幻想創星録   作:青銅鏡(銀鏡)

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寺子屋の知り合い。


ゆっくりご覧下さい。


第五十八話 世界は広く見えて狭い

side龍一

 

 

紫の家にお邪魔した次の日の朝、

 

 

『そうだ、人里行こう。』

 

 

侵二「・・・唐突ですね。」

 

 

『何とでも言え。じゃあ、行ってくる。』

 

 

ちなみに紫は寝た。なので静かに行く。

 

 

侵二「せっかくなので寺子屋を見ては?」

 

 

『そうする。じゃあな。』

 

 

侵二「はいはい、行ってらっしゃい。」

 

 

・・・最高神移動中・・・

 

 

初めて人里に行った時は急いでいたのでよく見なかったが、かなり人が多い。

 

 

『寺子屋ねえ・・・』

 

 

うん、場所が分からん。

 

 

『どうしようか・・・』

 

 

義炎「ん?龍一殿!」

 

 

『お、義炎、』

 

 

知り合い発見。助かった。

 

 

義炎「どうされた?」

 

 

『寺子屋って何処だ?』

 

 

義炎「こちらですな。ついてきて下さい。」

 

 

『ありがとう、助かった。』

 

 

義炎「いえいえ、前回は何があったのですか?」

 

 

『ちょっと数年前の復讐に。』

 

 

義炎「そうでしたか。・・・着きましたぞ。」

 

 

『ありがとう、迷惑かけたな。』

 

 

義炎「いえいえ、ここらに用があったので。」

 

 

『そうか、あ、俺この辺で店開くことになった。』

 

 

義炎「ほう!ぜひ行かせてもらいます。」

 

 

『ああ、じゃあな。』

 

 

さて、入るか。

 

 

『失礼します。』

 

 

慧音「おお、龍一殿!来てくれたか。」

 

 

『約束なんでな。邪魔か?』

 

 

慧音「いや、今は休憩時間だ。」

 

 

チルノ「おお!あの時の兄ちゃん!」

 

 

大妖精「お久しぶりです。」

 

 

『お前等、ここで勉強してんのか。』

 

 

大妖精「はい!」

 

 

チルノ「なあ、兄ちゃん、アタイの師匠と戦ってくれよ。」

 

 

『師匠?』

 

チルノ「おう!アタイより氷を使うのが上手いんだぞ!」

 

 

何だろう、嫌な予感がする。

 

 

大妖精「それじゃあ幻さんに悪いよ。」

 

 

あれ?俺にも氷を使う幻のつく友人がいるぞ?

 

 

幻夜「おい、お前等、元気か?」

 

 

やっぱりな!お前かよ!しかも性格変わってんじゃねえか!

 

 

『お前だったのか。』

 

 

幻夜「・・・マスター?」

 

 

『よう、幻夜、教師してんのか?』

 

 

幻夜「ああ、悪いか?」

 

 

『いや?いいと思うぜ?』

 

 

幻夜「そうか、ありがとよ。」

 

 

よく見ると幻夜の髪の色が変わっている。いつもは紫色だが今は黒色だ。

 

 

慧音「・・・知り合いか?」

 

 

幻夜「ええ、俺の友人です。」

 

 

チルノ「兄ちゃん師匠の知り合いか?」

 

 

幻夜「おう!昔からのな。」

 

 

『しかし、何やってんだ?』

 

 

幻夜「生活のためだよ。てか、この口調しんどいわ。」

 

 

『知るかよ。我慢しろ。』

 

 

幻夜「ちっ、じゃあ、慧音先生、次俺の授業ですよね?」

 

 

慧音「ああ、算数だ。」

 

 

『ほう、幻、見せろ。』

 

 

幻夜「了解、じゃあ、教科書開け。問題読むぞ。」

 

 

幻夜・・・もとい幻が教科書を読む。案外上手い。

 

 

幻夜「これだけじゃ分からんな。前に例を出すぞ。」

 

 

幻が空間に林檎を作り出す。・・・あくまでそう見せている。実物は無い。

 

 

幻夜「で、林檎が一つ百円です。二つを五百円で買いました。残りはいくらだ?」

 

 

分かりやすい図で解けそうだな。上手い。事実全員が手を挙げた。

 

 

幻夜「じゃあそこ!解いてみろ。」

 

 

生徒1「はーい!」

 

 

どうにかならんのかその口調。

 

 

生徒1「出来ました!」

 

 

幻夜「・・・よし、正解!次行くぞ!」

 

 

一時間経過・・・

 

 

幻夜「よーし、これで終わりだ!よく頑張った!」

 

 

『ふーん、結構やるな。』

 

 

幻夜「何かさ、楽しいんだよな。こうやって教えるの。」

 

 

『良いんじゃねえの?で、幻夜だってみんな知ってんのか?』

 

 

幻夜「あー、忘れてた。」

 

 

『忘れるもんじゃねえだろ!』

 

 

幻夜「悪い悪い、俺が上位妖怪なの忘れてたわ。てか、俺偉いんだな~」

 

 

『いや、まあ、うん・・・』

 

 

そうだった、こいつ等自覚がないんだよなぁ。

 

 

幻夜「まあ、別に怖がりはしねえだろ。で、慧音先生が言ってた特別授業の先生ってマスターか?」

 

 

『そうそう、俺についてだと。何話せば良いのやら・・・』

 

 

幻夜「マスターの話全部冒険譚だろ・・・」

 

 

慧音「龍一殿、そろそろ授業の準備を頼む。」

 

 

『了解、幻、始めるか。』

 

 

幻夜「へいへい。」

 

 

『さて、今回特別に先生になった神矢龍一だ。宜しく。』

 

 

生徒達「よろしくお願いしまーす!」

 

 

『はい、元気があってよろしい。で、質問する。龍神って知ってる人。』

 

 

生徒全員が手を挙げた。

 

 

『うん、全員知ってるな。龍神の名前は?』

 

 

生徒2「はい!」

 

 

『じゃあそこの君、答えてくれる?』

 

 

生徒2「はい!神矢龍一だったと思います!」

 

 

『正解、俺の名前は?』

 

 

・・・沈黙、その後、

 

 

生徒達「ええええええ!?」

 

 

『ストップ、噓だと思う人。』

 

 

何人かが手を挙げる。

 

 

『まあそうだ。じゃあ、証拠を見せよう。・・・幻夜!』

 

 

幻夜「呼んだか?」

 

 

・・・再び沈黙

 

 

生徒達「嘘だぁ!!」

 

 

慧音「幻君、本当か?」

 

 

幻夜「黙っててすいません。俺、風見幻夜です。」

 

 

慧音「そ、そうか・・・」

 

 

幻夜「・・・まあ、信じられないと思うから先生の能力を見せる。」

 

 

大妖精「先生、能力があったんですか?」

 

 

幻夜「ああ、例えば・・・」

 

 

幻夜が慧音に変身する。

 

 

生徒達「わあ!!」

 

 

慧音「・・・おお!」

 

 

幻夜「・・・まあ、こんな感じ、混沌の所有能力、【万物を欺く程度の能力】だ。」

 

 

『慧音先生、龍神の伝承の能力って何ですか?』

 

 

慧音「確か、炎と草を操るなどが・・・」

 

 

『・・・ザガン、アモン、ベリアル!』

 

 

中心がベリアル、右がザガン、左がアモンの魔装状態。

 

 

生徒達「わああ!!」

 

 

幻夜「・・・そんなのあったか?」

 

 

やった事ねえよ。誰だよ噂流した奴。

 

 

『・・・証拠になるか分からんが、どうだ?』

 

 

生徒2「私・・・信じます!」

 

 

生徒3「俺も!」

 

 

次々に信じると言ってくれる。

 

 

『・・・ありがとう。』

 

 

幻夜「・・・で?話逸れすぎじゃねえの?」

 

 

忘れてたよ。

 

 

『すまん、忘れてた。』

 

 

この後、絶影も俺だとカミングアウトして、さらに騒がれたのも間違いない。

 

 

 

 

次回へ続く

 

 

 

 




ありがとうございました。


幻夜、盛大なキャラ崩壊。


次回もお楽しみに。

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