人知を超えた力の持ち主はすべてそうか?人間以外は全て人外か?
否、人外とは大多数の生物がそう認識することにより、人外。と呼ばれるのだろう。
ならばこそ彼らは名乗る。
人外と。
side鏡一
やばいめっちゃ楽しい。早苗が面白いぐらい突っ込んでくれる。湯呑浮かせただけであそこまでなぁ・・・?
『ハハハハハハ、悪い悪い。ジョークジョーク。』
「もう、何なんですかぁ・・・」
早苗が頬を膨らませて言ってくる。
『気にすんな。・・・えー、で、ここは何処かだったな。見ての通り俺の家だ。』
「そこじゃないんです!」
早苗が再び机を叩いた。・・・仕方ねえだろ家なんだからよ。
『壁にはまってんのは・・・俺の術。』
「はい!?」
『俺も神社で仕事をしてる身なんでな。術の一種だ。』
神社で働いてる(祀られてる)から嘘ではない。・・・胡散臭そうに見られてるのは気のせいだろう。
「はあ、・・・って、いつ私が巫女だと言いました!?」
『そこ聞く?「聞きますよ!!」・・・あ、そう。えっとな、聞いた。』
「・・・誰からですか?」
視線が痒い。
『八坂神奈子と洩矢諏訪子。・・・いい証拠だろ?』
早苗が驚いた顔をする。
「何故神奈子様と諏訪子様の事を・・・!?」
ここまで来れば下がれん。仕方あるまい。
『俺の神社の奴と知り合いでな。(俺です)たまたま前に会ったんだよ。(故意的です)』
そして適当に早苗の状況を聞いた、依頼の件があったと、取り敢えず半分程度の真実を言った。・・・実際次が問題なんだ。
「・・・そうだったんですか、神奈子様と諏訪子様に心配をおかけしてたんですね・・・」
早苗が若干落ち込む。・・・滅茶苦茶ええ子やないかい。前世の俺と真逆じゃねえか?
『・・・ま、そうなるな。まあ、偶にはいいだろ?・・・幽夜なんぞアイツ等いつ殴れるか楽しみにしてたしな。』
あの場所で早苗が襲われる事は事前にキャッチしていた。侵二が虐めメンバーの一人を拘束、吐かせた。何をしたか知らんが拘束された奴は延々とごめんなさいと呟いていた。マジで侵二有能。幽夜も有能。俺無能。
『で、俺らの受けた依頼はお前が幻想郷とやらに行くまでの間、仲良くして思い出を残させること。・・・てなわけでよろしくな。』
早苗が少し嬉しそうな顔をして見上げてくる。
「・・・はい!」
『で、そこのメンバーで化け物疑惑がかかってる奴な。全部説明する。』
「お願いします。・・・って、絶対壊夢君人間じゃないですよね?」
図星過ぎる。
『まあまあ、・・・えー、そこの急所蹴り上げてた奴は幽夜で人外。隣の風魔は人外。元通り魔。アイアンクローかましてた侵二はぶっちぎりの人外。頭突きの壊夢はお察しの通り人外。紫も人外。俺人外。元連続猟奇殺人犯「噓はやめましょうか。」・・・うん、以上。』
「・・・」
早苗は呆然としていた。正解は全部人外だ!
『ん?まとめようか?全部人g「分かってますから!!」・・・ならいいじゃん。』
早苗がため息をついた。
「・・・で、人外って何なんですか?」
『そこの男衆は・・・四凶?』
しばしの沈黙の後、
「・・・冗談ですよ『だったら良かったな。』・・・」
そう言うと今日一番の音で早苗が机を叩いた。
「何でそんな人がいるんですかあっ!?」
ごもっともだ。・・・てか正直コイツ等を式にしたのが正解か分からん。力量不足だ。
「・・・ま、細かいこと気にすんなよ。ぶっちゃけ四凶だって事気にしてねえしよ。」
幽夜、フォローになってない。後お前は四凶すら喰い荒らした生命体だからな。
『んー、まあそこは置いておいてだ。この先勝手に色々とするから。変な事が起きたら、また矢川かぐらいの感覚で大丈夫だからなー』
守矢に負けてらんねえからな。・・・前世じゃ一生勝てねえけどな。
「・・・分かりました。」
『ん、じゃあ飯にするか・・・侵二!』
侵二に呼びかける、勿論侵二は準備をしていた。
「了解!・・・料理をする所は台所じゃありません。」
侵二が包丁を構えて言う。なら俺もだ!
『料理する所が台所だっ!!【踊る三秒クッキング】スターット!!』
早苗が啞然とすること間違いなし。もう無視。
『侵二!微塵切り!』
「了解!仕上げ委任!」
挽肉を投げると野菜が混じった肉の塊が帰ってくる。それをフライパンで受け止めて着火、早苗視点だと残像しか見えてないはず・・・そして着火終了!!
『フィニーッシュ!!K O!!』
「Your Win!!」
そうして出来上がった饕餮と龍神の日替わり気分ディナー。今回はハンバーグ・・・だと思う。
『ほい。今日の晩飯な。異論は認める。覚悟できてればな。』
早苗が高速で首を横に振る。・・・侵二が包丁研いでるだけなんだが。
「俺食うからな。・・・いつも通りの腹立つぐらい美味い奴だな。」
「・・・まあ、いつも通りか。」
「いつも通り美味いと思うぜよ!」
野郎の反応がいつも通り過ぎて面白くない。・・・まあコイツ等食えたらなんでも食うから感想なんぞ気にせんが。
「・・・相変わらず美味しい・・・!」
それに対して紫は喜んでくれる。うん、普通こうしてくれると嬉しい。
「・・・下味、ですかねぇ・・・」
クソ真面目に採点してる奴は知らん。仕方ねえだろ下味付け適当なんだからよ。
「・・・!!!お、美味しい・・・!?」
・・・相変わらず表情が豊かな奴だな。早苗は。
『そうがっつくな。適当に足りなけりゃ作るからよ。』
「・・・ありがとうございます!!」
明るい表情で元気よく早苗が返してくる。・・・天使か?
『・・・おい、貴様等、食い終わったら洗え。四秒でな!』
「流石に無理ですよn「「「了解!」」」・・・え?」
幽夜と壊夢と風魔の掛け声とともに皿が打ち上げられ、皿が瞬時に凍り付き、次の瞬間氷が爆散し、飛び跳ねた氷は風に巻き込まれて水蒸気に・・・意味わかんねえ技術磨くんじゃねえ。三秒で終わってんじゃねえか。
『ほい、侵二、貴様は二秒・・・いや、既に貴様は終えているな。』
「・・・その通り、リーダーが洗えと言うその時!私は既に行動に移し終えているっ!!」
やめようか。どっかで聞いたことある流れだ。
「リーダー、クソ眠いから俺寝る。じゃあな。」
そう言うと幽夜は地下の六号室に籠った。まあ、アイツの第二の家だし?
「・・・リーダー、しばらく書斎を借りるぞ。」
『ほいよ。』
風魔が書斎に入り浸ると遠回しに宣言した。隣で早苗が書斎!?と驚いているが、生憎地下どころか異空間に家が出来ているんだ。その程度存在する。
「んじゃ、俺も寝るぜよー」
壊夢は三号室に消えた。
『侵二、お前は・・・寝てら。』
相変わらずの立ち寝である。毎度毎度スタイリッシュな奴だ。
『で、紫は「・・・一緒に寝るのは?」却下。お前七号室あるだろうが。早苗は八号室な。』
舌打ちをする紫は置いておいて、早苗は八号室で大丈夫だろう。・・・ぶっちゃけ九百まであるしな。使わねえ。
「分かりました。おやすみなさい・・・」
「・・・鏡一、お休み・・・」
・・・さて、立ち寝状態の侵二を省くと俺一人だ。
『っつてもまあ、する事ねえしな・・・』
仕方ないので俺はその場で寝る。勿論立ち寝だ。
「・・・結局主上も立ち寝じゃないですか。」
うん、聞こえない。
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新しい朝が来た。(午前三時)
『・・・さて、飯飯。』
「くぁ・・・ん?もう朝ですか・・・」
今更だが俺らの起床は朝三時から四時、睡眠は深夜十二時が基本。ショートスリープレベルの生活。
『今日は・・・土曜か。クソ暇だな。』
生憎部活動なんぞ入ってねえ。てか確実に侵二は家庭科部に、風魔は剣道部に入れちゃなんねえ。
「で、今日はどうするんです、主上。」
さて、することが無い、ならばっ!
『早苗の家行くか・・・聞くと両親駄目っぽいし。諏訪子曰く権力争い真っ最中だとか。』
「マジか!!俺も混ぜろ!!」
颯爽とドアを蹴り飛ばして幽夜が現れた。・・・どうでもいいがノックしろ。
『・・・他人の不幸で?』
「飯が美味い!!」
完っ全にクズじゃねえか。ドヤ顔で言うことじゃねえよ。
『んーじゃ決定。どうなってるか知らんがな。』
暇に変わりはないがしばらく遊べそうだな。
次回へ続く
案外龍一が連続猟奇殺人犯なのは間違いではないような気が・・・(主な前例 月移住計画 八百万の乱 大惨事大戦 月のお迎え撃退 etc・・・)
碌な奴じゃないですね。
次回もお楽しみに。