幻想創星録   作:青銅鏡(銀鏡)

37 / 118


月面戦争スタート。


龍一と四凶は止まらない。


ゆっくりご覧下さい。


第三十五話 破門

 

 

side絶影

 

 

前回から数十年、紫は相当な大妖怪になった。俺の弾幕(一厘)を躱すようになったり、藍の扱いも上手くなった。俺たちには及ばないが。

 

 

紫「凄いでしょう?」

 

 

だが、最近調子に乗りすぎだ。何かないものか・・・

 

 

『まだまだだろ。それじゃあ月の奴らにも勝てないぞ。』

 

 

紫「何よ、いつもいつも。」

 

 

お?反抗する気か?面白そうだ。

 

 

『事実を言っただけだが?大体、それで怒るなら半人前いや、それ以下だ。』

 

 

紫「ぐっ・・・!」

 

 

『そんなに悔しけりゃ俺に一発でも当ててみな!半人前!』

 

 

紫「うるさいっ!」

 

 

『だから、「フッ」それで、「ヒョイ」怒るのは、「スカッ」駄目だって。』

 

 

はい、零点、弾幕自体のスピードは速いがばらつきが強い。

 

 

『言ってんだろ?』

 

 

最後の方はムーンウォークで躱す。

 

 

紫「何で、当たら、ないのよ!」

 

 

『貴様に足りないもの!それは!パワー!冷静!速さ!そして何よりも・・・』

 

 

『忍耐が足りない!』

 

 

紫「もう知らない!」

 

 

『けっ、勝手にしやがれ。何処へ行こうが知ったことか。破門じゃ馬鹿弟子。』

 

 

紫「こっちだって知らないわよ!この馬鹿師匠!」

 

 

『阿呆はお前だ。』

 

 

紫「馬鹿って言う方が馬鹿なのよ!」

 

 

『残念、俺が言ったのは阿呆だ。残念でした。』

 

 

紫「っっ!もういい!」

 

 

紫が出ていった。・・・まあ、発信機付けたんだけどね?詰めが甘い。

 

 

侵二「やれやれ・・・せっかく寝ていたのに・・・」

 

 

『あれ?藍は?』

 

 

侵二「・・・昨日喧嘩したんですよ。」

 

 

お前もか、ブルータゲフンゲフン侵二。

 

 

『お前もかよ。』

 

 

侵二「ええ、どっちが美しいかって。藍に決まっているのに・・・」

 

 

何してんだよ。

 

 

『阿呆、それで喧嘩かよ。』

 

 

侵二「・・・ええ。」

 

 

駄目だ、砂糖が出る。

 

 

侵二「主上は?」

 

 

『あんな奴知るか。破門だ、破門。』

 

 

侵二「・・・何度目ですか。」

 

 

『お前等よりましだ。バカップルが。』

 

 

侵二「それよりも、いいんですか?」

 

 

『何かあったらすっ飛んで行くが、何もないだろう、好きにさせるさ。』

 

 

侵二「口は挟みませんがね?近々月に行くそうですよ?大丈夫ですか?」

 

 

・・・は?

 

 

『ボケッ!早く言え!あいつ等だけじゃあ全滅するわ!』

 

 

侵二「風魔、壊夢、幻夜は行かないそうですよ。」

 

 

『尚更駄目じゃねえか!向こうにはお前等には及ばないが化け物がいるんだからよ!』

 

 

侵二「なら、行きますか?」

 

 

『いや、喧嘩したんだ、ピンチになるまで待機だ。いいか?』

 

 

侵二「御意、他のメンバーと彼女は行かないそうです。藍以外は。」

 

 

『いいのか?それで。』

 

 

侵二「ええ、後悔しません。」

 

 

『上等、お前等はピンチの時に出動、俺はちょっと作業してから行く。』

 

 

侵二「了解です。準備しておきます。」

 

 

・・・ついでだ、派手な演出でいこう。

 

 

『上空百メートルから落とす。着陸次第やってしまえ。』

 

 

侵二「了解、風魔達呼びます。」

 

 

『さて、俺は・・・』

 

 

・・・数分後・・・

 

 

風魔「呼んだか?」

 

 

壊夢「呼んだぜよ?」

 

 

幻夜「呼んだ~?」

 

 

『悪いな。紫が月に攻め込むらしくてな。後方支援や殿を頼む。』

 

 

侵二「上空百メートルからスタートだそうですよ。」

 

 

風魔「主上は?」

 

 

『俺は後で機械で攻撃しに行く。その間の撤退を頼む。』

 

 

壊夢「そこまでやばい奴がいるんぜよか?」

 

 

『いや、圧倒的に相性が悪いだけだ。そこまで強くはない。』

 

 

幻夜「具体的には~?」

 

 

『浄化してくる。後は神力を所持した奴がいる。・・・できればリーダー格は残しておいてくれ。』

 

 

風魔「何故だ?」

 

 

『俺の元弟子兼隊長だ。俺がけじめをつけなければならん。』

 

 

風魔「了解。しかし、どうごまかすのだ?」

 

 

『仮面でごまかす。名前も大丈夫だろう。』

 

 

風魔「分かった。では、スタンバイ完了だ。」

 

 

壊夢「俺もぜよ。」

 

 

幻夜「僕も~」

 

 

侵二「自分も完了しました。」

 

 

『よし、あいつ等がピンチになり次第送る。』

 

 

さて、紫達は何をしてるのかね?

 

 

sideout

 

 

 

side紫

 

 

 

・・・言ってしまった。師匠にもう知らない!と。

 

 

「はあ・・・」

 

 

藍「どうしました、紫様?」

 

 

「ああ、藍、実は師匠と喧嘩しちゃって・・・」

 

 

藍「そうですか・・・でも、今は月への攻撃を考えましょう。」

 

 

「そうよね。成功して師匠に認めさせてやるわ!」

 

 

藍「その意気です。」

 

 

私は集まった妖怪達に号令をかける。

 

 

「聞け!妖怪達よ!今から月に攻め行く!我らの目的は技術を奪うこと!準備出来た者からこの中へ入れ!」

 

 

私は湖と月を繋ぐ。行ける!

 

 

藍「行きましょう!紫様!」

 

 

「ええ!」

 

 

それが、地獄の始まりだった。

 

 

 

sideout

 

 

 

side藍

 

 

 

ありえない。月に進攻して数時間、壊滅状態に陥った。

 

 

強すぎる。その一言ですむ状態だった。初めは千を超えていた人数が今は百人程度、月の兵士は倒しても消えるのみ。圧倒的に不利。さらに紫様は混戦で行方不明だ。

 

 

『月には行くな。』「月はやめた方がいいですよ。」侵二達が言っていたのはこの事だったのかと今更ながら気付いた。今も月の兵は来る。私は覚悟を決めて目をつぶった。

 

 

 

 

・・・その時だった。

 

 

 

突如、上空から氷柱が落ち、突風が吹き荒れ、地面が隆起し、黒い雷が落ちてきた。

 

 

「え・・・?」

 

 

上空から人が四人降ってきた。一人は籠手を地面に叩きつけて着地、一人は双刃刀を持って風を起こして静かに着地、一人は槍を地面に先に突き立ててその上に着地。

そして、もう一人は薙刀を持って空中回転しながら着地。

 

 

・・・見間違えるはずがなかった。私を助け、私の憧れで、今は私の愛人。

 

 

侵二「援軍、推参ってとこですかね?」

 

 

侵二がそこにいた。

 

 

「侵二、何で・・・」

 

 

侵二「彼女を助けるのに意味は不要でしょう?そういうわけです。」

 

 

「でも・・・喧嘩して・・・」

 

 

侵二「んな事後だ!!逃げろ!俺たちが止める!」

 

 

「っ!ああ!頼む!私は撤退する者をまとめさせてもらう!」

 

 

侵二「了解!」

 

 

月の兵士1「逃がすな!穢れた奴らを追え!」

 

 

幻夜「悪いね~」

 

 

風魔「ここから先は、」

 

 

壊夢「通すわけには、」

 

 

侵二「いかないので、」

 

 

四凶「全力で止める!(ぜよ!)(よ~)」

 

 

侵二「さて、勝手に入った責任はあるにしろ、彼女を傷つけようとした罪、償って貰いますからね?」

 

 

この日、月と化け物五人組が激突する。その幕開けだった。

 

 

 

次回へ続く

 

 

 

 

 

 






ありがとうございました。


次回から戦争に直面します。


次回もお楽しみに。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。