総てを切り裂く刃となるため   作:葬炎

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戦闘+αのみ。飛ばしても問題ないです。





ーー6ーー

カッ!

 

真っ直ぐ振り下ろした木刀は簡単に防がれる。

そのまま木刀を打ち合わせたまま力勝負となるが5年も年上の忍田さんに勝てるわけでもないので木刀を押す反動で離れようと―――

 

「ふっ」

「っ!?」

 

木刀が軽くなったと感じると同時に時間が遅くなる感覚。気づけば、忍田さんの木刀が俺の木刀を自分の体に当たらないよう少しずらしたあと突きの形で首元を掠めるように進んで来てるのがわかった。

それが自分にたどり着く前に遅い自分の身体を無理やり動かしずらされた木刀を忍田さんの木刀の側面に叩きつける。

すると遅くなっていた感覚はなくなっていた。

 

「っ、今のを防げるのか」

「っはっ、っはぁ」

 

1手で止めとなるかもしれなかった緊張感でほとんど動いてないにも関わらず息が上がる。疲れていないのに冷や汗が流れ、手が密かに震え頭痛がするのがわかった。

先ほどの遅くなる感覚がなんなのか、相変わらず気にはなるが今は無駄なことを考えている暇はないので今は捨て置く。

 

「とはいえ今の無理な動きは身体の負担が大きいから将来を考えるならやめたほうがいいぞ」

「っは、ふー……」

 

無理に動かした右腕がずきりとするが特に問題はなさそうなので改めて正眼に構える。

 

「今度はこっちからだ」

「っっ!」

 

カッ! カカッ

 

先ほどの俺と同じく真っ直ぐ振り下ろされた木刀を難なく防ぐが、木刀から伝わる重さはすぐになくなり左へ右へと振られる攻撃を受ける。

どうにか左から迫るのを剣先で弾き右から迫るのを持ち手部分の端で受け止め、その時受け止めた相手の力を利用し受け流した後反撃しようとするが、動き始めた時には既に剣は退かれ、木刀の範囲外から正眼に構える忍田さんがいた。

 

「反応速度は上々。俺よりもいいかもしれないな。だけど他がまだまだ甘い。まあ、小学生でまだ身体が出来上がってないのにそんなことを言うのも酷だと思うが」

「……ふっ……ふっ……」

 

緊張による鼓動の高鳴りも治まってきたので荒れていた息も抑えれる程度になってきた。

―――速い。まだ本気ではないのであろう軽い手応えだが、力を込められた上であの連撃をされたらぶつかる衝撃ですぐに動き出せないため受けきることは叶わないだろう。

 

「はっ」

「っ」

 

カカカッ! カッ!

 

同じ場所を狙い数度振るわれる木刀を受け止め、流すと同時に迷いなく目に向かい突きを放つ。

だが、それは軽く頭を振ることで回避されてしまう。

―――そう動くことはわかってる。

 

「シィっ!」

「おっ!」

 

またもや周囲と自分の動きが遅くなる。それと同時に突っ込む自分の身体の行く先、足元のほうに置くように振られた木刀を飛び込むように足を振り上げることで回避し、突きで伸びきった右手に掴んでる木刀を手首の動きで自分のほうに投げ、目の前に迫った木刀を左手で掴みそのまま袈裟懸けに振るう。

―――しかし当たる前に左手首を掴まれ、そのまま持ち上げられてしまう。

 

「すごい曲芸だな。しかしそれでも俺を不意打ちするのは少し難しい」

 

顔を見ても特に驚いた様子もなく、投げるように解放されたので距離を取り手首の調子の確認をする。

異常はない。痛みもない。頭痛もない。まだいける。

 

「……本気で、行きます」

「こい」

 

ここまで実力差があるとは思わなかったが、それはむしろ喜ばしいことだ。思う存分自分の力を振るうことができる。

―――俺は居合をするため構える。

鞘はないため左手で刀身を握り仮のものとするが、それだけで今はいい。

 

「―――はっ」

「っ!? くっ!」

 

とりあえず様子見に二度振るう。

すると、今まで変わることのなかった忍田さんの表情が驚きに変わった。どうだ。と思うもすぐにそんな無駄な思考を捨て様子を見る。

 

「……これが聞いてた居合か。予想以上に早いな。いや、初速は違えどそこまで早さが出るのは……そうか。無駄が無いのか。剣を握る強さ、振り抜くために力を入れる加減、タイミング……それを普通にできるようになれば段違いに、いや、一つの事だけを繰り返しやってきたがための無駄のなさ、鋭さか」

 

ぶつぶつ呟いているがその眼は変わらず俺の動きを把握し隙がない。

―――無いなら崩す。それだけだ。

 

「っっ!」

「くっ!」

 

剣先を正眼に構えてる木刀の上部に掠めるように一回、そっちに眼が行った瞬間に木刀を戻し膝を狙い一回。

―――軽く下がり避けられる。

 

さらに踏み込む。

 

もう一度、今度は上部を狙い斬りかかろうと―――目線だけよこしわざと木刀を揺らし上に木刀を持って行った瞬間に胴を薙ぐ。

―――気付かれまた後ろに下がり避けられる。

 

さらに踏み込む。

 

先ほどとは違い無理に下がったので体制を崩したところを狙い袈裟懸けに振るう。

しかしそれは軌道上に斜めに置かれた相手の木刀により滑るように振り切ることとなり、その隙に―――

 

「決着、だな」

「……」

 

忍田さんの木刀が首筋に当たるか当たらないかと言えるほど近くでぴたりと止められていた。

しかし、

 

「相打ち、だな。忍田」

「っ!? ……振り切ったはずなのに……!」

「……はぁっ……はぁっ」

 

忍田さんの胴体部分の側面にも俺が寸止めした木刀があった。振り切ったのを返す刀でそのまま斬りかかったのだ。残念ながら忍田さんの止めと同じタイミングなので相打ちとなってしまったが。

 

「……そうか。相打ち、か」

「剣道を知り、大会に優勝した後に勝てなかったのは初めてだな。忍田」

「はい。先生。今でこれなら将来がとても楽しみですね」

 

なんか目の前で二人が話してるが、そんなことより俺は終わった安心感で一息ついていた。

―――カチリ、と頭の中で音が鳴った気がする。と同時に途中からずっと(・・・・・・・)遅くなっていた周囲が元に戻った気がした。

 

「っっっ!? ぐあああああぁぁああ!!」

「!? どうしたんだ古刀くん! しっかりするんだ!」

「なんだ!? なにが起こっている!」

 

突然苦しそうに叫び出す俺に慌てふためく二人を置いて頭を掻く。

 

「痛い! 痛い! 痛い! あああぁぁああああああ!!!」

「くっ、私が医者を呼んでくる! 見たところ頭に異常があるようだから忍田はそれ以上頭を動かせないようにどうにか押さえ込んでいるんだ!」

「わかりました! おい! 古刀君! しっかりしろ! あまり頭を動かしてはいけない!」

 

かけられる声に反応もできなくひたすら脳髄から響く強い痛みに耐えるために頭を掻き、叩き、どうにか耐えようとする。

しかし止まることはない。

 

「ああああぁぁぁあああああぁ!」

「くそっ! どうしたっていうんだ!」

 

それからしばらく、頭痛が止まることはなかった。




原作にまだ入ってないのにお気に入り150ちょっとって早すぎやしませんかね(困惑)
さすがワートリ。

このくっそ下手な戦闘描写。酷い上に短い。とはいえ生身の上1対1なんでやりたいこともできないため長引かせれない。どうしようもない。

どうしたら上手く書けれるようになるんだ……これがわからない。

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