もしもベル・クラネルにこんなスキルがあったなら:短編集 作:自堕落キツネ
羨ましいような、ないような
バベル一階の一画に設けられた特別部屋
『癒しの白兎』
そこは、日々の癒しを求める女性達の予約で今では二ヶ月先まで埋まっているらしい。(とある女神は三日と空けずに予約しているそうだが)
さて、何故そんな事態が発生しているのか、それは半月程前に遡る。
バベルの正面広場、その中央にある噴水傍のベンチで、少年『ベル・クラネル』は、落ち込んでいた。
「また駄目だった…」
彼の見た目は、その髪と瞳の色から兎をイメージさせ、比較的小柄であることもあってどのファミリアからも入団を断られていた。
既に三日目に突入している事もあって、彼の目尻には涙が溜まりつつあった。
しかし、捨てる神あれば拾う神ありとは真実のようで、項垂れているベルに話し掛ける神がいた。
「おや? どうしたんだい?」
ベルが顔を上げると、こちらを覗きこむように屈む旅装姿の神『ヘルメス』と、その後ろに立つ水色の髪が印象的な『アスフィ・アル・アンドロメダ』がいた。
冒険者になりたくてオラリオに来た事を大まかに話したベルに、ヘルメスは
「なら、ウチに入団するかい?」
と気軽に(見えるよう)誘い、ヘルメス・ファミリアに入団することを決めたベルは早速ファミリアのホームで『神の恩恵』を刻んだ………のまでは良かったのだが
ベル・クラネル Lv.1
力 I 0
耐久 I 0
器用 I 0
敏捷 I 0
魔力 I 0
魔法
《》
スキル
《白兎鎧装》
・防具装備時使用不可
・兎の毛皮を纏う、耳が兎のモノになる
・敏捷強化、不安定な足場でも平地と同じように行動可能
・聴覚、嗅覚強化
・移動速度に応じて攻撃威力上昇
スキルの効果と内容にヘルメスは焦った。
(絶対に目をつけられる!!)と
まずはどの程度なのかを試しにアスフィと共にダンジョンに潜ってもらったが、中々に便利なスキルのようだ。(スキル発動状態のベルを後ろから抱き締めながら)
そのときの様子を目撃したらしい者達(女性のみ)がヘルメス・ファミリアに押し掛けて来た。
「「「私達も癒されたい!!!!」」」と
ヘルメスは苦肉の策として、予約制であることにして、その場をうやむやにしたつもりだったのだが、ヘルメスは甘く見ていたのだ、癒しを求める女性達の規模を
ヘルメスはギルドに交渉し(受付嬢たちに実物を見せて結託するよう誘導して説得?をしてもらった)、バベル一階の一室を借りた。
それから僅か数日で予約が殺到するとは、流石に予想外だったようだが。
今では、オラリオで利用したことがない女性、女神を探す方が困難であるとされている。
ヘルメス・ファミリアきっての稼ぎ頭となってしまったベル・クラネルは、今日もお姉さま方に可愛がられているのである。
兎のキグルミ+ウサ耳カチューシャなベルが脳裏に浮かんでしまったのでw
駄文なのは自覚あるので突っつかないでくだせぇ
因みに
抱き締めコース
膝枕コース(するかされるかはお好みで)
複数名の時のみ一緒に冒険コース 等です
ナデナデは自由、まではあります
尚、スキルは結構便利な模様
文才欲しいなぁ