サンタナ(偽)は究極生命体目指すぜ!   作:柱の男の娘

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今回サンタナさんは出ません。
さらに、戦闘もありません。

テンポも今回に限っては悪いものとなっています。
ご了承下さいまし〜




サンタナの意志と仲間達

[side ジョセフ]

 

サンタナが死ぬなんて想像したこともなかった。

俺たちが死にそうになってもアイツだけはピンピンしてて、俺たちを煽って、鼓舞しようとすると思ってたんだ。

 

だってそうだろ、サンタナの奴はいつどんな時も余裕綽々な態度で場を荒らしていくんだぜ?

俺が言えたことじゃあねぇけどよ…

 

だけどいい奴だったんだよ。

 

人間じゃあ無かったとしても仲間だった。

 

だが死んだ、サンタナは今あの瓦礫の下で…

 

 

───────────────────────

 

「奇妙だ…」

 

「そうね」

 

「此処って敵の拠点、でいいんだよな?」

 

静かだ静か過ぎる、今の今までワムウの血痕を頼りに進んで来た。

だが、誰も居ない。

 

敵の拠点であるのにも関わらずだ。

 

でも一応敵がいた痕跡はあったんだ。

あったんだが…

 

「ドアだな」

 

「そうね」

 

「綺麗に人型になっているが…まぁドアだ」

 

これだけ…、人型にくり抜かれた様なドアだけだった。

ハッキリ言って拍子抜けもいいところだ。

もっと何ていうか、派手な歓迎を受けるのかなって期待があったんだが…

 

「まさか敵の1人も出てこないとはな、先生! 敵は俺たちを舐めてるんでしょうか!?」

 

「そうね」

 

「おいリサリサ先生、さっきから「そうね」 被せてくるな!?」

 

「おいジョジョ!! 貴様ふざけるのも大概にしろよ! 此処が敵の陣地である事を忘れてるんじゃあないのか!!?」

 

「何、俺が悪いの? そいつぁいくら何でも酷いでしょシーザーちゃん! どんだけリサリサが好きなんだよ、終いにゃあ泣くからな!?」

 

「さっき散々泣き喚いただろうが、いい加減にしろ!!」

 

「黙りなさい二人共、もう直ぐワムウたちの所に着きます。気を引き締めなさい」

 

「はい先生」

「…」

 

俺は泣いてもいいんじゃあないかコレ…

 

おちゃらけムードはココで確かに切れた、理由は目の前に途轍もない存在感を放つワムウが居るからだ。

 

「来たか。 フム、確かにあの時とは見紛う程の闘気。 指導者の手腕が余っ程よかったと見える」

 

「ワムウ! テメェがサンタナを!?」

 

「落ち着けジョジョ」

 

俺は落ち着いている。

此処で冷静を保てなくば死あるのみだからだ。

 

「分かってるよ、足跡の事だろ? 1つ多い。つまり 」

 

「カーズのだ!!」

 

虹彩を放ち、その場にカーズが居ることが確認された。

 

「それだけではない。 呼吸の数がまだまだ2人では足りていないのだから!」

 

「「!?」」

 

リサリサは真上を指差した。

それに従い顔を上げると

 

「な!? コイツら全員吸血鬼か?」

 

「いつの間にこんなに仲間を!?」

 

「腕は確かのようだな女」

 

ワムウは不敵な笑みをこぼし、カーズは吸血鬼軍団に向かって指を鳴らす。

 

「我らはカーズ様に永遠の生命を与えられた選ばれし者! 数は50!! 貴様達に半分は殺られたが、この数全員で掛かれば貴様等全員八つ裂きよ!!」

 

「カーズ様、私はこの者達と決闘の約束をしています。 どうかチャンスを」

 

「ワムウ。 俺達の本来の目的を違えるな、あくまで目的は赤石なのだ」

 

「ハッ!」

 

この数を一気に殺るのはちょっと厳しいぜ。

せめて、この状況を打破出来るワムウとの約束も意味がねぇし…

 

「だぁー!! 駄目だ! 50何て相手できねぇよ」

 

「皆殺しにしろ」

 

「待ちなさい。 それでは赤石は手に入らないわ」

 

「何? どういう事だ女」

 

「私もこの場に赤石を持ち出すほど馬鹿ではない。赤石には私達のいずれかが戻らなければ爆発する時限装置が仕掛けられているのよ」

 

「ハッタリだ」

 

俺もハッタリだと思う。

いや絶対ないだろそんなの! 赤石を失ったら柱の男を倒せないらしいからな。

つまりリサリサはこの場でハッタリをかましながら駆け引きをしているって事になる。

 

全く、呆れるほどに肝が据わっていやがる。

ワムウもそう思ったのか笑っている事をカーズに咎められている。

 

「ジョジョ、貴様が今夜0時に赤石を持ってこい。 時限装置とやらを外してな」

 

「ジョジョ、頼みますよ」

 

「おう、絶対戻ってくるからな。 気をつけろよ二人共」

 

「お前もバックれるんじゃあないぞ」

 

「なにィ!?」

 

 

[side リサリサ]

 

サンタナの件は残念でならない。

でも此処で止まっていられる程余裕などないのも確か。

私は師として彼等を導き、勝利を掴み取る義務がある。

 

しかし、私はどこかで期待している。

サンタナが生きているんじゃあないかと…

 

あの吸血鬼の件もある。

100体いた筈の吸血鬼、そのうちの1体は言った。

半分は殺られたって。

 

「先生、先生!」

 

「ごめんなさいシーザー、ちょっと考え事をしていて。 それでジョジョが来たの?」

 

シーザーは頷き、ジョジョの方へ視線を移した。

私も続いて見てみるとどうやら本物だと証明できたようだ。

ジョジョもこちらにやってきた。

 

無言で赤石を受け取り、身に覚えのある表紙を胸元に押し付けられた。

 

「それを見つけられたなら、話さなければならない、という事ね。いえ、戦う前に話すつもりではあったのだけれど」

 

「リサリサ、アンタ何者なんだ?」

 

私はリサリサ、本当の名前はエリザベス・ジョースター。

ジョセフの祖父、ジョナサン・ジョースターが死ぬ間際で、エリナさんへ託した子供。

ストレイツォに育てられ、ジョセフの父、ジョージ・ジョースターと結ばれた。

つまりは、ジョジョ、ジョセフ・ジョースターの実母。

そして、あの今思い出しても怒りが湧いてくる、それと同時に自身の不甲斐なさで恥ずかしく申し訳ない事件で私はエリザベス・ジョースターを辞めた。

 

後半はきっと決闘の邪魔になる、故に話さないが。

いずれこれも話す時が来るのかしら…

 

「ジョジョ、シーザー。 キッチリやっつけて来なさい!!」

 

「「おう(はい)!!」」

 

「決闘の方法は戦車戦だ!!」

 

吸血馬何ていうか暴れ馬を持ってくるとはね。

さらに微弱な波紋を流せば操作ができるときた。

 

やはり、柱の男は侮ることはできない。

 

 

[side シーザー]

 

サンタナに貰った命は無駄にはしない。

ワムウに場所の指定や決闘方法を決めるという、俺たちに不利な条件を叩きつけたんだ。

 

ワムウ戦はジョジョと俺がやる。

サンタナの件や父の事で速く決着を付けたいこともあった。

ワムウにこの条件を言った時、アイツはなんて言ったと思う?

 

「1人でも2人でも、戦士として問題無し。 寧ろこのワムウ、新たな闘争を与えてくれたサンタナに感謝するまである」

 

要は1人も2人も関係無しって事だ…

舐めやがって、あの言葉ツェペリの姓にかけて絶対に後悔させてやる!

 

「行くぞジョジョ!!」

 

「自滅するなよ?」

 

「貴様がな!」

 

俺たちはそれぞれの戦車に乗り、決闘の場へ赴く。

 

 

 




サンタナさん…君の意思は俺たちが継ぐ!!の回でした。

次回はやっとこ主人公勢が活躍しますワムウ戦ですわ!
でも何時も乍ら不定期更新何であしからず〜

え? サンタナ? アイツは死んだじゃん。

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