【大空】と【白夜叉】のミッドチルダの出会い~改~   作:ただの名のないジャンプファン

69 / 95
更新です。


標的65 大敗北

 

~sideヴィータ~

 

この戦いもがだいぶ長引いて流石のヴィータも限界の様子で息が荒い。だが、ゼストの方はまだそういった態度を表に出さない。それどころかさらに大きな魔力がこちらに近づいてきているのを感知した。

それはリィンも感じて、

 

「ヴィータちゃん、シグナムがこっちに来るですよ」

 

少し魔力が感じられる方を見るヴィータ

 

「むっ?援軍か?‥どうやらここまでの様だ。今日の所は撤退するとしよう」

 

ゼストの言葉に納得のしないアギトは、

 

「なら、最後にとっておきの置き土産をアイツらにプレゼントしてやるぜ!!」

 

アギトはゼストとのユニゾンを解除し、

 

「ヴィータちゃん!上!!」

 

見ると特大の火の玉を出しているアギトがヴィータを見下ろしていたヴィータはそれを防ごうと前に行くと、

 

「GAOO!!」

 

塞がるように白龍が出てきて吠えるとヴィータのグラーフアイゼンが石となった。

 

「なっ!?」

 

自分の愛機が突如石化した事に驚愕するヴィータ。

だが、白龍自身の炎が少なく全て...とはいかずにヴィータ自身は無事であった。

そしてアギトの特大の火球とゼストの一撃がヴィータを落とす。

 

「アギト、撤退だ。」

 

「...わかった。」

 

まだ納得してはいないがこれ以上戦えばゼストが奥の手を使いかねない。

 

「この...やろ...」

 

ヴィータはこのままゼストとアギトを逃してたまるかと思い、彼らを追撃しようとしたその時、彼女のバリア・ジャケットに異変が起こる。

自分の身を白く包んでいたバリア・ジャケットが急に元との赤色に戻った。

リィンとのユニゾンが強制的に解除されたのだ。

 

「リィン、おいリィン!!」

 

強制的に解除された理由はリィンのオーバーヒートで意識を失い、ぐったりしているリィンをヴィータは受け止めて必死に声をかけた。

だが、リィンがヴィータに返答することはなかった。

 

 

~sideシグナム~

 

急いで向かっている途中もう1つ別の方向に向かって飛んでいく人影を見た。

 

「ん?あれは‥‥」

 

「シグナム!!」

 

急にヴィータから念話が届くのだがその声はいつもと違い、震えていた。

 

「リィンが...それにアタシのアイゼンも‥‥!!」

 

傷つき倒れる仲間と少し石化して砕かれた相棒を前にヴィータは絶望の表情を浮かべ、その光景を前にシグナムは唖然とした。

 

 

~sideなのは~

 

「ISランブルデトネイター」

 

彼女の投げるナイフは情報通りそれを投擲させる攻撃と爆発させる攻撃してきている。

 

「アクセルシューター...シュート」

 

無数の魔法弾でチンクの投げるナイフと彼女自身の動きを牽制して、

 

開いた真ん中を貫く!

 

「ディバインバスター!!」

 

ズドーン!!

 

「なかなかだな。」

 

だが、チンクはそれをガードしてきた。

流石に地上本部ビルの中で全力を出すわけにはいかず、なのはのディバインバスターは普段よりも威力が抑えられている。

だが、それを見越したなのはは、

 

「バインド」

 

でチンクを縛り、彼女を捕縛する。

 

「大人しくしてくれるならもう何もしないよ」

 

優しく説得しようとチンクに近づくと、

 

ビヒュュュゥン!

 

風が突然巻き起こり何かが自分の利き腕を縛る。

 

「久しぶりだな。エース・オブ・エース」

 

「貴方はシノビ!?」

 

「一緒に夜のお供と思ったけど、別にいいや、やりたい事は終わったし、前哨戦としては、なかなか楽しめたしな。」

 

「前哨戦?」

 

「おい、シノビ、余計な事は言うな!!」

 

「おっと~失礼。俺とした事がまた話しすぎたぜ」

 

そんな事を呟きながらチンクのバインドを解く

 

「ふん、助けなどいらぬ心配だ。」

 

「そうかよ。相変わらず、可愛くねぇロリっ娘だ」

 

「誰がロリだ!!」

 

チンクはむきになってシノビに掴みかかる。

その隙になのはは魔法弾をシノビの周りに無数出して、シノビとチンクを仕留めようとするが、

 

「気づいているぞ‥‥お前に最後に言っておく‥今度はこれぐらいじゃすまねぇぞ」

 

シノビがそう言い残すと同時になのはは一斉にシノビとチンクに向けて魔法弾を打ち込むが、魔法弾は旋風で塞がれる。

そんな中、シノビは、

 

「おい、モグラ娘!!どうせ近くで見ているんだろう!?さっさとお前のロリっ娘姉貴を連れて此処から逃げろ!!」

 

「モグラ言うな!!」

 

「ロリ言うな!!」

 

シノビの言葉にまるでツッコむ様に地面の中から水色の髪をした少女が生えてきた。

服装は他のナンバーズ同様、青を基調としてボディースーツを纏い、首元には『Ⅵ』の番号が描かれていた。

 

「ナンバーズ!?」

 

「セインか!?」

 

「おまたせ、チンク姉。逃げるよ」

 

セインと呼ばれたナンバーズ少女はチンクの腕を掴むと再び地面へと潜って行った。そしてなのはの魔法弾を防いでいた風が消えるとシノビも風と共に消えていた。

 

 

~side山本~

 

ガン!キン!

 

「アンタ、本気出してねぇだろ」

 

「はは‥‥やっぱり、わかる?」

 

「何となくだけどな」

 

「う~ん、君を殺したいけど、どうやら時間切れだね。運が良かったね、君」

 

「ん?そうなのか?」

 

「そうなんだ。ってことで僕は帰るね」

 

「はは、流石に逃がさねぇよ、アンタ此処でもいろいろやってんだろ?その話、詳しく聴かせてもらおうか?」

 

(一筋縄じゃいかないか、流石は綱吉くんの守護者)

 

白蘭は山本の言葉にやれやれと思いつつ、もう少し相手をしてやることにした。

 

 

~sideバジル~

 

「な、何だ?意識が遠のく‥‥」

 

「頭がボォーっとするッス」

 

「テメェ何しやがった‥‥」

 

ノーヴェとウェンディはバジルを睨みつける。

ダメージもそこまでくらってはいない筈なのに‥ここまで体力を消耗しているのがおかしいと思いしっかりするよう体に命じる。

 

「さぁ、大人しくしてください。これ以上は」

 

「フッ、ざけんな!!このアタシが、テメェみてぇなもやしヤロウに負けるわけねぇだろ!!」

 

バジルは自分の武器でノーヴェの蹴りを止めノーヴェは急に飛ぶとウェンディが

 

「はぁ!!」

 

大砲で攻撃してくる。

 

「う、」

 

バジルはもろに喰らうが致命傷ではない。

 

ガラガラガラ

 

バジルは立ち上がった時に

 

「へぇ、面白そうな奴がいんじゃねぇか」

 

「貴方は?」

 

「ん?あん?俺か?俺は真‥いや108部隊所属の沖田だ。」

 

立っていたのは沖田総悟だ。

庁舎で護衛をしていたのだが、地上本部の応援に回されてやって来たのだ。

 

「さて、殺るか」

 

と鞘から刀を取り出した時に

 

ズドーン、突如大きな音が鳴り響く。

そして壁から、

 

「ノーヴェ、ウェンディ」

 

「セイン」

 

「セイン姉」

 

チンクを無事に安全地帯に送った後、まだ残っている妹達を助けにセインが再び登場した。

 

「チンク姉も撤退した。もう行くよ」

 

「でも奴らを‥‥」

 

「いいから!!」

 

「あっ、待て!!」

 

「テメェら、逃げきれると思ってんのか!?」

 

沖田とバジルが共にノ―ヴェ達を逃すまいと向かって行く。

だが、セインはノーヴェとウェンディを抱えると3人は地面を潜るように消えた。

 

「なっ!?消えた!?」

 

「どこ行きやがった!?ちくしょう」

 

まるで地面に溶けるように消えたセイン達に沖田とバジルは唖然とした。

 

ズドーン!!

 

そこでまた大きな音が鳴り響く。

 

 

~side銀時~

 

此処で時系列は少し戻る。

 

「はぁはぁ、まだまだ減りやがらねぇ」

 

新型ガジェットの残骸の上に立つ銀時だが、その足はもうフラフラ状態でそれでも溜まりに溜まり

 

「くそ、全く減りやがらねぇ」

 

そんな事を思っていても、ガジェットの攻撃が止む訳では無い。

だが急に事態が急変した。既に破壊したと思ったなのは型が急に上に飛び上から銀時を狙い撃ちしようとしてきた。

 

ピピ

 

「はぁ!?ちょ、待て!!」

 

ガシ!

 

「な、離せ!」

 

下に転がっていたほぼ残骸化した新型ガジェットの1機が銀時の足を掴んできた。

銀時は腕を斬り逃げようとするがもう遅い

 

なのは型のチャージは完了して強力な収束砲を放ってきた。

 

「こんのぉ!!」

 

銀時は自分の足を掴んでいた半壊している新型ガジェットを放り投げ、なのは型が放って来た収束砲にブチ当てた。

 

「グワぁぁぁ!!」

 

それと同時に残っていた残存していた新型ガジェットは空に飛び去り、脅威は無くなったと思うが、

 

ピピピピ、ピピ

 

ドカーン!

 

「あ!?」

 

新型ガジェットの残骸が爆発を起こした。

 

「くそったれが!!」

 

逃げる銀時だが全てを飲み込みながら爆発の衝撃波と爆風は襲ってやがて銀時おも飲み込んだ。

 

 

~side白蘭~

 

「何だ!!?」

 

空から急に何体ものガジェットの団体が押し寄せてきた。

それは新型ガジェットから今までのガシェット、全ての型が集まってきた。

 

「ゲリラ戦は終わり、今度は拠点の完全破壊に変わったのさ。って事は数の子達は皆逃げた後みたいだね」

 

「拠点の完全破壊?」

 

白蘭からは物騒な単語が飛び出てきた。

 

「そ、君もここから離れたほうが身の為だよ。死にたくなかったらね」

 

ヒュン

 

確かにもう人を対象としてない。対象としているのはこの地上本部ビル。

山本はすぐにガジェットを壊していくが何分数が多い。

 

「それじゃあ頑張ってね。」

 

「あっ、待て!!」

 

白蘭はそんな山本に笑顔で手を振ってその場から去って行った。

 

 

~sideエリオ&キャロ~

 

エリオとキャロの眼前には新築のピカピカだった機動六課の隊舎の姿はなく、瓦礫とガジェットの残骸、そして燃え盛る六課の隊舎の姿だった。

燃えて崩れていく隊舎を見て、

 

「.あぁ...ひどい」

 

「っ!?あれはっ!?」

 

「あの子...ヴィヴィオが!」

 

ヴィヴィオがデェイチの手によって連れ去られる光景を見たエリオは自分と重なる。自分が違法の実験から生まれた存在だと知りその後連れ去られて行く時の姿に‥‥

 

「ストラーダ!フォルムツヴァイ!!」

 

そう叫ぶとストラーダから噴射口が出てきて

 

「キャロ、フォローお願い!!」

 

と勢いよく飛んでヴィヴィオの元に行くが、

 

「邪魔はさせない」

 

「ぐっ‥‥トレディ‥‥」

 

トレディに蹴りと峰打ちを喰らい、その後、彼女のISの炎で燃やされ、

 

「遅い」

 

更にもう一回蹴りを喰らい海に突き落とされてしまった。

 

「エリオ君!!きゃぁ!!」

 

キャロもオットーによりフリードごと拘束され海に落ちた。

 

「トレディ姉様、あれはもう1人のFの遺産ですよ」

 

オットーがエリオもフェイト同様、Fの遺産‥プロジェクトFによって生み出された人工生命体であると忠告をいれるが、

 

「そうなの?でもいいんじゃない。ドクターは、女の人にしか興味無さそうだし‥‥」

 

トレディは、自分の誕生のきっかけとなったDNAデータの持ち主が男にも関わらず、自分は女として生まれてきた事から、スカリエッティは男よりも女の方に興味があり、同じFの遺産でもきっと男のエリオよりも女のフェイトの方に興味があると思い、エリオは放っておいて構わないと言う。

 

「さあ、目的も果たしたし、帰りましょう。愛しのホームへ‥‥」

 

「「はい」」

 

トレディ達は海に沈んでいった2人を見てその後飛び去った。

 

 

~sideフェイト~

 

激しい空戦の中

 

「スカリエッティは何処にいる何故こんな事件を起こす!!」

 

「お望みでしたら何時でもご案内します。」

 

「勿論貴女が我々に協力してくれるのなら」

 

「彼は犯罪者だ。それも最悪の」

 

「悲しい事を言わないでください、ドクターは貴女やあの少年の生みの親みたいなものです。」

 

「あなた方の命はドクターが生み出したプロジェクトFの基礎を組み上げたから」

 

「黙れ!!」

 

「仕方ありませんね。また会うことになると思いますのでその時ゆっくりと」

 

光が集まりそして最後に

 

「あぁ、もうお気づきかも知れませんが」

 

光が強くなり

 

「くっ‥‥なに‥‥」

 

「貴女はもう私達には勝てません。」

 

意味深しな言葉と共に光が収まると其処に2人の姿はもうなかった。

 

そしてこれと同時に地上本部ビルでも

スカリエッティの演説と共に焼かれる地上本部ビル。

それは人がいようといまいと関係ない。ただ壊していた。焼き尽くしていた。その場に助かる命があろうと

 

「いい眺めだ。ちっぽけな灯火が集まってここまで燃え盛る。いずれ世界も...烏共の翼もあの剣も燃やし尽くしてやるよ」

 

それを見ていた高杉の高笑いが不気味に夜に響く。

 

 

~Sideスバル&ティアナ~

 

「ギン姉!!何処!!返事をして!!ギン姉!!」

 

「ギンガさーん!!」

 

戦場となった市街地にスバルとティアナの叫び声が木霊する。

相変わらず、ギンガに通信を送っても返答はない。

故にスバル達はこうして足で直接戦場と化したクラナガンの市街地を回るしかなかった。

 

「マッハキャリバー、ギン姉のブリッツキャリバーの反応は無い!?」

 

スバルは愛機であるマッハキャリバーにギンガのデバイス、ブリッツキャリバーの反応がないかを尋ねる。

この時、スバルは少し期待していた。

ギンガが通信に出れないのは通信機の故障だと‥‥

ギンガはどこかで怪我をしていて動くことが出来ないのかもしれないと‥‥

だから、自分がギンガの居場所を見つけて姉を早く助けないと‥‥

しかし、現実は非情だった。

 

「周囲ニブリッツキャリバーノ反応ハ確認デキマセン」

 

「そんな‥‥」

 

マッハキャリバーからの返答は周囲にギンガのデバイス、ブリッツキャリバーの反応は無い。

と言う事は、ギンガはこの近くには居ないと言う事だ。

もしかして、入れ違いになったのではないかと思い、ギンガが所属している108部隊にも連絡をいれたが、ギンガは未だに帰還していないと言う。

 

「ギン姉‥‥一体何処に‥‥」

 

愛しの姉の消息が掴めにことに意気消沈するスバル。

そんな中、スバルとティアナは倒れている2人の男性を発見する。

 

「っ!?ティア!!こっちに人が倒れている!!」

 

「えっ!?」

 

「大丈夫ですか!?」

 

スバルが倒れている人に駈け寄ると、ティアナももう1人の男性に駈け寄る。

 

「酷い怪我‥‥」

 

スバルとティアナがそれぞれ倒れている男たちに駈け寄ると、2人とも酷い怪我を負っていた。

 

「スバル!!ボサッとしていないで!!手当てを!!」

 

「う、うん」

 

「リボーンに言われて持っていた応急キットがまさかこんな所で役に立つとは思わなかったわ」

 

そう言ってティアナは応急キットを取り出す。同じくスバルも応急キットを取り出し、倒れている男の手当てを行った。

この応急キットは公開陳述会前にリボーンから忠告を受けた為、FW陣があらかじめ持っていたモノだ。

リボーンはこの公開陳述会でスカリエッティ達が何かしらのリアクションを起こすのではないかと予測していたのだろうか?

今思えば、リボーンはやはり今回の様な事態を読んでいたのではないだろうかと思うティアナ。

応急キットを渡された時、ティアナもスバルも必要はないだろうと思っていたが、公開陳述会はスカリエッティ達の襲撃を受け、こうして応急キットは今役立っている。

 

「くっ、この人‥出血が激しい‥‥応急キットだけじゃ、治療は無理だわ‥‥スバル!!」

 

ティアナが治療している男の人は胸部からの出血が激しくとても応急キットでは傷口を完全に塞ぐことは出来ず、病院に連れて行かなければ命が危ない。

 

「なに?ティア」

 

「そっちの人はどう?」

 

ティアナはスバルが手当てをしているもう1人の男性の状態を尋ねる。

もし、スバルの診ている男の人が軽傷ならば、スバルにこの男の人を担いでもらって病院へ送ってもらおうと考えたのだ。

 

「彼方此方骨折している。それに体中打ち身だらけ...あと、この人も血を流しすぎている!!それに患部が紫色に腫れているの!!」

 

スバルが見ている男の人も、腕の骨は骨折して上半身にかけて大きな切り傷からは大量の血が流れていた。

 

「紫色に腫れている?」

 

スバルの言葉に疑問を感じたティアナはスバルが手当てをしている男の傷口を見る。

 

「この患部の腫れ方‥それに部位の変色‥これは毒によるものだわ!!」

 

「毒!?」

 

ティアナの毒と言う見立てに思わず声をあげるスバル。

ティアナは訓練校卒業後、スバルと共に六課へ来る前は災害救助隊に所属していた事もあって怪我の状態や手当に関しては詳しかった。

 

「ど、どうしようティア」

 

「あっちの人も出血が激しいの‥応急キットだけじゃあ手遅れになるかも!!」

 

「そ、そんな‥‥」

 

(スバルの機動力なら、間に合うかもしれない。でも、連れて行けるのは1人‥‥だけど、2人とも早く止血をして輸血をしないと‥それにこの人は早く解毒処置もしないと‥でも、応急キットには解毒剤は入っていない‥‥どうする‥どうすればいい‥‥)

 

どちらも命にかかわる重傷を負っている。

しかし、運べるのは1人‥‥。

ティアナは今、究極の選択を突きつけられていた。

その時‥‥

 

ババババババババ‥‥

 

空の彼方からヘリコプターのローター音が聴こえてきた。

 

「ティア、ヘリが来たよ!!」

 

スバルが空の彼方から此方に近づいてくるヘリの姿を確認した。

管理局の『空』と『陸』のヘリを装備している部隊が災害救助のヘリが来たのだ。

そこで、ティアナがクロスミラージュを空に向けて魔法弾を信号弾の代わりに放ち、ヘリに此方の存在を教えた。

 

「スバル、もうすぐヘリが此処に来るわ。その人を運ぶ準備をして!!」

 

「う、うん」

 

スバルとしてはギンガの事が気がかりであるが、目の前で死にそうな人が居る中、その人を見捨ててギンガを探して見つけてもきっと、ギンガは自分の事をきっと怒るだろう。

故にスバルは一時、ギンガよりも目の前の男の人を優先にした。

 

「大丈夫ですか?ヘリが来たのですぐに病院へ連れて行きますから」

 

スバルは倒れている男の人に駈け寄り、声をかける。

 

「うぅ‥‥」

 

倒れていた男の人がうめき声と共にうっすらと目を開ける。

すると、その男の人は、一言呟いた。

 

「うぅ‥‥ギン‥ガ‥‥」

 

「えっ?」

 

その男の人は今確かにギンガと言った。

 

(この人、ギン姉を知っている!?)

 

スバルが男の人にギンガの事を聞きたかったのだが、その男の人は再び意識を失ってしまった。

ギンガの行方を知っているかもしれないこの男の人をスバルは死なせてならないと思い、彼を背中に背負うとスバルは近くに不時着したヘリに背負っていた男の人を乗せて、自らもヘリに搭乗し、病院まで連れ添った。

 

 

 

・・・・続く




ではまた次回。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。