幻想創星録   作:青銅鏡(銀鏡)

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勿論後始末まできっちりさせますとも。






侵二が!



ゆっくりご覧下さい。


第百七話 結果・予定

side龍一

 

 

あの壊夢君のすべて壊すんだっ!事件から早くも二日。あの後案の定早苗の親族はわっざわざ訴えてきやがってくださった。ところがギッチョン、こちらには侵二がいる。類稀な外交能力と会話力、皮肉と毒の強さを最大まで活かし、あろうことか此方が恐喝されたといった案件に。しかも訴えた親族が精神科へ直行。・・・何やったんすかね、侵二君?是非ともお教え願いたい。

 

 

「ありがとうございました。・・・少し、スッキリしました。」

 

『構いやしねえよ。・・・不謹慎かつ失礼だったが楽しかったしな。』

 

 

今でも絶影に取り憑かれたふりは思い出せる。

 

 

「壊夢君・・・いえ、壊夢さんもありがとうございました。」

 

 

珍しく壊夢がキレたのはかなり驚いた。前例は地底での嫌われ者妖怪を受け入れるかの会議でブチ切れたらしい。受け入れるな派に「たわけっ!!」と一喝。

その時地面を思いっきりぶん殴ったらしく、地球のマントルを貫通してコアに衝撃を叩き込み、数百年ぶりに火山活動を活性化させ、幻想郷外の火山まで噴火させたらしい。・・・もうお前国作れよ。絶対島一つ作れるよ。

 

 

「・・・あんま慣れとらんから照れるぜよね・・・」

 

 

壊夢が頭を掻く。コイツは嘘をつくとか人を騙すとかが無理なので、感謝されるとこうなる。

 

 

「・・・主上、賠償金どうしますー?」

 

 

『何やってんだ侵二!?』

 

 

侵二が言うには「ああ、向こうが訴えてきた要件を受け流し、こちらの言い分をやや脚色して返した上に皮肉全開で毒吐いたら勝ちました。地獄での映姫言いくるめるより余裕ですね。」との事。比べるな。

 

 

『・・・とりあえず賠償金無しで。要らねえ。』

 

 

「御意。続いて壊夢と幽夜が破壊した書類ですが、文章の文字から正式に早苗が後継者となりました。・・・まあ多少こじつけで認めさせましたが。以上です。」

 

 

もう何でこんな天才が俺ごときの式神なんだろうねぇ。裏切られたら死にそう。・・・六回ぐらい?

 

 

「分かりました。ありがとうございます。」

 

 

早苗がそう頭を下げる。侵二は微笑しながら答える。

 

 

「いえ、これらは後片付けに入りますし、我々が責任を持って全てを終わらせますから。」

 

 

『まあ、当然だわな。・・・で、紫と風魔と幽夜は?』

 

 

早苗が答える。

 

 

「あ、幽夜さんならゲームセンター行こうぜ!って、言い残していきましたよ。」

 

 

『それ倒産させる奴じゃねえか!』

 

幽夜の所持能力が増えたのか元からなのか、空間認識力が異常に高い。恐らくファングのせいだろう。もうやめろよこれ以上ステータス上げんな収集つかねえ。

 

 

「いえ、紫殿や風魔もいますし大丈夫でしょう。」

 

 

『・・・あー、うん、大丈夫・・・?』

 

 

「きっと大丈夫ですよ!」

 

 

気のせいか早苗が結構フランクと言うか軽ーいキャラになってしまった気がする。・・・オレラノセキニンジャナイヨネソウダヨネ

 

 

『・・・まあいいか。』

 

 

実は後処理がかなりややこしく、もうかれこれ一か月が経っている。その内三分の二は俺が紫に連れ回されたせいで遅れたのもある。・・・まあ良いんだが。外交は侵二、俺は片手間に書類を整理した。風魔は早苗に術の指導。その時の「幻想郷では護身術が必要。術が使えるだろうから使って私に当てろ。さもなければ私が今斬る。」といった遠回しの殺人予告もとい迷言は後世に残るだろう。ハードル高すぎるわボケ。全員が全員天狗じゃねえんだよ。

壊夢は風魔の代理として術を教えた。早苗もそこそこ成長し、何とか風魔の髪の毛に一発掠った。「・・・これで天狗共は撃退出来るだろう。」との迷言も出来た。お前そこまで底上げしたんかい。

 

 

幽夜は早苗へ弾幕回避の基礎を教えていた。もう基礎レベルではなかった。いきなり「飛べ。」は壊れてやがった。まあ分裂しろを言わなかったのは褒めるがおかしい。流石に飛行は俺が教えた。教えるの苦手だって言ってんだろ。途中で早苗が「一番分かりやすい・・・!」と言っていたのは幻聴。きっと幻聴。今更だが紫に教えさせれば良かったと後悔している。反省はしていない。

 

 

その間に神奈子達に報告をした。流石に早苗の親族が大混乱の章は顔が引きつっていた。俺等に頼めばそうなるに決まってんだろ俺等悪人なんだしよ。そもそも遊んでた奴が一人混じってたしな。

そしてオマkもとい余談だが神奈子達に若い天狗が何度か文句を言ってきたが、それを聞いた妖怪の山の裏ボスさんは「文句があるなら私に言え。まあそこそこ本気で制圧するが。」と天狗に一喝。修羅かお前は。

 

 

壊夢も壊夢で「俺も混じるぜよ!」の一言。勇敢にも突貫してきた若い天狗が一人居たが、おおよそ千の切り傷をうけ、五十か所を複雑骨折した。理由は言わぬ。その後俺がほぼほぼ死んでる天狗を完全回複させた。それを見ていた古参の天狗達は「やはり風魔様達の力は健在であった・・・!」と、非常に風魔は尊敬されていた。と言うか崇拝されていた。

 

 

更に侵二が「・・・少々騒音が多いようなので、ここらで間引きをさせて頂きたいと思うのですが・・・」訳(うるせえ食い千切るぞ)と脅迫。もう覇王と魔王しかいねえのかよ。と言ったわけで若い天狗達は一切神奈子達に手出しが出来なくなった。風魔も有能すぎる。寝首掻かれそう。

 

 

挙句の果てに誰かさんが『いや、もう言う事聞かないなら二度と朝が来ないようにして空の星全部塗りつぶして年がら年中土砂降りにして貴様等全員脳味噌いじって殺し合いさせて最後の一人だけ正気に戻して狂死させるぞ?』と冗談軽くかますと全員が顔面を引きつらせながら命令に従い始めた。・・・俺ですよごめんなさい。全部出来るけどジョークだっての。半分だけ。

 

して何事もなく(?)数か月が過ぎた。土産話と言えば、高校の剣道部が以前幽夜に急所を攻撃された男子の知り合いらしく、仕返しをしに来たが、久しぶりに刀を持てると笑い出した風魔のクソ長い鞘で全滅。一振りで全員気絶。

俺達で体育祭のリレー同時出場。野郎レースに早変わりして3000メートルフルダッシュで競い、観客啞然で同率四足歩行でゴール。

幽夜が昼休みにフルートを吹き始め、いつの間にか学生全員集合、拍手喝采事件。

俺達でテスト困惑させようぜと侵二が早苗に勉強を驚異的なトーク能力で教え、早苗と紫を含む野郎共でテストオール満点。どうでもいいが最終日に高校の放送室で「制圧始めまーす」と共に三分で制圧完了。

正直言って無茶苦茶だったが・・・楽しかった。

 

 

そして更なるオマケ。改めて分かった事があった。どうやら俺は・・・

鏡一とその他の顔が若干違うようだ。

・・・いや仕方ないじゃん。鏡見ないし。正直最近になって龍一の顔見て『誰だコイツ!?』って叫んだからな。俺の元がボロクソに修正された感じだった。そうかこんなに美化されてたのか・・・うむ、侵二の隣にいても大丈夫そうだな。

紫に言うと「え?今更・・・!?と言うかそもそもあんまり変わってないって・・・!」と叫ばれた。頬をつねった。幽夜に「今さらかよクソワロタ。てかそもそも変わってねえだろ煽るぞ。」と煽られた。引きちぎったが効果がなかった。

 

しかし、残念なことが一つ出来た。・・・早苗が慢心した。

「幻想郷でも頑張れそうです!」といった意気込みはよろしいが、勢力を広げるのは控えた方がよろしい。

なにしろ現在の幻想郷の九割は既に我々が干渉している。とかっこつけたいがまあ、知り合いがいるだけで大したもんじゃない。地底と妖怪の山以外。

紫は何を思い出したか早苗の慢心発言を聞いては頭を抱えている。・・・野郎演出登場、俺戦闘機出陣・・・あれか。月か。

まあ、正直止める気はない。理由?・・・言わずとも知れた事よ。

 

Q 何をする気ですか?

 

 

 

 

 

 

A 宗教を理由に喧嘩売って遊びます。

 

 

 

よし、そうと決まれば即実行。

 

 

そろそろ帰ろう。幻想郷に。

 

 

 

 

 

次回へ続く

 

 

 




龍一がやっと自身の顔面が整っていることに気づきました。

本当に今更かよ・・・(その辺り考えていなかった産業廃棄物)


では、次回もお楽しみに。

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