幻想創星録   作:青銅鏡(銀鏡)

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テスト期間中の癖に投稿するサボりです。

ゆっくりご覧ください。


第百一話 日常・・・?

side龍一

 

 

『・・・悔い改めないと侵二に喰い殺される。と。おみくじの四凶出来たぜ。』

 

 

「・・・それ本当に入れるの?」

 

 

『当然だろ。』

 

 

霊夢に半分あきれ顔で聞かれるが、当然入れる。

 

 

『入れないと面白味がねえだろ?』

 

 

「面白味を求める物なの・・・?」

 

 

困惑する霊夢を横目に飛んできた刃物を指で挟んで止める。

 

 

『俺が管理してるし大丈夫じゃね?・・・で、刃物投げた風魔君。これはブーメランかね?』

 

 

「今日も当たらんのか?まあ当然だが。・・・そうだ、金属で作ったブーメランだ。そのまま小型のナイフにもなる。」

 

 

うん、凄いのは分かるが人に投げるな。

 

 

『そうかよ。で、何の用だコラ。』

 

 

ああそうだと風魔が呟き、小さなメモ帳を開いた。

 

 

「・・・今日から二日前に、妖怪の山頂上に神と思わしき人物が出現。部下に追跡させたものの、十分後行方を眩ませた。仮定として幻想郷外からの来訪者と予測。私と伊織は全責任を主上に押し付けることを決定・・・」

 

 

『・・・喧嘩売ってんのか?』

 

 

「まあ待て、これで終わりではない。無能・・・もとい若い天狗共が攻撃するも撃退された。御柱と鉄の輪によってな。」

 

 

それを聞いた途端、自分でも笑っているのが分かった。

 

 

「そうか、アイツ等か・・・!」

 

 

霊夢がまたかと言うように聞いてきた。

 

 

「龍一さんの知り合い?」

 

 

『ああ、多分知り合い。てか八百万は全部・・・弟か妹。』

 

 

「ああ、そうだったのよね・・・」

 

 

『おう。で・・・腐れげどもとい侵二!いるか!?』

 

 

「誰が腐れ外道ですか。いますよ。ついでにその情報も飛んできてますよ。」

 

 

風魔が苦笑する。

 

 

「やはり情報は貴様も速いか・・・」

 

 

侵二が微笑する。

 

 

「そうですけど、自分達で集める風魔達には負けますよ。」

 

 

『ほいほい。で、侵二、出現した位置分かるか?』

 

 

侵二が思い出すように答えた。

 

 

「おおよそYの10です。」

 

 

「何それ!?」

 

 

霊夢がツッコムが、これは妖怪の山(Y)の頂上(10)の意味だ。

 

 

『了解。で、風魔。規則性は「二日ごとだ。つまり今日だな。」・・・オッケイ。』

 

 

俺は霊夢に向き直る。

 

 

『霊夢。ここ暫く留守にするかもしれん。何かあったら・・・幻夜ッ!』

 

 

「ほーい、聞こえてるよ。ね、幽夜?」

 

 

「へいへい。・・・で、用があんのか?言っとくが人里の幻夜はパスな。アイツ遠足らしいから。」

 

 

『おう、てなわけで霊夢。何かあったら人里に行け。そして貴様等、ここ数ヶ月空けろ。さもなくば・・・』

 

 

「・・・さもなくば?」

 

 

霊夢が息を吞む。

 

 

『ここにある薙刀と槍とブーメランをへし折る。』

 

 

「いつの間に・・・!」

 

 

霊夢が戦慄する中、侵二がため息をついた。

 

 

「その手にかかるとでも?」

 

 

『あ?』

 

 

まさかこいつ等・・・!

咄嗟に盗んだ武器に目をやるが、

 

 

『・・・!竹輪、だと・・・!?』

 

 

幻夜が腹の立つ顔で言う。

 

「いや、この前竹輪しか持ってねえってやってみたいって・・・」

 

 

『・・・竹輪しか持ってねえ!』

 

 

「くだらん。」

 

 

『うっせえぞ風魔!・・・んじゃ、バイビ「待って頂戴。」紫?』

 

 

珍しく紫が来た。

 

 

「私も連れていって頂戴。・・・どうせ遊ぶつもりでしょう?」

 

 

紫にジト目で見られる。

 

 

『・・・へいへい、んじゃ、幻夜か幽夜、どっちか留守番しろ。』

 

 

幽夜と幻夜が顔を見合わせた。

 

 

「そういや幻夜、お前幽香と出かけんじゃねえの?数ヶ月空けて大丈夫・・・じゃねえな。」

 

 

「うん、無理だし帰るよ。バイバイ。」

 

 

何をするでもなく幻夜が帰った。

 

 

『んじゃ、後は壊夢を引きずって・・・っと!』

 

 

ダンダリオンから壊夢を引きずり出す。

 

 

「ん?何用ぜよ?」

 

一升瓶を担いだまま壊夢を連れ出した。のだが、壊夢は普通に反応しやがった。

 

 

『急用だ。念の為数ヶ月空けろ。』

 

 

それを聞いた壊夢は頷いた。

 

 

「応!丁度仕事終了してここしばらく休みぜよ!」

 

 

『よっしゃ、じゃ、道中めんどくせえから・・・幽夜、行けるか?』

 

 

「へいへい、【エターナルフォースブリザードロード】!」

 

 

気だるそうに幽夜が放ったエターナルフォースブリザードロード。相手は死に絶え、空中に道が出来る。

 

 

『っしゃい、【レラージュ】発動。重力反転・・・停止。』

 

 

霊夢をその場に残し、俺達は氷の道の上に立つ。

 

 

『滑るぞ!』

 

 

「え?え?」

 

 

いきなりの展開に慌て始める紫。

 

 

『お前が来るって言ったんだからな!』

 

 

俺は紫の手を握り、滑り出す。

 

 

『行くぞ!突撃!』

 

 

風魔と侵二を筆頭に滑り始める。

 

 

「キャァァァァ!!」

 

 

『落ち着け、両足を付けてそのまま滑る。そうすりゃ何とかなる。』

 

 

「こ、こう・・・?」

 

 

『よーし完璧だ!そのまま飛ぶからな!』

 

 

「いきなりハイレベル!?」

 

 

紫が久しぶりにツッコむが今回はスルーする。

 

 

『フライアウェイ!!』

 

 

「イヤッフゥー!」

 

 

「キャァァァァ!」

 

 

よく考えれば紫飛べるじゃねえか!

 

 

『最後は着地!ここは任せろ!』

 

 

紫の手を引き、膝下に手を入れて抱えて上げる。

 

 

『風魔!行くぞ!!』

 

 

「了解!・・・五行!翔!」

 

 

高速で地面にぶつかる直前、上昇気流によって一気に速度が下がる。

 

 

『よっと。』

 

 

「到着ですね。」

 

 

「あっけねえな。」

 

 

「お、終わった・・・?」

 

 

『ん、終わったぜ。』

 

 

さて、目的の神は・・・?

 

 

『あれじゃね?』

 

 

「俺よく分かんねえ。」

 

 

「そうじゃないですか?」

 

 

「・・・龍一の知り合いだったかしら?」

 

 

『そうそう。・・・やい!そこなる神よ!ここを何処だと心得る!』

 

 

「・・・何故貴族の言い方なのだ?」

 

 

『気分気分。して、この我と勝負せ危ねえ!』

 

 

相変わらずお約束の分からない世界だ。

 

 

『・・・てめえ!諏訪子に神奈子!何しやがる!』

 

 

叫んだ途端、二人が飛び跳ねたのが見えた。

 

 

『あー、俺知らねえぞ!喧嘩じゃ喧嘩!』

 

 

「応!」

 

 

壊夢が何処からか角材を取り出した。

 

 

「いきなりするの・・・?」

 

 

「仕方あるまい。私はやらん。」

 

 

風魔は呆れる紫を宥めつつ不参加申告。

 

 

「そうそう、ちゃっちゃと行こうぜ。俺パス。」

 

 

お前も入らんのかい。

 

 

「なら、二対二っぽいので私も抜けます。面倒ですし。」

 

 

侵二は理にかなう発言を台無しにしながら欠伸をした。

 

 

『・・・じゃ、壊夢とだな。行くか!』

 

 

「応!」

 

 

俺は久しぶりに鏡一の能力に変えた。

 

 

『さて、行くか。』

 

 

bgm Slayer-Raining blood

 

 

『久し振りだな神奈子!諏訪子!てなわけで覚悟しやがれ!』

 

 

「ほら!やっぱり駄目だったじゃん神奈子!」

 

 

「うるさい!お前がやっちゃえって言ったじゃないか!」

 

 

二人が言い争っているのを完全に無視し、壊夢が角材を横に振る。

 

 

「うわあっ!」

 

 

諏訪子は跳躍して躱し、

 

 

「クッ・・・!」

 

 

神奈子は御柱で受け止める。

 

 

「ぬうんっ!」

 

 

しかし四凶最大の馬鹿力に適うはずがなく、神奈子はかなり先にぶっ飛ぶ。

 

 

『なんじゃその角材。』

 

 

「細かい事は気にしちゃいかんぜよ!」

 

 

『了解。で、不意打ちが来るから・・・【メタルシールド】定点配置、右腕に【メタルランス】展開しつつ周囲に【メタルアロー】展開。』

 

 

金属のシールドを展開し、右腕にランスを取付け、周囲に矢をばら撒き狙う。

 

 

『・・・で、おそらくは御柱が来るから・・・壊夢、防げ。』

 

 

「・・・了解ぜよ。」

 

 

そう言っている間に諏訪子が接近、鉄の輪で奇襲してくるがお見通し。

 

 

「貰った!」

 

 

諏訪子は成功したと思っている様子。

 

 

『かかったなアホが!【メタルシールド】ッ!』

 

 

諏訪子の鉄の輪を絡め、そのまま【メタルランス】で弾く。

 

 

『で、まだやるのかね。・・・【メタルアロー】照射準備。』

 

 

すると諏訪子は諦めたように、

 

 

「・・・降参するよ。久しぶりだね。龍一。」

 

 

『ああ、久し振りだな・・・って神奈子の心配は!?』

 

 

諏訪子は諦めたように手を振る。

 

 

「あー、ダメダメ。相手壊夢でしょ?負けるじゃん。」

 

 

「【ガイアソード】!」

 

 

「・・・ッ!」

 

 

「で?前にも増して化け物だね。」

 

 

『そこは勘弁しろい。』

 

 

「ぬえりゃあっ!」

 

 

壊夢が【ガイアソード】と称して角材に岩石を張り付かせ、巨大な角材(岩の塊)に仕立て上げ、神奈子を御柱ごとぶっ飛ばした。

 

 

「ほら、負けたじゃん。」

 

 

返す言葉がねえ。

 

 

『・・・悪い。』

 

 

当の壊夢は清々しく、

 

 

「いやー、やっちまったぜよ!」

 

 

の一言。貴様等、全部分かって二対二にしやがったな。

 

 

『やっちまった、じゃねえよ。・・・久しぶりついでに悪かったな。神奈子。』

 

 

「いや、大丈夫だ・・・です。」

 

 

『やめんか。虫唾が走るから敬語省け。』

 

 

神奈子は迷った後、じゃあこれからはこれで行かせてもらう。と答えた。

 

 

『オッケイ。・・・で、何しに来たんだ?』

 

 

神奈子が一歩前に出て、悔しそうに、

 

 

「向こうの世界で信仰が薄れてしまった。昔は信仰は薄れなかったが、最近は科学の進化でな・・・」

 

 

俺は紫に目をやり、大丈夫か確認。・・・大丈夫らしい。

 

 

『あー、それは大丈夫だ。誰かに許可取ったか?』

 

 

神奈子は紫に向いた。

 

 

「取っていないが・・・大丈夫だろうか?」

 

 

紫は何処か自慢そうに答えた。

 

 

「構いませんわ。幻想郷は貴女達を受け入れます。」

 

 

すると神奈子と諏訪子は顔を見合わせて笑った。

 

 

そこに、だがな、と、珍しく風魔が口を挟んだ。

 

 

「ここの管理は私がしている。あまり面倒事は増やしたくない。」

 

 

「ここは駄目ってことかい?」

 

 

諏訪子が残念そうに言った。ところが風魔は、

 

 

「そんな酷な事は言わん。ここに署名しろ。後で適当に数年前に契約した事にする。我々天狗は干渉しない。」

 

 

しれっと職権乱用の宣言と許可を風魔はした。

 

 

「本当かい!?」

 

 

嬉しそうにする諏訪子に風魔は頷き、

 

 

「ああ、何をしようが知った事ではない。どうだ?」

 

 

神奈子は頷いた。

 

 

「ありがとう。そうしてもらえると助かる。」

 

 

『へい、成立成立。案外休み作らなくて大丈夫だったな。帰るか。』

 

 

そう野郎共と話していた時だった。諏訪子が真面目な顔でこっちに来た。

 

 

「・・・龍一、どうしても頼みたいことがあるんだけれど、いいかな?」

 

 

『別に構わねえが?』

 

 

諏訪子は頷き、口を開いた。

 

 

「・・・早苗を、助けてほしいんだ。」

 

 

うん、休み空けて正解だったわ。

 

 

 

次回へ続く

 

 

 

 

 





ありがとうございました。

壊夢が徐々に脳筋キャラに・・・


次回もお楽しみに。

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