幻想創星録   作:青銅鏡(銀鏡)

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今回で四凶との勝負は終わりです。
では、ゆっくりご覧下さい。


第十四話 不滅の存在

side三人称

 

 

 

饕餮「さて、最後は私が相手です。・・・殺す気で行きますよ。」

 

 

『何を今更・・・殺しに来い、いや、殺せるかな?この俺を。』

 

 

饕餮「まあ、やってみますよ。」

 

 

bgm 煉獄庭園 Dance in the sky

 

 

 

『今回はこっちから行くぜ!』

 

 

饕餮「来なさい。」

 

 

饕餮の背中からどす黒い八枚の翼が生える。

 

 

『オラア!』

 

 

絶影は妖力の槍を飛ばす、が

 

 

饕餮「喰らえ。」

 

 

その一言と共に、妖力の槍が翼によって消される。否、喰われる。

 

 

饕餮「お返しします。」

 

 

妖力の槍がそのまま帰ってくる。

 

 

『何だその翼!反則だろ!』

 

 

饕餮「心臓貫かれても復活した貴方に言われたら終わりですね!」

 

 

『それとこれは話が別だ!』

 

 

饕餮「もういいです。【捕食】対象、妖力五割。」

 

 

『なっ!・・・何をした・・・。』

 

 

饕餮「ただ貴方の妖力を喰らっただけですよ。」

 

 

『もはや、別次元の能力だな。』

 

 

饕餮「言ってる暇、ありますかね?」

 

 

『おっと、ねえな!』

 

 

絶影は翼を躱していく、一方、饕餮は動かずに翼のみを動かす。

 

 

『(あいつは翼のみを動かしている・・・本体をやれば!)』

 

 

饕餮「(? 突っ込んできた?)無駄ですよ。」

 

 

『くっ!まだまだぁ!』

 

 

絶影は右腕を喰われたものの、左腕に刀を持って突っ込む。

 

 

『オラア!』

 

 

饕餮「くっ!しかし、貰いました!」

 

 

饕餮は右脇腹を貫かれる。が、翼で絶影の左腕、両足を喰う。

 

 

『ガァッ!!』

 

 

饕餮「はあ、はあ、・・・私の勝ちです。」

 

 

『なら、首を切れ。』

 

 

饕餮「見事でしたよ!」

 

 

そうして、対決は終わった。

 

 

 

 

 

・・・かのように見えた。

 

 

『ハハハハハ!』

 

 

饕餮「何故だ!確かに首を切ったはず!!」

 

 

『それだけか?』

 

 

饕餮「な、何を言って・・・」

 

 

『もう一度聞く。それだけか?』

 

 

饕餮「成程・・・どうやら私たち以上の化け物のようですね。・・・まさか首を切っても復活するとは・・・」

 

 

そう、絶影は吸血鬼、アーカードのように、復活したのだ。

 

 

『影を殺せるとでも?・・・影は不滅、光あるところに必ず影有り。故に俺は不死身だ。』

 

 

饕餮「なら、負けを認めさせるだけです!」

 

 

そう言い、再び翼で攻撃を行う。

 

 

『見せてやろう。俺の奥義を。』

 

 

『光あるところに影有り、されど影輝かず。ならば、光を喰らい、すべてを覆うのみ!!』

 

 

『BLACK HOLE (ブラックホール)』

 

絶影は半径四メートル程のブラックホールを作り出す。

 

 

饕餮「なっ!能力が・・・吸われる!」

 

 

『ブラックホールはすべてを吸い込み、破壊する!光さえも逃れるのは不可能!!』

 

 

饕餮「まさか、こんな強力なものがあるとは!」

 

 

『どうする?このままだとここら一帯更地になるぜ?』

 

 

饕餮「冗談じゃない!降参します。」

 

 

『いよっしゃぁぁぁ!』

 

 

饕餮「化け物ですね。ほんとに。」

 

 

橈杌「全くぜよ。俺たち全員に勝つ奴初めて見たぜよ。」

 

 

窮奇「まあ、文句はないな。」

 

 

混沌「僕も早く終わったけれど、久しぶりに本気出せたしね~。」

 

 

『そりゃよかったぜ。で、本来の目的だが・・・』

 

 

饕餮「知ってますよ。王の命令ですよね。」

 

 

窮奇「彼は心配性だからな・・・」

 

 

橈杌「どうするぜよ?」

 

 

混沌「僕は何でも良いよ~。」

 

 

『行く当てがないなら、俺と来ないか?条件付きだが。』

 

 

饕餮「条件とは?」

 

 

『一つだ。俺の式神になることだ。』

 

 

饕餮「なぜです?」

 

 

『そうすることにより、俺から妖力を送ることができる。神力も・・・あ。』

 

 

窮奇「今、神力と言わなかったか?」

 

 

『・・・まあいいや、驚くなよ?・・・俺は龍神だ。』

 

 

混沌「へえ~。」

 

 

窮奇「そんな気がしてたよ。」

 

 

橈杌「別に驚かんぜよ。」

 

 

饕餮「呆れて何も言えないですね。・・・わかりますよ。あんなに阿保みたいに妖力を出せる奴がどこにいるんですか。」

 

 

『あ、驚かないんだ。』

 

 

窮奇「さっきの件だが、私は構わないぞ?」

 

 

橈杌「俺もぜよ。アンタについていくと面白そうぜよ。」

 

 

混沌「僕も良いよ~。楽しそうだしね~。」

 

 

饕餮「・・・決まりですね。私も喜んで受けます。」

 

 

『よし、なら手続きをする。これを持ってくれ。』

 

 

饕餮「何です?これは?」

 

 

『源刀だ。これを持つと持ち主にあった武器になる。丁度四本ある。』

 

 

混沌「じゃあ、僕から行くよ~。あれ~なんかできたよ~。」

 

 

『槍か。振ってみてくれ。』

 

 

混沌「うん。そい。おお~。」

 

 

辺り一面が、凍り付いた。

 

 

『うわあ、・・・武器の名前を決めてくれ。』

 

 

混沌「うーん、あ、【凍結槍】(とうけつそう)で。」

 

 

『よし、次は?』

 

 

橈杌「俺ぜよ。こうぜよか? おお、出来たぜよ!」

 

 

『籠手か、殴ってみてくれ。』

 

 

橈杌「おう!!ふんっ!」

 

 

地面が盛り上がり、溶岩が流れる。

 

 

『これはひどい。同じく名前を決めてくれ。』

 

 

橈杌「そうぜよなあ・・・よし、【山穿ち】(やまうがち)ぜよ。」

 

 

窮奇「次は私か、・・・出来た。」

 

 

『双刃刀かい。また凄いものを・・・振ってくれ。』

 

 

窮奇「はっ!」

 

 

竜巻が巻き起こる。

 

 

『なにこれ。名前はどうする?』

 

 

窮奇「・・・疾風刀(しっぷうとう)だ。」

 

 

『次で最後だな。』

 

 

饕餮「行きますよ。・・・出来ました。」

 

 

『薙刀か。・・・振ってくれ。』

 

 

饕餮「はっ!」

 

 

黒い雷が落ちる。

 

 

『あかん奴や、これ。・・・名前は?』

 

 

饕餮「【雷斬刀(らいざんとう)で。」

 

 

『よし、最後にお前らに名前をつける。敢えて名字は付けないから考えるもよし、嫁を作って付けるもよし、好きにしろ。』

 

 

そして、混沌は【幻夜】(げんや)、橈杌は【壊夢】(かいむ)、窮奇は【風魔】(ふうま)、饕餮は【侵二】(しんじ)と、名付けた。

 

 

侵二「体が軽いですね・・・」

 

 

壊夢「確かに、力がみなぎってくる感じぜよ。」

 

 

風魔「これが式神か。」

 

 

幻夜「面白いね~。」

 

 

『さて、じゃあ、日本に帰りますか。と、その前に・・・』

 

 

絶影は王に面会、退治報告をし、この国にいつ来てもいい許可証を貰った。

 

 

そして、

 

 

『おーい、船長。』

 

 

船長「アンタ、ほんとにやって来たのかい!」

 

 

『ああ、帰りは五人になるが、送ってもらえるか?』

 

 

船長「もちろんさ!」

 

 

こうして、見事四凶を式神にし、日本に帰ってきた絶影、もとい龍一。

 

この先に、さらなる波乱を求めて、彼らは暴れだす。

 

 

 

次回へ続く

 

 

 

 

 

 




今章で、第一回中国大陸編は終了です。
次回もお楽しみに。

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