うん?
「………………」
なんだこの小さいフードを被った少女は?
「………………あ…………」
フードを被った少女は少しの間固まってしまった。動き出すのに10秒ほどかかっていただろう。
「あがーーーーん!!」
フードを被った少女は驚きの表情をしている。
「うわーー、ビックリしたぁ……」
いきなり大きな声を出されて、達生はビックリしてしまった。例えるなら、いきなり猫だましをされたような感覚だ。どうしたんだ?
「え!?」
フードを被った少女は冷静さを取り戻していた。
「おっ、失礼」
「あっ!……それは」
ゲームセンターに寄って手にいれたフィギュアが入った袋に指を指した。
「うん?これ?これがどうかしたの?」
ピンポンを押したときからいろいろありすぎて、まだ少し状況を理解できてないんだが
「それって、先着100名様限定のスぺ4のフィギュアなの?」
うまるはじーーと袋を見ている。
「あぁ.…そうだけど、良く分かったね。」
フィギュアという事実を知ったうまるの目が輝き出した。
うぅ.…きらきらしてる
というか、良く袋だけを見て先着100名様限定フィギュアって分かったな。少女は何者なんだ?
「えぇ!!凄い。私も今日手に入れようとしたけどもう手遅れだったの」
うまるは少し困った顔をしている。
『そうなのか.……』知り合いに取り置きしてもらったなんて口が裂けても言えない。
「君もスぺ4に興味があるの?」
まぁ、フィギュアを買いに行くぐらいだから、興味がなかったらそんなことしないけど
「うん。今までやったゲームの中では一番大好き。」
困った表情からにこやかな表情に変わった。
うぅ.…
か、可愛い。君は笑顔の方が絶対にいい。
よし決めた。
「よし決めた。何かの縁だ。2つあるから君に1つ分けてあげよう」
その言葉を聞いた瞬間、うまるの目がもっと輝いた様に感じる。
「えぇ!!いいの?私が貰っても」
戸惑いながらうまるは言う。
「あぁ…いいよ。観賞用と保存用に買ったもんだし、スト4に興味がある人に初めて会ったのが、何かの縁だと思うんだ。是非君に貰って欲しい」
スぺ4好きに会ったのは、本当に初めてのこと。しかも、女の子がやってるのも、以外だった。
「ありがとう。一生の宝物にするね。良かったらうちに上がって」
うまるは最高の笑顔を見せた。
うん。やっぱり凄く可愛いなぁ……
こっちまでにこやかになってしまいそう。
「じゃあ、ちょっとお邪魔しようかな」
ちょっとした偶然からうまるの家に入ることになった。
いろいろありすぎて、その時は消しゴムのことなんて、頭の中にはなくなっていた。
「お邪魔します」
女の子の家に入るのは始めての体験。女の子の特有の匂いが少しする。
机に座って、お茶を出して頂いて、重要なことを思い出した。
「そ、そうだ。自己紹介しないと、名前は石橋達生です。高校生です」
ちょっとした出来事からこうなったけど、自己紹介もせずに家に入るのは、ちょっと失礼だった様な気がする。
「うーんと、多分だけど、うまるさんの妹ですか?」
違ってたら、失礼だなと言ってから思ってしまった。多分当たってると思うが
「妹の.…こまるです。」
うまるは思う。
便利なキャラを作ってしまった。
でもバレてないからいいや。うまるは何とか正体を知られずにすんだ。
「やっぱり。何か似てるなぁ.……とは思ったけど、妹でしたか」
やっぱり、予想的中。それじゃあ、ここにうまるさんは住んでいるのかな。ちょっと聞きたかったら聞いてみることにした。
「じゃあ、ここにうまるさんは家におられるのかな?
」
「え!?ううん。ここはこまるとお兄ちゃんが住んでるだけでお姉ちゃんはいないよ」
「そ……そうですか」
うまるは1つの疑問が頭に浮かんだ。
そういえば、何で達生くん うまるの家知っているんだろう?
うまるは知りたかったので、思いきって聞いてみることにした。
「達生くんはどうしてここにお姉ちゃんがいると思ったの?」
「え?そ……それは、何か用事があってここを訪れたはず」
あれ?何でここに来たっけ?
用事があったのは確かだ。フィギュアを買って、帰る途中に海老名さんとうまるさんが歩いていて。それを見ていたら、消しゴムが落ちて。
そうだ、消しゴムを届けに来たんだ。一番重要なこと忘れる所だった。
「思い出した。うまるさんに消しゴムを届けに来たんだ。帰る途中をたまたま見かけて、消しゴムをうまるさんが落としたからここを訪れたんだ。」
消しゴムをこまるさんに差し出した。こまるさんは
あ……といいたそうな表情をしている。
「ありがとう」
こまるはあの笑顔を見せた。
ドギューン。本日何回目か忘れた、この笑顔
やっぱり、もう一度言おう。
可愛い
「では、用事が済んだので、ここで失礼します」
用事が済んだので、もう立ち去ろう。早く家に帰ってスぺ4したいし。
「ちょっと待って、スぺ4やっているなら、1回だけこまるとバトルして欲しいな。達生くんダメ?」
スぺ4をどれだけやっていて、マスターしてるのか、こまるは知りたかった。
「うん?いいよ。」
普通にO.K.が出た。こまるはゲームの準備をした。
「はい。負けないよ。」
こまるはコントローラーを渡した。
「こっちこそ、負けないよ。」
2人ともコントローラーを手に装備した。
3.2.1 レディファイト。
始まりの合図とともにバトルが始まった。両者ガードの隙がなく、HPが少しずつしか減らない。
こまるは自分で生み出した、コンボなどで攻めていく。達生はコンボを見切って、ガードをしている。
達生はやっている途中に思った、本気出してしまうとあのことがバレてしまう。バレたらヤバイ。本気を出すことをやめながら、こまるのHPを削っていく。
両者、同じ割合で削られていく。最後にこまるのスペシャルコンボが決まって、勝負はついた。KOの合図でバトルが終わった。少しの時間が経過した。
「達生くん、強いね。こんな強い人この辺りじゃいないよ。」
「こまるさんも強いよ。現実に負けてしまったし。」
こまるさんが強いのは確かだ。でも、多分本気を出せば勝てる。だって僕はスト4の前年度●●●●●●だから。
「では、失礼するね」
帰ろうとしたらこまるが
「達生くんLINE交換出来ない?後もし良かったらまた家に来てくれないかな?」
こまるにとって、ゲーム好きの人と遊ぶことは今回が初めてなのだろう。普段、うまるとしてはゲームをしないのだから。
「もちろん。いいよ」
達生にとって女の子と遊んだことも初めて。しかも、ゲーム好きの女の子という偶然。
LINEを教えると、今度こそ帰るために
「じゃあ、またね。また誘ってくれたら来るよ」
「うん。達生くんバイバイ」
お別れを交わして、達生はうまるの家を出た。まさか、消しゴムを渡すだけでこんなことになるとは
偶然から生まれた出来事だった。
こまるさんかぁ.……初めて遊んだ女の子だったな。
こまるを通じて、まだいろんな人と関わるとは、今の達生には思わなかった。
追記
⚫⚫⚫⚫⚫⚫については
その22でわかります。
ここ、1週間初めて、小説を投稿しました。字間違いや、言葉が変だったりするかもしれないです。感想や評価を書いて頂けると改善したり、次の話の書くやる気ににもなるので、時間があればお願いします。
3日に一回は投稿しようと考えてます。