灰色の狼ーー職業は武偵!?   作:白牙

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今回はちょこっとだけ戦闘描写が……
初めて書きましたが、難しいですね(汗)




第6弾 太陽万歳!! + 走る=

ーーside シフ

 

「そっか!!アリア先輩使ってくれたんだ!」

 

「お〜?なにを〜?」

 

「パラグライダー!アリア先輩の為に作ったんだよ!!」

 

「え!?あかりが!??」

 

「え!?なに、その反応!?」

 

 

時刻は回って放課後です。

今日は始業式がありました。

ですが、残念ながらシフは始業式に間に合いませんでした。

 

キンジ先輩に差し入れ(嫌がらせ)をした後、先生に事件の報告をして、そのまま授業を受けてきました。

 

昼食の時間に、お昼ご飯を今朝電話してた先輩の作った手作り弁当を分けて貰っていたら、キンジ先輩とたまたま遭遇して、一悶着ありましたが比較的平和な時間を過ごせました。

 

 

「って、パラグライダーって作れるものなの?」

 

「ああ、装備科の先輩が最近販売したらしいぜ?」

 

「スルー?スルーなの!?」

 

「へー!面白そー♪」

 

「ちょっと待て……あった!ほら、このチラシだ」

 

「………むぅ」

 

 

ライカが鞄から取り出したチラシには、

 

 

〜〜〜〜新学期記念!!装備科生徒主催!春の特売大安売り!!〜〜〜〜

 

『新発売!!(๑╹ω╹๑ )強襲用パラグライダーmark1.0』

 

『安定の信頼!防弾制服の改造は此方まで!(╹◡╹)』

 

『銃の改造なら任せろーバリバリー!!(*゚∀゚*)』

 

SAN値直葬(産地直送)狂気(弾丸)今なら100発から30%off』

 

『古代の神秘!古代の武具・防具・道具 始めました!』

etc……………

 

などと言った、新学期という節目の時期に装備を補充する生徒達を狙った内容が書かれていました。

 

 

「新発売………買わずには居られない!」

 

「シフ、ちゃんと考えてから購入しろよ?」

 

「あ!9㎜弾の特売だ!今のうちに買わなきゃ!」

 

「よし!あかり!ライカ!行くぞぉ!!」

 

 

買いに行こう!と、あかりとライカを誘い、席を立ちます。

クルリと、シフが振り返ると何処か暗い顔をした志乃が立って居ました。

 

 

「おろ?志乃?どったの(どうしたの)?」

 

「い、いえ。あ、あかりさん。一緒にコレを食べながら行きませんか?」

 

「おおっ!リーフパイか!」

 

「お〜!美味しそ〜!」

 

 

志乃は手に持って居たリーフパイをあかり達に見せ、一緒に食べようと声をかけました。

 

ーーが、

 

 

「あ、今日はダメなの」

 

「………ぇ?」

 

 

ーーあかりは断ってしまいました。

 

 

「今日はアリア先輩の外泊用に荷造りをしないといけないの」

 

「………」

 

「それに今は、お菓子NGなんだ………」

 

「……ぇ?」

 

「先輩と一緒に()()()に入った後で体重コントロールを命じられたの」

 

(お風呂………一緒に…………)

 

「ありゃ〜そうなの?大変だね」

 

「うん。ゴメンね誘ってくれたのに」

 

「んにゃ。大丈夫だよ。あ、そーだ。欲しいものついでに買おっか?」

 

「あ、本当!?ありがとう!じゃあ……」

 

 

チラシのメニューを見て、欲しい物をシフに教え、あかりは走って教室を出て行きました。

 

 

「朝からずっとアリアさんの事ばっか話してたなぁ」

 

「そりゃやっぱり、憧れの先輩と戦姉妹になれたんだから嬉しいんでしょ」

 

「………」

 

「さて、気を取り直して!装備科に行くーーー」

 

「…すみません。……気分が…ちょっと……」

 

「ーーぞぉ……あり?志乃も?」

 

「…はい。……リーフパイは2人で……」

 

「お、サンキュー!」

 

「大丈夫?」

 

「……は、はい…ではお先に……」

 

「お、おー…お大…事に…」

 

 

志乃まで先に帰ってしまいました。

 

 

「………」ウルウル

 

「……そんな捨てられそうな犬みたいな目で見んなよ。ちゃんとアタシは付き合うからさ」

 

「…う、うわぁ〜ん!ライカァ〜〜!」( ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)ゥヮーン

 

「こ、こら!抱き着くな!」

 

 

ちょっぴり寂しがりやなシフでした。

 

 

 

 

ーーTime change

 

 

装備科で買い物を終えたシフは自分の寮に向かっていました。

中々に良い物が手に入り、シフは、スーパーハイテンションになりました。

 

 

「引かぁ〜れたぁ〜レーェル♪素直に進ぅめばぁ〜♪」

 

 

お歌を歌いながら歩いています。なお、購入した物はソウルの中に収入しています。

 

 

「目ぇ隠してぇ〜もぉ〜♪どぉこぉ〜かにぃ〜行きぃ〜着くぅ〜♪」

 

 

寮に着き、階段をスキップをする様に上がります。

たん たん たたん たん たぁーん たん

 

 

「でも人生はぁ〜緋い誘惑の糸にぃ〜♪」

 

 

部屋に着き、鍵がかかってないドアを開けます。

 

 

「操られぇてぇぇ〜〜♪囚〜われるがぁ〜ままぁ〜にぃ〜♪」

 

 

中に入り、靴を脱ぎます。

 

 

「Days flying by but still wonder why I look to the sky and cry♪」

 

 

シフの他にキンジの靴、そして()()()()()があるのを見つけます。

 

 

「I'm so lost inside There's no place to hide A prisoner to pride♪」

 

 

しかし気にせず、リビングへと向かい、ドアを開けます。

 

 

「ーーキンジ。あんた、あたしのドレイになりなさい!」

 

Slave you(Save me)〜♪」

 

 

中ではキンジさんにアリアさんが熱い告白(ドレイ発言)をしていました。

 

 

Sラ〜ンク〜のヒ〜トがぁ〜(世界の果てで) 人〜権をガ〜ン無視だ〜(ただ独り残されて)♪」

 

 

いきなりドレイ発言をされ驚き固まるキンジ。

いきなり後輩が歌いながら入って来たのに驚き固まるアリア

入室した瞬間ドレイ発言が飛んで来ても歌い続けるシフ

 

 

そこまで〜してしたい(引き金にかかった) 事はなんだろ〜(指が震えた)♪」

 

 

歌いながらシフは考え、自分がするべき事を考え、閃きました。

 

 

先輩の趣〜味かぁ!分かぁ〜った(運命のスコープを覗いて)あか〜りに伝えな〜くちゃぁ〜(未来が変わるのなら)♪」

 

 

ポケットから携帯を取り出します。

 

 

携帯ぃ開いてぇ♪ (心信じて)電話をか〜けぇ〜よう(狙い定めて)Coll Friend(Bull's Eyes)♪」

 

「って、ちょっと待てぇー!」

 

 

しかし、だと少しの所で止められてしまいました。

 

 

「むぅ〜。何で止めるんですか?」

 

「いや、普通に止めるわよ!」

 

「先輩……趣味は人それぞれなんですから気にしないで下さい。」

 

「趣味じゃないわよ!」

 

 

やれやれ、困った人だ〜ƪ(◞ ‿ ◟)ʃ

などと、シフは少し大人ぶります。

 

 

「それじゃあ、僕はどっかで泊まってくるので、後はごゆっくり〜♪」

 

「ちょ、待て、シフ!」

 

「キンさん、これからは女性を泊める時は一言言って下さいね?」

 

「…は?ちょっと待て、泊まるって……」

 

 

ほらアレ。と、シフは近くにあったキャリーケースを指差します。

 

「アレってお泊まりセットですよね?」

 

「ナニィーッ!!??」

 

「あら、よく分かったわね」

 

「あかりに聞きましたから」

 

 

それでは〜。と、シフは自分の部屋に着替えを取りに行きます。

 

 

「あんた達ってルームメイトだったの?」

 

「……あぁそうだが、…知り合いか?」

 

「戦姉妹試験の時にちょっとね…」

 

「ん?お前に申請したのか?あいつが?」

 

「友人の方よ。あいつの友人があたしに申請したの。その時に近くに居たのがあいつ」

 

「あぁ、そうだよな。道理でなんかおかしいと思った」

 

「おかしい?何が?」

 

「あいつはもうーー」

 

「んじゃ、先輩方!サラダバーデース!!」

 

「戦姉妹を組んで………ってああ!シフ!待てやぁ!!」

 

 

女子と2人っきりでお泊まり会なんて御免だぞ!と、キンジはシフを逃さぬように掴み掛かります。

 

 

「はい!よっ!ほっ!」

 

「コラ!テメッ!避けんな!」

 

 

ミス!シフに避けられてしまった!!

 

「避けるなと言われて避けないバカは居ないのデス!」

 

「え!?」

 

「え!?」

 

「………」

 

「………」

 

 

一体キンジは何を思ったのでしょうか?

 

 

「と、とにかく逃がさねぇぞ」

 

「な、何故逃げるという事になってるんですか?」

 

「こんな面倒な状況から思っ切り離れようとしてんじゃねぇか!」

 

「いや、先輩方の事情に後輩を巻き込まないで下さいよ」

 

「ぐう、正論……」

 

「ではでは〜」

 

「だが、行かせぬ!」

 

「解せぬ!」

 

 

シフは逃げ出した!しかし、キンジに回り込まれてしまった!!

 

 

「ここを通りたければ俺の屍を越えて行けぇぇ!」

 

「あ、じゃあ別口から出て行きます」

 

「……はぁ?」

 

 

クルリとUターンして、ベランダに向かいます。

ガラガラ〜と、ベランダのドアを開け、

 

 

「ダイナミック行ってきまーーす!!!」

 

 

と言って飛び降りました。

 

 

「「はぁ!?」」

 

 

もちろん生身ですので、観客のアリアも驚きながらベランダに行きます。

ガバッ!と、下を覗くと、グリコのポーズをキープしつつ走るという、『グリコダッシュ』をしながら「太陽ばんざーーい!!」と叫び、走り去って行くシフが居ました。

 

 

「……こ、此処って三階よね?」

 

「あ、あいつ、遂にグリコダッシュを完成させやがった………」

 

「そっち!?確かにあの格好は気になるけど!!」

 

 

 

 

ーーstage change

 

 

さて、先輩方がら逃げ出しーーーもとい、グリコダッシュしたシフでしたが泊まる先を決めて居ませんでした。

 

 

「ん〜誰の所に行こっかな〜」

 

 

1. あかりの家

2. ライカの部屋

3. 志乃の家

4. ??の部屋

5. 野宿

6. ホテル

7. 教室

 

 

候補はこれくらい出て来ました。

まず1番ですが、アリアが部屋にいた時点で今日のあかりの用事は終わった事になります。恐らく今は暇でしょう。

2番はルームメイトにも迷惑がかかる事を考えなければ大丈夫なはずです。

3番は具合が悪そうでしたので辞めておきます。

4番は今、『鷹の目』ーーー監視任務をしているので、邪魔は出来ません。

5番は野生本能が疼きますが都会でやったら補導されてしまいます。(前科あり)

6番は道具を揃えるのにお金を使ったので無理です。

7番………先生に見つかったらコロコロ(殺殺)されてしまいますので難しいです。

 

 

「ん〜………電話しよ」

 

 

取り敢えずあかりに電話します。

 

 

プルプルプルプル……プルプルプルプル……ガチャ

 

 

『はい。もしもし……』

 

「あかり〜今日泊めて〜!」

 

『え?えっと…シフ君?』

 

「はい。シフです」

 

『泊めるってどういう事?』

 

「寮が魔境になりそうだから逃げーーーグリコダッシュしたんだけど、泊まるところが無くて困ってるの」

 

『ま、魔境??グリコダッシュ??い、意味がちょっと…』

 

「とにかく!野宿しようにもこの前補導されたからしにくいんだよぅ。故に何泊かお泊めさせては頂けませんか?」

 

『え、えぇっと……い、妹にも聞いてみるね?』

 

「あい……」

 

 

ののか〜ちょっといい〜?という声が電話から聞こえたのでしばらく待つ事にします。

 

 

ーーー!

 

 

ふと、視線を感じました。

殺気を強く含んだ視線です。

周囲を軽く見ても、辺りは人の通りは無く、街灯が光っているだけです。

 

 

『あ、シフ君?…………あれ?シフ君??おぉーーい』

 

「……あ、もしもし、あかり?どうだった?」

 

『うん。大丈夫だったよ。今から来るの?』

 

「うん。そうだけど、少し遅れるかも。後、住所教えて?」

 

『分かった。住所はーーー』

 

「ーーーだね。分かった、ありがと」

 

『うん!じゃあまた後でね〜!』

 

 

通話を切り、ポケットにしまう様にしてソウルに収納します。

いつでも武器をソウルから装備できる様に心掛けながら、立ち止まり辺りを見回します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーカシャンーーーーカシャン

 

 

背後から甲冑音が聞こえて来ました。

バッ!と振り返ると、そこには漆黒の甲冑に身を包み、漆黒の剣と盾を持った騎士が暗闇から歩いて来ました。

シフにはその姿に見覚えがありました。

前世の世界で、グウィン王に仕えていた騎士と全く同じです。

よく見ると、黒騎士の全身が赤黒いオーラの様なもので覆われていました。

 

ーーーーー悪霊

 

ひび割れた赤い瞳のオーブと言われるオーブを使う事で他者の世界に侵入した者をそう呼びます。

侵入した先の人間を殺す事でソウルを得るといわれています。

コレの良い所が、侵入先で殺されても使用者にはデメリットがない事です。

殺されても死なず、生きた状態で元の世界に戻る事が出来ます。

 

 

「黒騎士………なんでその世界に……」

 

 

悪霊が侵入した場合はその世界の住人、いわゆる『ホスト』と呼ばれる人間は、その際、不快感を感じます。

それで悪霊の侵入が分かるのですが、今回はその不快感がありませんでした。

何かがおかしい、ただソウルを奪う為に此処まで殺気を含むものでしょうか?

そもそも、この世界に侵入出来るものなのでしょうか?

様々な考えがシフの頭に浮かびます。

 

 

 

と、此処で黒騎士が腰を落とし、攻撃態勢に入りました。

 

すぐさまソウルから剣と盾を取り出し装備したところで黒騎士が地を蹴り、突進の勢いのまま横薙ぎの一閃を放ちます。

 

僅かに反応が遅れたシフは、盾を構えてコレを防ごうとするのですが、勢いを殺せず横に吹き飛ばされてしまいます。

 

すぐに受け身を取り、お返しとばかりにジャンプ斬りを喰らわします。

 

しかし、黒騎士は盾でしっかりとガードし、弾いたところに袈裟斬りをします。

 

あえて弾かれた勢いを殺さずに寝そべることで黒騎士の一閃を躱わし、腕で地面を押し出すようにし低空ドロップキックを胴に打ち込みます。

 

吹き飛びはしませんでしたが態勢が崩れたので脚を狙い横薙ぎをします。

しかし、ガキン!という音と共に足甲に弾かれてしまいました。

 

 

「か、固すぎでしょ!?ーーーうわっと!?」

 

 

思わず声を上げたところに剣を振り下ろされたので慌てて横に転がります。

そのまま転がり続け、距離をとってから起き上がります。

黒騎士は此方を警戒しているのか、盾を構えたまま間合いをジリジリと詰めて来ました。

 

 

「ーーーあぁ、もう!なんで君みたいな中ボスクラスがやってくるのかなぁ!?」

 

 

愚痴りながら盾を構えて気を引き締めます。

 

ーー新しい世界での初めての悪霊戦。シフの戦いはまだ始まったばかりです。

 

 

ーーーーto be continued!!




身を焦がす炎

自らの身体を炎に包み、近寄るものを焼き尽くす呪術
当然ながら大きな危険を伴い、
燃えている間は生命力が減少する

自らを焼きつくしてでも
手に入れるべきものがあるというのなら
誰もそれを止めはしない

シフがこれを選んだのは、前世での体験が理由
墓を荒らしに来た下着姿の男に「熱くなれよぉーー!!!」と叫びながら背中に飛び乗られ、この呪術を使われ苦しんだことがあり、この呪術の恐ろしさを実感したことが主な理由
なお、その男はそのまま「ちょ!動くな!エスト飲めなーー」と言ったまま燃え尽きてしまいました

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