捻デレ者と和菓子屋の娘   作:グッバイぐら

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こんにちは。更新遅れてすみません。ここんとこ風邪ひいて体調崩してしまいまして。
あと、4月になり、色々と忙しくなってきたので、更新ペースはかなり落ちるかもしれません。
ご迷惑をおかけしますが、今後ともよろしくお願いいたします。


もう少し肩の力抜いていいんじゃねーの?

 噂の転校生、鶫誠士郎が転校してきて、一条との決闘に負けてから3日が過ぎた。

「それでは改めて自己紹介を。・・・鶫誠士郎です。名前は男のようですが、正真正銘女です。」

俺や一条の目の前では、転校初日には付けていなかったリボンを装備した鶫さんが宮本と小野寺に今更ではあるが自己紹介していた。

「お二人はお嬢のご学友だと聞きました。日頃お世話になっているにも関わらず挨拶が遅れて申し訳ございません。」

「いえいえそんな…!!」

しかしまあ固いな。今までの癖もあるだろうから仕方ないかもしれんが。この分だと桐崎父が望んでいる普通の女子としての生活が送れるようになるのはいつになるのだろうか…世話を焼こうとか思っている訳では決してないが…。

「でもびっくりしたよー。私も男の子だと思ってたから…。」

「そうなの?私は分かってたけど。」

「そーなの!?」

そーなの!?いやまじびっくりだわ。というか舞子といい宮本といい、何?眼鏡ってそういう機能が標準搭載されてんの?

「聞いた所だと日原先生も気づいてたみたいだけど?」

...マジですか。というかまた眼鏡キャラ。ホント怖いわメガネーズ。

「...ねえ、るりちゃん。その眼鏡ちょっと貸してくれない?」

「は?何で?」

「いや...なんとなく...眼鏡ってそういう機能でもあるのかなーって...。」

「そのカテゴリー止めて。」

何か本気で嫌そうだな...。まぁ別に舞子に同情なんてしないけど。

「おはよー桐崎さん!!今日もかわいいねー!!」

「なんだ貴様は...お嬢に向かって馴れ馴れしい...!」

噂をすれば...とか思ってたらいつの間にか鶫さんが舞子に銃を突き付けてた。つーかはえーなおい。いつ移動した?そしてどっからその銃取り出した?

「こらこらこらこらー!!その人も一応友人だからー!!」

いや一応って...どいつもこいつも舞子の扱い酷いな...人のこと言えないけども...。

 

「あー...ところで鶫さん?ちょっと聞いてもいいか?」

舞子の乱入のゴタゴタが落ち着いたところで、今度は俺が切り出した。

「む?何だ?」

まだ俺と会話したことがないからか、俺には舞子や一条とは違う形で警戒心を露にしている。まあもしかしたらクロードとやらが逮捕された原因が俺だと知っているからかもしれんが。

「お前の転校理由、確認のためにもう一回聞かせてもらっていいか?」

「...何故だ?」

「いや、ただの確認だ。」

「ふむ...まぁ別に構わん。

私が転校してきたのはお嬢と交際しているというその男の監視のためだ。」

その男、のところで一条に視線を向けた。

「でもあくまでポーズでいいんじゃなかったか?」

「ボスにはそう言われたがな。私はこの男を認めてなどいない。この男がいつお嬢に危害を加えるか、分かったものではないからな。」

「...つまり、個人的に一条が気に食わない、って解釈でよろしいか?」

「...その言い方は著しく不本意だが、まぁその通りだ。」

...やっぱこいつは組織や桐崎への忠誠心の塊だな。まあだからここまで張りつめて一条の監視をしてるんだろうし、その忠誠心があるからこそ今まで普通の女子学生としての生活を送る暇もなく働く日々に疑問を感じなかったんだろうけど。...俺にはそんな生活無理だな。

「もう少し肩の力抜いていいんじゃねーの?」

「...なんだと?」

俺の一言に鶫は鋭い視線で睨んできた。それこそ視線で殺せるんじゃね?ってレベルで。いやマジで怖いわ。

「よく考えろよ。一条みたいな武器ももってない、武術も身に付けてないってやつがダンベルやら何やらを放り投げられるほどの怪力を持つ桐崎を傷つけられる訳ないだろ。万が一、一条が桐崎に危害を加えようとしたら、多分お前より先に桐崎が一条をぶっ飛ばすことになるぞ?」

一条が何か言ってるが、無視だ。俺は事実しか言ってない。

「だったら、せめて学校の中でくらい肩の力を抜いても誰にも文句は言われないだろ。護衛や監視が不必要なんて言うつもりは無いがな。」

もし俺が同じ立場なら喜んでだらけるわ。だって働きたくないし。

「ぬう...。」

「あと、学校でそんなに張りつめて銃ちらつかせない方がいいぞ。いくら何でも不自然すぎるから。最悪、学校関係者の誰かに通報されるかもな。」

もしそうなったら一条たちを見張れなくなる。こいつにとってそれは今現在最も避けたいことだろう。

俺の言葉を聞いてか、顎に手を当てて、色々考えているようだ。

「ま、取りあえずそろそろ次の授業始まるし、早く席つかね?」

これ以上話すことも無かったし、何か返されても面倒なので、一先ずその一言で話を打ち切った。




ありがとうございました。
具体的にどのくらいのペースになるか、それとも不定期更新になるかは分からないので、気長に待っていただけたらと思います。

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