ゆっくりご覧下さい。
side侵二
冥界に駆けつけると、西行妖が復活していた。・・・ほぼ完全に。
紫「侵二さん!」
霊夢「侵二さん!?」
魔理沙「何でいるんだぜ!?」
「話は後!藍、状況説明求む!」
藍「ああ!霊夢達が異変解決後西行妖が復活した!幽々子様が取り込まれている!」
「了解、紫殿、封印可能ですか?」
紫「ええ!時間はかかるけど出来るわ!」
「了解、霊夢達、力を貸してもらえますか?」
霊夢「よく分からないけど良いわよ!」
魔理沙「分かったぜ!」
咲夜「了解です。」
「妖忌の孫の妖夢!貴女も!」
妖夢「は、はい!」
さて、殺せないのが不本意ですが・・・封印しましょうか。
sideout
side霊夢
侵二さんの様子がおかしい。いつもニコニコしていて、少し落ち着いた人だと思っていたからか、こんなに緊張した侵二さんを見るのは初めてだ。
侵二「攻撃に当たらないように!これは弾幕ごっことは大違いです!死にます!」
魔理沙「冗談じゃないぜ!」
さっきから西行妖から殺気がする。少し前までは普通の異変解決だったはずだ。
「っ!」
侵二さんからもそれと同じぐらいの殺気が出る。
「霊夢達は弾幕で枝を、私は妖力弾を破壊します。」
侵二さんが落ち着いている。もはや別人だ。
魔理沙「了解だぜ!」
妖夢「わ、分かりました!」
咲夜「了解です!」
「分かったわ、侵二さんは大丈夫なの?」
侵二さんが笑う。
侵二「何、多分大丈夫です。」
紫「十分だけお願い!」
侵二「了解です。」
侵二さんが私でも見るのに苦労する速度で駆け出し、妖力弾を叩き落とす。
「速い!」
魔理沙「私達も行くぜ!」
私達も弾幕で枝を破壊する。
侵二「妖夢!後ろに枝来てます!」
妖夢「っ!はい!」
侵二さんは一人で妖力弾を処理しているのに疲労感がまるで無い。
侵二「どうしました西行妖!その程度でしたか?」
逆に楽しそう、てか怖い。
・・・十分経過・・・
「はぁ、はぁ、はぁ、」
あれから十分、枝を私達で百本ほど壊した。
魔理沙「後どれくらいだ?」
紫「後ちょっとよ!」
侵二「了解です。本気で行きます。」
侵二さん、まだ本気じゃなかったのね。・・・本気ってどれくらいなのかしら?
侵二「下がってて下さいね?」
侵二さんから凄まじい妖力が出てきた。
sideout
side侵二
被害を想定して最大に抑え込む。さあ、行きますよ!
「【黒稲妻】!」
西行妖に命中、四分の一を抉る。幽々子も引きずり出す。
魔理沙「わ、私のマスタースパーク何て相手にならないぜ・・・」
まあ、こちらは反動が大きいんですがね。数十秒は動けません。
「紫殿!今です!」
紫「分かったわ!封印!」
西行妖が封印された。
sideout
side霊夢
「・・・やったの?」
侵二「ええ、お疲れさまでっ!!紫殿!後ろです!」
紫「え?きゃっ!」
紫が避ける。
侵二「・・・まーだ元気ですか。これはマズイですね・・・」
侵二さんの顔が歪む。・・・確かにこれはマズイ。侵二さんの一撃でも倒れなかったのだ。私達が勝てるわけがない。
紫「どうすれば・・・」
侵二「・・・ん?」
侵二さんが何かに気づいたように見える。
紫「・・・侵二さん?」
『・・・やっとですか。』
魔理沙「・・・侵二さん、どうしたんだぜ?」
侵二「・・・In to thesky・・・」
・・・侵二独唱中・・・(旧支配者のキャロル)
咲夜「・・・侵二様?」
妖夢「・・・侵二さん?」
藍「侵二、・・・どうした?」
侵二「・・・They will return.」
紫「え?」
「・・・何言ってるの?侵二さん。」
侵二「・・・そろそろですかね?」
突如、空が黒く染まる。西行妖の動きも止まる。
「一体何が・・・」
侵二「・・・さあ、西行妖、貴方の年貢の納め時が来ましたよ?」
侵二さんに攻撃が襲いかかる。しかし、侵二さんは笑っている。
「侵二さん!避けて!」
『天仰げ、空高く、』
侵二「凄いですね、タイミングバッチリです。」
『・・・今宵、我戻る、何てな。』
西行妖の攻撃が何者かによって阻止される。・・・誰?
侵二「・・・遅いじゃないですか。」
sideout
side侵二
「・・・遅いじゃないですか。・・・主上。」
『・・・待たせたな。』
主上の登場により、桜の妖は狼狽し、博麗の巫女と魔法使いと庭師は混乱し、館のメイドは驚く、幻想郷の賢者の式は喜び、賢者は嬉し涙で崩れ落ちる。
そして私は微笑、と、随分と絵になりますねえ。絶対に狙ってましたね。
『俺、参上!!』
侵二「お帰りなさい。主上。・・・して、そこの桜、どうしますか?」
気にすると終わらないので、と言うか早く西行妖滅ぼしたいんです。
『スルーするなよ。・・・あの日死んでから肉体を一から構成するのに三年、幻想郷を神々に認めさせるのに三年、そして・・・西行妖を「死」から引きはがすのに一年間!成功した!殺しても構わん!と言うより殺す!』
・・・そうでなくては。
「御意!妖力全開放!」
『俺も全開放で行く!七年分の恨みだ!』
やっぱり、主上がいなくては。
bgm Rabpid-Sanktity Extended (龍一テーマbgm)
『侵二!最高火力で放て!俺が西行妖を拘束する!』
すでに結解がきしんでいる。が、無視。流石主上。
「了解!電磁砲行きますよ!」
『オッケイ!ザガン!西行妖を固定しろ!』
・・・主上の腕は落ちてないですね。
「行きますよ!【黒電磁砲】!」
翼を全て後ろに下げ、地面に突き刺す。薙刀から放射!
西行妖「ギ・・・ガ・・・」
西行妖の三分の二が炭になる。
霊夢「・・・凄い。」
と言っても西行妖はまだ動きます。・・・面倒な。
『まだ死なんのか。侵二、俺が止めをさす。』
「どうぞ。」
『・・・【ツインバスターライフル】最大出力!破壊するぜ!』
西行妖が動かなくなる。
「やりましたね、主上。」
sideout
side龍一
侵二「やりましたね、主上。」
俺が死んでからいや、正確には三億個のうちの一個が殺されてから七年、紅霧異変見れなかったぜ畜生どうしてくれる。時間はかかったが完全復活。
『ちょっと帰って来るのに時間がかかったがな。』
侵二「・・・とりあえずごまかしてましたからね。」
こうなる事は分かっていた。四凶にはばらしていたが。
紫「師匠!」
『おお、紫、ただいま。』
紫「・・・どうして帰ってこれたの?」
前までは気分、と、ドヤ顔で答えるはずだが今は違う。
『・・・お前のためだよ。もう言わせんなよ。』
紫「え?何で・・・」
『お前、あれだけ俺に言って俺がのこのこ死ぬわけねえだろうが。』
すみません、死んでました。
紫「じゃ、じゃあ・・・」
その刹那西行妖の枝が紫に襲いかかる・・・くどいわ!
『・・・どけっ!』
同じ事させやがって・・・
枝が同じく右肩に刺さる・・・と思っていたのか?
『・・・右腕爆発。』
俺の右腕ごと枝を爆破。こうすれば速かった。・・・あの時は焦りすぎたな。
紫「師匠!」
『ったく・・・消え去れ!』
西行妖の妖怪の部分を引き出す。
侵二「頂きます。・・・そこそこの味ですね。」
侵二が喰う。これが出来なかったからな。
紫「・・・師匠・・・腕が・・・」
あ、忘れてた。再生開始。
『大丈夫大丈夫、これぐらいなら再生する。』
藍「絶影殿!」
『おう、久しぶりだな。』
咲夜「先生!」
『咲夜、随分と大きくなったなあ。』
魔理沙「どうなってるんだぜ・・・」
霊夢「・・・紫、神社の神様って死んだんじゃなかったの?」
『ああ、死んでたよ。・・・さっき復活しただけで。』
霊夢「じゃあ、この人が・・・」
侵二「ええ、あの神社の神様ですね。」
『俺神社で祀られてんのか?』
紫「勝手にごめんなさい。」
賽銭入れちゃったよ。・・・まあ、
『別に構わんよ。どうせ全人類に祀られてるようなもんだし。』
霊夢「あれ?うちの神社の神様そんなに凄いの?」
魔理沙「神様、どれくらい偉いんだぜ?」
『龍神の兄。それだけ。』
霊夢「りゅ、龍神の兄い!?」
咲夜「え?先生が神様?」
妖夢「祖父の知り合いが龍神の兄上・・・」
魔理沙「世界で一番偉い神様だぜ・・・」
『肩書きだけな。事実上全権は妹の龍華に移ってるし。』
侵二「じゃあ主上、とりあえず死んで下さい。」
開口宣言、これは酷い。
『やなこった。こっちだってすぐに行きたかったわ。』
侵二「しかし、紫殿は泣かせたでしょう?」
反論の余地なし、
『・・・そうだな。よし、侵二、介錯を頼む。』
侵二「あの世で会いましょう。」
霊夢「いや、ちょっと待ってよ!」
『・・・と、言いたいんだが。』
侵二「冗談なんですよね。こちらも冗談です。」
流石侵二、冗談が本気に聞こえる。・・・本気だったな。
紫「・・・あの、龍一、さっきの・・・」
『・・・ああ、紫。』
侵二「さて、妖夢殿、台所借りますよ、霊夢達も来て下さいね。」
妖夢「え?あ、はい!」
霊夢達がいなくなる。侵二・・・悪いな。
『紫、お前を永久に守る、拒否権は無しだ。』
紫「・・・私でいいの?」
『・・・二度は言わん。いいか?』
紫「・・・喜んで!!」
侵二が溜息をつきながら来る。
侵二「・・・やれやれ、何年かかってるんですか。・・・まあ、おめでとうございます。」
前世の俺じゃあ、こんな事には絶対にならなかったな・・・
『・・・そうだな。ありがとう。』
・・・二度と死なねえようにしないとな。・・・無理か?
次回へ続く
主☆降☆臨
次回もお楽しみに。