幻想創星録   作:青銅鏡(銀鏡)

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今回でこの章は終わりです。
ゆっくりご覧下さい。


第十一話 鏡一帰らず

 

 

side鏡一

 

 

『遂に月移住か・・・』

 

 

永琳「ええ、あれから数か月経つのね・・・」

 

 

『ああ、依姫と豊姫もようやくいい勝負になってきたしな。・・・かなり時間かかったな。』

 

 

永琳「貴方が強すぎるのよ・・・」

 

 

依姫「そうですよ。何で姉さんと二人がかりの本気で傷一つ負わないんですか。謎すぎますよ。」

 

 

『まだまだ本気出してないぞ?』

 

 

豊姫「もう化け物じゃない・・・」

 

 

『そりゃあ心外だな。そういや、お前らは何番ロケットだ?』

 

 

永琳「私は月読命様と一緒のロケットよ。」

 

 

依姫「私たちは最後ですね。」

 

 

『俺も最後だな。』

 

 

永琳「豊姫たちだけずるいわ。私もそっちにしようかしら。」

 

 

『いや、どうせ月で会えるだろう。』

 

 

永琳「冗談よ。じゃあ、準備してくるわね。」

 

 

『へいへい。』

 

 

依姫「鏡一、私達も巡回に行きましょう。」

 

 

 

『そうだな、行くか。っとちょっと先に行っててくれ。用があるんでな。』

 

 

豊姫「あら、行ってらっしゃい。」

 

 

『じゃあ、後でな!』

 

 

・・・鏡一移動中・・・

 

 

『月読命様、入りますよ。』

 

 

月読命「鏡一ですか。何の用ですか?それに、今は敬語いらないですよ?」

 

 

『あっそう、じゃあこの調子で話すぞ。』

 

 

月読命「ええ、鏡一、いや、龍一兄様、ありがとうございました。」

 

 

『気にすんな、気分でやったんだ。そういや、須佐之男は?』

 

 

月読命「あいつなら、兄様との一件で、変わりました。」

 

 

『そうか、楽しそうか?』

 

 

月読命「ええ、とても、最近は龍華様の手伝いをしているそうです。」

 

 

『へえ・・・あ、本題なんだが、新月、返してくれるか?』

 

 

月読命「ああ、お返しします。今ごろ何故?」

 

 

『いや、何となくな、もう妖力は関係ないのか?』

 

 

月読命「ええ、私達に害がないのが分かりましたから。」

 

 

『ならいい、じゃあ、依姫達の所に行ってくるわ。じゃあな。』

 

 

・・・鏡一移動中・・・

 

 

『ただいまー。』

 

 

依姫「用は済んだんですか?」

 

 

『ああ、この刀のな。』

 

 

豊姫「依姫の剣ぐらいの力が込められているんだけど・・・」

 

 

『ああ、そりゃあずっと霊力込めてたからな(大嘘)』

 

 

依姫「いや、でもその力は・・・」

 

 

『大丈夫、リミッターかけてるから。』

 

 

依姫&豊姫「リミッターかけてそれ(ですか)!?」

 

 

『まあ、気にすんな。』

 

 

依姫「鏡一ですからね・・・」

 

 

豊姫「ええ、そうね・・・」

 

 

何だ、そのこいつだからあり得るみたいな目は。

 

 

『お前らな・・・』

 

 

文句を言おうとした瞬間だった。

 

 

『!!依姫!豊姫!来たぞ!』

 

 

そう、遂に来たのだ。妖怪共が。

 

 

依姫「来ましたね・・・」

 

 

豊姫「全軍、撃退するわよ!」

 

 

兵士達「おう!!」

 

 

さて、一丁やりますか。

 

 

 

・・・数十分後・・・

 

 

おかしい、手ごたえがない。センサーを起動させるが、何もいない。・・・まさか。

 

 

『コンプリートセンサー起動。』

 

 

いた、どうやら能力持ちがいたようだ。

 

 

『おい!豊姫!依姫!図られた。向こうに大群が居る!』

 

 

依姫「なんですって!?」

 

 

『俺が時間を稼ぐ!月読命様に伝えろ!」

 

 

豊姫「大丈夫なの?」

 

 

『なあに、大丈夫だろ。頼んだぞ!』

 

 

依姫「気を付けて下さいね!」

 

 

『おう!!後は頼んだ!』

 

 

・・・鏡一疾走中・・・

 

 

『いた!てめえら!!こっから先は一方通行だ。死にたくなけりゃ帰りな!』

 

 

妖怪a「ああ?何だてめえ?邪魔すんな!」

 

 

『口で言っても分からんか。よろしい、ならば【皆殺し】だ。』

 

 

さて、殺戮のスタートだ。

 

 

bgm メタルギアライジング IT HAS TO THIS WAY

 

 

「しねえぇ!」

 

 

襲いかかる妖怪を真正面から切る。容赦は無しだ。

 

 

「こ、こいつう!」

 

 

妖怪たちはひるむ。・・・つまらん。数が多いだけか。

 

 

『うるせえよ。【鉛の海】』

 

 

俺は、半径百メートルの地面を鉛に変える。そのまま、槍を形成し、串刺しにする。

 

 

「な、何なんだよ!こいつは!」

 

 

『遅い!』

 

 

走りながら新月で片っ端から切り刻む。

 

 

『おいおい!どうしたんだよ?さっきの口は!?』

 

 

情け容赦なく切っていく。が、ある妖怪にはじかれる。

 

 

『あんたが相手か?』

 

 

???「ええ、私はルーミアよ。早速だけど死んでもらうわ!」

 

 

『そいつは御免だ!ぶっ倒す!』

 

 

ルーミア「食らいなさい!」

 

 

闇から剣を出して切ってくる。

 

 

避けるが、刀身が追いかけてきて、当たる。

 

 

『ちっ!野郎!』

 

 

油断した。右腕が切られる。

 

 

ルーミア「その程度かしら?」

 

 

『ご冗談を。まだ一割も出してねえよ!』

 

 

霊力、二割解放。

 

 

ルーミア「なっ!・・・化け物じゃないのよ!」

 

 

『よく言われるよ。で、あんたの剣は?』

 

 

ルーミア「はあ?ここにあるじゃ・・・無い!まさか!」

 

 

『ご名答、ついでにチェックメイト。動くなよ?』

 

 

ルーミア「降参よ。で?殺すのかしら?」

 

 

『いいや、殺すのは勿体ない。ちょっと来い。』

 

 

ルーミア「何?」

 

 

『茜!!!いるか!?』

 

 

茜「呼んだかい?鏡一、いや、龍一。」

 

 

ルーミア「はあ?龍一ってまさか!」

 

 

『めんどくさいから説明はなし、茜に聞け。で、茜、こいつをグループの一員にしてやってくれ。』

 

 

茜「構わないさ、ルーミアってことは常闇妖怪かい。よろしくね。私は茜、鬼子母神さ。」

 

 

ルーミア「とんでもない妖怪が近くにいたもんね・・・いいわ。宜しく。」

 

 

『話は済んだか?済んだなら急いでここを出ろ。めんどくさいから奥義使う。』

 

 

茜「聞いたかアンタら!急いで逃げるよ!龍一、またね!」

 

 

『また会えたらな!ルーミアも元気でな!』

 

 

さて、首都に行くか!

 

 

・・・鏡一激走中・・・

 

 

『豊姫!依姫!無事か!?』

 

 

依姫「鏡一!?向こうは?」

 

 

『全部処理してきた。こっちは?』

 

 

豊姫「全部突破されたわ。このままだと・・・」

 

 

『ああもう、お前らロケットに乗ってろ!全部片付ける!先に行ってろ!』

 

 

依姫「それでは!鏡一はどうするのですか!?」

 

 

『何、早く迎えに来いよ?』

 

 

豊姫「・・・分かったわ。全軍、撤収!」

 

 

依姫「必ず迎えに来ますからね!」

 

 

『ああ!これ持ってろ!お守りだ。後で返せよ?』

 

 

依姫「了解です!では!」

 

 

・・・行ったか、あれでいい。最後が暗いといやだしな。

 

 

さて、大掃除と行きますかね。

 

 

『我、ここに命ずる。この大地に鋼鉄の雨を降らせよ!』

 

『【弾丸雨】(バレットレイン)!!』

 

 

刹那、空が金属で覆われて、銃弾の雨が降る。

 

 

「グァァ!」 「ギャッ!」

 

 

妖怪たちの断末魔が聞こえる。・・・警告したからな。恨むなら自分を恨め。

 

 

さて、少しだけ休みますか。

 

 

sideout

 

 

 

side月読命

 

 

凄い、この一言に尽きる。空を埋めつくす攻撃など、神力でできるのがやっとだと言うのに、兄様は霊力でやすやすと放った。本気を出すと、どれくらいの力だというのだろうか。

 

 

三郎「永琳様!月読命様!大変です!化学班のロケットに付けられていた核ミサイルが故障しました!」

 

 

馬鹿者が、だから持ってくるなと言ったのだ。そう言うわけにも行かず。唸る。

 

 

「ミサイルは直せそうか?」

 

 

化学班「無理です!連結部分が故障しました!このままだと後一時間で爆発します!」

 

 

くそっ!一体どうすれば・・・

 

 

『おい、聞こえるか?月読命様?』

 

 

「鏡一?何ですか?」

 

 

『ああ、依姫らに伝言を頼みたい。』

 

 

「分かりました。急いで伝えて下さい。」

 

 

『・・・・・・・だ。頼みますよ?』

 

 

「まさか!鏡一!」

 

 

『今までありがとうございました。永琳、約束守れなさそうだわ。すまんな。』

 

 

永琳「ちょっと鏡一?何言ってるの?冗談は止めてよ。」

 

 

『悪いな。じゃあな。さよなら。』

 

 

鏡一、いや、龍一兄様・・・馬鹿ですよ、貴方は・・・

 

 

sideout

 

 

 

side鏡一

 

 

さて、じゃあ、約束を破った最低の人間になりますか。

 

 

・・・ライフル異常なし、目標、核ミサイルの連結部分。

 

 

『何やってんだろうな、俺は。他人のことなのに、まあ、それも俺の気分か。さて、いきますか。』

 

 

・・・照準オッケイ、角度、風向共に問題なし、行くぞ!

 

 

『狙 い 撃 つ ぜ !!』

 

 

よし、命中!!・・・さらばだ。

 

 

数秒後、視界が真っ白になる。

 

 

sideout

 

 

 

side依姫

 

 

「!!今の爆発は?」

 

 

豊姫「・・・地上からよ。」

 

 

「そんな・・・じゃあ、鏡一は!」

 

 

月読命「豊姫に依姫、いますか?」

 

 

「月読命様!鏡一は?」

 

 

月読命様は首を横に降る。

 

 

月読命「彼から伝言を聞いています。聞きますか?」

 

 

豊姫「お願いします。依姫、貴女は?」

 

 

「・・・私も聞きます。」

 

 

月読命「では、・・・『悪いな、約束を守れなくて。悪いが、一つだけ願いがある。聞いてくれ。 俺が死んでも、泣かないでくれ。お前らは笑ったほうが可愛いからさ。じゃあな。さようなら。あと、依姫、お守り開けてみろ。』・・・だ、そうです。」

 

 

お守りの中?何かしら?開けてみる。すると・・・

 

 

「・・・写真?」

 

 

私と姉さんと師匠と月読命様、そして鏡一の写った写真があった。

 

 

「ずっと・・・これを・・・っっ・・・!」

 

 

豊姫「・・・依姫・・・」

 

 

「いいえ、泣きません。彼のお願いですから。」

 

 

豊姫「強くなったわね。依姫」

 

 

鏡一、見ていて下さい。私、もっと強くなりますから!

 

 

sideout

 

 

 

side???

 

 

『さて、矢川鏡一は死んだ。だが・・・俺は生きている。さて、これからは妖怪にでもなりますかね。名前は・・・【絶影】(ぜつえい)にしましょうか。』

 

 

さあ、新しい世界へ行きますか。

 

 

sideout

 

 

この日、矢川鏡一は死んだ。代わりに絶影が生まれた。一体、どうなるのだろうか。

 

 

 

次回へ続く

 

 

 

 





ありがとうございました。
次回もお楽しみに。

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