幻想創星録   作:青銅鏡(銀鏡)

105 / 118
これを書いている途中、ふとコーヒーが飲みたくなったのでコーヒーを探すと・・・

ココアが置いてありました。そう言えば飲んでないなと飲みました。甘かったです。

しかもコーヒー切れてました。・・・何がしたかったんだ?


さて、ゆっくりご覧ください。



第百二話 華の学園生活

side龍一

 

 

『待とうか、早苗って誰だ。何があった。そもそもどうしろと。』

 

 

諏訪子は落ち着いたように話し始めた。

 

 

「・・・縁は覚えてるかい?」

 

 

『ああ、昔神社にいた巫女だろ?』

 

 

諏訪子は頷く。

 

 

「うん、で、その縁の子孫が早苗なんだけれど、早苗は私達が見えるんだ。」

 

 

『・・・科学蔓延る世界で神様がか?』

 

 

諏訪子は苦々しい顔で続けた。

 

 

「うん。そのせいで早苗は周りから奇妙なものを見る目で見られてしまうんだ。それだけじゃない、早苗の親は金や権力に夢中で早苗を道具としか見ていない・・・!」

 

 

『・・・そうか、』

 

 

諏訪子は俺を見上げ、泣きそうな顔で頼んできた。

 

 

「お願いだよ龍一、後数ヶ月だけでも早苗に楽しい思い出を残してあげたい・・・!だから・・・!」

 

 

いつの間にか神奈子も諏訪子の隣に来て、頼んできた。

 

 

「私からもお願いする。早苗がこちらに来る残り数ヶ月だけでも・・・!」

 

 

喜ばせるねえ。・・・うーん、思いつかんなーどうしようかなー

 

 

『どうするかねぇー、侵二ー、どう思うー?』

 

 

「うーん、分からないですねー」

 

 

『なら仕方ないなー、俺達が向こうの世界に紛れ込むしかないなそうだよなー』

 

 

「そうですねー」

 

 

クソつまらない棒読みで全員が理解したのを確認。

 

 

『・・・と、いう訳だ。仕方ないので早苗と同じ年齢の設定で行こう。仕方ない。』

 

 

「・・・楽しんでるわね?」

 

 

紫に図星を突かれる。

 

 

『・・・バレてりゃ仕方ねえや。いいぜ。助けてやる。が!」

 

 

「「が?」」

 

 

『やり方はこっちで決める。何をしようが文句言うな。』

 

 

諏訪子と神奈子は頷き、笑った。

 

 

「ありがとう!龍一!」

 

 

「申し訳ない。助かる。」

 

 

『構いやしねえさ。紫はどうする?』

 

 

「・・・行ってみようかしら?」

 

 

『来るなら来い。たまには休もうぜ。』

 

 

紫は暫く考えた後、答えた。

 

 

「そうね、私も行くわ。」

 

 

『よし!じゃあ行くか!』

 

 

「「「「「了解!」」」」」

 

 

野郎共は紫が考えている間に聞くと、全員揃って 「面白そう連れてけ」の一言で決定。

 

 

『よく考えれば数年ぶりの幻想郷の外か。』

 

 

そういや俺も学生だったっけなぁ・・・

 

 

・・・最高神一団移動中・・・

 

 

『いよっと。変わらんなぁ・・・』

 

 

あの時俺が死んだ時代とほとんど変わっていない。ちょうどのタイミングだったな・・・

 

 

「で、どうするんですか?」

 

 

「ああ、それなら大丈夫さ。」

 

 

神奈子が少し嬉しそうに言う。

 

 

「学校・・・って龍一は分かるな。そこに早苗は通っている。そこで助けてやってくれ。頼む。」

 

 

『了解。行くぞ。』

 

 

諏訪子と神奈子に案内されようとするが、紫に止められる。

 

 

「ちょっと待って、確か、保護者と言う立場が要るんじゃないかしら?」

 

 

俺は正直呆れた。

 

 

『・・・何のために野郎共連れてきてんだ?幽夜がいるだろ?』

 

 

「ああ・・・そうね。」

 

 

紫も納得したようだった。勿論予想通り、入学手続き中延々と幻夜が手続き相手を催眠状態にし、怪しまれることなくクリア。

 

 

「流石龍一達ね・・・」

 

 

『気づかない奴が悪い。』

 

 

「一理ありますね。」

 

 

後は延々と制服やらを購入、試着し、侵二に制服が似合い過ぎて大爆笑した。紫も似合い過ぎて喋れなかった。そうしていると夕方になってしまったので明日からということになった。

道中、神奈子と諏訪子は神社に戻った。

 

『ほい、終了。・・・どうするよ?』

 

 

そう野郎共に聞くと紫が俺の袖を引っ張り、上目遣いで見てきた。・・・やめろ耐性がねえ。俺死ぬわ。

 

 

「あの・・・ここ行きたいなあって・・・」

 

 

紫が行きたいと言ったのはカフェ・・・マジで?俺似合わないんだが。

 

 

『・・・構わねえが。貴様等はどうすんだ?』

 

 

侵二は少し散歩にと、風魔と壊夢は図書館に、幽夜はゲームセンターに既に直行していた。

 

 

『あのなぁ・・・』

 

 

「速く行きましょ!」

 

 

紫に腕を引き摺られる。仕方ないか・・・

 

 

「いらっしゃいませ。二名様ですか?」

 

 

カフェに入った後、店員さんに声をかけられる。

 

 

『はい。』

 

 

「こちらへどうぞ。」

 

 

一応何度か寄ったことはあるので店の雰囲気は大丈夫。だが合わない。

 

 

「えっと・・・」

 

 

紫がメニューを眺めている。・・・こんな幼く見える奴だったか?

 

 

「・・・あ、これで!」

 

 

紫が選んだのは如何にもこのタイミングで頼みそうなパフェだった。

 

 

『ほいよ。・・・すいません!コーヒーとイチゴパフェ一つで。』

 

 

「かしこまりました。・・・彼女さんですか?」

 

 

店員さんが受けてくれると共に聞いてくる。隣で紫が爆発した。

 

 

『そんなもんです。』

 

 

「そうですか、・・・少々お待ちくださいね。」

 

 

今のご時世聞いてくるのかね?珍しいんじゃなかろうか?

 

 

「・・・龍一、慣れてるのね・・・」

 

紫がメニューで顔を隠しながら聞いてくる。

 

 

『・・・ちょっとこの世界にいた事があってな。』

 

 

「ふーん・・・」

 

なんだこの可愛い奴。

 

 

「お待たせしました。・・・ごゆっくりどうぞ。」

 

 

同じ店員さんが届けてくれた。紫はパフェを見た瞬間、目をキラキラさせていた。・・・やっぱ女の子は好きだよなー

 

 

「いただきまーす!」

 

 

俺は甘い物・・・生クリームが乗っているもの限定だが、あまり食えない。よく食えるな。

 

 

『・・・食べた事なかったか?』

 

 

「ええ、無かったわね・・・」

 

 

せめて口元についた生クリーム取ってから言おうか。

 

 

『威厳もクソもねえな。・・・ちょっと動くなよ。』

 

 

「わぷっ・・・」

 

 

生クリームを拭いてやる。・・・馬鹿野郎、紙ナプキンでだ。

 

 

『・・・ふぅ、』

 

 

俺もコーヒーを飲む。・・・そういや向こうじゃほとんど紅茶しか飲んでねえな、今度コーヒーでも作るか。

 

 

「・・・美味しいの?」

 

 

紫が俺のコーヒーを見ながら言う。

 

 

『・・・これも飲んだことねえか?』

 

 

紫がこくり、と頷く。

 

 

『・・・やるよ。』

 

 

半分程飲んで満足なので紫に渡す。

 

 

「・・・うえっ、苦っ・・・」

 

紫が盛大に顔をしかめる。俺は吹いた。

 

 

『クッ・・・』

 

 

よく見ればさっきの店員さんもニコニコしていた。

 

 

「うえぇ・・・」

 

 

余程苦かったのか半分涙目になったので、急ぎミルクを注文、店員さんは注文した瞬間に渡してきた。・・・慣れてらっしゃる。

 

 

『どうもすいません・・・ほら、飲め。』

 

 

紫にミルクを飲ませ、落ち着かせる。

 

 

「・・・苦かったぁ・・・」

 

 

『・・・ったく、帰るぞ。ありがとうございました。』

 

 

「はい、毎度ありがとうございました。」

 

 

代金は安かった。また来るか・・・

 

 

「・・・龍一。」

 

 

そんな事を考えていると、紫が俺を呼んだ。

 

 

『ん?』

 

 

「・・・ありがとっ!」

 

 

『・・・この程度なら何時でもどうぞ。』

 

 

そろそろ帰らないと幽夜がゲームセンターを倒産させているかもしれん。アイツあの系統上手すぎるからな・・・

 

 

「申し訳ございませんお客様・・・!」

 

 

「え、マジで?全部取っちゃった?」

 

 

遅かった。ゲームセンターにたむろする不良よりタチが悪い。

 

 

「んー、お返しします。その代わりこれとこれだけ貰えるか?」

 

 

真っ青なゲームセンターの店長に商品二つで勘弁してやる(訳)との幽夜さんの一言。勿論店長さんは高速で頷いた。

 

 

「悪いな。じゃあな。」

 

 

倒産の危機は去った。

 

 

「ん?主上か?」

 

 

ふと背後を見ると広○林と○リタニカ国際百科事典を脇に抱えた風魔と工具を担ぎ上げた壊夢がいた。ツッコミどころ多いわ!

 

 

「何ですかこの人だかりは・・・」

 

 

『・・・侵二、収拾がつかん。どうするよ?』

 

 

侵二は全部分かったのかため息を一つ、

 

 

「取り敢えず家に戻りましょう。そこの路地裏から帰れます。」

 

 

『おおそうか、じゃあ帰る・・・か?』

 

 

路地裏・・・だと?

 

 

「主上の地下室に繋ぎました。これで家も大丈夫ですね。」

 

 

俺はツッコむべきか思ったが、

 

 

『・・・もういい。明日から真面目にな。』

 

 

やめた。クソ面倒なのに気づいた。

・・・まあ、紫と久しぶりに出かけられたし良しとするか。

 

 

 

次回へ続く

 

 

 

 

 




時間、路地裏大戦争(大噓)


次回もお楽しみに。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。