灰色の狼ーー職業は武偵!?   作:白牙

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今回、時間をかなり飛ばします
ご注意下さい!


マガジン1
第1弾 親友の悩み


ーーtime change

ーーcountry 日本

ーーstage 東京武偵高

ーーside シフ

 

東京武偵高校、そこは、()()()()使()()()()()ーーー通称『武偵』を教育する特殊な学校です

生徒たちは専門の学科を選び、それぞれ専門的な知識と技術を学びます

拳銃や、刀剣などの武器を使い近接戦による強襲逮捕を得意とする『強襲科(アサルト)

狙撃銃を使用した、遠距離からの戦闘支援を得意とする『狙撃科(スナイプ)

犯罪組織に対する諜報・工作・破壊活動を得意とする『諜報科(レザド)

逮捕した犯罪容疑者への尋問を得意とする『尋問科(ダギュラ)

探偵術と、推理学による調査・分析を得意とする『探偵科(インケスタ)

など、様々な学科に分かれて学んでいきます

 

1時間目から、4時間目を全学科混合のクラスで普通高校と同じ様に一般授業を行い、5時間目以降をそれぞれの学科に分かれて実習を行います

 

この東京武偵高の1年A組に、シフは所属しています

レキとの最初の出会いから数年、シフは人間の言葉を学びました

そして、狼の姿では生き抜くのが辛い事を知り、人間の姿で生活をする様になりました

シフの服装は、武偵高の制服である()()()()を着て、、()()()()を被っていました

帽子は、耳を隠す為です

どうやら人間は、普通に無いものがあると、奇妙に思われるそうです

 

朝のホームルームが始まる前、

クラスはとある人物の話で持ちきりでした

神崎・H・アリア

二年生の生徒です

どうやら今朝、輸送車で移送してきた犯罪者5人が暴れ出したのをたった1人で制圧をして見せたのが原因だそうです

シフはその場に居合わせなかったので見られませんでした

 

ふと、友達の『間宮あかり』が何かを用紙に書いているのが見えました

 

 

「あかり〜何書いてるの?」

 

「うん?あ、シフくんおはよう!」

 

「うん。おはよ〜。それでーーー」

 

「うりゃ!」

 

「ひゃぁ!」

 

 

続きを促そうとしたら、あかりの背後から『日野ライカ』が用紙を取り、あかりを抱き抱えてしまいました

 

 

「な、何すんだーー!このチカン!」

 

 

 

あかりは暴れますが体格の問題でライカには叶うはずがありません

あかりと同じちびっ子であるシフは、あかりに何処か親近感を覚えました

 

 

「ーーあかり。お前、アリア先輩と戦姉妹(アミカ)契約したいのか!?」

 

「ふぇ?戦姉妹(アミカ)契約?」

 

戦姉妹(アミカ)……?」

 

 

と、ライカの言った言葉に『佐々木志乃』が反応しました

この3人は、シフとよく一緒に居ます

一部を除くと仲の良いグループです

 

 

「ねーねーライカー」

 

「ん?なんだ?」

 

戦姉妹(アミカ)ってなんだっけ?」

 

 

そう聞くとライカは、またか…とでも言いたそうな顔をしながら戦姉妹(アミカ)について教えてくれました

 

 

「ほぇ〜そんなんだったっけぇ〜」

 

「お前は……いや、そんな事よりあかり!お前、アリア先輩のランク知ってんのか?Aより上のSだぞ?しかも、戦姉妹を志望した奴、20人続けて不採用だったらしいぜ?」

 

 

ランクというのは、武偵ランクの事です

戦闘力や捜査力といった総合能力によって、国際武偵連盟格付けされ、主に上から順に、S・A・B・C・D・Eの6段階に分けられます

 

 

「お前みたいなEランクが、アリア先輩に組んでもらえるわけないだろ」

 

「なんだとこのヤロー」

 

「シフじゃねえよ!今は茶化すな!」

 

 

解せぬ(ㆀ˘・з・˘)

因みにシフは狙撃科のEランクです

 

 

「あかりさん。分不相応っていうのですよ、そういうの」

 

「志乃ちゃんまで……」

 

「なん……だと……」

 

「シフ!」

 

「わん!」

 

 

珍しく、いつもはあかりに()()優しい志乃が否定的な意見を出しました

つい、びっくりしてしまい、ライカに怒られちゃいました

 

 

「そんなの、やって見なきゃ分かんないよ!」

 

「そーだ、そーだぁ!Eランクペロるなぁ(舐めるなぁ)!」

 

「もっと強くなってからやってみろよ。ホレホレ」

 

 

拗ねたあかりをかわいく思ったのか、ライカはあかりの頭上に用紙を掲げ、ヒラヒラふって見せました

こうやってあかりやシフを弄るのがライカの趣味なのです

 

 

「かーえーせーっ!」

 

「あかりー負けるなぁ!頑張れぇ!!」

 

 

ちびっ子同盟のシフが応援します

しかし、長身国には敵わず手をパタパタさせるだけでした

 

 

「よし、アタシが、逮捕術の特訓をしてやるよ!」

 

 

と、ここでライカがあかりを抑えつけました

机に伏せさせ、そのまま関節を決めようとした時ーーー

 

ぎゅるんっ!と、あかりが寝返りを打つような動きをすると、ライカから抜け出し、さらに用紙を取り返して居ました

呆然としているライカにあかりは

 

 

「べーだぁ!」

 

 

と、子供っぽくベロを出しました

なのでシフは、

 

 

「ライカ、ライカ、逮捕術の特訓ならあかりを逃してからするものじゃない?」

 

 

と、少し大人っぽく援護射撃をしました

 

 

時は流れて放課後の帰り道、あかりはまたショボンとなって居ました

 

その手の中には『中距離射撃訓練結果』のプリントです

成績(リザルト)は、114人中113位でした

今回の訓練に出た強襲科生徒の中で最下位でした

 

因みに本当の最下位は隣にいる狙撃科の生徒です

 

 

「強襲科は…辞めた方がいいんじゃないですか?」

 

 

少し言いにくそうに志乃は言いました

 

 

「……辞めない。強襲科でアリア先輩と戦姉妹契約したいもん」

 

「なんなら近接戦技(CQC)、教えてやろうか?」

 

 

志乃の代わりにライカが優しくしてあげようと、声を掛けました

 

 

「ライカはバカでエッチだからやだ」

 

 

しかし、断られ、ショックを受けたようです

 

 

「なら、僕が教えーー」

 

「狙撃科が何言ってんだよ」

 

 

ライカが不機嫌そうに言ってきたのでちょっと黙ります

どうやら深刻な問題のようです

シフは1人でに()()()()()()を切り替えます

ライカと、志乃はあかりに言いました

 

「バカはそっちだぜ!アリア先輩は強襲科のトップ!お前はビリ!組むどころか口きけるチャンスすらねーんだよっ!」

 

「そうですよ、あかりさん。人には適性や、身の程というものがあるのですよ」

 

 

ーーside あかり

 

親友2人から否定的な意見を言われ、あかりは目を落としてしまいました

しかし、そこには114位中113位という現実がありました

 

目指す夢は遠く、その道のりは危険な道

他の夢とは違い、命を落とす危険のある過酷な夢

親友は、そんな道を目指すあかりを止めてくれます

決してイジワルではなく、親友だからこそ言ってくれるのです

 

あかりにはそのことは、分かっています

だけど、行かなければなりません

今は弱くても、強く生まれ変わらないといけないのです

()()()()()()()()()()()のせいで

 

ああ………

誰かがこの小さな背を押してくれたら

誰かがこの小さな手を引っ張ってくれたら

この道を進めるかもしれないのに……

 

 

「おい!シフも言ってやれよ!()()()()()()()()()()を!」

 

「シフさん。()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「………」

 

 

シフくんは答えてくれません

何かを考えるように黙ったままです

それを見てあかりはまた、悲しくなりました

 

やっぱりあたしは、ダメなの?

チャンスすら、強くなるチャンスすら、あたしには与えられないの?

望みを叶える()()すらないの?

 

ぽろ……ぽろ……と、あかりの目に、涙となって感情が溢れ出てーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕は続けた方がいいと思う(資格はあると思う)

 

 

 

 

 

 

 

シフが、()()()()()()()()()を言い、背中を押し出してくれました

 

 

 

「おいシフ!適当なことを言うんじゃ」

 

「適当なんかじゃないさ」

 

 

ライカの言葉を遮って言います

 

 

「強くなりたいとあかりは望んでいるんだ。ならば強い人に徒弟になるのが一番いい方法だ」

 

 

いつになく()()()()()

 

 

「武偵は確かに危険な仕事さ。弱い人より強い人の徒弟になった方が厳しいけど、安全にそして効率良く強くなれる」

 

 

親友として、あかりの進もうとする道へと

 

 

「ですが、後輩のミスで命を落とす先輩も…」

 

「それは先輩が自分の実力を過信し過ぎた可能性もある。『こいつがミスしても自分ならカバー出来る』って感じだからこそ、戦姉妹を組み続けたんだろ?違うとしてもそれは後輩の実力を見抜けなかった先輩にも責任はあるさ」

 

 

背中を押してくれます

 

 

「けど、アリア先輩が受けてくれる訳……」

 

「チャンスが無いわけないさ、現に不採用者は()()()()()()()()不採用になっているんだ」

 

 

シフはあかりに向き直り言いました

 

 

「あかり、キミに今、必要なのはランクや技術じゃない。()()()()()()()()()()()()

 

「……ゔん」

 

「自分を卑下するな。笑ってくる奴らは強くなって見返してやれ。迷ったなら僕に言え。()()目指すべき道へ導いてあげる!」

 

「……うん!」

 

 

もう、涙は出てません

彼のお陰で()()が決まりました

今なら、()()を持って夢へと進んでいけます

今なら、どんな試練も()()で耐えていけそうです

 

 

「よし、思い立ったが吉日!今から戦姉妹申請するぞ〜!」

 

「オーー!!」

 

「……でもよ、シフ。アリア先輩が何処に居るか知ってんのか?」

 

「うん。知ってるよ?」

 

「「「えっ!?」」」

 

驚きました!何故彼はアリア先輩の場所を知って居るのでしょう?

 

すると、彼は懐からナイフを取り出しました

あかり達が首を傾げている中、シフは最小限の動きで、ぶんっ!と、投げてしまいました

投げた先にある、大きな桜の木へと飛んでいきーーー

 

ーーパシッ!!

 

 

「「「ッ!?」」」

 

 

ーーー枝の上に居た人物によってナイフは止められました

 

 

「へぇ……よく気づいたわね?」

 

「これでも()が敏感なものでしてね」

 

 

そこにはーーー

 

 

「ほら、あかり」

 

「ッ!あ、ええっとぉ……」

 

 

あかりの目標であるーー

 

 

「あ、あたしと!戦姉妹になって下さい!!」

 

 

ーーーー神崎・H・アリア先輩が居ました

 

 

ーーーーto be continued!!




零石

ソウルが結晶化してできた石。体力を小回復させる事が出来る
回復スピードはゆっくりで、使用する為にやや、時間がかかる
また、複数を同時に使用した場合は、回復スピードと回復量が重複する

シフは、自分自身のソウルを結晶化させる事でこれを作製する事が出来る
使用ソウルは300

追伸。彼女のソウルの中から零石が10個ほど無くなってしまったそうです
何方かお心当たりのあるお客様はおられませんか?

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