灰色の狼ーー職業は武偵!?   作:白牙

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初めての投稿です!
ミスなどあると思いますが
どうぞよろしくお願いします!


シフ「わぉん!!」




マガジン0
第1弾 さらばこの世界


ーーworld ダークソウル

ーーside ??

 

 

ウーラシールにある、グウィン王の四騎士の1人アルトリウスが眠る墓

そこは、1匹の大狼によって守られていました

かつて、アルトリウスの友として、彼の最期まで共に戦った狼です

通常の狼とは、比べ物にならないぐらい大きく、そして強い狼です

深淵狩りの騎士達の剣技を、アルトリウスの剣技を目に焼き付け、魂に刻んだ彼は、剣を咥え、彼らの剣技を元に、長い……とても長い時間、友の墓を守り通してきました

 

 

 

 

 

ーーーしかし、この日、彼の生命の灯火が消える事になってしまうのです

 

 

 

 

 

彼が何時ものように墓の付近を見廻りをしてい時のことです

墓に向かってくる何者かの気配を感じました

ここ最近では、墓の周りは、彼の縄張りだと、周りが感じ、今では侵入しようとする者は殆んど居ませんでした

彼は息を殺しながら墓の方に戻って行きました

気配を消し、奇襲の準備ができた時、ついに侵入者がやって来ました

 

アルトリウスの墓は、英雄の墓だけあってとても大きな墓でした

その大きな墓の陰に潜み、侵入者を観察します

今回は、亡者や、深淵の魔物でもなく、1人の騎士の様な人間でした

甲冑に身を包み、大型の盾と、剣を持っていました

 

ーー今回は苦戦しそうだね

 

彼は心の中でそう考えながら、1番奇襲のしやすい状況になるのを待ちました

墓の前には、アルトリウスの形見である、大剣が突き刺してあります

本来は、奇襲が失敗した時に、すぐに咥えられるように突き刺していました

ですが、相手が騎士、あるいは剣士ならば、この大剣を手にしようとして、武器を仕舞う可能性がありました

今回はそこを狙うつもりです

 

侵入者が、アルトリウスの大剣に触ろうと、武器を仕舞い、手を伸ばした時ーーーー彼は飛びかかりました

 

奇襲は成功しました

侵入者の両腕を前足で、身体を胴体で抑えつけました

人間の脅威は、学習能力と、手先の器用さだと彼は感じていました

深淵狩りの騎士達は、異常な脚力や、根性という名の強靭な体力など、規格外の塊でしたが、通常の人間ならばあんな化け物のような力を持つことはないと思っていました………………願っていました

 

学習能力が脅威だというのは、同じ相手に2回目の奇襲が通じないということです

一度逃した人間が再び戻って来た時、同じ奇襲を仕掛けたら、警戒していたようで、すぐに避けられてしまいました

二つ目の手先の器用さですが、大体の人間は手に持った得物を使って攻撃をしてきます

剣で斬り裂き、斧で叩き斬り、魔法の杖を振い、回復する道具を使う

これらは全て手を使っているのだと彼はすぐに気が付きました

あのアルトリウスでさえ、手に剣を持って戦っていたのです

ならば、手を抑えつけてしまえば楽に倒せるのではないかと

 

案の定、今回の侵入者も手を抑えつければ、何も出来ませんでした

しっかりと抑えつけ、首を食い千切る!

 

 

 

 

 

ーーーー出来ませんでした

 

 

 

 

 

彼が侵入者の首に近づいた時、彼の嗅覚が、何処か懐かしさを感じとったのです

何処かで嗅いだことがある、しかし思い出せない

モヤモヤとしたまま暫く匂いを嗅いでいました

 

思い出せたのは侵入者が、彼に言った言葉を聞いた時でした

 

 

「ーーもしかして………シフちゃん?」

 

 

侵入者のーーー彼女の声を聞いた時、彼はーーーシフは、すぐに思い出しました

今から100年以上前に、深淵の主と戦っていた時、彼女が手伝ってくれたのです

シフが、窮地に立たされた時、助けてくれたり、深淵の主を共に倒したりと、少しの間でしたが、共に戦った仲間です

 

ーー何故彼女がここにーー何故彼女は歳をとっていないの?

彼の頭には、様々な疑問が生まれました

 

ーー僕はどうすればいいんだ……

 

ですが、1番シフを悩ませたのは、これでした

彼女が墓に来たのはアルトリウスの遺品を取りに来たのでしょう

しかし、シフには、ここを守ると誓って此処まで守り続けて来ました

ですが、仲間であり、命の恩人である彼女を殺すなんて彼には出来ませんでした

見逃しても、彼女の目的はアルトリウスの遺品なので、また、戻って来るでしょう

 

悩んだ末に彼は、1つの決断をしました

 

彼女を解放し、数歩下がります

彼女は、昔の様に鼻を撫でようとしてくれました

しかし、手が届く前に、シフは顔を天に向け、悲しむ様な、苦しむ様な、そんな弱々しい遠吠えをしました

 

そして、彼女に背を向け、アルトリウスの大剣に向かいーーーーーそれを抜き取りました

 

彼女の方に向き直り、剣を構えると、彼女は、驚きましたが、すぐに理解した様で、苦虫を噛み潰したような顔をして剣を抜いてくれました

 

 

彼女の剣の腕は、深淵狩りの騎士達にも見劣りしない素晴らしさでした

初めはシフの動きに翻弄されていましたが、徐々に対応していき、カウンターを入れることもありました

深淵の主と戦った時よりも強く、そして速かった

盾を巧みに使い、攻撃を防ぎ、剣を振るう

攻撃を避けて、剣を振り下ろす

離れていくのを見て、回復をする

シフの体から鮮血が飛び散るのを見て、心を痛めながらも彼女は剣を振るいました

 

 

そしてーーー

 

 

 

 

 

ーーーシフのその大きな体に剣が突き刺さりました

 

 

 

 

 

シフは、戦う前にこうなる事を望みました

恩人を殺せない、戦うのを避けられない、ならばシフが負ければいいのではないかと考えたのです

遺品を譲れば全てが解決しますが、それではシフの誇りが、アルトリウスとの絆が傷ついてしまうと思ったのです

それは愚かな事かもしれません、ですが、シフにとってはこれが1番良い結末だと思いました

 

彼女は、涙をながしていました

泣きながら、ごめんなさい、ごめんなさいと、シフに謝り続けました

シフは、彼女の頬を舐め、鼻を近づけました

気にするな、頑張って生き抜いてね、そんな思いを乗せ彼女に最期の戯れを望みます

彼女は、シフの鼻を撫でてくれました

昔より優しく、壊れ物を扱う様な、そんな心のこもった優しいものでした

シフは顔を綻ばせると、満足した様に、顔をあげ、今度は無念を感じさせない、誇る様な、勝者を讃える様な、力強い遠吠えをし

 

 

 

ーーーその大きな体を横たえ、生命の灯火を消し去りました

 

 

ーーーーーto be continued!!




今回は戦闘描写はありませんorz

シフ死すの回

あ、あと雲更新=不定期更新です

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