干物妹!うまるちゃんの日常   作:若狭東

9 / 54
切絵ちゃんを初めて登場させる方法に悩んでいたら、更新がいつもより、遅くなりました。申し訳ないです。


その8 うまるときりえ 前編

中間テストから1週間後

 

学校では、うまるさんの話をクラスの男子がしていた。

 

「うまちゃんて、かわいいよなーー」

 

「スタイルもいいし勉強もできるし」

 

「スポーツもできるしな」

 

「完璧じゃないか」

 

廊下はざわざわしている。男子の皆が話をしている光景を見ていた達生。

 

本人がいる前で……普通するか?

 

と思いながら、聞いてないふりをしながら聞いていた。

 

男子が話をしていたら、何故か女子も話に入ってきた。

 

「それだけじゃなく、家柄もすごいんだよ」

 

「ねーー」

 

その話に理解できてなかった男子皆揃って言う。

 

「え?」

 

知らない男子のためにある一人の女子は言った。

 

「うまるちゃんのお父さんは土間コーポレーションの社長さんらしいよ」

 

それを聞いた男子たちは驚いている。よっぽど、知らなかったことなんだろう。

 

「え!?あの大手企業の!?」

 

「そうだったんだ」

 

「だからあんなに身のこなしも綺麗なんだ」

 

男子は次々に思ったことを口に出していく。

 

「あれだけ完璧だったら、誰からも嫌われないよね……」

 

「むしろ神々しいし」

 

それを聞いていた女子も思ったことを口に出す。

 

そこで、話を聞いていたある一人女子が気がついたことを言う。

 

「あ、でも一人いるよ」

 

え?誰かいたかな?

 

思いた当たる人がいなかった。

 

「え?誰?シルフィン?」

 

同じことを思っていた、男子が言う。

 

いやいや、シルフィンさんはただの目立ちたがり屋の元気な女の子でしょ!

 

と達生は思っていたが、口に出すことなく、話の続きを聞いていた。

 

「いや、シルフィンはただ目立ちたがりでしょ」

 

またまた同じことを思っていた女子が言う。

 

やっぱりそうだよね

 

と達生は思いながら、反射的にうんうんと首を縦に振ってしまった。

 

「私のウワサをしてますわ」

 

わずかだが、かすかにシルフィンさんが言ったことを聞こえた。ウワサされるのは、嫌だよね。まず、本人が聞こえる所でする所からだと思うけど

 

そう思っていたら、女子同士の話が聞こえてきた。

 

「ほら、うちのクラスの……」

 

「ああ……」

 

「そういえば、よくうまるちゃん見てるよね」

 

うん?誰だ?よくうまるさんを見ている人?誰のことかさっぱり分からなかった。

 

うまるさんを見ると、廊下の角にいる女の子に気づき、見ていた。あの子誰だったかな……?

 

「……う……」

 

クラスの女の子は皆おびえている。

 

うまるさんに関しては、「?」という表情をしている。

 

「本場さんだ。すごいにらんでいる」

 

「こわいよね」

 

「うまるちゃん気をつけた方がいいよ」

 

ひそひそ話をしている。最後の言葉にうまるさんは意味が分からず

 

「え?」 

 

と言ってしまった。そりゃ、いきなり気をつけた方がいいよと言われたら、そうなるよね。

 

「本場切絵さん。いつも目つき悪くて、何を考えているかわからないんだよ」

 

「たまに木刀持っててさ……背小さいのに大人の男とケンカしているの見た人もいるよ」

 

へーそうなんだ。やっぱりあのウワサは本当だったか。

 

そうなると気をつけた方がいいよと言われるのもおかしくないか

 

本場さんを遠くから見るとギロッとうまるさんを見つめていた。何してるんだ?

 

だがよくよく見ると、本場さんの瞳からはあんまり、怖いように思えないような気がする。

 

というか俺……人の話を盗み聞きしすぎじゃね?

 

ただの変態じゃん。

 

自分がしている行動が恥ずかしく思い、笑ってしまった、達生だった。

 

 

 

 

 

 

 

その日の放課後。

 

今日は部活が終わり次第、こまるさんの家に遊びに行くことになっていた。今日の朝LINEで、

 

《今日の4.00頃に遊びにこれる?》

 

と通知が来たので、

 

《部活が終わってから行くね。多分5.00になると思う。》

 

と返信をした。

 

あの初めての出会いから、1週間しかたっていない。あの日は、いろんなことが起こりすぎて、頭がパンクしそうになったけど

 

あの出来事がなければ、こまるさんとも会ってなかったな

 

そんなことを思いながら、部活の行く準備をして、部活の場所へ向かった。

 

 

 

部活が終わり、こまるさんの家に走って向かった。

 

こまるさん。今頃待っているんだな

 

走ったら、すぐにこまるさんのアパートに到着した。アパートに到着し、2階に上った。確か、前のスーパーで海老名さんと会った時に、このアパートの1階に海老名さんの家があると聞いたことを思い出した。今は関係ないかと思い、家の前につき、インターホンを押した。

 

ピンポーーン

 

少し待っていると、こまるさんがドアを開けた。

 

「いらっしゃい。達生くん.…………。上がって」

 

こまるさんに言われるがままに家に入った。

 

「お邪魔します。」

 

奥に進むと、達生が目にした光景は

 

 

 

何と本場さんがいた。

 

 

 

「本場さん?」

 

言った瞬間ギロッと睨まれた。

 

ひえー、間近で睨まれると怖いな~

 

と思いながら、テーブルに座った。ギロッと睨んだ後は、ダラダラと額に汗が出ている。

 

どうしたんだ?

 

表情を伺うと、何やら焦った表情をしている。

 

???と?が頭にいっぱい浮かんだ時に、こまるさんがお茶を出してくれた。

 

まず最初に疑問に思ったことを達生は言った。

 

「こまるさんと本場さんは仲が良かったんですか?」

 

すると、こまるさんは

 

「いや、今日会ったばっかり」

 

「え?じゃあ何で?」

 

その問いかけにこまるさんは

 

「話すと長くなるけど、あれは」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

.………数時間前

 

うまるは海老名ちゃんと帰っていた。今日の本場さんのことが気になったので、海老名ちゃんに話してみることにした。

 

「本場さん。何か話があるのかな」

 

「え?」

 

海老名ちゃんは?を口に出してしまった。

 

「テスト前も何か言いたそうだったんだけど」

 

「.…………」

 

すると、海老名ちゃんは黙ってしまった。私何か変なこと言ったのかな?

 

そう思っていたら海老名ちゃんは以前から気になっていたことを話してくれた。

 

「き……きりえちゃん。前からうまるちゃんを見てるんだけど」

 

「え!?そうなの!?」

 

初耳だったので、とても驚いてしまった。全然気がつかなかった。

 

「う.……うん。特に最近は毎日。気づかなかった?」

 

毎日!?毎日、本場さんうまるのこと見ていたの?

 

「ぜ……全然。あ、でも海老名ちゃん話した事あるの?」

 

気になってしまったことを、海老名ちゃんに聞いた。

 

「うん。一度だけ。誰とも話してるの見たことないから」

 

そう言われてみれば、本場さんが誰かと話をしている所をうまるも見たことがない。でも、海老名ちゃんは本場さんと話をしたことがあるんだ。どんな話をしたのかな?

 

疑問に思い、海老名ちゃんに聞いてみることにした。

 

「どんな話をしたの?」

 

「あれは、お昼休みに誘ってみたんだけど」

 

 

 

 

 

「きりえちゃん。一緒にご飯食べない?」

 

一人でいることがほとんどだったので、私は勇気を出して、きりえちゃんに声をかけてみた。

 

「.………….…うまるさんも?」

 

うまるちゃん?何でそんなことを聞くんだろうと思いつつ、

 

「あ、うん!一緒だよ?」

 

笑顔を作ることを忘れずにきりえちゃんの問いに答えた。

 

「.………….…………」

 

少しの間の沈黙.………

 

すると、きりえちゃんはくるっと後ろを向いて歩いて行ってしまった。

 

「あ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが、初めて話した時」

 

「な…なんかすごいね」

 

私は苦笑いしてしまった。本場さん。何かすごい

 

すると、海老名ちゃんはある事に気がついた。

 

「あ…でも、うまく言えないんだけど」

 

なんだろうと?と思いながら、海老名ちゃんの話を聞いていた。

 

「きりえちゃん。みんな怖がってるけど、怖くないと思うな」

 

「.………….…………」

 

話をしていたら、アパートに到着した。もう、家についてしまった。

 

「それじゃ、またね。海老名ちゃん。」

 

「またね。うまるちゃん。」

 

 

 

 

 

家についた、うまるはさっきの話について、いろんなことを考えていた。

 

本場さん。うまるの事をあやしんでるのかも

 

本場さん

 

「こんな所を見られたら……びっくりするかもしれない」

 

今のうまるの姿は だっらぁぁぁーーとしている。コーラを飲み、ゲームがやり、お菓子を食べていた。本場さんのことを考えていた、うまるだったが、ある重要なことに気がついた。

 

「しまった!今日はクエスト配信日だ!!」

 

ベッドにダイブし、すぐにPSPを手に取る。

 

「危ない危ない乗り遅れる所だった。私情に悩んでいる場合じゃないよ!」

 

うまるはゲームに熱中していた。

 

 

 

 

 

数十分後

 

「.…………」

 

突然、ぐぅーーとお腹がなった。

 

あぁ、お腹すいた

 

「お兄ちゃん何時に帰ってくるんだろ?

 

あ 今日水曜日だからスーパーよってるんだった」

 

うまるは今日の夜ご飯のことを考えた。

 

! 今日買い物ってことは、お肉も買ってるはず!ステーキ作ってくれるかな?

 

その時

 

ピンポーーン。

 

誰だろう?

 

「ん?なんだろ?ゾンアマ?」

 

一瞬疑問に思ったが、うまるはあることに気がついた。

 

「あ!!そうか!!お兄ちゃん買い物したからドアあけられないんだ!」

 

それなら、早く開けないと

 

いや、待てよ、多分達生くんが来たんだ、そうに違いない。まだお兄ちゃんが帰ってくる時間帯にしてみれば早いような気がする。

 

ガチャーーンッ

 

「達生くん、いらっしゃいーー。………」

 

「.……」

 

 

 

 

そこには、本場さんが立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。