もしもベル・クラネルにこんなスキルがあったなら:短編集 作:自堕落キツネ
FGOが楽しくてつい…ね
ベルがまだ幼い頃、祖父が畑仕事で不在の時に不思議な雰囲気の女性が訪れた。
「おねぇさんはだぁれ?」と首を傾げながら尋ねるベルに、
「フフ。私は君のお祖父さんのお友達よ。(や~ん、なにこの子カワイイ~!!お持ち帰りした~い!!髪とかフワフワだし瞳も綺麗な
「おじぃちゃんははたけにおしごとにいってるよ」祖父の居場所を教えるベルに
「ううん、君とお話ししたくて今日は来たの。」
「そうなの?」「えぇ、お姉さんとお話ししましょ?」と、祖父が帰ってくるまで話し込んでいた。
「なんでお主が此処におるんじゃ。」
「あら、
「大有りじゃ、お主がベルに妙なチョッカイでもかけたら面倒事になるのは目に見えとるからな。フレイヤみたいにの。」
「馴染みの友人に対して随分な物言いね。」
「今までにお主がしてきたことを考えればな。」
祖父が帰ってきて早々に口喧嘩を始めた二人にベルは驚きながらも
「けんかはダメだよ。」と頬を膨らませて注意するベルに
「ゴメンね、ベル。」「スマンの、ベル」膨れっ面のベルにデレデレしながら揃って謝る二人。
「それじゃ、もう帰るわ。またね、ベル。これをあげるわ。いつもこれを身に付けててね?」女性はベルにネックレスをかける。
中央にガラスの様なものでデフォルメされたウサギの顔、それを囲むように六芒星が描かれ、それぞれの頂点に異なる宝石が配置されている。
ルビー、サファイア、エメラルド、トパーズ、アメジスト、ダイアモンドの六つで、台座には異なる紋様が刻まれている。
「うわぁ、ありがとう!!」
「おい、それはもしやあの娘らの。」
「えぇ、どうやらベルの事を気に入ったみたいだし。私もベルなら良いと思ったもの。」
「ハァ、どうせワシがなにを言っても聞かんか。」
「多分ね、それじゃぁベル、また会いましょうね♪」
「うん!!またね、おねぇさん!!」
ブンブンと手を振るベルとなにやら口を抑えて震えながら蹲る祖父、祖父の頭に一撃してからベルに手を振り返しながら帰っていった。
そんな出会いの夜から、ベルは不思議な夢を度々観るようになった。
始まりはいつも枝葉のトンネルを通る途中から。
進んでいくといつの間にかウサギの姿になっており、たどり着いた森に囲まれた広場では六体の動物が待っている。
尾の先が炎のライオン、水の体の蛇、風を纏うハヤブサ、岩の鎧を着たクマ、放電するタカ、冷気を漂わせるオオカミ
初めて見た時は驚いたが、すぐに慣れたベルは一緒に遊んでいた。
時は過ぎ、祖父が亡くなってからは観なくなってしまった夢を、ベルは観ていた。
きっかけは、『豊穣の女主人』から飛び出し、ダンジョンから朝帰りをした日、改めて決意したことだろう。
トンネルを進んでもウサギに変わらず、冒険者としての装備をしたまま、広場に着いた。
しかし、待っていたのは六体の動物ではなく、六人の女性だった。
「やっと来たな、ベル。俺達はいい加減待ちくたびれちまうとこだったぜ。」赤い髪と瞳、勝ち気な表情とアマゾネスと思われる服装と褐色肌の女性
「そうね、ルヴェニは凄く尻尾振ってたものね。」蒼い髪と瞳、蒼を基調とした着物を着た柔和な笑顔の女性
「ウッセーぞ、サロス。」分かりづらいが頬を朱色にそめてソッポを向くルヴェニ
「僕も早くベルとお喋りしたかったんだよ~!!」翠の髪と瞳、エルフの服にフリルを足したような服装の無邪気な笑顔の少女
「ウチもっスよ、スマラ。」黄色の髪と瞳、タンクトップとツナギのボ~っとした眠そうな表情の女性
「相変わらずパゾスは眠そうじゃなぁ、まぁワシも眠いが。」紫の髪と瞳、着物を着崩してベルの一部が緊張する格好の、キセルを
「メテュスも皆もベルにちゃんと名前言わないと、分かんないと思うよ。私はアダマ、よろしくねベル。」淡い水色の髪と瞳、白い革鎧で無表情に見える女性
「え?あ、あの皆さんはもしかして……?」
「そうそう!!僕達とよく遊んでたでしょ?」
「や、やっぱり…」物語で似た展開があったが、まさか自分がそんな体験をするとは思わなかったベルであった。が、
「よし、んじゃぁ早速始めるか」肩をグルグル回すルヴェニに
「何をでしょう…」不安げに聞くベルに
「ワシらが、ベルに強くなる為の特訓をするんじゃよ。ステイタスの足しにはならんが、おそらくワシらに関するスキルも出来てるじゃろうからワシらの
「強くなりたいんだろ?」ニッと歯をむき出しにして笑うルヴェニ
「えぇ、あのワンちゃんにベルをバカにされたままなのはイヤですし」毒を混ぜつつ私情全開のサロス
「ありがとうございます!!」バッと頭を下げるベル
「それじゃぁ改めて!!始めるよ~!!」
「オー!!」×6
ノリ良く拳を掲げた七人、夢の中とはいえ、ベルの地獄特訓の始まりである。
モンスターフィリア当日
数日、夢の中だけだがかなりお疲れの様子のベル。
人探しをしていたベルを、ヘスティアは気分転換も兼ねてデートとして連れ回す。
フレイヤによって放たれたモンスターの内の一体、シルバーバックに追われ、地上の迷宮とも呼ばれる『ダイダロス通り』に逃げ込んだベルとヘスティア。
自身の武器と共に心も折れかけたベルに、ヘスティアは新たな武器『
『
・
・武装、炎の大剣、水の鞭、風の弓、岩のハンマー、雷の大太刀、氷の手甲具足
・『魔力』に応じ、武装の威力変動
・武装召喚中、その属性の加護を受ける
炎:炎、熱によるダメージ無効(例、ヘルハウンドの炎、マグマの熱)
水:水中呼吸可能、水の抵抗軽減
風:空気を足場として使用可能、空気抵抗軽減(ステイタス次第だがマッハ越え可能)
地:自身への重力作用調節
雷:電気によるダメージ無効(例、雷の魔剣や魔法)
氷:氷、冷気によるダメージ無効(例、極寒地帯、リヴェリアの魔法)
・武装召喚中、その属性を纏える
・武装召喚中、髪の色が変化する
・
ヘスティアに説明されたスキルに、ベルは理解する。
このスキルが彼女達の事だと。無意識に首元のネックレスを握り、小さく感謝の言葉を呟く。
ベルはスキルを発動し、風を選ぶ。ベルの髪が風の少女、スマラと同じ翠に変化する。
憧れるアイズが風を纏う事と、周りの建物に被害を与えない為に。
だが、『
困惑しつつも、ベルは奮戦し、シルバーバックの討伐に成功。
後の流れは原作と同じく、土下座し続けて疲弊していたヘスティアが倒れ、シルの案内で『豊穣の女主人』へと向かった。
事の元凶であるフレイヤは、ベルの魅せた強さに歓喜しながらも、見覚えのあるモノに少々苛立ってもいた。
「あの子がしてたネックレス、もしかして…」
同時に、別の場所で見ていたアイズはベルに更に興味が湧いていた。
「あの子、私と同じ風を使ってた、それに剣も。私も、あの子みたいに風と踊ってるように戦えるようになれるかな。あの時の事を謝って、それから、お願いしてみよう。」
それから後、六人の女性を侍らせるウサギの少年に様々な噂がたつが仕方無い事である。修行として『魔力』を鍛える為と、彼女達がベルと遊ぶ為に。
武器見た目イメージ
炎の大剣:刀身、鍔、柄がそれぞれ異なる赤(紅とか)、鍔にライオンの咆哮してる感じの頭
水の鞭:鞭の先端が蛇の尻尾、柄に蛇が巻き付いて柄尻に頭、基本蒼
風の弓:木に蔓が巻き付いてて、蔓が弦になってる。矢を番える辺りにハヤブサの意匠
岩のハンマー:Fateのヘラクレスの武器のハンマー版。サイドにクマの意匠
雷の大太刀:黒鞘にワシの意匠、柄は黒に紫
氷の手甲具足:手甲はオオカミの頭っぽい、具足は脚(爪つき)基本白
片手剣バージョンは各色の刀身
容姿ボツ案
額に対応する宝石、宝石から対応する色の線で顔に動物の紋様
最後がスゴいやっつけ感がする、まともに戦闘描写したら無駄に長そうだったのでカットしました
最初のお姉さんに関しては細かい設定はありません。話の都合上必要だっただけなので