【大空】と【白夜叉】のミッドチルダの出会い~改~   作:ただの名のないジャンプファン

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お久しぶりの更新です。

先日天野明展in京都に行きました!!本当に良かったですね!!何がよかったかってそれはもちろん生きてて!!本当にあいうのを見るとあぁ、時間が流れが速く感じそして殺す昔を思い出す。青かったあの頃を

とまぁ色々言いましたがアニメの展覧会っていいですよね~生原稿見放題ですし、限定グッズ置いてますし何より京都がモデルとなったグッズが良い。金さえあればとりあえずあの着物欲しかった。


標的63 悪党VS悪党

 

 

 

~side地上本部ビル 公開陳述会 会場~

 

「あかん、完全にとじこめられてもうた」

 

システムダウンにより会場内に閉じ込められたはやて達。

はやてが扉を押しても扉はうんともすんとも動かない。

閉じ込められたと言う事で会場内がざわつく。

 

「僕がこじ開けるよ」

 

炎真は額に炎を灯して扉の前に立つと、

 

「はァァ!!」

 

扉はこじ開けられたがそこに問題が一つ起こった。

 

ヒュウウォン

 

激しい突風の結界がはられていた。

しかもこの風の結界には鎌鼬があり、不用意に手を出せば、鎌鼬により手をスッパリと切り落とされてしまう。

 

「この風まさか...」

 

「シノビという奴か」

 

シグナムが苦々しく呟くと

 

「これを張っているのが彼ならば今頃外は‥‥」

 

炎真の言う事に

 

「最悪の事態だけは何としても避けなアカンな‥‥」

 

冷や汗を垂らすはやて。

だが、会場の周りが鎌鼬の結界で囲まれ、デバイスが無い中、彼らには何も出来ず、外に居る局員らの奮闘を祈る事しか出来なかった。

 

だが、この時はやて達は知らなかった‥‥。

 

自分達の隊舎が別働隊に襲撃されていることを‥‥

 

 

~side地上本部周辺 上空~

 

地上本部を見下ろすように下を見ている2人組。

 

「連中の尻馬に乗るのは、どぉ~も気が進まね~けど」

 

ゼストとアギトだ。

どうやら彼らの目的も此処にあるらしい。

 

「それでも、貴重な機会ではある。今日ここで全てが片付くのであれば、それに越した事は無い」

 

「ま~ね。つか、アタシはルールーの方も心配だ。大丈夫かな?あの子?」

 

「心配ならルーテシアについてやればいい」

 

ゼストの言い分に少し腹が立ったのか、

 

「ルールーには蟲やガリューが居るけど旦那は1人じゃんか!?」

 

空間モニターにいる1人の男性を指さしながら、

 

「旦那の目的はこの髭オヤジだろ?そこまではアタシが付いて行く。旦那の事、ちゃんと守ってやるよ」

 

「.....お前の自由だ。好きにしろ」

 

「するともさ!旦那はアタシの恩人だから...っ!?旦那何かがこっちに来る」

 

「ん?あれは‥‥」

 

ゼスト達の目の前に来たのは‥‥

 

「なんだ?ありゃ?白い蛇?」

 

「いや、あれは龍だな。」

 

「龍!?あれがっ!?」

 

ミッドを始めとする管理世界では、ドラゴンと言うと地球の西洋式の竜が一般的で蛇の様に長い身体を持つ東洋式の龍は見かけない為、アギトが此方に向かって来る白龍を蛇と間違えるのも無理はなかった。

ゼストでさえ、この白龍の飼い主と交流を持つまで知らなかったぐらいだからだ。

すると白龍からモニターが映し出されて、

 

「やっほー、ゼスト君。元気?」

 

「こいつ、この前の‥‥」

 

アギトは白蘭がゼストの知り合いであることは以前、彼と出会った時に知った。

ゼスト自身は白蘭の事を嫌っている様子はなかったが、アギトはどうもこの薄気味悪い青年の事が好きになれなかった。

 

「白蘭か‥‥」

 

映し出されたのは白蘭だ。

どうやらゼストに当てたメッセージらしく事前に録画されたものだった。

 

「久しぶりだね、ゼスト君、今日多分決行するだろうと思って僕のペットも君の戦力に加えてあげようと思ってね、そっちに送っておいたよ。大丈夫、役に立つからさ~♪お礼なら用が済んだらしに来てね、それじゃあ.....またね~」

 

最後の顔はいつもの彼らしくない寂しそうな表情を一瞬だけ見せた。

 

「あぁ‥‥その内にな‥‥」

 

ゼストも気づいた、白蘭が自分の体の事をやはり知っていた事を‥‥

 

 

~side六課~

 

公開陳述会が開かれている地上本部ビル及びその周辺市街地が被害を受けているその頃、機動六課の隊舎も襲撃を受けていた。

スカリエッティにしては地上本部の方はむしろ局員を引き付ける囮でこちらが本命と言ってもよかった。

ルーテシアの召喚魔法によって突如、敷地内にガジェットが転移してきたと思ったら、ガジェットは真っ先にヘリポートへと向かい、ヘリ及び周辺設備を破壊した。

そして、今の六課は‥‥

 

身も凍る程の冷気の中、地面にも氷が張られザフィーラそしてシャマルも倒れ新八も木刀で自分の体を支えるのがやっとのようだ。

 

「よく、4人で戦い抜いわね。その頑張りには褒めてあげるわ」

 

そんな傷ついた4人にトレディは無傷のままその場に立ち、『よく戦った』と讃頌する。

 

「だけど、もう‥‥」

 

「まだ.....まだ、終わっていません!!」

 

どんなに傷ついても新八の目からは闘志は失われていない。

 

「守るんだ...皆の帰る場所を.....」

 

「はぁ~よく見てみなさいな。廃墟となった居場所、傷ついた仲間、そして3度も膝をつく貴方の姿を‥‥」

 

「トレ...ディ‥‥」

 

神楽がぐぐぐっと起き上がり、トレディの名をまるで地の底から這うように呟く。

 

「フン!!」

 

ドカッ!

 

しかし、神楽は完全に起き上がる前に顔面から蹴り飛ばされ吹き飛ぶ。

 

「「「神楽(ちゃん)!!」」」

 

「うわぁぁ!!」

 

新八は最後の力を振り絞ってトレディに向かって走り、そして木刀を高々と振り上げた後、目一杯の力を込めてトレディめがけて木刀を振り下ろそうとするが、

トレディは達観した様に目を閉じる。

まるで新八の攻撃は自分には当たらない事を確信するかのように‥‥

それはまさにトレディの予測通りで、新八の目の前には攻撃体勢を無数のガジェットが立ち塞がる。

 

「!!?」

 

「新八君!!」

 

新八は覚悟を決めて目をつぶり周りが眩しいぐらいの光に包まれた時に

 

ズドーン!!

 

「!!?」

 

「あれは!?」

 

目を開くと新八の前にシールドがあり、

 

「嵐+晴」

 

マシンガンのような音と共に新八に群がっているガジェットが次々と破壊された。

 

「すまねぇ、少し遅くなった。」

 

「獄寺...君」

 

「中のガジェットはほぼ破壊した。ヴァイスがこっちに手を貸せって言ってきたんでな。」

 

「何で...はやてちゃんに」

 

「リボーンさんに言われた、はやてにも伝えてある。」

 

シャマルとザフィーラを担ぎ後ろに下がり、

 

「新八、お前も引け、後は俺がやる」

 

「はぁ、はぁ後は頼むよ...獄...寺く‥‥」

 

新八は力尽き地に倒れる。

 

「よく、頑張ったな‥新八‥‥」

 

「うぅ、獄寺...いたアルか?」

 

「わりぃな、少し遅くなっちまって、だが中は多分大丈夫だ。ヴァイスも居るしな」

 

「お前、絶対女にモテないネ、デートの鉄則は大体女が遅れてくるもんアル、男が時間守れなくてどうするアルか」

 

神楽がフラフラと立ち上がりながら、獄寺に近づきながら言う。

 

「るせぇ...そこまで冗談言えんなら新八を担いで後ろに引っ込んでいろ」

 

「お前こそ冗談言うなヨ、私が怪我しているように見えるアルか?こちとらお前らと違ってダイヤモンド素材アル。」

 

「そうかよ」

 

「お話は終わった?」

 

獄寺と神楽の会話が一段落つくとトレディが2人に声をかけてきた。

 

「よく会うわね、銀髪さん」

 

「ああ、そうだな、トレディ。‥‥今度こそお前をぶん殴ってやるよ‥‥」

 

そして声を潜めて、

 

「神楽あいつは...」

 

「トレディとは‥‥あいつとは私がやるアル、産まれ方は違ってもアイツは私の同族ネ‥‥夜兎の尻拭いは同じ夜兎の私の役目アル」

 

「そうか‥だが、傍から見ると姉妹喧嘩にしか見えねぇな‥‥」

 

「じゃあ、私が姉さんアル。妹の不始末は姉がつけるアルネ」

 

「身体つきから言うと、お前の方が妹に見えるがな」

 

獄寺はトレディの身長その他もろもろから神楽の方が妹なんじゃないかと言う。

 

「うるさいアル!!」

 

神楽が駆け出して、獄寺は、

 

「しょうがねぇ、俺はくず鉄狩りをするか」

 

獄寺はまだ周辺に居るガジェットを狩る事にした。

 

「瓜、形態変化」

 

叫ぶと瓜は姿を変え獄寺に巻き付き大量のダイナマイトを背負った獄寺の姿が現れた。

 

「新型がいねぇなら、フルボッコ確定だぜ、くず鉄共が!!ロケットボムVer.X!!」

 

神楽を躱す用にボムが飛んでいき周りのガジェットを破壊していく。

 

「相も変わらず、そんな攻撃‥熱源を出せば出すほど、私に有利だと学ばないのかしら?」

 

「何処見ているネ!!お前の相手は私アル!」

 

爆風の熱を吸収しようとしたトレディに神楽は蹴りを入れ、

 

「さぁ、第2R始めアル」

 

「ちっ、調子に乗るなよ!!死にぞこないが!!」

 

トレディも神楽を迎え撃つ。

 

「IS‥レイストーム」

 

魔法弾を発生させて雨のように降り注ぐが獄寺のシールドに阻まれる。

 

「やっと、くず鉄以外の奴が出てきたか」

 

ナンバーズの中でも支援型のオットーが前線入りをする。

傍には双子のディードも控えている。

双子のナンバーズを見て獄寺はニヤリと笑みを浮かべる。

 

「なぁ、お前‥確かオットーって言ったっけ?」

 

獄寺はそんなオットーに声をかける。

 

「‥‥なに?」

 

突然敵である獄寺に声をかけられ、オットーは警戒しつつも返答する。

 

「1つお前に確認したい事があるんだけどな‥‥お前、本当に女なのか?」

 

「‥‥一応、ディードとは同じ性別‥‥ディードが女と言われる性別ならば、僕も女になる」

 

オットーはディードをチラッと見て、自分より女性っぽい体つきの双子のかたわらを見て、

 

「くっ‥‥」

 

悔しそうに顔を少し歪ませた。

 

「そうかい、なら話は終わりだ」

 

(くそっ、坂田の奴が正しかったなんてちょっと癪に障るな‥‥)

 

そしてオットーめがけて、

 

「2倍ボムVer.X!!」

 

「っ!?」

 

オットーはそれを喰らう。

 

「うわぁ!!‥‥くっ‥‥」

 

だがオットーも負けずに以前ツナにした拘束具で獄寺を縛る。

 

「こいつか?10代目から報告があったのは‥‥」

 

そして身動きの取れなくなった獄寺をディードが斬りかかろうと来るのを見て

拘束具をできるだけ引っ張り隙間からボムを落とす。

 

「チビエアボム」

 

の風圧の勢いで拘束具を外してその勢いを殺さずにディードの方に走り、

 

「ボムスプレッズVer.X」

 

ディードの剣を躱しながらすれ違い様にボムを空間に置くように放つ。

 

「うわぁ!!」

 

躱しようがなくモロにくらい。

 

「んなモン、どっかの野球バカの剣筋の方がまだ鋭かったぜ」

 

「ディード!!はっ!?」

 

「果てな」

 

ボムをオットーに投げそれは周りのガジェットをも巻き込む。

 

「3倍ボムVer.X」

 

まるで嵐が過ぎ去ったかのような爆風だ。

だが嵐はまだ終わってはいない。

 

シュン!

 

ドン!

 

「ぐはぁぁ!!」

 

突如獄寺が何者かに殴り飛ばされる。

 

「獄寺!!」

 

「やぁ~」

 

「くっ、バカ兄貴...」

 

神楽が悔しそうに歯ぎしりをして呼んだ。

 

「アイツらが居ないから、本当は出しゃばる気は無かったんだけど、なかなかレアなモンが居たからね。それにしも不甲斐ないなぁ~そこの双子は‥‥」

 

獄寺に負けたディードとオットーを憐れむ様な目で見る神威。

 

「‥‥」

 

「くっ‥‥」

 

負けた事は事実なので、反論できないディードとオットー。

 

神楽が噛み付こうと神威に向かおうとするがトレディがそれを許さない。

 

「どこを見ているの?貴女の相手は彼じゃない、私なんでしょう?」

 

「ちっ」

 

神威に殴り掛かりたかったが神楽の前にはトレディも居る。

 

「なら、お前をさっさとぶっ飛ばして、あのバカ兄貴もぶっ飛ばすネ!!」

 

神楽は神威から再びトレディに視線を向けた。

 

「ほら、立ち上がれよ、まだ踊れるんだろ?君のお友達はそんなんじゃなかったよ」

 

神威は獄寺に対して挑発を含んだ様に言う。

 

「痛えぇな、くそ」

 

右手の感覚が少しおかしい肩が外れたようだ。

 

「ちっ‥‥フン!!」

 

ゴキっ!

 

獄寺は外れた肩を強引に戻す。

 

「くそったれが!」

 

今までの情報を推測しても片手で戦える相手じゃない、味方を援護するのも、味方からの援護ももう無理だろう。かと言ってすぐに倒せる相手でもないのにガジェットは増えオットー達もすぐに立ち上がるだろう。

 

「!?」

 

(こいつ、速さが10代目ぐらいありやがる。)

 

夜兎という戦闘部族は戦えば戦うほど強くなる。神威はツナと言う今まで体感したことのない速度を2度味わい、反射速度そして自身の速度が急激に上がっていた。

しかも今は日が落ちているので、神威は傘も強化液も必要としていない。

向こうにすればコンディションは最高で、此方にしてみれば最悪な状況だ。

 

「くそ!」

 

捉えようとボムを投げるが、

 

「はは、遅い遅い」

 

余裕でボムを躱す神威だが、

 

「かかったな!!」

 

「っ!?...こいつは!?」

 

獄寺はシールド2枚で神威をサンドウィッチに挟む。どうやらボムで誘導していたらしい。

 

「でもこれで捕まえてどうするの?」

 

神威はシールドを壊そうと攻撃を入れ始めた。

だがその衝撃は凄まじいモノだった。

 

(何つぅパンチだよ。見た目よりずっと重い...けどな‥‥)

 

ぶち壊そうと本気の拳で攻撃し続ける神威

 

「瓜!!」

 

「ニャァ」

 

獄寺の相棒瓜がシールドの隙間に入り込んで、

 

「瓜ボム!!」

 

獄寺の相棒の瓜は自らの尻尾を導火線として爆発する獄寺の新しいボム。

それと同時にシールド離して、

 

「ロケットボムVer.X」

 

流れる用に次の攻撃に入りそして、

 

「2倍ボムVer.X」

 

また次とやまない嵐は休まず攻撃に入る。

何度も何度も神威が地上についた時までボムを投げ続けた。

 

「どうだ!?化け物兎!!」

 

だがその爆風は、

 

「ありがとう。」

 

トレディに吸収されていた。

 

「な!?くそっ!!」

 

トレディは熱源を全て吸収し終わると、ISを発動させてそのまま神楽を殴り飛ばす。

 

「ぐはっ!?」

 

神楽は吹き飛びそのまま意識を失った。

 

「おい、誰が手を貸せと言った?」

 

不機嫌そうに呟く神威にトレディは表情を崩さずに言い放つ。

 

「戦場では利用するモノは何でも利用するモノなんじゃないの?ソレが例え、味方であっても‥それにあの連続した爆発じゃあ、例え夜兎の貴方でも危なかったんじゃない?」

 

「ふん、余計なことを‥‥」

 

「貴方には一応、恩がある‥‥」

 

「恩‥だと?」

 

トレディの恩と言う言葉に神威は反応する。

神威は確かにトレディとホテルにて初めて邂逅したが、それ以降出会っておらず、そこまで親しい間柄でもない。

にも関わらず、自分に恩があるとはどういう事だろうか?

 

「ドクターから聞いた‥‥私のDNAは貴方のDNAデータを基にしていると‥‥つまり貴方がいなければ、私はこの世に生まれなかった‥‥」

 

トレディは以前、ホテルで神威とあった時、彼にはナンバーズ以上に強い絆の様な何かを感じた。

DNAレベルでは神威とトレディはほぼ同一人物‥‥しかも夜兎という事で、共鳴の様なものを感じたのだろう。

そこで気になったトレディはスカリエッティに尋ねたところ、自分の誕生秘話を話してくれた。

 

「貴方はもう1人の私でもあるし、私は貴方の兄妹でもあり、貴方の娘でもある‥‥」

 

「へぇ~‥‥じゃあ、俺がもし、女で生まれていたら、お前の様な容姿になっていた訳か‥‥だが、もう1人の俺でもこれ以上の邪魔をするな。お前も夜兎の血を引いているならこの意味が分かる筈だ。いいな?」

 

「わかった」

 

トレディの返答を聞き、神威は獄寺の所に向かい、トレディは神威の姿をジッと見ていた。神威も

 

(どうりでな)

 

 

~sideヴァイス~

 

「オーケーまだ腕は落ちてねぇ」

 

獄寺と分かれ、隊舎に残り、バックヤードである非戦闘員の避難の為の時間を稼いでいたヴァイスは隊舎にせまるガジェットを狙撃しては破壊していた。

だが、彼は知らなかった。

既にこの六課攻防戦は味方の圧倒的不利であると‥‥

 

ドン!

 

更にもう1発とガジェットを破壊していく。

チラっと後ろを見て、逃げ遅れている人がいないことを確認する。

 

「頼むぜ、ストーレレイダー」

 

だが急にストームレイダーが大きな魔力を確認すると

 

「っ!!?な、何だ?あのドでかい弾は!?」

 

ヴァイスは間一髪それを躱す。

 

と同時に

 

パリーン

 

「やるじゃないか」

 

そこに立っていたのは以前ヘリを狙撃したナンバーズのディエチだ。

 

「あんな派手な弾出していたら、こっちに自分の居場所を教えているようなもんだぜ」

 

ヴァイスは躱す前にディエチにスコープを破壊した。

 

「でも、おしい‥此処ではスコープは寧ろ邪魔だったからね、逆に礼を言っとくよ」

 

ディエチは皮肉なのか負け惜しみなのかスコープ1つぐらい壊れてもなんの支障もないと言う。

 

「あんまり強がんなよ、お嬢ちゃん。次はそのライフルをぶっ壊してやるぜ」

 

また構えるヴァイス。

しかし、

 

「ディエチ」

 

「ルーテシアお嬢様‥‥」

 

間に入る様に紫の髪の少女の存在が突如、ヴァイスの冷静だった理性を狂わせた。

 

「は...」

 

その少女を見たヴァイスに何故か焦りが見えてくる。引き金に置いている指が震え額から一滴のしずくも流れ落ちてまるでまるで悪夢を見ているかのような表情を浮かべている。

その理由はヴァイスの過去にあった。

彼は以前、シグナムと共に本局武装隊のスナイパーとしてエリート街道を走っていた。

しかし、ある日に起きた立てこもり事件がヴァイスの人生を狂わせた。

人質に取られたのはヴァイスの妹のラグナだった。

彼はこの時、ラグナの兄ではなく、一局員としてこの事件の鎮圧へと乗り出した。

しかし、妹が人質にとられていることに気が動転してしまったのか、狙いを僅かに外してしまった。

外れた魔法弾は妹の右目に命中し、彼女は右目を失明してしまった。

事件はその後、片付いたが、狙いを外し、人質‥自分の妹を撃ってしまったヴァイスは、本局武装隊を去り、『陸』のヘリパイロットに転属した。

そして、今ヴァイスの目の前に居る紫の髪の少女は自分が失明させてしまった当時の妹と同じぐらいの年頃だった。

同じ年頃の少女をスコープ越しで見たせいで、かつての大失態が脳裏を過ったのだ。

そんなヴァイスの事情など知る由もなく、少女は気にせず

 

「ガリュー‥片付けて‥‥」

 

自分の召喚獣に命を下す。

ガリューもそれに従いヴァイスを蹴り飛ばす。

 

「ぐわぁ!」

 

反撃する隙を自らの過去の失態で逃したヴァイスは壁を突き抜け意識を失った。

 

「ルーテシアお嬢様、手助け感謝します。」

 

「大丈夫、それよりあの子の保護を」

 

「は、はい」

 

ディエチは何か目的があるのか...それとも‥‥

 

 

~side ヴィヴィオ~

 

六課の隊舎が敵襲を受け、大混乱となっている中、ヴィヴィオは定春と寮母のアイナと共に避難をしていたのだが、混乱のさなか、アイナとはぐれてしまった。

そして、定春の背中に乗り、戦場と化した六課の敷地内を逃げ回っていたが、子供のヴィヴィオでは、どこに避難すればいいのかわからない。

 

「パパ‥‥ママ‥‥怖い‥‥早く来て‥‥」

 

定春の背中に乗りながら涙を流すヴィヴィオ。

そんなヴィヴィオにガジェットが襲い掛かる。

定春はガジェットを踏み潰し、噛み砕くがいかんせん数が多い。

やがて、定春は何かを悟り、背中のヴィヴィオを下す。

 

「定春‥‥?」

 

不安そうに定春を見るヴィヴィオ。

定春はまるでヴィヴィオを守る聖獣のようにヴィヴィオの前に立ちふさがる。

そして、チラッとヴィヴィオを見る。

それはまるで、「ここは自分にまかせて逃げろ」と言っているかのように‥‥

襲い掛かってくるガジェットに定春は獅子奮迅の働きを見せた。

ヴィヴィオは当初、呆然としていたが、定春が戦っている間に逃げることが出来た。

 

「定春‥‥ゴメン‥‥ゴメンね‥‥」

 

しかし、六課の敷地内を逃げ回っている中、ヴィヴィオがあったのは局員ではなく、青を基調としたボディースーツを纏った少女、ディエチであった。

まだ子供のヴィヴィオが戦闘機人から逃れられるわけもなく、ヴィヴィオはあっさりとディエチに捕まってしまった。

 

 

神威と獄寺の戦いを観戦しているトレディの下に、

 

「トレディ姉様」

 

「何?オットー」

 

オットーが声をかけた。

 

「ディエチ姉様から連絡が‥‥ルーテシアお嬢様のおかげで、聖王の器を確保したと‥‥」

 

「そう、なら後は‥‥」

 

トレディは六課の隊舎に向かって先程獄寺から吸収した炎を放つ。

そしてオットーもまた魔法弾をまた降り注がせる。

 

「終わってたまるかぁぁぁぁ!!」

 

トレディとオットーの攻撃をシールドで守り自分にはシールドを張らずに神威と向き合う獄寺。

 

「ケンカっぅのはどちらかがまいったっていうまで勝負は決まらねぇ。行くぜ!!」

 

またボムを投げるが神威に当てるのは、

 

「いいや‥ケンカじゃないさ‥‥」

 

グサ

 

獄寺の腹に鋭い突きのようなパンチが入った。

 

「ごハァ」

 

「殺し合いだよ。これは‥‥」

 

更に回し蹴りを入れ、

 

「地球じゃこういうの『窮鼠猫を噛む』って言うんだっけ?」

 

とポケットに入れられたボムを取り出して、

 

「君との戦いもなかなか楽しかったよ。じゃあねぇ~」

 

そのまま笑みを浮かべて獄寺に向かい投げた。

それと同時に今まで守って居た獄寺のシールドも機能を停止して六課に降り注ぐ魔法弾と炎を止めていた最終防壁は崩された。

 

 

 

・・・・続く




ではまた来週

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