前回のあらすじ
海竜神「私はあと2回、変身を残している……その意味がわかりますね?」
デーモンの召喚「エルフの剣士たちのことかーー!!」
天翔の竜騎士ガイア「これ以降は《竜騎士ガイア》先輩はエクストラデッキで寝といて下さい」
竜騎士ガイア「(#^ω^)ビキビキ」
「勝負あり、勝者武藤遊戯!」
Mr.クロケッツの決着の宣言をよそに遊戯と梶木は互いの健闘を称え合っていた。
「良いデュエルだったぜ!」
「そうじゃな! 今回は負けちまったが、次は負けんぜよ!」
そんな中、次の試合の選手である海馬が2人の語らいに加わる。
「遊戯! 腕は衰えていないようだな、安心したぞ! 腑抜けた貴様を倒すことに何の価値もないからな……」
「そんな心配は無用だぜ! 海馬!」
「ヒョヒョヒョ、まるでもう勝った気でいるみたいだね海馬クン。僕も手ぶらで来たわけじゃないんだけどなぁ」
そしてさらなる乱入者、羽蛾も加わり、それぞれが闘志をぶつけ合う。
「ふぅん、貴様の小細工などこの俺の前では無意味なものだと分からんようだな……俺が手にした新たな力を使うまでもない――力の差を解らせてやろう……デュエル開始の宣言をしろ! Mr.クロケッツ!!」
海馬の宣言に従うのは癪だがこれも仕事だと割り切ったのか、それとも収拾がつきそうになかった故なのかは分からないがMr.クロケッツは大会を進行させた。
「双方の準備がよろしいようなので第4試合、海馬瀬人VSインセクター羽蛾の試合をはじめます。デュエル開始ッ!!」
そしてMr.クロケッツの宣言の元デュエルの幕は切って落とされた。
「先攻は僕のようだね、ドロー! ヒョヒョヒョさっそくきたようだね! 僕は《プチモス》を攻撃表示で召喚だ!」
フィールドにちょこんと現れた緑色の芋虫。結構デカイ。
《プチモス》
星1 地属性 昆虫族
攻 300 守 200
「ふぅん、そんな雑魚モンスターでどうするつもりだ?」
小馬鹿にしたように言い放つ海馬に羽蛾は笑いながらこのカードの真価を披露する。
「ヒョヒョヒョッ! 馬鹿にしない方がいいよ海馬クン。この《プチモス》には《青眼の白龍》をも超えるパワーが宿っているんだから……」
《プチモス》も羽蛾の言葉を肯定するように体をくねらせる。
「僕は手札から《進化の繭》の効果を発動! このカードを装備カード扱いとしてフィールド上の表側表示の《プチモス》に装備! そして《プチモス》の攻撃力・守備力は《進化の繭》と同じになる!」
《プチモス》の口から吐き出された糸が《プチモス》の全身を覆い、その身を大きな繭へと変貌させた。
繭の中では何かが脈動している。
《プチモス》
攻 300 守 200
↓
攻 0 守 2000
「これで繭の中で《プチモス》は進化を続け、究極の姿へと進化するのさ! 僕はカードを3枚セット!」
3枚のカードで守りを固めた羽蛾はさらに守りを固めるべく最後の手札を発動する。
「まだまだ行くよ! 僕は魔法カード《命削りの宝札》を発動して手札が3枚になるようにドロー!」
羽蛾の前にギロチンが現れ3枚のカードが置かれている。
「魔法カード《
ドクドクと脈打つ巨大な繭の隣にどこからか跳躍してきた《吸血ノミ》がフィールドをピョンピョンと飛び跳ねる。
《吸血ノミ》
星4 地属性 昆虫族
攻1500 守1200
「最後に僕はもう1枚カードを伏せてターンエンドだ」
エンドフェイズ時に《命削りの宝札》のデメリット効果が発動するが――ギロチンの落ちる先にもうカードはない。
「《命削りの宝札》を発動したターンのエンドフェイズに、自分の手札を全て捨てなきゃならないけど僕の手札は0枚。 捨てるカードはないよ」
意気揚々とターンを終えた羽蛾を海馬は冷ややかな視線で見つめていた。
「威勢のいいことだ……俺のターン、ドロー! 俺は手札から《ドル・ドラ》を攻撃表示で召喚し、《進化の繭》を攻撃! 何が出るのかは知らんが孵化する前に潰すまでだ!」
頭のあるべき個所に頭がなく両の手の先が頭になっている紫の老竜の、その両の手の牙が《進化の繭》を纏った《プチモス》を砕かんと光る。
《ドル・ドラ》
星3 風属性 ドラゴン族
攻1500 守1200
「おおっとそうはいかないよ――罠カード《検問》を発動! 相手モンスターの攻撃宣言時に相手の手札を全て確認し、その中にモンスターカードがあった場合、その攻撃を無効にする! さぁ手札を確認させてもらうよ」
「ふぅん、好きにしろ」
「ヒョヒョヒョー、海馬クンの手札にモンスターカードがある――よって攻撃は無効!」
《ドル・ドラ》の前に番兵が現れ《ドル・ドラ》の行く手を遮り、海馬の手札を見た後シッシッと手を振り《ドル・ドラ》を追い払う。
そして海馬の手札のカード1枚を手に持つ棒でたたき落とした。
「なにっ!」
「《検問》の効果だよ。相手の手札にモンスターカードがあった場合、その内の1枚を捨てさせられるのさ」
「ブルーアイズを墓地に送られたか……俺はこれでターンエンドだ」
海馬の相棒たる《青眼の白龍》が墓地に送られても、海馬のデッキには痛手とはならない。
「なら僕のターン、ドロー! さぁて攻勢に移らせてもらうよ」
その羽蛾の言葉に海馬はモンスターの攻撃力を見比べ嘲笑する。
「その攻撃力ではな、《ドル・ドラ》と相打ちでもするつもりか?」
《ドル・ドラ》の効果を考え、無駄死にに終わりそうだと考える海馬。
だが羽蛾は昆虫の強みを海馬に示す。
「ヒョー忘れたのかい海馬クン、昆虫は進化することを! 前のターンにセットした魔法カード《孵化》を発動! 自分フィールド上のモンスター1体をリリースし、そのモンスターよりレベルが1つ高い昆虫族モンスター1体をデッキから特殊召喚する!」
《吸血ノミ》の姿が緑の斑をした卵の殻で覆われ、進化の準備に入った。
「さぁ殻を破り、獲物を切り裂け! 《ヴァリュアブル・アーマー》!」
そしてその殻を4本の鎌で切り裂き黄土色のカマキリが4本の鎌を掲げ、口から威嚇音を出す。
《ヴァリュアブル・アーマー》
星5 地属性 昆虫族
攻2350 守1000
「さぁ狩りの時間だ《ヴァリュアブル・アーマー》! 《ドル・ドラ》を切り刻め! クアドラプル・ブレード!!」
《ヴァリュアブル・アーマー》の4本の鎌が《ドル・ドラ》を切り裂き刻む。
そうして《ドル・ドラ》の片腕にある頭だけが切り残された。
海馬LP:4000 → 3150
「この程度は超えてくるか……」
まだまだ余裕を崩さない海馬。
「攻撃表示の《プチモス》に永続罠《安全地帯》を装備! コイツを装備したモンスターは相手のカードの効果の対象にならず、さらに戦闘と相手のカードの効果では破壊されないぜ!」
繭がメタリックにコーティングされる――こんなにも金属的になってしまって中の昆虫は大丈夫なのだろうか。
「そして《プチモス》を守備表示に変更して、さらに永続魔法《強欲なカケラ》を発動してターンエンドだ!」
フィールドに現れた壺の破片を《ヴァリュアブル・アーマー》はその鎌でツンツン突き、興味深そうに観察している。
「だが貴様のエンドフェイズにフィールドで破壊された《ドル・ドラ》の効果を発動!
墓地へ送られたターンのエンドフェイズにこのカードを墓地から特殊召喚する。もっともデュエル中に1度しか使用できず、攻撃力・守備力は1000に下がるがな」
フィールドに残った《ドル・ドラ》の頭から体が生え再生する。だがもう1方の頭は再生しなかった。
《ドル・ドラ》
星3 風属性 ドラゴン族
攻1500 守1200
↓
攻1000 守1000
「そして俺のターンだ。ドロー。そんなに俺のブルーアイズを墓地に送りたければ叶えてやろう。手札から魔法カード《トレード・イン》を発動し手札からレベル8モンスター《青眼の白龍》を捨てデッキから2枚ドローする」
海馬の背後に半透明で現れた《青眼の白龍》が光の粒子となりデッキからカードを呼び込む。
引いたカードを見て海馬の顔に笑みが籠る。
「フハハハッ――光栄に思うがいい! 貴様にブルーアイズを拝ませてやる。魔法カード《死者蘇生》を発動! 自分の墓地のモンスター1体を特殊召喚する。現れろ! 我が魂! ブルーアイ――」
天を指さし、己がエースを呼び出す海馬。だが――
「ヒョヒョヒョー! ムダピョー! 永続罠《王宮の牢獄》発動! コイツがあるかぎり墓地のモンスターを特殊召喚は出来ないピョー!」
「なんだと!」
「普通にアドバンス召喚するにはリリースの2体いる《青眼の白龍》を使いこなすには墓地から呼び出すのは当然! 対策はバッチリさ!」
これで墓地に送られた《青眼の白龍》2枚は封じられたと言えなくもない。
「ヒョヒョッ! どうだい~眼中になかった僕に封殺される気分は?」
「くっ、俺はモンスターをセットしてターンエンドだ」
思わぬ反撃に歯噛みする海馬。
海馬のそんな顔を見てますます羽蛾の機嫌は良くなる。
「ヒョッヒョッ! 顔色が悪いね~海馬クゥン、俺のターン、ドロー! このドロー時、《強欲なカケラ》に強欲カウンターが1つ乗るぜ!」
強欲カウンター:0 → 1
僕から俺へと変化した口調、それは羽蛾が自身の有利を確信したが故。
「ふぅん、本性を現したか……」
海馬の呟きも意に返さず羽蛾の快進撃は止まらない。
「さぁて《ヴァリュアブル・アーマー》に更なる力を与えるとするかな~。俺は《ヴァリュアブル・アーマー》を通常召喚扱いとして再度召喚!」
「再度召喚だとっ!」
聞きなれない言葉に驚きを見せた海馬。そんな海馬に自慢するかのように羽蛾は説明を始める。
「そう! コイツは世にも珍しいデュアルモンスター! 墓地とフィールド上では通常モンスターとして扱うがフィールド上に表側表示で存在するコイツを再度召喚することで効果モンスターとして進化するのさ! 真の姿で全てを切り裂け! 再度召喚! 《ヴァリュアブル・アーマー》!!」
黄土色の身体は白く輝き、4本の鎌は6本に増え背中に羽根を生やし全てを切り裂く昆虫界の死神がその真の姿を現した。
《ヴァリュアブル・アーマー》
星5 地属性 昆虫族
攻2350 守1000
「再度召喚した《ヴァリュアブル・アーマー》は相手フィールドの全てのモンスターに攻撃できる! 壁モンスターをいくら増やしても無意味さ! まずは《ドル・ドラ》だ! セクスタプル・デス・スラッシュ!!」
《ヴァリュアブル・アーマー》の6本の鎌全てが《ドル・ドラ》に突き刺さり、串刺しにしたまま《ヴァリュアブル・アーマー》の真上まで持ち上げられ6本の鎌で同時に引き裂く。
《ドル・ドラ》の返り血が進化した《ヴァリュアブル・アーマー》の白い身体をつたっていった。
「お次はセットモンスターを切り裂け! 《ヴァリュアブル・アーマー》!」
羽蛾の声と共に、白い死神の6つの鎌がセットモンスターを襲う。
《闇・道化師のサギー》
星3 闇属性 魔法使い族
攻 600 守1500
そのセットモンスター《闇・道化師のサギー》は切られた身体を確認し、切られていないことに安堵するも視界が2つに割れ始めたことで慌てて顔の両側を手で押さえる。
だがその手が地面にポトリと落ち、最後は全身バラバラになった。
「ヒョヒョー! さらに俺はまたまた魔法カード《命削りの宝札》を発動! 手札が3枚になるようにドローするぜ! そしてまたまた魔法カード《二重召喚》を発動してモンスターを裏側守備表示でセットだ!」
羽蛾の昆虫たちの中に裏側のカードが浮かび上がる――かさかさと動いているようだ。
「そして最後にカードを1枚セットしターンエ・ン・ド」
エンドフェイズ時に《命削りの宝札》のデメリット効果が発動するが――
「《命削りの宝札》を発動したターンのエンドフェイズに、自分の手札を全て捨てなきゃならないが――俺の手札は0だピョー! 捨てるカード何てないぜ! また罠を張らせてもらったぜ~」
羽蛾はあの海馬を一方的に攻撃している事実に興奮を隠せない。
だが海馬はこの程度で封じ込められるデュエリストではない。
「クッ、目障りな……俺のターン、ドロー! ふぅんこのカードは……モンスターをセットしてターンエンドだ」
一見すると壁を出しただけにも見えるが海馬の目は攻撃を誘っている。
だが羽蛾はそれに気づかず、何もできないと取り、さらに調子づく。
「あの海馬が手も足も出ず! このまま押し切らせてもらうよ! 俺のターン、ドロー! この時《強欲のカケラ》に2つめの強欲カウンターが乗るぜ!」
強欲カウンター:1 → 2
《強欲な壺》の形となった《強欲なカケラ》に《ヴァリュアブル・アーマー》は御満悦だ。
「俺は永続魔法《強欲なカケラ》の効果を発動! 強欲カウンターの2つ乗ったこのカードを墓地に送り2枚ドロー!」
増えた手札を見た羽蛾はニヤリと笑い更なる昆虫を展開せんとカードを手に取る。
「俺は《ビック・アント》召喚!」
地面に穴が空き、そこから巨大なアリのモンスターが姿を現すが、途中で止まる――腹の部分が引っかかっているようだ。
もがく《ビック・アント》を《ヴァリュアブル・アーマー》が鎌で地面の穴を広げ、「ドンッ!」と現れた《ビック・アント》。いまいち締まらない。
《ビック・アント》
星4 地属性 昆虫族
攻1200 守1500
「そ・し・て、手札から再び魔法カード《孵化》を発動! 《ビック・アント》をリリースし、レベルが1つ高い昆虫族モンスター1体をデッキから特殊召喚する!」
《ビック・アント》の姿が緑の斑をした卵の殻で覆われ、脈動を始める。
「殻を砕き、獲物を食い尽くせ! 《ミレニアム・スコーピオン》!」
卵の殻をそのハンマーのような鋏で砕き、背中に目の文様を持った黒い大
歯をガチガチとならし
《ミレニアム・スコーピオン》
星5 地属性 昆虫族
攻2000 守1800
「さらに俺は前のターンにセットされた《
裏側のカードから「コロコロ」という音が流れ、そこから青いコオロギの様なモンスターが音波を放ちインセクト軍団の一員として並び立つ。
《共鳴虫》
星3 地属性 昆虫族
攻1200 守1300
「行きな俺のインセクト軍団! バトルだ! 《ミレニアム・スコーピオン》でセットモンスターに攻撃だ!」
《ミレニアム・スコーピオン》の尾の毒針がセットモンスター《ファミリア・ナイト》を刺し投げ、宙を舞う。
《ファミリア・ナイト》
星3 闇属性 戦士族
攻1200 守1400
そして落下してきた《ファミリア・ナイト》は《ミレニアム・スコーピオン》が両の鋏で捕み、頭からかじられそのまま捕食された。
凄惨な光景に目を背ける観客を余所に羽蛾は得意げに宣言する。
「この瞬間《ミレニアム・スコーピオン》の効果発動! コイツが相手モンスターを戦闘で破壊し墓地へ送った時、攻撃力は500ポイントアップするぜ!」
《ミレニアム・スコーピオン》
攻2000 → 攻2500
「ヒョヒョヒョ! これで壁モンスターは消えた! 残りのダイレクトアタックで終わりだぁ!」
壁モンスターの破壊――だがそれは海馬の罠だった。
「ふぅん、破壊したな! この瞬間《ファミリア・ナイト》の効果を発動! このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時、お互いのプレイヤーは、手札からレベル4モンスター1体を特殊召喚できる! 来い! 《レアメタル・ドラゴン》!」
海馬の手札の1枚からドラゴンが高く飛び上がり、その希少金属の身体の重量により「ズシンッ」とフィールドを揺らし、そのサイのような角と全身の鱗が鈍く煌めく。
《レアメタル・ドラゴン》
星4 闇属性 ドラゴン族
攻2400 守1200
「攻撃力2400のレベル4のモンスターだって! いやそれよりもなんでさっきのターン召喚しなかったんだ!」
「コイツはレベル4のモンスターの中でも最高峰の攻撃力を持つが、当然デメリットもある……通常召喚できないデメリットがな」
「くそっ! 俺の手札にレベル4モンスターはいない……ターンエンドだ!」
予期せぬモンスターに羽蛾は焦りを見せる。《ミレニアム・スコーピオン》は能力的に問題はないが他2体を防御するすべは――手札にない。
その焦りを見た海馬は所詮はこの程度のデュエリストかと羽蛾の実力を見定める。
「さっきまでの威勢はどうした! 俺のターン、ドロー。まずは邪魔なカードを退けさせてもらおう! 俺のフィールドにドラゴン族が存在する時このカードを発動できる――魔法カード《スタンピング・クラッシュ》を発動!」
《レアメタル・ドラゴン》がゆっくりと歩み出る。
「その効果によりフィールドの魔法・罠カード1枚を破壊し、そのコントローラーに500ポイントダメージを与える! 《王宮の牢獄》には消えてもらうぞ!」
《レアメタル・ドラゴン》が羽蛾の永続罠《王宮の牢獄》を踏み潰さんと突撃するが――
「無駄ピョー! ソイツにチェーンして永続罠《宮廷のしきたり》を発動! このカードがフィールドにある限り、互いのプレイヤーはこのカード以外の表側表示の永続罠カードを破壊できない!」
迫りくる《レアメタル・ドラゴン》を王らしき人物が受け止め、互いが押し合う。
そして突破は無理だと諦めた《レアメタル・ドラゴン》が渋々踵を返した。
「ヒョヒョッ! 破壊されなかったからダメージも発生しない――残念だったねぇ~」
「チッ! ならば《ブレイドナイト》を召喚! そして効果により俺の手札が1枚以下の時、このカードの攻撃力は400ポイントアップする! 今の俺の手札は1枚、効果が適用される!」
銀色の西洋甲冑の戦士が現れ、その左手の盾から剣を取り出し昆虫軍団へと向ける。
《ブレイドナイト》
星4 光属性 戦士族
攻1600 守1000
↓
攻2000
「まずは《ブレイドナイト》で《共鳴虫》を攻撃だ! ブレイド・アタック!」
ヤケクソ気味に飛びかかってきた《共鳴虫》を《ブレイドナイト》は一刀の元に切り捨てる。
《共鳴虫》の体液が鎧に飛び散るも気にした様子はない。
羽蛾LP:4000 → 3200
だが切り捨てられた《共鳴虫》からコロコロと音が響く。
「戦闘で破壊された《共鳴虫》の効果発動! その効果によりデッキから攻撃力1500以下の昆虫族モンスター1体を特殊召喚できる! 昆虫界の守護者よ! その務めを果たせ! 来いっ! 《ヘラクレス・ビートル》! 守備表示だ!」
巨大な「ヘラクレスオオカブト」が繭を纏った《プチモス》と羽蛾の前に陣取りその黒い巨体で守りを固める。
《ヘラクレス・ビートル》
星5 地属性 昆虫族
攻1500 守2000
「ならばその厄介なカマキリを仕留めておくか……やれっ! 《レアメタル・ドラゴン》! メタルスピン!」
《レアメタル・ドラゴン》が体を丸め高速回転を維持したまま《ヴァリュアブル・アーマー》に突撃する。《ヴァリュアブル・アーマー》も6本の鎌を振るうが金属の身体に刃は通らず回転に腕ごと巻き込まれる。
そして壁まで押し込まれ押し潰され、今度は自分の体液を飛び散らせた。
羽蛾LP:3200 → 3150
「くそっ! 《ヴァリュアブル・アーマー》がっ!」
昆虫軍団の一角が崩れ落ちたことから羽蛾に大きな動揺がはしる。
「俺は魔法カード《命削りの宝札》を発動し手札が3枚になるようにドロー。そして永続魔法《強欲なカケラ》を発動。さらにカードを2枚伏せてターンエンドだ」
壺の欠片が散らばり、そのすぐそばで《命削りの宝札》のギロチンがエンドフェイズ時に空を切る。
「貴様も知ってのとおりエンドフェイズ時に《命削りの宝札》のデメリットが発動するが――俺に捨てる手札はない」
海馬の思わぬ反撃に羽蛾はいまだ自身が有利なはずの現状にも拘らず、ジリジリと追い詰められている気配を感じ取った。
ゴキボール「そうだな(地属性・星4の俺らはデッキには入れて貰えてんだけどな……)」
キラー・ビー「まったくだ(《孵化》での星5を呼ぶ係だけどな……)」
ビック・アント「元気出せよ!(でも《プチモス》のヤツは星1だろ?)」
カマキラー「気にすんな!(《プチモス》のヤツはコネだとよ……)」