 

 

里の人間1「俺も買います!これ下せえ!」

 

 

里の人間2「俺も!」

 

 

初日で大繁盛、大満足。

 

 

幻夜「・・・よく売れたね~?」

 

 

ちなみに途中で幻夜が様子を見に来た。

 

 

『まさか開店三時間で完売とはな・・・』

 

 

俺がびっくりだ。しかも途中でオークションになってやけに儲けた。

 

 

幻夜「凄いね~」

 

 

凄いも何も、大体侵二の仕業である。

 

 

侵二「・・・おや、主上、随分と繫盛したようじゃないですか。」

 

 

来たな元凶。

 

 

『・・・お前、人里では有名らしいな?』

 

 

侵二「・・・ばれましたか。まあ、それなりに私は人里では知られているんですよ。」

 

 

『俺が龍一だと言うのも?』

 

 

侵二「まあ、少し言いましたね。で、店はどうだったんですか?」

 

 

幻夜「マスター凄いよ~」

 

 

『開店三時間で完売。おかげさまで大儲けだ。』

 

 

侵二「良かったじゃないですか。」

 

 

『いや、条件が良かっただけだろう。』

 

 

てか、大体てめえのせいだろ。とは言わない。

 

 

侵二「そう言えば届け物です。壊夢曰く「最高傑作ぜよ。」だそうです。」

 

 

来たのは酒、それも度数九十九だ。・・・よく作れるわこんなもん。点火するわ。

 

 

幻夜「・・・うわ、凄く匂うね~?」

 

 

幻夜の言う通り、周りに酒の匂いが。・・・何いれてんだよコレ!

 

 

侵二「・・・早くしまいましょうか。」

 

 

俺達だから大丈夫なのであって、普通・・・紫ぐらいまでは匂いのみで潰れる。普通って何だっけ。

 

 

ちなみに俺達は直で飲める。・・・化け物?褒め言葉だ。

 

 

侵二「あ、そう言えば主上、近く、異変が起きるそうですよ?」

 

 

『・・・言っていいのかよ?』

 

 

侵二「紫殿が「龍一なら大丈夫!」だそうですが?」

 

 

成程、信用されていると。

 

 

『了解、しかしまあ、紫はよく予測できたな。』

 

 

一応、この先が大体予測できるのは俺と龍源のイレギュラーだけのはずだが。流石に侵二達でも未来予測は不可能というわけだ。おおよそ能力の応用だろうな。

 

 

侵二「紫殿の友人が起こすはずらしいのでね。」

 

 

なんだ、そういう事か。・・・確かに、次はアレだな。

 

 

幻夜「ふーん、で、マスターはどうするの~?」

 

 

『・・・今回は様子を見るかな?』

 

 

侵二「おや、珍しいですね?」

 

 

『・・・今回はアイツがまとめて終わるのがいいだろう。』

 

 

幻夜「・・・ふーん?」

 

 

侵二「・・・まさか、もう誰が起こすか知っていますか?」

 

 

『ああ、分かった。・・・しまった!』

 

 

侵二「・・・どうしました?」

 

 

春雪異変の次・・・宴会が何故か連続発生・・・料理・・・

マズイ、幽々子が来る。早く終わらせないと死人が出る。特に俺と侵二以外の料理担当が過労死する。

 

 

『今回の異変、ドジると死人が出る。』

 

 

侵二「・・・!了解、アレ、ですね?」

 

 

『・・・そうだ、アレだ。』

 

 

元気に食べるのは良いのだが、幽々子は限度を知らない。妖忌も「食事が・・・!」って嘆いてたしな。

 

 

幻夜「・・・うん、マズイのはよく分かったよ~」

 

 

『・・・幻夜、そろそろ宴会が起きるはずだ。その時の料理、任せていいか?』

 

 

幻夜「僕一人で~?」

 

 

『いや、俺と侵二が幽々子を担当、お前はそれ以外を担当してくれ。』

 

 

幻夜「うーん、別に良いよ~?」

 

 

助かった。とりあえず被害者は減るはずだ。

 

 

幻夜「・・・でも、何で壊夢とか風魔には頼まないの~?」

 

 

『説明しよう。あいつ等の料理は宴会に向かない。』

 

 

幻夜「あー、仕方ないね~」

 

 

壊夢はスタミナ料理(激辛)しか作らないし、風魔はあまり多くの量は作れない。量より質のタイプだ。

 

 

幻夜?普通に美味いのだが、「ごめんね~?」とか口歪めて言いながら山葵とか山椒などを容赦なくぶち込む時がある。幽香にはしないらしい。まあ、見てて面白いから文句は言わん。・・・時々砂糖をぶち込まれて吐くがな。

 

 

侵二「まあ、近日、でしょう?」

 

 

『そうなんだけどな?被害者は減らさねえと。』

 

 

特に宴会場提供の霊夢とか、従者の妖夢とか、疲れるだろうしな。

 

 

『じゃあ、アイツに連絡するぜ?』

 

 

侵二「了解です。こっちも任せてください。」

 

 

---おい、---いるか?

 

 

俺達の戦い、スタート。

 

 

次回へ続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ありがとうございました。


次回もお楽しみに。

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