干物妹!うまるちゃんの日常   作:若狭東

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その6 うまると外食

ある日の休日、うまるは家でジャンプを読んでいた。そこで目を奪われたのは、ゲーム広告のサイゴノ:ファンタジー15いよいよ発売というものだった。それを見た瞬間うまるは、

 

「ほしい!!買って!!」

 

タイヘイに駄目元でもおねだりをしてみた。

 

駄目元でも、もしかしたら

 

うまるは少しの希望に賭けてみることにした。

 

「ダメだ。この前ドラキュエ買ったろ」

 

いつも通りの返事が返ってきた。

 

どうしても、欲しい。そこでうまるは作戦を思いついた。

 

この後、お兄ちゃんはスーパーに行く。そこで、一緒に行って、うまるの作戦を使えば

 

何とかなるはず

 

うまるはタイヘイについていくことにした。

 

 

 

 

 

わっくわっくわっくわくわく

 

「…………うまる」

 

うまるはいつもよりわくわくしていた。

 

何か企んでいるな…

 

どうせ、ゲームのことだろうと、タイヘイにも察しがついた。

 

「今日は食材を買うんであってゲームは買わないからな?」

 

そう、今日はスーパーに食材を買いに来た。ゲームを買う余裕のお金なんてない。

 

「わかってるってお兄ちゃん」

 

うまるはにんまりしながら、目が輝いている。

 

「じゃあなんでそんな期待の目をしてんだ!?」

 

絶対にゲームを買わせようとしてくるはずだ。

 

今、お互いが思うことは

 

『ぬふふふ……人前でダダこねれば買ってくれるでしょ』

 

うまるは作戦のことを思い

 

『買わないようにしなくては……』

 

タイヘイは絶対に買わないようにしようともう1度決めていた。

 

 

 

 

 

スーパーに到着し、買い物の中盤の時、うまるは思った。

 

そろそろゲーム売り場に誘導しようかな?

 

そろそろうまるの作戦が始まろうとしていた。

 

「こんなもんかな」

 

タイヘイはうまるの作戦が始まることに気がついていなかった。

 

作戦が始まるその時

 

タイヘイの前に、一緒に買い物をしている海老名ちゃんと達生くんがいた。

 

ばったり、会ってしまった。

 

「あっ」海老名ちゃんは無意識に口を開けてしまった。

 

「えっ」達生くんは少し驚いてしまった。

 

「!」タイヘイは2人が一緒にいて、会ったことに驚いてしまった。うまるはまだ気づいていない。

 

「あれ?海老名ちゃんと達生くん」

 

「あっ、こ……こんにちはお兄さんっ!」

 

「こんにちは。タイヘイさん」

 

まずは挨拶。挨拶をしているときにうまるは2人がいることにようやく気がついた。

 

なーーッ!!

 

うまるは想定外の出来事にこの中で一番驚いてしまった。

 

何で2人がここに。

 

うまるに気がついた海老名ちゃんが

 

「……えっと、うまるちゃん?」

 

名前を呼ばれた時はびくーんっ としてしまったが、

 

「あれ?海老名ちゃんに達生くんっ!」

 

何とか体勢を立て直すことができた。

 

「偶然だね!2人ともお買い物?」

 

「うん。いつもここに食材買いに来てて……たまたま達生くんと会って……」

 

「.………….…………」

 

タイヘイは渋い顔をしている。タイヘイはうまるにゲームを買わせない、ある作戦を思いついた。

 

これならいける。

 

「2人もお昼ご飯まだ食べてない?」

 

「はい」

 

2人も同じタイミングでシンクロした。同じタイミングで言ったとき、2人とも向き合い、恥ずかしがりながら2人とも下を見た。

 

「それなら、お昼近くのファミレスで食べていかない?」

 

 

 

 

 

数十分後

 

ファミレスで、メニューを見てた、4人

 

「あの……いいんですか?ごちそうになっちゃって」

 

海老名さんが言う。

 

それ、俺も思ってた所

 

達生も同じことを聞こうとしていた。

 

「うん。ちょうどお昼だしね」

 

「ありがとうございます」

 

2人揃ってタイヘイさんにお礼を言う。

 

メニューどうしようかな?

 

達生は悩む。横を見ると海老名さんも悩んでる様子。

 

2人悩んでいる時、向こうの2人はお互いをチラ見しながら何かを思っていた。

 

『海老名ちゃんと達生くんの前ならゲームをねだる事はできまい。お前はもっと我慢を知らなくてはダメだ!!』

 

そう。これがタイヘイが思いついた作戦だった。2人のご飯を奢るぐらいなら、ゲームよりかは安いし、こっちの方が行いとしては良いことなのだ。

 

だが、うまるのやつ諦めないだろうな。

 

『むぅぅ……お兄ちゃん買わない気だ。海老名ちゃんと達生くんの前じゃダダこねれないし……』

 

このままじゃ、ゲームへの道はなくなってしまう。

 

どうすれば.…

 

2人とも、お互いのことを思っていた。

 

 

 

メニューが運ばれた時

 

「わ……私ファミレスって初めてですっ」

 

海老名さんが恥ずかしそうに言う。

 

「え?あんまり外食しないの?」

 

タイヘイさんが疑問そうに言う。

 

海老名さんあんまり外食しないのかな?

 

達生も疑問に思っていた。

 

「実家の秋田にもあるんですけど……基本家で作るので……」

 

海老名さんがタイヘイさんの疑問に答えた。

 

「へー1人暮らしなのに偉いね」

 

タイヘイさんは感心しながら言う。

 

すごいな。海老名さんも頑張っているんだ。自分も親がいない時が多いから、おばあちゃんと自分の分作っているんだけど

 

「1人で作るのは大変だよね」

 

達生は自分も経験していることを言う。タイヘイさんは共感したようにうんうんと頷く。

 

「お兄ちゃん。オムライスのケチャップかけてあげるっ」

 

そこで、うまるさんが笑顔で言葉を挟む。

 

「ん?ああ」

 

タイヘイさんは困った様子で自分のオムライスを渡した。

 

それには、逆さまから見るとなんちゃらゲームと書かれているようだ。何て書いてあるんだろう。達生は疑問に思っていた。

 

タイヘイから見るとオムライスには、

 

 

 

はよ ゲーム(´д`)

 

 

 

と書かれていた。うまるはまだ諦めていない。どうしてもゲームが欲しいようだ。

 

「お兄ちゃんおいしい?」

 

うまるはニコーンと微笑んでいる。だが、うまるが思っていたことは

 

 

 

『ゲーム!!ゲーム!!ゲーム!!』

 

 

 

うまるは何としてでもゲームが欲しい。

 

「小さいお茶わんですね」

 

貝のパスタを食べてた海老名ちゃんが言う。

 

「あ それ貝のカラ入れるんだよ」

 

タイヘイがうまるを無視しながら、海老名ちゃんに教える。

 

『何で無視すんのお兄ちゃん!!ゲームー!!』

 

うまるは怒りながらもゲームジェスチャーをする。お兄ちゃんに伝わったかなとお兄ちゃんを見ると、お兄ちゃんは海老名ちゃんを見ながら、にこやかにしている。その瞬間うまるはぷっくぅーーっとした。

 

その光景を食べながら見ていた達生は、

 

『またタイヘイさんとうまるさんの間に何か合ったな……。』と思いながら、その光景を高みの見物をしていた。まだ口挟まず、今はグラタンの美味しさを感じようとしていた。

 

「お兄ちゃん♥あーーん♥」

 

うまるはオムライスをタイヘイに差し出した。するとタイヘイは

 

無視

 

その瞬間、うまるの怒りメーターのゲージが超えてしまった。もう我慢が出来ないうまるは一気に怒りを出した。

 

「ムシャーーッ!!」

 

何かの鎖が外れたようだった。

 

「うおっ!?」

 

その光景にタイヘイは驚いてしまった。

 

「お兄ちゃんのバカ!!無視メガネ !!さっさとゲーム買ってよー!!」

 

うまるは2人がいながら、お構いなしに、タイヘイに怒りをぶつける。

 

「お……おい!!」

 

タイヘイはこの状況でも2人がいることを忘れていないようだ。

 

タイヘイの言葉でうまるも我を思いだし、自分がやってしまったことに気がつく。2人とも、はっ とし汗をかきながら向こうの2人を見る。2人とも下を見ている。

 

うまるとタイヘイは思う。

 

やってしまった

 

 

 

「都会のれすとらん……んめな~~~~~」

 

海老名ちゃんは美味しそうに笑顔だった。

 

良かった海老名ちゃんにはバレてない。

 

海老名ちゃんは秋田弁が出たことに、はっ と気がつく。達生くんを見ると美味しそうにもぐもぐグラタンを食べていた。

 

達生くんにもバレてないようだ。

 

「……あっ!!すいません!!あんまり美味しくて……」

 

海老名ちゃんの顔は真っ赤だった。

 

うまるとタイヘイは思う。

 

『秋田弁だ……』

 

 

 

 

 

食事が終わり、帰る途中。

 

「うまるちゃん機嫌いいね」

 

うまるの機嫌が良いことに海老名ちゃんは気がついた。

 

「うんっ!お兄ちゃんがいい物買ってくれたの」

 

そう。とうとうゲームを買ってしまった。タイヘイはしょんぼりしている。そんなタイヘイを見て達生は声をかける。

 

「タイヘイさん大丈夫ですか?」

 

「まぁ大丈夫だよ」

 

達生の気遣いに少しは楽になったタイヘイ。達生はタイヘイにしか聞こえない声で、

 

「今日の事は秘密にしておきます。驚いてしまいましたが」

 

「.…………え!?」

 

やっぱり、見られていたか

 

偶然に見られていない海老名ちゃんは奇跡に等しい。だが、達生くんには見られていた。2人で小声で話をする。

 

「やっぱり、見ていた?」

 

「はい。まぁお2人の間で何かあったんだと思いますが…」

 

すべて、お見通しだった。

 

秘密にしてくれることに関しては、ありがたい。

 

「ありがとう。達生くん。」

 

「いえいえ、感謝するのは、こちらの方です。今日はお食事ありがとうございました。」

 

 

 

タイヘイにとっては疲れた、4人のお話でした。

 

 

 

 




こんな、初心者の小説を読んで頂き、ありがとうございます。少しでも、読んで頂ければ、自分も嬉しいです。

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