月面戦争スタート。
龍一と四凶は止まらない。
ゆっくりご覧下さい。
side絶影
前回から数十年、紫は相当な大妖怪になった。俺の弾幕(一厘)を躱すようになったり、藍の扱いも上手くなった。俺たちには及ばないが。
紫「凄いでしょう?」
だが、最近調子に乗りすぎだ。何かないものか・・・
『まだまだだろ。それじゃあ月の奴らにも勝てないぞ。』
紫「何よ、いつもいつも。」
お?反抗する気か?面白そうだ。
『事実を言っただけだが?大体、それで怒るなら半人前いや、それ以下だ。』
紫「ぐっ・・・!」
『そんなに悔しけりゃ俺に一発でも当ててみな!半人前!』
紫「うるさいっ!」
『だから、「フッ」それで、「ヒョイ」怒るのは、「スカッ」駄目だって。』
はい、零点、弾幕自体のスピードは速いがばらつきが強い。
『言ってんだろ?』
最後の方はムーンウォークで躱す。
紫「何で、当たら、ないのよ!」
『貴様に足りないもの!それは!パワー!冷静!速さ!そして何よりも・・・』
『忍耐が足りない!』
紫「もう知らない!」
『けっ、勝手にしやがれ。何処へ行こうが知ったことか。破門じゃ馬鹿弟子。』
紫「こっちだって知らないわよ!この馬鹿師匠!」
『阿呆はお前だ。』
紫「馬鹿って言う方が馬鹿なのよ!」
『残念、俺が言ったのは阿呆だ。残念でした。』
紫「っっ!もういい!」
紫が出ていった。・・・まあ、発信機付けたんだけどね?詰めが甘い。
侵二「やれやれ・・・せっかく寝ていたのに・・・」
『あれ?藍は?』
侵二「・・・昨日喧嘩したんですよ。」
お前もか、ブルータゲフンゲフン侵二。
『お前もかよ。』
侵二「ええ、どっちが美しいかって。藍に決まっているのに・・・」
何してんだよ。
『阿呆、それで喧嘩かよ。』
侵二「・・・ええ。」
駄目だ、砂糖が出る。
侵二「主上は?」
『あんな奴知るか。破門だ、破門。』
侵二「・・・何度目ですか。」
『お前等よりましだ。バカップルが。』
侵二「それよりも、いいんですか?」
『何かあったらすっ飛んで行くが、何もないだろう、好きにさせるさ。』
侵二「口は挟みませんがね?近々月に行くそうですよ?大丈夫ですか?」
・・・は?
『ボケッ!早く言え!あいつ等だけじゃあ全滅するわ!』
侵二「風魔、壊夢、幻夜は行かないそうですよ。」
『尚更駄目じゃねえか!向こうにはお前等には及ばないが化け物がいるんだからよ!』
侵二「なら、行きますか?」
『いや、喧嘩したんだ、ピンチになるまで待機だ。いいか?』
侵二「御意、他のメンバーと彼女は行かないそうです。藍以外は。」
『いいのか?それで。』
侵二「ええ、後悔しません。」
『上等、お前等はピンチの時に出動、俺はちょっと作業してから行く。』
侵二「了解です。準備しておきます。」
・・・ついでだ、派手な演出でいこう。
『上空百メートルから落とす。着陸次第やってしまえ。』
侵二「了解、風魔達呼びます。」
『さて、俺は・・・』
・・・数分後・・・
風魔「呼んだか?」
壊夢「呼んだぜよ?」
幻夜「呼んだ~?」
『悪いな。紫が月に攻め込むらしくてな。後方支援や殿を頼む。』
侵二「上空百メートルからスタートだそうですよ。」
風魔「主上は?」
『俺は後で機械で攻撃しに行く。その間の撤退を頼む。』
壊夢「そこまでやばい奴がいるんぜよか?」
『いや、圧倒的に相性が悪いだけだ。そこまで強くはない。』
幻夜「具体的には~?」
『浄化してくる。後は神力を所持した奴がいる。・・・できればリーダー格は残しておいてくれ。』
風魔「何故だ?」
『俺の元弟子兼隊長だ。俺がけじめをつけなければならん。』
風魔「了解。しかし、どうごまかすのだ?」
『仮面でごまかす。名前も大丈夫だろう。』
風魔「分かった。では、スタンバイ完了だ。」
壊夢「俺もぜよ。」
幻夜「僕も~」
侵二「自分も完了しました。」
『よし、あいつ等がピンチになり次第送る。』
さて、紫達は何をしてるのかね?
sideout
side紫
・・・言ってしまった。師匠にもう知らない!と。
「はあ・・・」
藍「どうしました、紫様?」
「ああ、藍、実は師匠と喧嘩しちゃって・・・」
藍「そうですか・・・でも、今は月への攻撃を考えましょう。」
「そうよね。成功して師匠に認めさせてやるわ!」
藍「その意気です。」
私は集まった妖怪達に号令をかける。
「聞け!妖怪達よ!今から月に攻め行く!我らの目的は技術を奪うこと!準備出来た者からこの中へ入れ!」
私は湖と月を繋ぐ。行ける!
藍「行きましょう!紫様!」
「ええ!」
それが、地獄の始まりだった。
sideout
side藍
ありえない。月に進攻して数時間、壊滅状態に陥った。
強すぎる。その一言ですむ状態だった。初めは千を超えていた人数が今は百人程度、月の兵士は倒しても消えるのみ。圧倒的に不利。さらに紫様は混戦で行方不明だ。
『月には行くな。』「月はやめた方がいいですよ。」侵二達が言っていたのはこの事だったのかと今更ながら気付いた。今も月の兵は来る。私は覚悟を決めて目をつぶった。
・・・その時だった。
突如、上空から氷柱が落ち、突風が吹き荒れ、地面が隆起し、黒い雷が落ちてきた。
「え・・・?」
上空から人が四人降ってきた。一人は籠手を地面に叩きつけて着地、一人は双刃刀を持って風を起こして静かに着地、一人は槍を地面に先に突き立ててその上に着地。
そして、もう一人は薙刀を持って空中回転しながら着地。
・・・見間違えるはずがなかった。私を助け、私の憧れで、今は私の愛人。
侵二「援軍、推参ってとこですかね?」
侵二がそこにいた。
「侵二、何で・・・」
侵二「彼女を助けるのに意味は不要でしょう?そういうわけです。」
「でも・・・喧嘩して・・・」
侵二「んな事後だ!!逃げろ!俺たちが止める!」
「っ!ああ!頼む!私は撤退する者をまとめさせてもらう!」
侵二「了解!」
月の兵士1「逃がすな!穢れた奴らを追え!」
幻夜「悪いね~」
風魔「ここから先は、」
壊夢「通すわけには、」
侵二「いかないので、」
四凶「全力で止める!(ぜよ!)(よ~)」
侵二「さて、勝手に入った責任はあるにしろ、彼女を傷つけようとした罪、償って貰いますからね?」
この日、月と化け物五人組が激突する。その幕開けだった。
次回へ続く
ありがとうございました。
次回から戦争に直面します。
次回もお楽しみに。