【大空】と【白夜叉】のミッドチルダの出会い~改~ 作:ただの名のないジャンプファン
~sideゼスト・グランガイツ~
「やぁ、ゼスト君」
白龍とアギトを連れてビルへ到着したゼストは後ろから声をかけられ振り向くと其処に居たのは‥‥
「白蘭か」
「やれやれ、他人のペットなんだからさぁ、もっと大事に扱って欲しいなぁ~こんなに弱らしちゃってぇ~」
白龍はご主人様のもとに行ってやっと死ぬ気の炎にありつけ機能を回復した。
ゼストと行動を共にしていた時は死ぬ気の炎にありつけなかったので白龍は機能停止間近だった。
「すまないな、何を与えればいいのかわからなかったんでな‥‥」
ゼストも流石に悪かったのか気まずそうな顔をする。
「ホントコイツ何あげてもなんも口に入れようとしねぇんだもん」
反対にアギトは白龍が何も口にしなかったのが悪いと言う。
「まぁいいよ、この子は魔力とは異なる特殊なエネルギーが稼動源だからさ♪」
と自分のリングからでる死ぬ気の炎を与えながらゼストに話しかける。
「因みに何あげようとしたの?」
白蘭はゼスト達が白龍に何を食べさせようとしたのかを尋ねる。
アギトの口ぶりから最初は何かを与えようとしていたことが窺えるからだ。
「えっと‥‥その辺の木の枝や草とか水とか...炎とか?」
「はは、アギト君。君は動物を飼わない方がいいね♪」
白蘭はアギトが白龍の口の中に無理矢理木の枝を突っ込む姿を想像して笑い出す。
「‥‥(イラッ)」
笑顔で言う白蘭にイラつきがわくアギト。
「‥‥それで、行くのかい?昔の親友の所に?」
白蘭は白龍の頭を撫でながらゼストに尋ねる。
「あぁ」
「確かに今なら会えそうだね。皆の注意があのゆりかごに向いて‥‥っ!?」
白蘭は上空から自分に鞭のようにしなって襲ってくる鎖のような攻撃を躱す。
「へぇ、闇の書の守護騎士……いや機動六課の所属‥烈火の騎士シグナムそしてユニゾンデバイスのリィンフォースツヴァイだっけ?」
「どこに行かれるのですが?元地上本部武装親衛隊隊長、ゼスト・グランガイツ、そして元地上本部科学班所属、白蘭‥お前、いや貴方の活躍は調べれば調べるほど貴方は本来‥‥」
シグナムが白蘭の過去の経歴を口にした時、
「別に言わなくていいよ、管理局にはあんましいい思い入れがないしね♪そんな事より、先輩の武勇伝を語りに来たの?違うでしょう?」
白蘭がうんざりした様子で会話を打ち切った。
そして白蘭が先程からシグナムと会話をしている間にゼストはアギトとユニゾンして戦闘モードを完了させていた。
「えぇ、これ以上は先に‥‥」
シグナムも愛刀であるレーヴァテインを抜く。
「行かせません!」
「行くぞ!!リィン!!」
「はい!!」
リィンはシグナムとユニゾンするとシグナムに変化が起こる。
シグナムの鮮やかな桜よりも濃いピンク色の髪が怪しげな雪の様な薄紫の色に変化させる。
リィンとユニゾンしたシグナムはゼストへ早速攻撃しようとする。
そしてゼストもシグナムを迎え撃とうとした時、白蘭が手で制して、ゼストを止める。
「白蘭、どういうつもりだ?」
「ゼスト君。君は先に行きなよ、親友と大事な話があるんだろう?ここは僕に任せて」
「白蘭‥‥すまぬ‥‥」
「行かせぬ!!」
シグナムがゼストに攻撃を仕掛けようとすると…
「白指」
人差し指から白い光線が飛び出す。この攻撃はシグナムには当たらずに、いや、わざと外してシグナムの横スレスレを掠める。
「ゼスト君の邪魔をしないでほしいなぁ~彼はこの後親友と大事なお話があるんだから」
「くっ」
白蘭に邪魔された事でシグナムは悔しそうな表情を浮かべる。
だが次の瞬間それは驚きの表情へと変わる。
「っ!?」
突如、白蘭は物凄い力で引っ張られ、引っ張られるがままその方向へと行く。
ガン!
その方向の先に待ち構えていたのは真紅の炎を纏った炎真の拳だ
白蘭は寸前のところでそれを受け止める。
「シグナムさん、此処は僕に任せて奴を追ってください!!」
「すまん、恩に着る」
シグナムは頷きゼストの背中を追いかけた。
「君は…君は前にもしたよね…?僕の邪魔を‥‥」
白蘭はイラついた様子で下唇を思いっ切り噛む。
彼の下唇からは赤い液体が流れ落ちそして‥‥
「君は!!何処まで僕の邪魔をぉ!!」
鋭い眼光で炎真を睨みつける。
炎真は臆することなく白蘭を見続ける。
「邪魔をするなら先に君を消すだけさ!!ゼスト君の邪魔はさせない!!お前をさっさと消してあの闇の書のプログラムも消してやる!!」
「やらせないよ、僕が君を食い止める」
一方、白蘭も憤怒を露わにして炎真を睨んだ。
~sideゆりかご~
銀時達は何とか無事にゆりかごの真上についた。
「さて、どうやって入るか‥‥」
「何処かに突入口が有る筈だ」
バチ!
「「え!?」」
不吉な音が一瞬耳をよぎる。
ヒューン
銀時が自分のロープを自分で切断した音のようだ。
「な!?ちょっ」
「おい、銀時」
(待っていろ、ヴィヴィオ!!)
銀時は一人で先に突入しようとする。
だが‥‥
「あっ、やっべ、着地の事考えてなかった~!!」
格好良く飛び出したはいいが肝心なところが抜けている銀時。
少しずつ青くなっていく銀時の顔
「ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!!」
迎撃の攻撃などもあるがそれは自分で対処して、
ガシッ
「ふぅ~あぁ~助かったぁ‥‥」
だが先程とゆりかごの中間地点でなのはが受け止める。
「何してんの!?銀さん!!」
「すまん、少し焦っちまった」
「焦る気持ちはわかるけど、慎重に行かないと」
「なのは、そのまま着地しろ、ここなら降りられる」
直ぐに着地点を見極めてそのまま降りる。
ゆりかごに着地をする。
「さてと、入り口は…」
だが見当たらない。いくら探しても見つからず
「ちっ」
洞爺湖で壁を壊して無理やり入ろうとするが少し傷がついた程度だった。
「ちっ、どんだけ固いんだよ!?このケーキは!!ケーキならケーキらしくもっとこうふんわり、しっとり滑らか且つやわらかにだな‥‥」
銀時が
「どいて」
なのはがレイジングハートを構えてディバインバスターを撃ち込んでゆりかごの壁を壊して突入口を強引に作る。
「さあ、早くいこう!!」
「「‥‥」」
ヴィータと銀時はなのはの行動に唖然とするが互いに頷きあい、ゆりかごの中に入ると三つの別れ口があった。
「うーん‥どうすっかな‥‥」
銀時は三つの別れ口を見てこの後の選択肢を考える。
三人で一つずつ調べるか?
それとも三人で別れて一つずつ調べるか‥‥
「そんなの答えは決まっているだろう」
とヴィータが三つの内一つの前に出て先に行こうと背中を見せる。
「えっ?ちょっと、ヴィータちゃん?」
なのははヴィータの行動に困惑する。
「それじゃあ、俺も‥‥」
銀時も自分の道を選ぶ。
「えっ?銀さんも!?」
「時間がない、早くこのバカ騒ぎを終わらせねぇと取り返しのつかないことになる」
「あっ‥‥」
なのはも心配する顔から覚悟を決めたような顔つきへ変わる。
「そうだね」
「次ぎに会う時は‥‥」
「四人で、外で会おうね!!」
「ああ、勿論だ!!」
「当たり前だろう!!」
なのはとヴィータは飛びながら自分達が選んだ入口へと進み銀時は自分の足で走り始め通路の奥へと消えていった。
~sideティアナ~
「見事に分断されてしまいましたね」
緊張し生唾を飲み込む新八。
スバル、山本、エリオ、キャロとは分断されたこの状況。
しかも相手は此方の動きを既に掴んで今も何処からか自分達を見ているかもしれない。
「どうするアル?ティアナ」
「……ここは逸れた皆との合流が望ましいわね」
自分達だけであと何人か残っている戦闘機人を相手にしなければならないこの状況下で分断されて戦うのは不利だ。
もし分断されている中、戦闘機人達が集団で各個撃破してくる戦法を取られたら自分達だけでなく皆も危ない。
だからこそ自分たちは反対に固まって相手を各個撃破または集団対集団の戦いに持っていきたい。
それに相手側にはこれまで何度も自分達を破って来たあのトレディがいるのだから‥‥
「っ!?やばい、新八!!神楽!!」
だが、ティアナが気付いた時には既にもう遅かった。
辺りには自分達を覆うように冷気が広がる。それはあまりにも寒く、地面のコンクリートがみるみるうちに氷で侵食されていく‥‥
「くっ‥‥」
「うわぁ!!」
「この能力‥まさかっ!!」
金属と緑の雨が自分たちに降り注ぐ
安否の確認をする暇もない。
「エリアルキャノン!」
最後の砲撃により完全に分けられてしまう。
ティアナは故意か事故か建物の中に追いやられその建物ごと結界に入れられた。
「残念だが、お前が次の日を見ることはない。お前は此処で死ぬのだからな」
「でもまぁ安心するっス。全員纏めて一緒にあの世に送ってあげるっス。だから寂しくはないッスよ」
「戦闘‥機人…」
ティアナの相手は以前ツナが以前クルーズ船で戦った戦闘機人のチンク、先日の公開陳述会で目にしたウェンディの2人がティアナの前に立ち塞がった。
(あ~あ、殺気と狂気を滲みだしちゃって‥少しはスバルみたいな能天気なポンコツぶりを見せてくれないかしら?)
2人の戦闘機人を前にしてティアナは引き攣った笑みを浮かべた。
同じ戦闘機人でも自分の知るナカジマ姉妹とは雰囲気が大違いだ。
育った環境の違いで此処までも違いが出るとは‥‥
数は1対2と俄然としてティアナが不利であるが、相手は見逃してはくれない様だ。
それに無理に倒す事はない。
此処に2人居ると言う事は、他の誰かは戦闘機人と接触しない可能性がある。
自分に援軍が来ないとは言い切れない。
(やるだけやってみないとね‥‥幸い相手の戦闘機人の情報ある!!ランスターの弾丸は全てを貫く!!それは自身の信念もね!!)
ティアナは深呼吸をして2人の戦闘機人と対峙した。
~side新八・神楽~
そして別れたもう片方の新八と神楽の前には‥‥
「トレディ」
「よりにもよって、なんで僕達の方にコイツが!?」
「やれやれ、また貴方達が相手なの?」
神楽と新八の前には因縁の相手でもあるトレディが現れた。
トレディを前に神楽は闘争本能を剥き出しにして、新八はややビビっている。
「‥でも探す手間が省けたわ」
「ん?手間が省けた?」
「どういう事ネ!?」
「私のターゲットは貴女よ!!神楽!!」
トレディはビシッと神楽を指さす。
「わ、私アルか?」
「ええ‥まぁ、そこの眼鏡君は運が無かったわね」
(僕って敵キャラからも眼鏡って認識なのか‥‥orz)
トレディからの新八の認識を聞いた彼はちょっと心にグサッときた。
突然指名されて戸惑う神楽であるが、今までのツケを払ういい機会であるし、折角の御使命だ。
此処で今までのツケを払ってやる。
「いいアルよ。相手になってやるアル。これまでのツケ此処できっちり払って貰うネ!!覚悟するヨロシ!!」
「覚悟しろ?それは私の台詞よ!!」
トレディは神楽の台詞がスイッチになったのか彼女は明らかに不機嫌を通り越してむしろ殺気を滲みだしている。
「ど、どういう事ネ?」
「私はお前の存在が許せない‥神威の心を震わせるお前と言う存在が‥‥お前を殺せば彼の心からは不安と闇が晴れる‥‥そうすれば彼は私をもっと見てくれる‥私を認めてくれる‥‥」
「お前、まさかあのバカ兄貴に惚れたアルか?それにお前が着ているその上着は神威のモノとそっくりネ‥ペアルックを狙っているアルか?」
「.....好きになったかどうかわ分からない、こんな気持ち初めて‥‥彼の事を思うと胸の辺りが疼くの‥‥これが好きという感情なら私は彼の事を好きなんだと思う‥‥ちなみにこの上着は彼のモノよ‥彼から貰った大切な上着なの‥‥」
自分の胸に手を当てて語り始めるトレディ。
そして、神威があの時自分に掛けてくれた上着を大切そうに触る。
「くっ‥‥」
自分とそっくりな顔なのに胸のサイズは相手の方が歴然という現実に神楽は顔を僅かに歪ませる。
「私は彼のDNAデータから生まれた戦闘機人‥‥私と彼はまさに一心同体の存在‥私は彼自身でもあり、私は彼の娘でもある。そして彼は私に力‥強さ‥夜兎としての存在を教えてくれた‥‥私はそんな彼の強さに惹かれたわ‥‥彼に思いっきり抱かれたい‥‥私の体をメチャクチャに蹂躙されたい‥‥そして彼の子供を身籠りたい‥‥そんな気持ちが日増しに増大していったわ‥‥」
「そ、それって‥近○相○じゃ‥‥」
新八本来のツッコミが炸裂するがトレディを前にビクついている。
でも、内心では‥他にも色々いらぬ事を思っていたかもしれない。
「そんなものは関係ない‥私は絶対に彼を手に入れて、彼の子を身籠る‥そう決めたのよ!!その為には管理局に勝つと共に神楽!!お前を此処で殺す!!」
トレディの周りに漂う冷たい気そして冷気とは明らかに違うものに身震いする2人。
だがトレディの殺気がこの空間を支配している中でも逃げる訳にはいかない。
このバカ騒ぎを終わらせるためにもトレディとは此処で決着をつけなければならない。
それでも‥‥
「これはちょっとヤバいかもネ‥‥」
これまでにないトレディの姿に神楽と新八は冷や汗を流す。
まさかトレディがあの神威に此処まで好意を抱いていたなんて予想外だった。
そしてその思いが此処までの思いとは‥だが、此処でトレディの思い通りにさせる訳にはいかない。
神威との恋愛については好きになったのであれば好きにすればいい‥だが、スカリエッティの野望は打ち砕かなければならない。
その為には、今はトレディを倒す事に集中しなければならない。
「トレディ‥あんなバカ兄貴欲しけりゃくれてやるネ‥でも、
神楽は目つきを鋭くして拳を構える。
「そうはいかない。あの人は私の創造主‥私にとっては神威と同じもう1人の父親なのよ‥‥管理局を倒して自由になるのがあの人の夢‥‥だから、此処で負ける訳にはいかないの‥‥私達の未来のために、お前達は此処で朽ち果てろ!!」
(家族愛を求めている辺りやっぱりこの子も神楽ちゃんとどこか似ているな‥‥)
トレディの言葉を聞きやはり、容姿もさることながら求めているモノも似ていると感じた新八。
「そうはいかないネ!!私も此処でお前に負けるわけにはいかないアルよ!!」
「そう‥ならいいわ‥‥夜兎同士‥‥夜兎の解決方法でケリをつけましょう?」
「望むところネ!!」
「いざ‥‥」
「尋常に‥‥」
「「勝負!!」」
神楽とトレディは同時に駆け出して行く‥‥。
~side獄寺~
「っ!?くそっ、走りずれぇ」
自分の腰を抑えながら先に行こうとする獄寺。
「くそ、何で今日はこんなに風が強いんだよ」
不自然なほどに風が強い今日だが自分で思ったことに疑問に思う。
(この風‥あまりにも不自然だ)
辺りを見渡しながらこの風に対して不信感を抱く。
病院を出る(脱走)した時には此処まで風はなかった。
それがいきなり予兆もなく突然吹き出したのだ。
「ちっ」
突如自分に向かって突風が向かってくる。
獄寺はそれを躱して、
「そこか!?」
目線をやる。
「ほぉ~よくあの攻撃に気付いたな」
ビルの間から人影が現れそして獄寺の前にソイツは姿を現す。それは以前何度か銀時が相手したシノビだ。
「風には敏感何だよ。なんたって俺は嵐の守護者だからな」
シノビを見て獄寺は不敵な笑みを浮かべた。
「ほぉ~嵐の守護者ときたか‥‥しかし、俺も曲がりなりにも風を制する者‥‥どちらが真の風使いか勝負といこうか?」
獄寺の言葉を聞き、シノビは目を細める。
「ふっ、望むところだぜ!!この忍者モドキが!!」
獄寺は拳を打ち付けた後、構えを取り、シノビは無言のまま構えを取った。
・・・・続く
ではまた次回。