こわいクラスメイトに見られた!!
「.………….…………」
「.………….…………」
あ…….…
うまるは今起きてる状況を理解することができなかった。
10秒ほど固まってしまい、やっと状況を理解することができた。
「あがーーん!!」
理解したとき、うまるはとても驚いてしまった。
なんで、きりえちゃんがここに?
そんなことよりも、うまるの今の格好はハムスターフードを被っている、家うまる状態だ。身長は約40㎝しかない。そんな姿を、きりえちゃんに見られてしまった。
もうダメだ
しかし、以前に達生くんに見られた時は何とかバレなかった。
もしかしたら…今回も
神様お願い
とうまるは願った。
「か……かわいい.…………」
……
……
「え!?」
「はっ!!失礼!!」
その瞬間きりえちゃんは横に向いた。表情をうかがうと、恥ずかしいようだ。
気づいてない!!うまるはこの時、奇跡は1度じゃ終わらず、2度あることを知った。
神様ありがとう
多分、神様はこの世に存在しているのだろう。そんなことを考えている暇はなかった。
この後どうしよう
とりあえず、考えても、案が思い浮かばないので家の中に上げることにした。
きりえちゃんを机の前に座ってもらい、机にお茶を用意した。
「………」
うーむ…
上げて良かったのかな?
本当に上げて良かったのかは、うまるにも分からなかった。
あの時はとりあえず
それよりも、なんなんだろうこの子?
きりえちゃんを見ると辺りをキョロキョロしている。まるで、初めて人の家に上がった感じだ。とりあえず、このままだと、ラチがあかないので、声をかけてみることにした。
「あの……」
その瞬間、声をかける途中に、まるで、電撃が体にはしったかのように、びくーん としていた。
「はっ!! す……すいません!!名も名のらずに!!私 本場きりえと申します!!」
「え?あ……うん」
いきなり、声をかけてきたので、びっくりしてしまった。
知ってるけど…
まぁうまると気づいてないことには変わりないようだ。何とか誤魔化すことが成功したようだ。
「え……ええっと.…………あの……違ってたらすいません……」
何だろうと思いながら聞いていた。
というか、この展開前にも、あったような?確か…
「もしかして……うまるさんの妹さんですか?」
必死にスマイルを作ろうとにこぉとしながら、聞いてくる。よし、あの時と同じように対処しておこう。
「妹の……こまるです」
「やはり!!どどうりでうまるさんに似て気品が!!」
「そんな事ないよ」
やっぱり、便利なキャラ作ってしまった
改めて、思ってしまった。
「でで……ではうまるさん…… この家におられるんですか?」
「え!?」
これ、前と同じ展開だ。やっぱり、達生くんもきりえちゃんもその事が気になるのかな。
とりあえず、前と同じように
「ううん……ここはこまるとお兄ちゃんが住んでるだけでお姉ちゃんはいないよ」
「そ……そうですか」
普通に信じてくれるんだ。きりえちゃんにも通じて良かった。うまるは嬉しく思う。
そういえば、なんでこの子うまるの家知ってるんだろう。うまるはその事が気になったので、聞いてみることにした。まだキョロキョロしている。
「きりえちゃんはどうしてここにお姉ちゃんがいると思ったの?」
「え?そ それは……」
きりえちゃんは少し戸惑いながら、答えてくれた。
「こ この1週間ほど……うまるさんの帰り道についていったので……」
え…?それってストーカーじゃん。
何かうまる、きりえちゃんに恨まれることしたかな?
もし、していたら謝らないと
「んはっ!?」
きりえちゃんはいきなり、大きな声を出した。どうしたんだろう?
「し し……しまったぁ!!これを先に渡さなくてはストーカーか何かに見えてしまう!!」
え?ちがうの?
うまるは苦い顔をしながらきりえちゃんを見ていた。きりえちゃんは何やらバックをあさっている。
机に置かれたのは、この前になくした、学生証だった。
「あ……」
落とした学生証だ
その時、不意に海老名ちゃんの言葉が頭に浮かぶ。〈みんな怖がってるけど怖くないと思うな……〉
「きりえちゃん」
「え?は……」
きりえちゃんはさっきよりも恥ずかしがっているようだ。
礼を言わないと。
「ありがとう!」
笑顔で礼を言った。その時、彼女にドギューンと体が動いた。まるで、弓矢で体を撃たれたかのようだ。
「し……」
うん?どうしたのかな?
「師匠.…………って呼んでも良いでしょうか!?」
「師匠!?」
師匠!?何で?
「は はい!!私……こまる師匠についていきたいと!!今!!思った次第でございます!!」
きりえちゃんはものすごく興奮している。
「こまる師匠って、落語家みたいになってるよ」
と笑って言った瞬間に
ピンポーーン。チャイムが鳴る音が聞こえた。今度こそ多分達生くんだと思い、きりえちゃんに、待っていてと言い、玄関に向かった。
「いらっしゃい。達生くん.……。上がって」
「という、ことでした。」
話が思ったよりも長くなってしまった。
「ふーん。なるほど」
達生くんは本場さんが何故ここにいるかについて理解することができた。とりあえず、多分同じクラスだから知っていると思うけど、自己紹介しておかないと、
「自己紹介が遅れました。同じクラスの石橋 達生です。こまるさんとは、1週間前に会って、仲良くなった感じです。」
「あ……こちらこそ、自己紹介が遅れました。本場 切絵です」
何とか自己紹介をすることができた。自己紹介が終わってから、何しに、ここに来たかを忘れていたので、思い出そうとした。
「あ……きりえちゃん、今から達生くんと遊ぶ予定だったんだけど、一緒に遊ぶ?」
そうだ、遊びにここに来たんだ。本来の目的を思い出すことができた。
「いえ、もう遅いので、今日は帰ることにします。師匠お気遣いありがとうございます。」
「あ……もう外暗いね。またきりえちゃんも家に来なよ。LINE交換しない?」
「あ……ありがとうございます。また必ず来ます」
2人でLINEを交換していた。
もう仲良しになったんだ
俺とこまるさんもこんな感じだったけど。その時、1つの通知が達生のスマホに表示された。
〈母 今日は家に帰れるので、早めに帰ってくるように。お祖母ちゃんも待っています。夕食作っておくね。〉
久しぶりに母さんが帰って来るんだ。これはもう帰った方がいいな。
「ごめん。こまるさん、俺も今、急な用事ができた。また俺も誘ってくれたら来るよ」
「あ……しょうがないね。うん。また来てね」
こまるさん、ごめんね。帰る準備をしていたら、
ガラガラガラ
「ただいまー。誰か来てるのか?」
「あっ、お兄ちゃんえっと……今日友達になったきりえちゃん!と一週間前に友達になった、達生くん。」
「こんばんは、タイヘイさん。お邪魔してます。」
タイヘイは思った
あれ?うまるが友達の前でフードを被ってる!?なんかあったのか?
と思いながらも
「こんばんは、達生くん、えっと……きりえちゃんよろしくね」
「.………….…………は?」
ギロっと睨まれたタイヘイ。
.…………
.…………
.…………
.…………か……感じ悪いーーー!!
「!」
きりえちゃんはダラダラと汗をかいている。
うまると達生は同じことを思った。
『……子供しか話せないんだ』
うまると達生に超人見知りの友達ができました。
文字数は後から増やせたらいいなと思います。