干物妹!うまるちゃんの日常   作:若狭東

20 / 54
その19 うまるとホラーゲーム

1月も終わり頃

 

今日も達生はきりえちゃんと一緒にこまるちゃんの家に来ていた。もう、すっかり仲良くなった達生ときりえちゃんとこまるちゃん。初めて会った時と比べて見れば、結構距離が縮まったように思える。

 

「いやーー……1月終わりでも、まだまだコタツだね」

 

こまるちゃんがニッコリしながら言う。

 

今は3人でだらーー と寝転びながらコタツを満喫している。

 

「冬にはコタツに限るね」

 

冬には絶対に欠かせないのはコタツ。これはもう断言しても良いぐらいだ。暖房やストーブで冬を乗り越える人も多いと思うが、一番はコタツ。もう、全身が温まる。極楽、極楽

 

「はい!!この世の極楽ですね。これは!!」

 

きりえちゃんもコタツがよっぽど温かいらしい。

 

きりえちゃんの言う通り、この世の極楽って言っても良いかもしれない。

 

「いよし!!じゃあ、きりえちゃん。達生くん。ゲームでもしようか!!」

 

こまるちゃんはゲームを誘ってきた。

 

「よしっ やるか!」

 

ゲームの言葉を聞くと達生はやる気が出る。

 

「はい師匠!!どこまでもついていきます!!」

 

きりえちゃんもやる気に満ち溢れている。

 

3人はコタツという極楽の世界を旅立つのであった。

 

 

 

 

 

「じゃあ、バイオハザードでもやろう。あっ…」

 

こまるちゃんは何かに気がつく。

 

「2人プレイだった。交代制でやるしかないね」

 

こまるちゃんは困った顔をしている。

 

その時、達生は大事な事を思い出した。

 

「やべっ!!宿題やらないといけないんだった」

 

達生は休日の宿題をやっていなかった。明日は学校。

 

宿題もしながら、こまるちゃんと遊ぼうと思っていたが、コタツの誘惑に負けて、ダラダラしていた。

 

思い出して良かった。帰ってからじゃ多分間に合わないかも

 

「俺、宿題しながら、見てるわ。2人でプレイしてくれない?」

 

達生は苦笑いしながら、2人にお願いをする。

 

「うーん。それならしょうがないね。きりえちゃんやろう!」

 

こまるちゃんはゲームを用意しながら言う。

 

じゃあ、宿題するか…

 

達生は宿題をする準備をする。

 

「………………」

 

あれ?きりえちゃんの反応がない。どうしたんだ?

 

こまるちゃんと達生はきりえちゃんの反応がないことに気がつき、きりえちゃんを見る。

 

きりえちゃんは汗をダラダラかいていた。

 

「………どしたの?きりえちゃん?」

 

こまるちゃんは問いかけると

 

きりえちゃんは

 

「え!?はい!?だっ……大丈夫ですよ!?」

 

きりえちゃんは慌てて言う。

 

絶対大丈夫じゃないだろ?汗かいているし……

 

きりえちゃん。もしかして、ゾンビとかホラー要素が苦手かな?

 

「きりえちゃん。汗かいてるよ……」

 

達生はきりえちゃんを心配する。

 

「あ……汗!?これは汗ではあ…ありません」

 

いやいや、顔から水滴が出てるじてんで汗だろ。

 

さっきまでは汗なんて一切かいていなかった。多分ホラー要素が苦手だと思われる。

 

「もしかしたらゾンビとか苦手だった?」

 

こまるちゃんもきりえちゃんを心配する。

 

「ももも問題ありません!!むむしろゾンビなんてぬるいくらいです!!」

 

きりえちゃんは焦りながら言う。

 

声が震えているよ。きりえちゃん。

 

きりえちゃんはこまるちゃんに心配させないように我慢しているようだ。

 

無理しなくて良いのに

 

「あ!!じゃあ部屋を暗くして臨場感だそうよ!!」

 

こまるちゃんは部屋の電気を消す。

 

きりえちゃんはびくっと驚いている。

 

「ごめん。こまるちゃん。文字が読めなくなる」

 

部屋が暗くなったことで、文字が読めなくなり、書けなくなった。

 

「あっ……達生くん。ごめん。今明るくする」

 

こまるちゃんは慌てて電気をつけた。

 

流石に暗いと宿題ができないよ

 

というか、部屋暗くして、ゲームをしたら、目が悪くなるから……

 

達生は宿題をしながら、2人がゲームをプレイする所を見ることにした。

 

 

 

 

 

テレビ画面には

 

〈プレイヤーを選んで下さい〉

 

と表示されている。

 

きりえちゃんはドキドキしているようだ。

 

第一ステージは森の墓場だった。

 

墓場かぁ……懐かしいな

 

もう既にこのゲームを達生は家でプレイしていた。まだ全部はクリアをしていないが、この墓場のステージのお話しはクリアしていた。

 

きりえちゃんはステージを見ただけでガクガク震えている。

 

きりえちゃん大丈夫か?ステージ見ただけで震えていたら、ゾンビが来たら…きりえちゃん。固まるかも

 

「きりえちゃん!!とりあえずこのステージで操作を教えるよ!」

 

こまるちゃんはとりあえずきりえちゃんに操作を教えるようだ。

 

「し…師匠!!おおおまかせ下さい!!ここの私がままま守って……」

 

きりえちゃんは慌ててステージの先の方へ歩いていく。

 

まず、そこらへんに転がっている強い武器を手に入れた方が良いよ

 

このバイオハザードは他のバイオハザードと違って、最初は拳銃がない。きりえちゃんは最初の初期に装備してあった、パイプで戦うつもりだ。それで、ゾンビを倒すのはいくらなんでも無理がある。

 

「あっ まず強い武器を拾わないと……」

 

こまるちゃんは達生が思っていたことをきりえちゃんに言う。

 

こまるちゃんはわかっているようで良かった。

 

辺りには、お面 ショットガン グラサン 包丁 が落ちている。その中にはいらない装備もあるが、強い装備もある。

 

こまるちゃんが言った時には、きりえちゃんの前にゾンビが現れていた。

 

パイプで倒すなんて無理だ。こまるちゃんが助けに行かないと

 

きりえちゃんは達生が思っていた通り、ゾンビが現れると固まってしまった。

 

「きりえちゃん。危ない!!」

 

こまるちゃんはショットガンでゾンビを倒す。

 

「す……すいません師匠!!」

 

少しでも遅れていたら、きりえちゃんは危なかったと思う。

 

間に合って良かった

 

達生は宿題をしながら、見ている。

 

 

 

 

 

ステージが進んでいくとショッピングセンターのエリアで2人は4.5人のゾンビと戦っていた。

 

あれ?

 

達生はあることを疑問に思った。

 

何かゾンビ強すぎるような気がする。

 

このゲームはしたことがあるが、ゾンビの耐久力と攻撃力がまぁまぁ多いような気がする。

 

多分、ハードモードでやってるかも

 

この耐久力と攻撃力はハードモード以外考えられなかった。

 

こまるちゃんのいつものクセでモードを変更せずに、ハードモードのままでプレイをしたんだろう。

 

初心者のきりえちゃんがいる中でハードモードをやるのはなかなか無理がある。

 

まだゲームオーバーになっていないだけ、すごいと思う。

 

宿題も終わったし、きりえちゃん怖がってるし、このステージクリアしたら、変わってあげようかな?

 

「そろそろボスだから、グリーンハーブで回復した方が良いと思うよ」

 

達生は2人にアドバイスをする。ここのボスはスピードは遅いが、攻撃力と耐久力はある。しかも、ハードモードなら、ハーブで回復しないと一発でやられてしまうかもしれない。

 

「達生くん。わかった」

 

こまるちゃんはアイテムボックスからグリーンハーブを取り出して、きりえちゃんと一緒に使用する。

 

その時

 

 

 

ゴゴゴゴゴ   ビシビシ

 

 

 

音が鳴ると近くにいたゾンビは全員逃げていく。

 

ボスがおいでなさった。

 

「ぬわーーっ!!ボスゾンビだ!!」

 

壁が壊されて、ボスゾンビが姿を現す。

 

 

 

ゴアアアア!!

 

 

 

やっぱり、何回見ても、このボスは迫力があるなぁ……

 

達生は何回目か分からないボスを見る。

 

きりえちゃんはボスを見て固まっている。そして

 

「んぎゃああーーっ!!」

 

きりえちゃんはガクガク震えだした。

 

いきなり、どうしたんだ?

 

「ど……どうしたの?きりえちゃん!?」

 

こまるちゃんは何が何だか分からないようだ。

 

「ぬわあああ!!入ってくるなー!!」

 

きりえちゃんはパイプ(包丁をつけて改造)を振り回している。

 

確か!このステージには隠しアイテムがあったはず

 

「こまるちゃん。スーパーのレジの上に隠しアイテムが入ったケースが置いてあるはず」

 

達生はこまるちゃんにアドバイスをする。

 

「達生くん。わかったよ」

 

こまるちゃんはダッシュでレジに向かう。きりえちゃんは逃げるので必死だ。

 

こまるちゃんはケースを見つける。中を開けると

 

「これは……ナイフセット!という事はもしかして」

 

中は5本のナイフが入っていた。

 

「後は頑張って」

 

達生は最後のコメントをする。

 

「きりえちゃん。これをパイプと合体させて!」

 

こまるちゃんはナイフセットをきりえちゃんに渡す。

 

きりえちゃんはパイプとナイフセットを合体させて、隠しコンボ武器を作った。

 

「隠しコンボ武器だ!!」

 

こまるちゃんは驚いている。

 

きりえちゃんは隠しコンボ武器でズバッとダメージを増やして、こまるちゃんは拳銃で打ちまくって、ボスを倒した。

 

テレビ画面には

 

 

 

Mission Complete!!

 

 

 

と表示されている。

 

何とか、倒したな

 

「や……やりました師匠!!」

 

きりえちゃんはとても嬉しそうだ。

 

テレビ画面には

 

ランクSと表示されている。

 

えっ!?初心者でランクS!?きりえちゃんすごいなぁ……

 

きりえちゃんが初心者でランクSを取ったことがすごかった。

 

「すごいよ。きりえちゃん!プロだね!!」

 

こまるちゃんもランクがSだったことがすごいと思っているようだ。

 

「うん。初心者でランクSなのはスゴすぎるなぁ……」

 

 

 

きりえちゃんのすごさに驚く2人だった。

 

 




もうそろそろシルフィンを出せたら良いなと思います。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。