ねねっちって実はADHD?   作:Brahma

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第16話 大学受験だあ~

(ねね視点)

あ~またへんなアザがある。それに腕に擦り傷。

あおっちに子どもっぽいってまた言われる。

受験勉強中で部屋が散らかってる。

お母さんに言われる

「ねねちゃん、そんなにちらかして勉強は大丈夫なの。」

「大丈夫だよ。」

「少し整理しなさい。」

「あ~片付けるとますますわからなくなる。」

もっとも片付けられないから散らかってるんだけど...

片付けられないから余計に本とかの角に足や腕をぶつけたりこすったり

紙で切ったりが増えちゃう。

 

「ねねっち、めだたないけどあいかわらずアザや傷があるね。」

「そうかな。」

「ほら、右腕のここと、左腕のそこ。足にも...。」

「あれ?ほんとだ。いつのまに。」

「部屋かなりちらかってるでしょ。」

「うん、受験勉強で忙しくて...。」

「片付けと勉強の手伝いしてあげるよ。」

「わかった。」

 

「あれ?ねねっち、解答欄ずれてない??」

「あ~ほんとだ...。」

「心配だなあ。」

「当日は気を付けるから...。」

「「解答欄ずれないようにする」って手に書いちゃだめだよ。」

「なんで?」

「不正していると思われるから。」

「そんなことしないよ。」

(あおっち、勝手なことばかり。子ども扱いしないでよ。)

 

さて、願書に記入して学校の帰りに出そうとする。

本屋の前を通るとフェアリーズ2のアップデートの攻略本の広告が目に入る。

「これください。」

「はいどうぞ。」

攻略本を買って読みふける。クリーニング屋の看板が目に入る。

(そういえば制服のクリーニングだしてたっけ。わたし、すごい。記憶力いい、)

「あの~こないだ預けた制服なんですけど?」

「ねねちゃん。明日と言ったはずだけど...。」

「すみません...。」

家に帰る。

「ただいまあ。」

「お帰り。」

「あれ?ねねちゃん、帰りに願書出すんじゃないの?」

「え??出したは....。」

「あれ...。」

リュックから願書の封筒がはみ出して見える。

「ねねちゃん、昨日も忘れたでしょ。大丈夫なの?」

「大丈夫じゃない。」

「本局は7時まであいてるよ。」

「結構遠いな。明日行く、」

 

翌日。なんとか願書を出した。

3回忘れて期限ぎりぎりだ。

その翌日。あれ??着ていく制服がない。

「お母さん、制服は?」

「クリーニングに出したんじゃないの?」

(あれ...取りに行ったつもりだったけど...どうしよう。)

「もしもし、あおっち?」

「何、ねねっち?」

「あの...制服クリーニングに出しっぱなしで...。」

「しょうがないなあ。ねねっちは。もっていってあげるよ。その代わり、お昼おごりだからね。」

こうしてその日は無事きり抜けた。

 

いよいよ受験当日。

「えっと受験票、受験票はどこ?」

「そこに置いてあるわよ。」

「ありがとう。」

わたしはあれこれ参考書やら荷物を詰めていく。努力したノートはお守り代わりにもなる。

「行ってきます。」

「ねねちゃん、受験票。」

「あ、ごめんなさい。今度こそ行ってきます。」

きらら女子大学の校舎につく。

何号教室だっけ?

受験のしおりを探そうとする。

慌てて詰め込んだから奥に入っているらしい。

(なんかめだっちゃうな。あそこの木のところへ行こう。)

ごそごそサメリュックの中をまさぐる。

「あ、あったああああ。」

気が付くとほかの受験生がふりむいてる。

そういえば、わたし大声だしてたのか...

「あと5分で試験がはじまります。すみやかに校舎内へお入りください。」

「うわあ、間に合わなくなる~。」

わたしはあわてて下駄箱へ入ろうとする。

「すみません。何か落としましたよ。」

「え...。」

なにかはがきくらいの紙が落ちている。

「すみません。」

受験票をひろって、会場の教室へぎりぎりで入る。

ずらりと受験生が並んでいて静かだ。

(あれ、わたしの席にだれか座っている。)

「あの...すみません。」

「はい?」

「ここわたしの席...。」

「ここはわたしの席ですよ、受験票よく見てください。」

「え...。」

(と、となりの教室だ...やばい...。)

「ご、ごめんなさい。」

わたしはあわてて隣の隣の教室へ行く。

「あの、この番号は...。」

「ああ、この番号はあそこね。」

「はい。」

こうして試験がはじまった。

 

試験官がわたしの前をとおるときやけににらむ。

あとで友だちに聞いたら、かたかた身体が動いていたらしい。

それから受験番号のところに

「名前を書く。」「解答欄を確認する。」

と書いたのが見つかり

「消してください。」

と小声で言われた。

「緊張しているので忘れちゃうの...です。」

「それじゃ手のひらを見せてください。」

「椅子から立ってみて。」

と言われた。

なにも不審ではないことをわかってもらえたみたい。よかった。よかった。

試験官は消そうとするがボールペンで書いたので消えない。

しばらくしてマジックをもってきて消した。

あとで受験番号に落書きしていた学生ははじめてだと言われた。

 

これで原作を補完する桜ねね(ねねっち)のADHD物語は終わる。

 

そして4月からのキャンパスライフをはじめたのだが、まもなく夏休みにとあるゲーム会社のデバッグバイトの募集に申し込むことになるとは、またそれがきっかけで自主ゲーム製作を行い、友人のいるその会社の契約社員になるとは思いもよらないねねであった。

 


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