干物妹!うまるちゃんの日常   作:若狭東

31 / 54
試験が近くて、更新が遅れてしまい申し訳ないですm(_ _)m
今回で30話にいきました。お気に入りも気がついたら200を越えていました。皆様のおかげです。ありがとうございます。今後もうまるちゃんの日常をよろしくお願いします。


その30 うまると海 完結編

「うまるさんとこまるちゃんって………同一人物じゃない?」

 

………

 

………

 

………

 

少しの間…沈黙が流れる

 

うまるさんは俯いている。

 

達生は横から表情を伺おうとしたが、髪の毛のせいで見えない。

 

ちょっと……変なこと言ってしまった

 

今まで、うまるさんとこまるちゃんを見てきたが、一つだけ気になる点があった。それは

 

 

 

 

 

 

 

うまるさんとこまるちゃんを一緒に見たことがない点

 

 

 

 

 

 

 

1年間、こまるちゃんと遊んだり、お昼を頂いたりしているが、うまるさんとこまるちゃんを一緒に見たことが今まで一度もない。一度も見たことがないのは、不自然すぎる。

 

だが、こまるちゃんとうまるさんが同一人物ということも、現実的にはあり得ないことだ。まず、背の高さが違うことや性格的にも正反対であること

 

流石に同一人物……っていうことは……違ったかな?

 

だが、何か秘密はあるはずだ。

 

新学期が始まってからいつか聞こうとしたが、今……この時を選んだ達生。

 

だが、うまるさんからの返事はない。

 

やっぱり……変なことを聞いてしまったかもしれない。

 

すると

 

「どうして……そう思うの?」

 

さっきまで俯いていたが、顔を上げて聞いてきた。

 

「えーと……」

 

いきなり聞いてきたので、戸惑ってしまう達生。

 

「俺の予想だけど………うまるさんとこまるちゃんを一緒に見たことが今まで一度もないんだよね………予想でしかないから………違う確率の方が高いし……何にしても証拠がないから…違うよね……変なことを聞いてごめんね…」

 

こんなこと聞く俺って……もう変人だ

 

達生は聞いた後…後悔してしまった。

 

だが…帰ってきた答えは

 

 

 

 

 

「うん。そうだよ。達生くんはやっぱりすごいね」

 

 

 

 

 

「へぇー……やっぱり…そうなんだ」

 

……

 

……

 

 

 

えぇ!?マジで!?予想でしかなかったのに!

 

本当に予想が当たっているとは思っていなかった

 

……

 

……

 

また…沈黙が訪れる。

 

この沈黙……何とか沈黙を消さないと

 

そう思い、何か話そうとする前に

 

「今まで黙っていて…ごめんね……」

 

うまるさんが謝ってきた。

 

「いやいや…こっちこそ……いきなり変なこと聞いてごめん。誰だって話したくないこともあるし……女の子にこんなことを聞く俺なんて……もう……変人やわ……」

 

達生はうまるさんに元気を出してほしくて必死に話す。

 

最後……変なこと言っちまったな

 

 

 

「変人って……達生くん……」

 

うまるさんは笑っている。

 

うまるさんは達生の最後の言葉に笑ってくれたようだ。

 

「あははは……俺もミスった」

 

「うん。ありがとう。達生くん」

 

何とかうまるさんは元気を取り戻してくれた。

 

良かった…元気を取り戻してくれて

 

 

 

で……本題に戻って、うまるさんとこまるちゃんが同一人物だったなら

 

達生はあることを聞く。

 

「こまるちゃんの身長って…どうやって…あんな感じになるの?」

 

「私も…何であんなことが出来るかわからないんだ………」

 

………なるほど。何であんなことが出来るか、わからないと

 

「こんなふうに出来るんだ」

 

うまるさんはそう言って、ひょいっと背が縮んで、こまるちゃんになってしまった。

 

あはは…………俺の前に何が起こっているだ

 

「やばっ!すごいな……これは」

 

達生は今起こっていることを理解することが出来ない。

 

これが……あの……科学では証明出来ないって言うやつなのか?

 

そして、ひょいっと元のうまるさんの姿に戻る。

 

「何が起こっているんだ………」

 

達生は驚きの表情を隠せない。

 

「もう…そんな目で見ないでよ。見せ物でもないのに……」

 

うまるさんは少し怒っている気がした。

 

「ごめん。ごめん」

 

達生は慌てて謝る。

 

まぁ、超常現象ってことにしとこうかな?まだ信じられないけど……

 

「こまるちゃんとうまるさんが同じってことは…もうちゃん付けで良いのか…」

 

思ったことが口に出ていた達生。

 

 

 

あ………そうだ!あと一つだけ聞くことがあったんだ

 

こまるちゃんのことを聞くのに精一杯でもう一つのことがすっかり頭の中から消えていた。

 

「あと………うまるちゃんとUMRも同一人物だよね?」

 

いきなり、聞かれたことにうまるちゃんは驚き

 

「うん。そうだよ。やっぱり達生くんは……すごすぎるね。逆に引いてしまうよ」

 

うまるちゃんはさっきとは違い、素直を認める。

 

何でそう思うのか、理由を聞かないんだ

 

「何でそう思うのか理由を聞かないの?」

 

「聞いてもいいけど……私…達生くんには誤魔化すことが出来ないと思うんだ」

 

「………」

 

何でUMRとうまるちゃんが同一人物と思ったかというと

 

UMR……普通に読んだら、う ま る ?的な…

 

シルフィンさんが現れてから、マスクするようになったのは、シルフィンさんに素顔を見られたら、バレるからだろう。

 

俺は似てるぐらいしか思わなかったけど

 

これも予想でしかなく、証拠もない。だが、予想は的中した。

 

いろいろ、言ってみるもんだな

 

「このことはタイヘイさんだけが知っているの?」

 

「うん。お兄ちゃんだけ知っているよ」

 

それなら

 

「このことは誰にも言わないから安心して…2人の秘密と言うことで…」

 

このことが他の人にバレると…大変なことになりそうだ。

 

「変人の達生くんは信用できないなぁー」

 

ははは……まぁまぁ

 

「ごめん。いっぱい聞いちゃって……じゃあ…俺らもそろそろ、海の家行こうか」

 

「うん!」

 

 

 

この時間は長かったようで短かったかもしれない。

 

 

 

 

 

海の家につくと

 

「うまる。達生くん。遅かったから迎えに来てしまったよ…こっちだよ」

 

タイヘイさんが声をかけてくれた。

 

「お兄ちゃん。ごめんね」

 

「すみません。タイヘイさん」

 

やっぱり…話の時間は長かったか

 

 

 

タイヘイさんについていくと、海水浴場にはいろんな人で賑わっていた。きりえちゃん、海老名ちゃん、ぼんばさんもいた。

 

「見た感じ結構泳いでいるぞ。タイヘイ」

 

ぼんばさんがタイヘイさんに言う。

 

「そうだな……空くまで待つか?」

 

タイヘイさんが言うと

 

「でも場所が空くの待ってたら遅くなっちゃうよ」

 

うまるさんも続いて言う。すると

 

「あ……あの……お兄さん……」

 

海老名ちゃんが恥ずかしそうに言う。

 

「ん?どうしたの?」

 

「私…その…今日…水着持ってきてなくて……」

 

そうなんだ。俺も部活の水着だけど

 

「あ じゃあ海の家でレンタルの水着借りれば?」

 

いやいや……あのサイズは絶対置いてない! はず……

 

海老名ちゃんの胸の大きさからしてあのサイズは流石に海の家でも置いていないと思われる。

 

海がアウトとなると

 

「じゃあさ。今回は海やめて別の所行こうか!」

 

タイヘイさんが提案する。

 

別の所とは……どこなんだろう?

 

「別の所って?」

 

うまるちゃんが達生が聞く前に聞く。

 

「ほら、近くにあるんだよ」

 

この近くに何かあったかな?

 

 

 

「水族館!」

 

 

 

 

 

 

 

水族館の中に入ると、そこは魚だらけだった。

 

いろんな種類の魚がいて、知っているのも、知らないのも、有名なのも、多種多様だった。

 

うわー……久しぶりに水族館に来たけど、やっぱりすごいな

 

そして、メイン広場の大きな水槽につくと

 

 

 

そこは、海の楽園だった

 

 

 

他の所もすごかったが、ここは他の所と違って格段にすごい。

 

6人とも大きな水槽の中の魚に見とれていると

 

「俺の妹連れてくりゃ良かったなー。魚が好きなんだよ」

 

ぼんばさんが魚を見ながら言った。

 

ぼんばさんの妹は……確か

 

「あぁ…そういえばいるって言ってたな」

 

タイヘイさんがぼんばさんに言う。

 

「めっちゃ凶暴だけどな」

 

きりえちゃんが?そうは思わないけど

 

達生はきりえちゃんが言っていたことを思い出す。

 

家ではケンカや叩いたり

 

「俺が高校の入学式行ってから話してくれねーんだ」

 

入学式と言えば…皆の前でケンカをしていた入学式だったはず

 

「行かなきゃ良かったかなー…」

 

達生はきりえちゃんを見ると

 

きりえちゃんは恥ずかしそうにしている。

 

ちゃんと言った方が良いよ。きりえちゃん。

 

「あの…」

 

きりえちゃんが声をかけようとしたら

 

「そんな事はないと思いますよ」

 

海老名ちゃんが微笑みながら言う。

 

「お兄さんが来てくれて嬉しくない妹なんていませんよ」

 

海老名ちゃんはニコッとしている。

 

海老名ちゃん。めっちゃニコニコしてる

 

すると……突然、ぼんばさんの目から水滴が溢れ始めた。

 

えぇ!?どうしたんだろ?ぼんばさん

 

「え!?ど…どうしたんですか!?」

 

海老名ちゃんが慌てて聞く。

 

「いや……久しぶりに人の優しさにふれて……」

 

ぼんばさんは号泣している。

 

そこまで、そんなに人の優しさにふれてなかったんだ

 

そして、ぼんばさんはきりえちゃんの鎖を斬る言葉を放つ。

 

「あぁ……海老名ちゃんが妹だったら良かったのになー」

 

それは……ヤバイよ。ぼんばさん。

 

きりえちゃんを見ると

 

きりえちゃんの手には江ノ島の土産の木刀が握られていた。

 

きりえちゃんのオーラは凄まじい。

 

水槽の中の魚たちは何故か逃げ出した。

 

「なんだ!?魚たち逃げ出したぞ!?サメか!?」

 

 

 

まぁ……大丈夫でしょう……

 

 

 

 

 

そして……夕日が沈む前

 

もう帰宅の時間だ。

 

ぼんばさんの車に皆は乗る。

 

俺はどこに乗れば良いんだろう。

 

「ぼんば。達生くんの座る場所はどこかある?」

 

「うん?場所なんてないぞ」

 

え……それってマジ?

 

「どこかないのか?ぼんば」

 

「あるっていったら、裏の荷物置きくらいだな」

 

荷物置き?まぁ、あるっていったら、そこだけど

 

「ごめんね。達生くん。場所が裏にしかなくて」

 

「いえいえ。自分は大丈夫です」

 

本当は荷物置きに座るなんてなかなかきつい。だが贅沢は言ってられない。

 

そして、皆、車に乗って、江ノ島を出た。

 

 

 

 

 

家の近くに降ろして貰う達生。

 

「今日はありがとうございました」

 

「またな」

 

「またね。達生くん」

 

ぼんばさんとタイヘイさんだけ起きていて、他の3人はぐっすり眠っている。さっきまで、達生も疲れで荷物置きで寝ていた。

 

タイヘイさんたちの車が見えなくなり、達生は自宅へ向かう。

 

今日はいろんなことがあった日だったな

 

講習会から始まり、まさかのうまるちゃんたちと出合い、うまるちゃんの秘密を知り、きりえちゃんのお兄さんと出会い、たくさんの思い出を皆で作れた。

 

まず、今日、うまるちゃんたちと出会うなんて誰が予想していたことだろうか

 

 

 

今日は達生にとって、かけがえのない一日であり、ついていた一日だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




急いで書いたので誤字脱字があるかもしれないです。次の更新は22日を予定しています。その後は、2~3で更新していきます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。