幻想創星録   作:青銅鏡(銀鏡)

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四凶の中では侵二がすぐにキャラが出来ていました。


・・・壊夢が難しかった。


ゆっくりご覧下さい。


第三十三話 饕餮、潜入

 

 

side絶影

 

 

『そういや紫、何でここに来たんだ?』

 

 

紫「あ、そうだ。師匠、私の式候補が見つかったの!」

 

 

『あ、そう。式に出来んのか?』

 

 

紫「私なら大丈夫よ!」

 

 

慢心かな?え?俺?今までの例がないのだよ。

 

 

『で、種族は?』

 

 

紫「九尾の狐よ!」

 

 

侵二「へえ・・・」

 

 

『おや、侵二、興味あるのか?』

 

 

侵二「そりゃあ私の故郷の妖怪ですしね。ちょっと楽しみです。」

 

 

紫「で、私一人でやってみたいの!いい?」

 

 

・・・いい成長になるか。

 

 

『ああ、いいよ。(侵二。)』

 

 

紫「やった!じゃあ、しばらく留守にするわね!」

 

 

侵二「(了解。)」

 

 

『じゃあな。気をつけてやれよ。』

 

 

侵二「では、私は幻夜の所に。」

 

 

『行ってこい。じゃあな。』

 

 

紫がスキマに入った。・・・よし。

 

 

『侵二、後は頼んだ。人に変えておく。好きにしてくれ。』

 

 

侵二「能力や武器は?」

 

 

『武器は形を変えさせてもらう。太刀にな。能力はそのままにしておく。』

 

 

侵二「御意。」

 

 

『んじゃ、俺は俺の空間で修行しておく。また今度。』

 

 

侵二「主上、道具は借りても?」

 

 

『いつも通りだ。勝手にしろ。』

 

 

侵二「じゃあ、遊んできますね。」

 

 

『せいぜい好きにしな。送るぞ。多分この辺の九尾ならあいつだ。・・・転送!』

 

 

侵二「了解!」

 

 

侵二がダンダリオンで転送された。

 

 

『よっしゃ。後は頼んだ。』

 

 

sideout

 

 

 

side侵二

 

 

 

「よっと。・・・ここですか。」

 

 

門番1「誰だ!」

 

 

・・・何故主上といると毎度門番に話しかけられるんですかね。

 

 

「新しく雇われたものです。」

 

 

門番1「そうか。すまん。こっちだ。」

 

 

え?即戦力ですか?

 

 

門番1「こっちだ。では、頼んだ。」

 

 

「了解です。ありがとうございました。」

 

 

門番1「何、これも仕事だ。お主はまず中の妃殿に挨拶をしておくように。」

 

 

「わざわざありがとうございます。」

 

 

さて、少々驚きましたね・・・まさか、即戦力とは・・・

 

 

「とりあえず入りますか。・・・失礼します。」

 

 

???「入れ。」

 

 

「初めまして。今日から護衛に就任した侵二と申します。宜しくお願いします。」

 

 

???「私がここの妃だ。よろしく頼む。」

 

 

「では、妃様と呼ばせていただきます。」

 

 

妃「いいぞ。なら、侵二と呼ばせてもらう。」

 

 

「はっ。」

 

 

妃「まずは話相手になれ。」

 

 

「分かりました。なんですか?」

 

 

妃「お前はどこからきたのだ?」

 

 

「しばらく旅をしていまして。故郷は向こうの大陸です。」

 

 

妃「・・・私と同じか。なら、向こうの料理も・・・」

 

 

「勿論、知っていますよ。」

 

 

妃「本当か!なら、教えてくれないかな?」

 

 

「喜んで。何を教えましょうか?」

 

 

妃「そうだな・・・」

 

 

随分と親しみやすいですね。まあ、同じ故郷ですしね。

 

 

・・・侵二、妃料理中・・・

 

 

「今更ですが、勝手にしていいのですか?」

 

 

妃「いいぞ?・・・それにしても、美味しいな。」

 

 

「・・・何なら、何か食べたいものでも作りましょうか?」

 

 

妃「そ、そうか?なら、油揚げを頼む。」

 

 

やっぱり狐の妖怪ですね・・・

 

 

「少々お待ちを・・・」

 

 

・・・侵二、高速料理中・・・

 

 

「どうぞ。」

 

 

妃「どれ・・・んっ!これは!!」

 

 

「まずかったですか?」

 

 

妃「美味しい!!何だこれは!?」

 

 

良かった・・・尻尾が出ているのは黙っていよう。

 

 

妃「今までで一番美味しかったぞ。」

 

 

侵二「光栄です。」

 

 

妃「ところで・・・見たか?」

 

 

「何をですか?見たかも知れませんが。」

 

 

妃「尻尾だ。見たのか?」

 

 

おやおや、そんなに妖力を出して・・・

 

 

「見ましたが、問題でも?」

 

 

妃「え?」

 

 

「え?」

 

 

沈黙。

 

 

妃「驚かないのか?気味悪がないのか?」

 

 

ああ、そういうことですか。

 

 

「いえ、別に?襲われないのでいいですよ?何度も喰われかけたので、今更驚きませんね。」

 

 

妃「面白いな。なら、私の種族を当ててみろ。」

 

 

「九尾の狐ですか?随分と位の高いことで・・・」

 

 

九尾「よく分かったな。貴様も妖怪か?」

 

 

言うと面倒ですね・・・

 

 

「名乗れる妖怪じゃないですよ。」

 

 

九尾「フン、そうか。つまらんな。」

 

 

「申し訳ないです。」

 

 

まあ、驚きますしね?

 

 

九尾「まあいい。私は寝るとする。」

 

 

「了解です。では、必要ないと思いますが見張っていますね。」

 

 

九尾「フン。(・・・感謝する。)」

 

 

おや?つぶやきが・・・まあいいですがね。

 

 

九尾さんが寝ました。女性でしたし、ちょっと料理の話に喰いついてきて嬉しかったですし・・・興味が出ましたね。

 

 

おや、誰か来たようだ。

 

 

盗賊1「おい、動くな。」

 

 

盗賊2「動くと殺すぞ。」

 

 

盗賊3「金目の物出せ。」

 

 

「うるさいですね・・・寝ている女性に迷惑ですよ。」

 

 

盗賊2「なんだとテメエ!」

 

 

「はぁ・・・いただきます。」

 

 

・・・侵二捕食中・・・

 

 

「うわ、不味いですね。食べるんじゃなかった。」

 

 

やはり人間は不味いものと旨いものがありますね・・・

 

 

「まあ、抵抗しませんでしたし、良しとしましょう。」

 

 

さて、寝ますか・・・紫殿来ますし。

 

 

sideout

 

 

side九尾

 

 

今日、面白い奴が来た。侵二と言ったかな。私と同じ故郷で、私が九尾だと知っても驚かなかった。嬉しかった。しかも料理が上手かった。美味しかった。

 

 

彼は「大した妖怪じゃないですよ」と言っていたが嘘だろう。何か秘密があるのかもしれない。

 

 

???「失礼しますわ。」

 

 

「誰だ!」

 

 

???「私は八雲紫。貴女、私の式にならないかしら?」

 

 

式?確かに、私の力は強力だ。故に何度か利用されかけた。実を言うとあまり好きではない。

 

 

「私を式にしてどうする?」

 

 

紫「人と妖怪が共存できる世界の為に使わせてもらうわ。」

 

 

面白い。しかし、何かが私の気持ちを止めた。

 

 

・・・侵二。

 

 

何故だろう。彼が頭を横切る。昔から人間や妖怪にはあまり興味がなかった。恋愛感情などもってのほかだ。しかし、彼は何故か印象に残った。

 

 

「・・・少し、時間をもらえるか?考えておく。」

 

 

紫「ありがとうございます。では、二日後にまた・・・」

 

 

紫とやらが消えた。面白そうだ。しかし、違和感に気づいた。

 

 

・・・何故侵二が来ない?

 

 

もしや、この事を予測していたのだろうか。・・・まさか。紫がこれないようにしただけのはずだ。あの妖怪は私よりも強かった。多分勝てないだろう。

 

 

「寝るか。」

 

 

その日、私は二人の人物で頭がいっぱいのまま眠った。

 

 

ーーーー朝ーーーーー

 

 

侵二「おはようございます。」

 

 

「ん、ああ、おはよう。」

 

 

侵二「朝食の用意が出来ています。どうぞ。」

 

 

「ありがとう。・・・ところで、貴様は四凶を知っているか?」

 

 

侵二「ええ、当然でしょうね。」

 

 

そう、四凶。昔、私が憧れていた妖怪。しかし、数百年前出て行ってしまった。私は噂だけだが、憧れた。特に饕餮さんに。こんな人と将来を一緒にいられたら、などと何度も思った。だから日本に来た。しかしどうだ。四凶のうち三人は付き合っていると言うではないか。私はショックだった。饕餮さんはまだいないようだが、時間の問題だろう。だから、せめて一目会ってみたいと思っている。

 

 

「私が此方に来た理由は四凶に会いたかったからだ。」

 

 

侵二「なるほど、四凶の為に、ですか。今は絶影の式らしいですよ。」

 

 

「何故知っているんだ?」

 

 

侵二「旅の途中に。しかし、もうしばらくすると人と妖怪の共存できる世界へ行くそうですが。」

 

 

「何!?本当か!?」

 

 

侵二「ええ、どうかしましたか?」

 

 

「いや、なんでもない。」

 

 

侵二「・・・四凶の方に恋心を?」

 

 

「ばっ、馬鹿を言え!無理に決まっているだろう!」

 

 

侵二「行けると思いますよ?素敵な方だと思いますし。」

 

 

「そ、そうか?」

 

 

侵二「ええ。」

 

 

侵二が微笑を浮かべた。何故だろう。心が動いた。

 

 

侵二「では、鍛錬をするので失礼します。」

 

 

侵二が外に出た。

 

 

sideout

 

 

side侵二

 

 

・・・まさか、四凶の一人が私なんて言えない。

 

 

「ふう・・・」

 

 

とりあえず、剣を振る。・・・スピードを下げて。

 

 

「侵二流薙刀術応用!【昇竜斬】!」

 

 

刀を下につけて跳躍と共に切り上げる。まあ、合格ですかね?

 

 

九尾「凄いぞ!」

 

 

「ありがとうございます。」

 

 

九尾「凄かったぞ。・・・ところで、貴様には妻はいるのか?」

 

 

「いえ、いませんよ?こんな奴に見合う人はいないでしょう。」

 

 

九尾「そうか?勿体無いな。」

 

 

・・・何故よく言われるんですかね。そんなに凄いですかね?

 

 

九尾「ところで、侵二だけに話すが、私は昨日八雲紫に誘われてな。人と妖怪の共存できる世界を作るための式にならないかと言われたのだが。どうすればいいと思う?」

 

 

「好きにすれば良いのでは?誰かに仕えるのも面白いですよ?」

 

 

事実、主上に仕えていますし。

 

 

九尾「そうか・・・ううむ。」

 

 

「まあ、どちらにしろ勧めますね。最近、貴女が妖怪では?という噂もありますし。」

 

 

九尾「決めた。やろうと思う。・・・四凶にも会えるかも知れないしな。」

 

 

「それがいいと思います。」

 

 

九尾「二日後、八雲紫が再び来る。その時に侵二も来い!」

 

 

「え?私もですか?」

 

 

九尾「興味が沸いた。一緒に来い。」

 

 

「・・・喜んで。」

 

 

・・・だから、何故そこで顔が赤くなるんですかね。

 

 

それにしても、九尾殿の妖怪の確認もその日の夜なんですよね・・・

 

 

まあ、いざとなれば殺りますか。

 

 

・・・私の気になる人の為に。

 

 

 

 

次回へ続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






ありがとうございました。


次回もお楽しみに。

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