テスト期間中の癖に投稿するサボりです。
ゆっくりご覧ください。
side龍一
『・・・悔い改めないと侵二に喰い殺される。と。おみくじの四凶出来たぜ。』
「・・・それ本当に入れるの?」
『当然だろ。』
霊夢に半分あきれ顔で聞かれるが、当然入れる。
『入れないと面白味がねえだろ?』
「面白味を求める物なの・・・?」
困惑する霊夢を横目に飛んできた刃物を指で挟んで止める。
『俺が管理してるし大丈夫じゃね?・・・で、刃物投げた風魔君。これはブーメランかね?』
「今日も当たらんのか?まあ当然だが。・・・そうだ、金属で作ったブーメランだ。そのまま小型のナイフにもなる。」
うん、凄いのは分かるが人に投げるな。
『そうかよ。で、何の用だコラ。』
ああそうだと風魔が呟き、小さなメモ帳を開いた。
「・・・今日から二日前に、妖怪の山頂上に神と思わしき人物が出現。部下に追跡させたものの、十分後行方を眩ませた。仮定として幻想郷外からの来訪者と予測。私と伊織は全責任を主上に押し付けることを決定・・・」
『・・・喧嘩売ってんのか?』
「まあ待て、これで終わりではない。無能・・・もとい若い天狗共が攻撃するも撃退された。御柱と鉄の輪によってな。」
それを聞いた途端、自分でも笑っているのが分かった。
「そうか、アイツ等か・・・!」
霊夢がまたかと言うように聞いてきた。
「龍一さんの知り合い?」
『ああ、多分知り合い。てか八百万は全部・・・弟か妹。』
「ああ、そうだったのよね・・・」
『おう。で・・・腐れげどもとい侵二!いるか!?』
「誰が腐れ外道ですか。いますよ。ついでにその情報も飛んできてますよ。」
風魔が苦笑する。
「やはり情報は貴様も速いか・・・」
侵二が微笑する。
「そうですけど、自分達で集める風魔達には負けますよ。」
『ほいほい。で、侵二、出現した位置分かるか?』
侵二が思い出すように答えた。
「おおよそYの10です。」
「何それ!?」
霊夢がツッコムが、これは妖怪の山(Y)の頂上(10)の意味だ。
『了解。で、風魔。規則性は「二日ごとだ。つまり今日だな。」・・・オッケイ。』
俺は霊夢に向き直る。
『霊夢。ここ暫く留守にするかもしれん。何かあったら・・・幻夜ッ!』
「ほーい、聞こえてるよ。ね、幽夜?」
「へいへい。・・・で、用があんのか?言っとくが人里の幻夜はパスな。アイツ遠足らしいから。」
『おう、てなわけで霊夢。何かあったら人里に行け。そして貴様等、ここ数ヶ月空けろ。さもなくば・・・』
「・・・さもなくば?」
霊夢が息を吞む。
『ここにある薙刀と槍とブーメランをへし折る。』
「いつの間に・・・!」
霊夢が戦慄する中、侵二がため息をついた。
「その手にかかるとでも?」
『あ?』
まさかこいつ等・・・!
咄嗟に盗んだ武器に目をやるが、
『・・・!竹輪、だと・・・!?』
幻夜が腹の立つ顔で言う。
「いや、この前竹輪しか持ってねえってやってみたいって・・・」
『・・・竹輪しか持ってねえ!』
「くだらん。」
『うっせえぞ風魔!・・・んじゃ、バイビ「待って頂戴。」紫?』
珍しく紫が来た。
「私も連れていって頂戴。・・・どうせ遊ぶつもりでしょう?」
紫にジト目で見られる。
『・・・へいへい、んじゃ、幻夜か幽夜、どっちか留守番しろ。』
幽夜と幻夜が顔を見合わせた。
「そういや幻夜、お前幽香と出かけんじゃねえの?数ヶ月空けて大丈夫・・・じゃねえな。」
「うん、無理だし帰るよ。バイバイ。」
何をするでもなく幻夜が帰った。
『んじゃ、後は壊夢を引きずって・・・っと!』
ダンダリオンから壊夢を引きずり出す。
「ん?何用ぜよ?」
一升瓶を担いだまま壊夢を連れ出した。のだが、壊夢は普通に反応しやがった。
『急用だ。念の為数ヶ月空けろ。』
それを聞いた壊夢は頷いた。
「応!丁度仕事終了してここしばらく休みぜよ!」
『よっしゃ、じゃ、道中めんどくせえから・・・幽夜、行けるか?』
「へいへい、【エターナルフォースブリザードロード】!」
気だるそうに幽夜が放ったエターナルフォースブリザードロード。相手は死に絶え、空中に道が出来る。
『っしゃい、【レラージュ】発動。重力反転・・・停止。』
霊夢をその場に残し、俺達は氷の道の上に立つ。
『滑るぞ!』
「え?え?」
いきなりの展開に慌て始める紫。
『お前が来るって言ったんだからな!』
俺は紫の手を握り、滑り出す。
『行くぞ!突撃!』
風魔と侵二を筆頭に滑り始める。
「キャァァァァ!!」
『落ち着け、両足を付けてそのまま滑る。そうすりゃ何とかなる。』
「こ、こう・・・?」
『よーし完璧だ!そのまま飛ぶからな!』
「いきなりハイレベル!?」
紫が久しぶりにツッコむが今回はスルーする。
『フライアウェイ!!』
「イヤッフゥー!」
「キャァァァァ!」
よく考えれば紫飛べるじゃねえか!
『最後は着地!ここは任せろ!』
紫の手を引き、膝下に手を入れて抱えて上げる。
『風魔!行くぞ!!』
「了解!・・・五行!翔!」
高速で地面にぶつかる直前、上昇気流によって一気に速度が下がる。
『よっと。』
「到着ですね。」
「あっけねえな。」
「お、終わった・・・?」
『ん、終わったぜ。』
さて、目的の神は・・・?
『あれじゃね?』
「俺よく分かんねえ。」
「そうじゃないですか?」
「・・・龍一の知り合いだったかしら?」
『そうそう。・・・やい!そこなる神よ!ここを何処だと心得る!』
「・・・何故貴族の言い方なのだ?」
『気分気分。して、この我と勝負せ危ねえ!』
相変わらずお約束の分からない世界だ。
『・・・てめえ!諏訪子に神奈子!何しやがる!』
叫んだ途端、二人が飛び跳ねたのが見えた。
『あー、俺知らねえぞ!喧嘩じゃ喧嘩!』
「応!」
壊夢が何処からか角材を取り出した。
「いきなりするの・・・?」
「仕方あるまい。私はやらん。」
風魔は呆れる紫を宥めつつ不参加申告。
「そうそう、ちゃっちゃと行こうぜ。俺パス。」
お前も入らんのかい。
「なら、二対二っぽいので私も抜けます。面倒ですし。」
侵二は理にかなう発言を台無しにしながら欠伸をした。
『・・・じゃ、壊夢とだな。行くか!』
「応!」
俺は久しぶりに鏡一の能力に変えた。
『さて、行くか。』
bgm Slayer-Raining blood
『久し振りだな神奈子!諏訪子!てなわけで覚悟しやがれ!』
「ほら!やっぱり駄目だったじゃん神奈子!」
「うるさい!お前がやっちゃえって言ったじゃないか!」
二人が言い争っているのを完全に無視し、壊夢が角材を横に振る。
「うわあっ!」
諏訪子は跳躍して躱し、
「クッ・・・!」
神奈子は御柱で受け止める。
「ぬうんっ!」
しかし四凶最大の馬鹿力に適うはずがなく、神奈子はかなり先にぶっ飛ぶ。
『なんじゃその角材。』
「細かい事は気にしちゃいかんぜよ!」
『了解。で、不意打ちが来るから・・・【メタルシールド】定点配置、右腕に【メタルランス】展開しつつ周囲に【メタルアロー】展開。』
金属のシールドを展開し、右腕にランスを取付け、周囲に矢をばら撒き狙う。
『・・・で、おそらくは御柱が来るから・・・壊夢、防げ。』
「・・・了解ぜよ。」
そう言っている間に諏訪子が接近、鉄の輪で奇襲してくるがお見通し。
「貰った!」
諏訪子は成功したと思っている様子。
『かかったなアホが!【メタルシールド】ッ!』
諏訪子の鉄の輪を絡め、そのまま【メタルランス】で弾く。
『で、まだやるのかね。・・・【メタルアロー】照射準備。』
すると諏訪子は諦めたように、
「・・・降参するよ。久しぶりだね。龍一。」
『ああ、久し振りだな・・・って神奈子の心配は!?』
諏訪子は諦めたように手を振る。
「あー、ダメダメ。相手壊夢でしょ?負けるじゃん。」
「【ガイアソード】!」
「・・・ッ!」
「で?前にも増して化け物だね。」
『そこは勘弁しろい。』
「ぬえりゃあっ!」
壊夢が【ガイアソード】と称して角材に岩石を張り付かせ、巨大な角材(岩の塊)に仕立て上げ、神奈子を御柱ごとぶっ飛ばした。
「ほら、負けたじゃん。」
返す言葉がねえ。
『・・・悪い。』
当の壊夢は清々しく、
「いやー、やっちまったぜよ!」
の一言。貴様等、全部分かって二対二にしやがったな。
『やっちまった、じゃねえよ。・・・久しぶりついでに悪かったな。神奈子。』
「いや、大丈夫だ・・・です。」
『やめんか。虫唾が走るから敬語省け。』
神奈子は迷った後、じゃあこれからはこれで行かせてもらう。と答えた。
『オッケイ。・・・で、何しに来たんだ?』
神奈子が一歩前に出て、悔しそうに、
「向こうの世界で信仰が薄れてしまった。昔は信仰は薄れなかったが、最近は科学の進化でな・・・」
俺は紫に目をやり、大丈夫か確認。・・・大丈夫らしい。
『あー、それは大丈夫だ。誰かに許可取ったか?』
神奈子は紫に向いた。
「取っていないが・・・大丈夫だろうか?」
紫は何処か自慢そうに答えた。
「構いませんわ。幻想郷は貴女達を受け入れます。」
すると神奈子と諏訪子は顔を見合わせて笑った。
そこに、だがな、と、珍しく風魔が口を挟んだ。
「ここの管理は私がしている。あまり面倒事は増やしたくない。」
「ここは駄目ってことかい?」
諏訪子が残念そうに言った。ところが風魔は、
「そんな酷な事は言わん。ここに署名しろ。後で適当に数年前に契約した事にする。我々天狗は干渉しない。」
しれっと職権乱用の宣言と許可を風魔はした。
「本当かい!?」
嬉しそうにする諏訪子に風魔は頷き、
「ああ、何をしようが知った事ではない。どうだ?」
神奈子は頷いた。
「ありがとう。そうしてもらえると助かる。」
『へい、成立成立。案外休み作らなくて大丈夫だったな。帰るか。』
そう野郎共と話していた時だった。諏訪子が真面目な顔でこっちに来た。
「・・・龍一、どうしても頼みたいことがあるんだけれど、いいかな?」
『別に構わねえが?』
諏訪子は頷き、口を開いた。
「・・・早苗を、助けてほしいんだ。」
うん、休み空けて正解だったわ。
次回へ続く
ありがとうございました。
壊夢が徐々に脳筋キャラに・・・
次回もお楽しみに。