【大空】と【白夜叉】のミッドチルダの出会い~改~   作:ただの名のないジャンプファン

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標的50 娘の反抗期に親父はショックを受ける

 

 

~side六課~

 

この日、機動六課の隊舎には、とある所用から108部隊に所属しているギンガ・ナカジマが来ていた。

そしてその用も終わって、自分の所属している隊舎に帰ろうとしたら、なのはに「少し訓練を見ていかない?スバルもいるし」 と誘われ、六課に所属している妹のスバルの顔を見るのも良いかな?と思い、ギンガは六課の訓練場へと来ていた。

 

「あっ!ギン姉!!久しぶり!!」

 

「そうね、スバルも元気にしていた?」

 

「うん!!」

 

訓練場でギンガの姿を見つけたスバルはギンガに近寄り声をかける。

この前の市街戦にて、ギンガはスバル達のすぐ傍まで来ていたのだが、神楽を病院へと運んだため、スバルはギンガと出会っていなかった。

故にこうしてギンガと直接会うのはスバルが六課に入る直前以来だった。

 

「相変わらず仲がいいわね」

 

ナカジマ姉妹の行動を見てティアナは一言呟く。

 

「あっ、ギンガさん。お久しぶりです」

 

そこに新八もギンガの名前を聞いてギンガに声をかける。

 

「新八君も久しぶり、もう怪我は大丈夫?」

 

あの時、神楽同様、新八もトレディとの戦闘で怪我を負っており、ギンガは新八にあの時の怪我は大丈夫なのかと尋ねる。

 

「はい、もう大丈夫です」

 

新八はもう怪我の具合は大丈夫だとギンガに答える。

 

「ん?ギンガ?何処かで聞いた様な名前だな?」

 

「忘れたの?ホラ、この前、ヴィヴィオの時に話したスバルの姉さんよ」

 

ティアナが考え込んでいる獄寺にギンガの事を説明する。

 

「あっ、そう言えばそうだったな」

 

ティアナに促されてギンガの事を思い出す獄寺。

だが、実際にギンガの名前は出たが、ギンガ本人と面識がなかった獄寺はすっかり忘れていた。

 

「あっ、ギンガの姉御」

 

そこへ神楽がやって来てギンガに気づくと、神楽はギンガに声をかける。

 

「姉御、あの時は世話になったアル」

 

神楽はギンガに一礼し、あの時、病院へ運んでくれた礼を言う。

 

(なんで姉御?)

 

ギンガを含め神楽が何故、ギンガを姉御と呼ぶのか不思議がった。

 

「神楽ちゃんも久しぶり、もう怪我の具合は大丈夫?結構酷い怪我だったけど?」

 

「大丈夫ネ。頑丈なのが私の取り柄アルヨ」

 

神楽は新八同様、あの時の怪我はもう治ったとギンガに伝えた。

 

やがて、訓練時間となり、訓練が始まる。

 

「さてギンガ、スバルの腕前がどこまで成長したのか見て見ない?」

 

なのははギンガにスバルと模擬戦をしていないかと言う。

 

「え?」

 

「いいんですか!?なのはさん!?やろうよ!!ギン姉!!」

 

なのはの提案にギンガよりも先に食いつくスバル。

スバルはこの六課に来て自分の腕が上がったことをギンガに見せたかったし、ギンガ自身も今のスバルがどれくらい強くなったのかも気になったので、

 

「じゃあ、お願いします。」

 

と、ギンガもスバルとの模擬戦を受け、ギンガとスバルは共にバリアジャケットを纏い、デバイスを起動させ、互いに向き合う。

ギンガ、スバル共に準備が整い、ナカジマ姉妹の模擬戦が始まろうとしていた。

 

 

~side機動六課訓練場~

 

「ん?どうした?何の騒ぎだ?これは?」

 

ナカジマ姉妹の模擬戦が始まろうとした時、訓練場にヴィヴィオを連れた銀時がやって来る。

 

「あっ、銀さん。今からスバルさんとスバルさんのお姉さんが模擬戦をするらしいですよ。」

 

ツナがこれから訓練場で行われるナカジマ姉妹の模擬戦の事を伝える。

 

「へぇ~あいつに姉ちゃんなんていたのか。」

 

スバルに姉が居たことをこの場で初めて知った銀時は他の見学者同様、訓練場に視線を向けた。

 

そして、

 

「こうして模擬戦をするの、久しぶりだね、ギン姉。」

 

スバルは手を組んだ後、構え、

 

「そうね‥でも、手は抜かないわよ。スバル」

 

ギンガもスバルと同じ構えをとる。

 

「抜かせないよ!」

 

スバルはローラーで一気に加速して、ギンガへと接近し、

拳をギンガ向けて、

 

「はぁ!」

 

放つ。

しかし、

 

パシッ!!

 

スバルの拳をギンガはそれを腕で受け止める。

 

(拳が重いし速くなっている‥‥スバル、貴女は確実に強くなっているわ。)

 

スバルの拳を受け止めて、妹が確実に成長している事を実感する。

嬉しそうな顔をして2人は距離をとって、

 

「「ウィングロード!!」」

 

2人は空に道を作りその道をローラーで駆け抜けながら、

 

「「はぁぁ!」」

 

加速したスピードが乗った拳をぶつけあった。

六課の空には藍色と青色のウィングロードがまるで航空ショーの飛行機雲の様に広がった。

 

 

~side観客~

 

「ほぉ~スバルにしてはなかなかいい勝負してんじゃねぇか。」

 

「スバルもスバルの姉ちゃんもいきいきしているじゃねぇか」

 

「こういう勝負は見ていて気持ちいな。」

 

「ほんとうに」

 

獄寺、銀時、山本、なのはがナカジマ姉妹の感想を述べた。

 

 

~side模擬戦~

 

こちらも今は拮抗していた。

スバルが拳から蹴りに移行してもそれにきっちり反応するギンガ。

 

「やっぱギン姉は強いね。」

 

「スバルもだいぶ腕が上がっているわよ!でも、そう簡単に私を越えさせないわ!!」

 

今度は完全な近接戦闘に変わって拳をぶつけあった。

 

 

~side???~

 

「‥‥」

 

六課の訓練場にて行われているナカジマ姉妹の模擬戦。

この時、模擬戦の様子を観戦していたのは六課の関係者だけでなく、別の所からじっくりとナカジマ姉妹の模擬戦を観察している者がいた。

しかも、模擬戦をしているナカジマ姉妹、そしてそれを見学している六課の関係者に気づかれる事無く‥‥

 

「‥‥あの動き‥‥あの魔力‥‥そして、あの力‥‥あの者ならば、アレを使いこなせるかもしれないな‥‥」

 

低い声で口元をニヤリと不気味なうす笑いを浮かべてナカジマ姉妹の模擬戦を観戦しながら、

 

「おい、スカリエッティ‥見つけたぞ‥アレを使いこなせる人物を‥‥ああ、ちゃんとデータは取っている。戻ったら、お前に見せる‥‥」

 

その人物は管理局から広域指名手配されているあのジェイル・スカリエッティに連絡を入れた。

 

 

~side模擬戦終了~

 

模擬戦が終わり結果はギンガの勝ちだった。

スバルが強烈な一撃をギンガに叩き込むより前に、ギンガの拳がスバルの顔面に寸止めされて、スバルが降参した。

そして、勝敗がついた頃、ナカジマ姉妹の模擬戦を誰にも気取られず観戦していたあの人物は人知れず消えていた。

 

「やっぱり、ギン姉にはまだ勝てないなぁ~」

スバルは負けたけど、それを悔しそうには言わず、むしろ笑みを浮かべながら言う。

勝敗よりも久しぶりに姉と模擬戦を出来て嬉しい様だ。

 

「でも、だいぶ腕が上がっていたわよ、スバル。私もうかうかしてられないわね」

 

「ホント!?」

 

「ええ」

 

ギンガに褒められて嬉しそうなスバル。

 

「2人とも、お疲れ様です。」

 

ツナがタオルと飲み物をギンガとスバルに渡した。

 

「ありがとう!ツナ」

 

「ありがとう。」

 

「あのギンガさん‥‥」

 

「何かしら?」

 

「雲雀さんはどうしていますか?元気ですか?」

 

ツナはギンガと同じ108部隊にいる雲雀の事を聞いた。

 

「雲雀君ね、今はものすごい実績を残しているわよ。犯罪者には容赦ないし‥‥」

 

ギンガは雲雀にボコられた犯罪者に同情する様な顔をする。

 

「はは‥‥」

 

ギンガ同様、雲雀にボコられた犯人が不憫に思えたツナ

 

「そして、訓練の相手もしてくれているし。」

 

「あの雲雀さんが!?」

 

これには近くにいた獄寺と山本も驚いて

 

「彼の性格からも彼はただ戦っているだけだけど」

 

納得した。

 

「ウチの部隊にも彼の戦いに憧れている人が増えてね、あの子には何か妙なカリスマ性?みたいなのがあるのかもね。」

 

「へぇ~あいつにもそんなのがあったのか‥‥」

 

「けっ、気に食わねぇ。」

 

ギンガとツナ達が話し合っている所をじっと見ている銀時。

特に彼の視線はギンガを捉えていた。

 

「どうしたの?銀さん。さっきからギンガの事をジッと見ているみたいだけど?」

 

なのはが気になって銀時に声をかける。

 

「ん~あの声、何処かで‥‥」

 

銀時は顎に手を当て、考え込む仕草をとる。

 

「えっ?声?」

 

銀時の呟きに首を傾げるなのは。

彼はギンガの声を聞き、『う~ん』と唸りながら考え込んでいたが、直接確かめようとギンガに声をかけた。

 

「あの、すみません。スバルのお姉さん」

 

「はい、何でしょうか?」

 

「えっと‥‥もしかして、お姉さん、子供とかっていません?」

 

「えっ‥‥え―――!!な、何いっているんですか!?突然//////」

 

突然、銀時から『子供がいませんか?』と言われて驚くギンガ。

 

「いや、ほら、あれだ‥俺みたいな、銀髪の天然パーマで俺とそっくりな赤ん坊が‥‥」

 

銀時は自分を指さしてギンガに子供がいないかを尋ねる。

この言葉の意味を完全に勘違いした皆は、

 

「銀さん、まさかギン姉と‥‥」

 

と、涙目+汚物を見るような目で銀時を見るスバル。

彼女はギンガの手を持ってまるで姉を庇うかのように銀時から距離を取っている。

 

「銀さんにはヴィヴィオだけかと思っていたのに他にも子供が居たんですか!?」

 

ツナが驚いたように銀時に尋ねる。

 

「ちゃんと認知しないと子供がかわいそうじゃない!!」

 

フェイトは銀時に声を上げる。

 

「腐っていやがる」

 

「腐っていますね」

 

獄寺とティアナはもう完全に汚物を見るような目で銀時を見る。

心なしかエリオとキャロも銀時から距離を取っている。

 

「銀さん‥‥僕の事を散々ロリコン呼ばわりしていたのに、自分はもっと最低な事をしているじゃないですか‥‥」

 

新八は軽蔑する視線を銀時に送り、

 

「最低アルな銀ちゃん、子供(ヴィヴィオ)が居るのに外で女と別の子供を作るなんて、もうこれ以上子供が出来ない様にそのチ○ポ、むしり取って殺るヨぉ~」

 

神楽は怒気を露わにして手をポキポキと鳴らす。

 

「はっ!?いや、違う、違う、俺が言いたいのは‥‥って、言うか神楽と新八は会った事あるだろう!?ほら、アイツだよ!!アイツ!!」

 

銀時がギンガに尋ねた意味を神楽と新八に説明していると、

 

「言い訳は聞かないよ、銀さん‥‥」

 

目のハイライトが消えたなのはが銀時に迫る。

しかもほんのさっきまで、管理局の制服姿だった筈なのにいつの間にかバリアジャケットを展開し、手にはレイジングハートを握っていた。

 

「あれ?なのはさん、何?その目?目つきがヤバいんですけど!!光が消えているんですけど!!般若みたいな顔になっているんですけど!!」

 

「それは自分の胸に‥‥.」

 

そしてレイジングハートが起動して、まるで般若みたいな顔になり、

 

「聞け――――!!」

 

「ぎゃ――――」

 

そしてなのはの魔法弾にフルボッコされて、

 

「しばらく、ヴィヴィオに話しかけないで!!ついでにヴィヴィオにも近づかないで!!」

 

銀時に死刑判決に等しい強烈な一言を浴びせる。

 

「ぐわぁ!」

 

止めを刺された銀さんの心臓あたりに日本刀が刺さった様に見えた。

 

「ついでに私らにも近づくなよ、万年発情天パーが!!」

 

神楽が六課女性陣代表のように銀時に言い放つ。

 

「パパ‥‥」

 

「ヴィ、ヴィヴィオちゃん!!ヴィヴィオちゃんはパパの事を分かってくれるよねっ?ねっ?」

 

銀時はヴィヴィオに縋るような目をする。

ヴィヴィオも皆の言っている言葉の意味はよく分からなかったが、皆の態度から銀時が何か悪い事をしたのだと思い、

 

「パパ‥不潔」

 

幼児らしからぬ台詞が銀時に吐かれた。

 

「ちょっ!!ヴィヴィオちゃん!!パパはまだ童貞だから!!初心な少年の体だからね!!って言うか、どこでそんな台詞覚えたの!?」

 

ヴィヴィオに手を伸ばし自らの無実を叫ぶ銀時であったが、ヴィヴィオはなのはに抱っこされて物理的に銀時から離れて行った。

 

「賑やかねぇ~」

 

「飽きないですよ。」

 

「本当に」

 

そしてこの後、ギンガを含めたFWメンバーとツナ達が模擬戦をしたのは別の話。

全ての模擬戦が終わったのはもう昼時に近かったので、ギンガは六課の食堂で昼食を食べる事にした。

食堂のテーブルには一人で食べきるには難しい量の山盛りパスタが3つ乗っかっていた。

 

「いや~スバルのお姉さんって聞いたから‥‥」

 

「まさかと思いましたけど‥‥」

 

「やっぱ姉妹か‥‥」

 

万事屋メンバーの中でも結構食べる方の神楽でも六課に来た当初はスバルとエリオの食事量を見て、驚いていたが、まさかもう1人、スバルと同じ量の食事量を摂る人物がこんなにも身近にいるとは予想外だった。

ツナ達はスバルやエリオとほぼ同じ量の山盛りパスタを食べているギンガにちょっと引いた。

 

そして色々ありながらもお使いを終えたギンガが六課の隊舎を出た時、

 

「よぉ、お使いにしては随分と長かったな」

 

タバコを吸う1人の人物がおり、その人は隊舎を出たギンガに声をかけた。

 

「と、トシさん!どうしたんですか?」

 

「ゲンヤのおやっさんに頼まれたんだよ。お前の帰りが遅いから向かいに行ってくれってな。帰ったら、おやっさんの説教ぐらいは覚悟しておけ」

 

「そうでしたか、すいません。ご迷惑おかけして‥‥」

 

ギンガは遅くなる連絡をゲンヤに入れるのを忘れて居た事を思いだし、わざわざ自分を迎えに来てくれた土方に頭を下げ謝る。

 

「別に構わねぇよ‥ほら、帰るぞ。」

 

「はい」

 

ギンガは土方の隣に立ち108部隊の隊舎へと帰っていった。

 

(子供か‥‥)

 

土方と一緒に帰る中、ギンガは先ほど銀時に振られた会話を思い出す。

 

(今度の検診の時、マリーさんに聞いてみようかな‥‥戦闘機人の私でも子供を産むことは出来るのかな?もし、出来たら‥‥)

 

ギンガはそう思いながら土方の方をチラッと見る。

 

「ん?どうした?」

 

「いえ、なんでもありません」

 

ギンガは子供を産める産めないは、兎も角として、今は土方とこうして寄り添えることを優先した。

 

ちなみに銀時がヴィヴィオに誤解を解くに3日の時間を有したのも別の話だった。

 

 

 

 

・・・・続く

 




ではまた次回。

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