幻想創星録   作:青銅鏡(銀鏡)

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宴会中盤。


ゆっくりご覧下さい。


第五十六話 前科持ち

side龍一

 

 

幻夜との弾幕ごっこは面白かった。・・・【狂喜乱舞】はおかしい。

 

 

侵二「・・・さて!」

 

 

『飲むか!』

 

 

紫「宴会の音頭してくれる?」

 

 

『何故に俺?』

 

 

紫「だって、せっかく帰ってきたじゃない。」

 

 

あー、そう言うことね。

 

 

『分かった。・・・野郎共!注目!』

 

 

宴会に来ていたメンバーが全員こっちを向く。

 

 

『知らねえと思うが、俺が博麗神社の神だ。・・・随分と平和になったな。』

 

 

宴会に来ていたメンバーから驚きの声や歓声が聞こえる。

 

 

『まあ、それだけだ。』

 

 

侵二「後!ここの神社の神は、幻想郷の賢者と付き合い始めました!」

 

 

紫「えっ//」

 

 

さっき以上に歓声が増えた。

 

 

『・・・幻想郷が平和になったのと!』

 

 

侵二「お二人が付き合い始めたのに!」

 

 

「『・・・乾杯!!』」

 

 

宴会は最高潮に達した。

 

 

壊夢「ホラ!じゃんじゃん飲むぜよ!」

 

 

壊夢、既に三人酔い潰させる。

 

 

幽々子「美味しいー」

 

 

妖夢「あ!あんまり食べ過ぎないで下さい!」

 

 

幽々子「いいじゃないのー」

 

 

そう言いつつもう十人前は平らげている幽々子に思わず口元が引きつる。

 

 

侵二「・・・桃色の悪魔。」

 

 

まったくもってその通りである。・・・よくもまあそんなに。

 

 

???「すまない、貴方がここの神社の神様か?」

 

 

『どちら様だ?』

 

 

???「失礼、私は上白沢慧音(かみしらさわけいね)と言う者です。」

 

 

『そうか、俺は確かにこの神社の神の・・・神矢龍一だ。』

 

 

慧音「かっ、神矢!?・・・失礼、先日、チルノ達が世話になったので礼がしたかったのです。」

 

 

『ああ、いいよいいよ。こっちの都合だし。』

 

 

侵二「こちらこそ申し訳ありませんでした。」

 

 

慧音「し、侵二様!私などに頭を下げないで下さい!」

 

 

慧音が異常に侵二に物腰が低い。

 

 

『俺達には敬語はいらないし、怖がらないでくれないか?』

 

 

慧音「は、はい!しかし・・・」

 

 

『・・・侵二、何かやったのか?』

 

 

侵二「確かに、確かあの時は橙を寺子屋に預けた帰り道に藍とデートしていまして、その道中妖怪が人里で暴れていまして・・・」

 

 

『・・・まさか、』

 

 

侵二「手加減間違えて帰らぬ人に・・・」

 

 

駄目じゃねえか。

 

 

慧音「いえ!その妖怪は人間も殺していていずれ倒す必要が・・・」

 

 

『なら何故?』

 

 

侵二「・・・あ、指一本で殺ってしまいました。こちらも藍とデート中で邪魔されたのでね。」

 

 

『・・・で、圧倒的な力に驚いた、と。』

 

 

慧音「は、はい!」

 

 

あー、そりゃ怖いわ。ちょっと細めの侵二が指一本で妖怪を殺すとか、想像できない。

 

 

侵二「・・・大した事なかったんですがね。」

 

 

『お前を基準にするな。・・・俺達だと確かに普通だが。』

 

 

侵二「・・・申し訳ない。」

 

 

『まあ、仕方がない。・・・で、どうやって?』

 

 

侵二「心臓を一突き。」

 

 

『やっぱりかよ!』

 

 

誰だこいつ野放しにした奴、・・・俺だ。

 

 

侵二「別にお咎め無しでした。」

 

 

『まあ、ともかく、慧音、敬語は無しで。』

 

 

慧音「・・・分かった。して、賢者殿から聞いたが商売をするそうだが。」

 

 

『ああ、人里の権力者に聞きたいのだが・・・知らないか?』

 

 

慧音「私がそうだ。商売の件は喜んで受ける。」

 

 

知ってた。

 

 

『そうか、ありがとう。』

 

 

慧音「・・・良ければ、今度人里で教師をしてくれないか?」

 

 

『何をすれば?』

 

 

慧音「龍一殿についてなど・・・」

 

 

『うーむ、自然に絶影と繋がるがいいか?』

 

 

慧音「絶影!?」

 

 

『あー、絶影って言うのは俺の仮の姿。神様だと面倒だしな。』

 

 

と言いつつ仮の姿でも騒がれる俺、まさに龍一クオリティ。

 

 

侵二「・・・誰ですか?仮の姿で八百万の神に喧嘩売ったのは。」

 

 

ダレデスカネーワタシハシラナイデスネー

 

 

『ま、まあ、かなり重い話や怖い話が出るがいいか?』

 

 

慧音「そうしてくれると有り難い。」

 

 

風魔「いつまで真面目に話しているんだ?」

 

 

『おう、悪い悪い、じゃあ、慧音、また今度。』

 

 

俺達は風魔の方に向かう。

 

 

『へいへい、来ましたよー』

 

 

フラン「お兄様ー!」

 

 

突撃してきたフランを止める。・・・鳩尾に直撃のコースだった。

 

 

オルゴイ「・・・で?いつ帰ってきた?」

 

 

『・・・話をしよう、あれは今から七年前、俺は寝た。・・・そこから復活までに三年かかり、神界でお話するのに三年、こうする元凶の妖怪を倒す下準備に一年、で、帰ってきたのが四日前?』

 

 

オルゴイ「・・・よく帰ってきたな。」

 

 

『気分神ですから。復活はお手の物だ。』

 

 

レミリア「お兄様、紅魔館に住人が増えたのよ!」

 

 

『お!それは良かった。』

 

 

フラン「でね、パチュリーって言う魔法使いがいるんだよ!」

 

 

『ほう、魔法使いか・・・』

 

 

レミリア「で、是非会いたいんだって!だから・・・」

 

 

フラン「・・・遊びに来てね?」

 

 

『了解、また遊びに行く。』

 

 

幻夜「マスター、ちょっと来て~」

 

 

『何だ?』

 

 

幻夜「霊夢と魔理沙が聞きたいことあるんだって~」

 

 

『霊夢、魔理沙、何だ?聞きたいことって。』

 

 

霊夢「紫と付き合ってるって本当?」

 

 

『事実だ。それがどうかしたか?』

 

 

魔理沙「何時から知り合ったのかな~と思ったんだぜ。」

 

 

ああ、確かに昔から知り合っていたな。

 

 

『・・・確か千年ぐらい前か?紫が俺を式にしようと狙っていてな。まあ、気づいて引きずり出して、話をしたのが最初だ。』

 

 

侵二「私と風魔で殺気出しましたね。」

 

 

紫「あれは怖かったわ・・・」

 

 

『で、人間と妖怪が共存出来る世界ってのが面白そうだったから手伝った。』

 

 

紫「・・・私の初めての理解者で、師匠だったの。」

 

 

『で、色々手伝った。妖怪の山の戦争に交じって暴れたり、まあ、俺達のやりたいようにした。』

 

 

紫「それで、いつの間にか龍一が好きになっていたのよ。」

 

 

霊夢「じゃあ、龍一さんは紫のどこに惹かれたの?」

 

 

『・・・無理だと言われても一生懸命やって、自分で達成しようとする、という点と、何故か守ってやりたくてな。いつしかこうなってた。』

 

 

紫「・・・//」

 

 

魔理沙「じゃあ、次だぜ。何で龍一さんは死んでたんだ?」

 

 

『俺たちが粉砕したあの桜を昔に一度封印してな。その時に紫をかばって怪我、その怪我に三年後に死ぬという呪いがかけられてた。』

 

 

流石にあれは駄目だと思った。・・・死ぬ直前に俺の命の数思い出したが。

 

 

『で、ぽっくり逝った。』

 

 

霊夢「ふーん。」

 

 

『その後、俺が死ぬ直前に紫が告白してな、・・・まあ、そういうわけだ。』

 

 

紫「・・・本当に悲しかったのよ!」

 

 

『・・・悪かったって。』

 

 

紫「フン!」

 

 

今更過ぎるわ。・・・仕方ねえな。

 

 

『おい、紫。』

 

 

紫「何よ!・・・むぐっ。」

 

 

俺は紫の口を塞いだ。・・・後は言わん。

 

 

紫「・・・え?」

 

 

『・・・これで勘弁してくれ。』

 

 

紫「・・・バカ、良いわよ//」

 

 

侵二「・・・霊夢、緑茶貰えますか?」

 

 

霊夢「・・・私も飲もう。」

 

 

魔理沙「・・・甘すぎるぜ。」

 

 

『んだとてめえら!侵二に関してはブーメランだろうが!』

 

 

流石に人前は駄目だと思うが侵二に言われるのは遺憾である。

 

 

侵二「・・・確かに。」

 

 

駄目だこいつ。

 

 

侵二「・・・まあ、いいじゃないですか。」

 

 

結局はこれで終わる・・・だが、これが良い。

 

 

『そうだな。』

 

 

俺は遅すぎる言葉を発した。

 

 

『・・・ただいま、幻想郷。』

 

 

今日も今日とて平和である。

 

 

幽々子「もうないのー?」

 

 

・・・前言撤回、平和じゃねえ!

 

 

 

 

次回へ続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 






ありがとうございました。


次回からはこれぐらいの投稿ペースになると思います。


次回もお楽しみに。

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